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2020.05.17

『カメラを止めるな!』(2017年)

このゾンビ内幕映画の感想はネタバレ全開になっています。
上田慎一郎監督、無名キャスト主演のゾンビ内幕映画のようです。


2017年 PANPOKOPINA/ENBU ゼミナール/アスミック・エース/J:COM COMPANY 日本作品
ランニング・タイム◆95分
原題◆かめらをとめるな
プロット◆ゾンビ映画の撮影で悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆永井カイル

キャスト
濱津隆之→映画監督の日暮隆之
しゅはまはるみ→夫人で元女優の日暮晴美
真魚→娘で映画監督志望の日暮真央

秋山ゆずき→被害者役の女優 松本逢花
長屋和彰→ゾンビ役の男優 神谷和明
細井学→撮影担当役の細田学 アル中 ゾンビも担当
市原洋→助監督役の山ノ内洋 メガネ
山崎俊太郎→録音担当役の山越俊助

大沢真一郎→現場プロデューサーの古沢真一郎
竹原芳子→TVプロデューサーの笹原芳子
吉田美紀→ADの吉野美紀
合田純奈→ADの栗原綾奈
浅森咲希奈→撮影助手の松浦早希
山口友和→撮影の谷口智和 腰痛持ち
藤村拓矢→音響効果の藤丸拓哉
生見司織→特殊造形・特殊メイクの温水栞

イワゴウサトシ→監督役黒岡大吾
高橋恭子→メイク担当の相田舞

上田慎一郎監督の演出はよいと思います。
全体的によく出来てます。期待外れの『翔んで埼玉』(2019年)より全然いい。
脚本は書き込まれています。アドリブシーンはちゃんと脚本に書かれているわけです。

プロデューサーの男は誰か似てると思ったらF1解説の今宮純に似ています。先頃に亡くなってる今宮純の伝記映画に出れるくらい似ている。
アル中役の人は竹中直人とビリー・ボブ・ソーントンに似てます。クドい演技まで似てる。

BS193 WOWOWにて。
画質はよいです。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声は AAC 2/0ch

番組一覧
音声は5.1chではありません。低予算だから。

アスミック・エース A J:COM COMPANY
ENBU ゼミナール
PANPOKOPINA

いきなり始まってます。ゾンビ映画です。
これから40分近くワンシーンワンショットになるそうです。
そうなると俳優たちの演技は舞台劇に近くなってくるのか?

セリフはモノラルです。これはビックリ。さすが低予算。
そうなると効果音もモノラルなのか?
音楽はさすがにステレオみたい。そもそもモノラル録音があるわけない。
画質はよい。さすがデジタルビデオカメラです。

ロケ地の廃虚にて。
さっそく激昂した監督が女優をしごいて説教する。

監督の日暮隆之
被害者女優 松本逢花
ゾンビ男優 神谷和明
メイク担当のおばさん 日暮晴美
録音担当 スキンヘッドの山越俊助
撮影担当 アル中の細田学
助監督 メガネの山ノ内洋

激昂した監督がいなくなり一段落してます。
被害者女優、ゾンビ男優、メイク担当のおばさんの3人。

被害者女優はもう42テイクらしい。
世の中にはテイクを重ねていい監督は2人います。溝口健二とスタンリー・キューブリックです。

ここは廃虚です。貯水所で人体実験もやっていたとか。
メイクおばさんの護身術ネタになってます。
録音担当が外に行きたがる。行ってしまった。

外にはメガネ助監督がいます。タバコを吸ってる。
そんなとこにオッサンゾンビが来ます。やられるメガネ助監督。
どうやら本物のゾンビのようです。

日本映画の特徴で相変わらずセリフは聞き取りづらい。あとでスタジオでセリフを録音し直すのはやってないみたい。

中の3人ですが千切れた腕が飛んで来てビックリ。
その千切れた腕を見てこれはリアルだねと感心してます。
続いて腕が取れたメガネ助監督が入って来てビックリ。
このへんはまだドッキリだと思ってる3人。しかし被害者女優がマジで襲われる。
録音の男は座ってぼう然としてます。ここだけ何だかおかしい。

長回しなので芝居は舞台調になってます。要するにくどい演技だ。

メガネ助監督がゾンビになって動き始めます。これはビックリ。
そんなわけで逃げる3人。千切れた腕を投げてメガネ助監督を外に追い出す。

そんなとこに監督が来ます。
自分でカメラを持って撮影してます。さすがデジタルビデオカメラだ。
そんな監督にこんな時に何をしてるんだと大騒ぎになってます。
監督はこれが本物だとご満悦。

