『二重生活』(1947年)
この作品は、ジョージ