録音の男が外に行こうとして監督が止めてます。
それでも録音の男は行ってしまった。やられたようです。
監督も外に行ってしまった。撮影するとやる気満々。

また3人が中に残ってます。
ゾンビ男優ですが携帯電話は圏外です。これは定番な描写。
血の呪文を唱えるとそれが蘇らせる。メイクおばさんがそんな話しをする。
メイクおばさんせ早く逃げようと主張する。クルマで逃げるつもり。

何だか外では騒ぎが起こってます。

気合いを入れて外に出る3人。
と思ったらドアを開けたら監督と録音担当が入ってくる。
録音担当はゾンビになってます。監督は撮影してる。
そんな感じで大騒ぎになってます。

ゾンビ男優が監督を殴り倒して3人で外に逃げる。
思い切り走ってクルマまで逃げる。

クルマにて。
普通のワンボックスカーです。トヨタ・ハイエースなのかと思ったら違います。
ニッサン・キャラバンでした。珍しい。NV350なのか?
それはともかくクルマの中は安全です。低予算なのでレンタルした大事なクルマの窓ガラスを割るわけがないからです。

しかしスライドドアを開けたらいけません。メガネゾンビが襲ってきます。
監督は相変わらず元気一杯。演出と撮影に専念してます。
そんなわけで被害者女優はメガネゾンビに追われる。

地下室の出入り口に入る被害者女優。
地下通路を走る被害者女優ですが反対側の出入り口にもオッサンゾンビがいます。
オッサンゾンビですがノリノリでやってます。
延々と逃げ回る被害者女優。そんなとこにゾンビ男優が助けに来る。

逃げる被害者女優とゾンビ男優。追うメガネゾンビ。
何とか建物内に入ってます。メイクおばさんもいた。
結局クルマで逃げる段取りはダメだった。

被害者女優は足にケガをしてます。ゾンビに噛まれたとしたら大変。
何となくないことにしたがる被害者女優。
これに気がつくメイクおばさん。斧で被害者女優を片づけようとする。

当然に逃げる被害者女優。
外に逃げればオッサンゾンビが襲ってきます。これは大変。
メイクおばさんは強い。次々とゾンビをライダーキックで片づける。それから被害者女優を追ってます。
メイクおばさんですがついでに監督もライダーキックで片づけてます。

屋上に逃げる被害者女優。ゾンビ男優が止める。
こんな感じが延々と続く。
そんなこんなでゾンビ男優がメイクおばさんを斧で片づける。
被害者女優はゾンビ男優からも逃げる。

物置に隠れる被害者女優。
肝心の足のキズは特殊メイクでした。とれた。とりあえず一安心。
何やらゾンビみたいなのが来ます。足しか映らない。で、すぐにいなくなる。

物置から出て逃げる被害者女優。
『こんなとこに斧が』とわざとらしく説明セリフを言って斧をゲットしてます。

屋上にて。
ゾンビ男優ですがマジでゾンビになってるみたい。
そんなわけでマジで怖がってる被害者女優。
その演技だと褒める監督。どうやらこのテイクでOKが出たようです。
それはいいけど何で監督は大丈夫なんだ?

監督は脚本通りにやれと被害者女優に無理を言う。
ブチ切れた被害者女優は監督を斧で片づける。血が飛び散り返り血を浴びてます。

生き残ったのは被害者女優だけでした。
カメラが俯瞰になってます。被害者女優は五芒星の上に立っています。

Onecut of the Dead

秋山ゆずき 被害者役の女優 松本逢花
長屋和彰 ゾンビ役の男優 神谷和明
濱津隆之 映画監督の日暮隆之
しゅはまはるみ 夫人で元女優の日暮晴美
市原洋 助監督役の山ノ内洋 メガネ
細井学 撮影担当役の細田学 アル中 ゾンビも担当
山崎俊太郎 録音担当役の山越俊助
スタッフの紹介
俯瞰でエンドになります。
37分経過してワンシーンワンカットは終わります。
カットの声が入り白みになってます。

1ヶ月前 字幕です。
バラエティ番組の再現ドラマで車イスのオッサンを撮ってる監督。

そんなところにTVプロデューサーの男とおばさんが来ます。
ゾンビ専門チャンネルを立ち上げる。スペシャル番組を監督してほしい。
生中継。30分ワンシーンワンカット。これがコンセプト。
それは無理でしょうといった感じの監督。

Onecut of the Dead
『カメラを止めるな!』
キャストの紹介
ここは何故かローマ字表記でキャストと静止画が出てわかりやすくなってます。
スタッフの紹介
黒味が入ります。

監督の自宅にて。
森岡流女性護身術のビデオを見てる監督夫人。メイクおばさんです。
監督には監督志望の娘がいます。

撮影現場にて。
子役に演技指導する監督の娘。やり過ぎになってます。
そんなわけでもめてます。子役のママに平謝りのプロデューサー。
娘に説教する監督。演出に妥協が付き物だ・・・

監督の自宅にて。
一家3人で監督が撮った再現ドラマを見ています。
チャンネルを変える娘。俳優の神谷和明に夢中です。

顔合わせ会場にて。
オーディションではなくもう決まったキャストが集合してます。

被害者女優役はすぐに事務所のことを出して無理を通します。あとは笑ってごまかす。
俳優の神谷和明はとにかく理屈っぽい。要するにメソッド演技にかぶれてる。
撮影役の細田学はアル中です。
助監督役はメガネの山ノ内洋。
録音担当役が山越俊助。とにかく細かいことにこだわる。
監督役が黒岡大吾。印象が残らない。
メイク役が相田舞。同じく印象が残らない。
監督が日暮隆之。妥協するのが芸風。

そんなわけで本読みになってます。
赤ん坊を連れて来てるので泣いてにぎやかになってます。
ゾンビ男優がゾンビが斧を使うのかとクレームを入れる。妥協する監督。

決定稿が出ています。
ロケ地廃虚の説明になってます。

リハーサルになってます。
撮影をやらせて下さいと直訴する撮影助手のメガネの女。しかし撮影担当の男は自分だけで十分だとやらせる気はない。

監督の自宅にて。
相変わらず護身術ビデオを見ている監督夫人と娘。
監督夫人に女優に復帰してとお願いする娘。監督夫人にはその気はない。
それでも監督が撮る作品の脚本は必ず何回も読んでる監督夫人。

リハーサルにて。
まだゾンビが斧を使うなんてとごねてるゾンビ男優。
被害者女優は私はいいんだけど事務所の意向でそんなことは出来ませんと無理を通す。
録音担当の男はやたらペットボトルにこだわる。持参で自分のネーム付きしか飲まない。間違えて違うペットボトルで飲むと錯乱する。
オッサンはアル中です。子供をダシにしてまた飲んだと嘆く。
それで何事も妥協の連続の監督。まだ大人しくしてます。

監督の自宅にて。
昔の娘の肩車してる写真を見て泣いてる監督。大丈夫なのか。

ロケ地の俯瞰シーンです。
ドローンとデジタルビデオカメラの恩恵でよく撮れてます。素晴らしい。

撮影準備になってます。
撮影用簡易クレーンがあります。これでラストの屋上を俯瞰で撮る段取り。
監督夫人と娘は見学に来てます。タダ飯を食いに来てるのかも、何しろ日本映画関係者達は河原乞食なのでそうなる。

プロデューサーの男と打ち合わせの監督。
それから全員で撮影前のミーティングです。
そんなとこに監督役とメイク担当役が交通事故で来れないと知らせが入る。この2人はデキててまとめて交通事故になったらしい。

プロデューサーは中止には出来ない。何とかしろと無理を言う。
そんなわけで監督が監督役をやると言い出す。マジでそうなります。
監督の娘がメイク担当役に監督夫人を強く推薦する。監督夫人は脚本を読んでいる。
そんなこんなでプロデューサーもOKを出す。
ゾンビ役男優が中止にしろとゴネますが無視される。何事もとりあえずゴネるようです。そういうのはとりあえずゴネてカネをせしめるゴロツキと言う。

録音担当役の男はトイレのことをやたら気にしてる。
オッサンは酒が切れて手が震えてる。
被害者女優の方はまだ余裕があります。監督が監督役なのでゴネ得がやりやすいし。

いよいよワンシーンワンショットのライブドラマが始まります。
もうカメラは止まりませんと宣言する監督役の監督。

撮影がスタートします。
いきなり性格が一変する監督。激昂して被害者女優の演技にダメ出しをする。
モニターを見ているプロデューサーは監督の演技に感心してる。
監督の方は演技ではなくこれまでに妥協した鬱憤が爆発してるようです。

オッサンゾンビですが今頃になってメイクしています。
しかし隠したはずの一升瓶がもう空になってます。アル中なのでこれは大変。
外に出て出番待ちで待機してるがもうヨレヨレで酔いつぶれてます。
ドラマでは外に出てた監督がオッサンゾンビを何とかしようとする。

中の3人にはスタッフからお知らせでトラブルです何とかつないでくれと丸投げされる。
そんなわけで趣味って何ですかと聞くゾンビ役男優。
メイクおばさんがいつも見てる護身術ビデオの話しを始める。
何だかわからんけど話しを合わせてる被害者女優とゾンビ役男優。

外のオッサンゾンビはヘベレケで動けず演技どころでない。
そんなわけで監督が二人羽織状態になってオッサンゾンビに演技させてます。

録音担当の男はあたり構わず勝手に行動してます。ドラマとは無関係になってます。
そんなわけで勝手に外に出ていく録音担当の男。
しょうがないので他の面々はアドリブで合わせてます。

モニター室にいた娘が録音担当の男が抜きでも何とかなると意外と有能なとこを見せる。
速攻で設定とセリフを書き出す。しかしこの娘の演技がくどい。

そんなわけで中の俳優達にスタッフからのお知らせが出ます。
録音担当の男をゾンビにして戻す。
あとはアドリブで合わせるわけです。八百長相撲で有名な『最初に当ってあとは流れでお願いします』と同じだ。

録音担当の男は下痢で野ぐそしてます。
時間がないのでその状態でゾンビ特殊メイクをしてます。色々と大変だ。

そんな感じで録音担当の男ゾンビの首を切断までやってます。
いくら何でも身代わりの人形まで用意出来るのか?まあいいけど。

クルマのシーンになります。
このへんでカメラが草むらで固定のアングルになってます。これは撮影担当の男の腰痛が悪化してついに動けなくなったからです。
そんなわけでやる気満々の撮影助手の女があとを引き継いでます。

またゴネてるゾンビ男の男優にメイクおばさんが気合いを入れてます。
ごのへんになると俳優もスタッフも何が何だかになってアドリブ大会になってます。
メイクおばさんの監督夫人は張り切り過ぎ。暴走するメイクおばさんを旦那の監督がスリーパーホールドでダウンさせる。

ここで虎の子の撮影用簡易クレーンが屋上から落ちてしまう。
そうなるとラストの決めになる俯瞰シーンが撮れなくなってしまいます。

物置に隠れていた被害者女優の前に来ていたゾンビ。
これは実はスタッフで新しい指示を知らせに来ていたわけです。ついでに謎のゾンビとして映り込んだみたい。
指示は『外に出て斧を拾って』でした。それで『ここに斧があった』と棒読み説明セリフになっていたようです。なるほど。

監督とプロデューサー。
肝心の撮影クレーンが失ってどうする?となる。
最後の俯瞰シーンは絶対に必要だと主張する監督。
とにかく話しは何でもいいから番組としてまとめろと指示するプロデューサー。
それでどうなる。

また娘が俯瞰シーンを撮るアイデアを出してます。
相変わらず演技はくどいけど。

そんなわけで組体操の大技 人間ピラミッドを作ろうとします。
手が空いた俳優とスタッフが総動員されてます。プロデューサーもいる。

ごのへんになると演技が妙に間延びしてます。
さすがにアドリブだけではもたなくなってるようです。

そんなこんなで無事に俯瞰シーンが撮れています。
しかしこれは脚立1つがあれば俯瞰シーンは撮れたのでは?と思える。脚立は撮影の必需品でしょう。まあいいけど。

エンドとなります。
キャスト
スタッフ
残り15秒で人間ピラミッドが持つのかとスリルとサスペンスも入ります。

無事に終わって別の場所でモニターを見てるおばさんプロデューサーもよかったよかったとご満悦です。
このおばさんは独特の面白いファニーフェイスです。

撮影現場もよかったよかっとなってます。
ロケ地の俯瞰シーンが入ります。ドローンとデジタルビデオカメラが素晴らしい。

黒味になってエンドで後タイトルと思ったら付けたしシーンが入ります。
また最初のシーンを別のアングルかち撮ったシーンです。

何となくエンドで後タイトルはスクロールする
キャスト
スタッフ
タイトルバックはメイキングのメイキングのメイキングといった感じ。
クルマですがトヨタ・ハイエースではなくニッサン・キャラパンみたい。


そんなわけで低予算にしては出来がいい作品でした。日本映画にしては珍しい。
日本映画の太鼓持ちな批評。的外れな批評。とにかくこき下ろす批評。そんな感じでお勧めが全く当てにならず実際に見ないと出来がわからん。
それに出来がいいのは多くても100本に1本ぐらいなのでいちいち見ていられない。こまったものです。


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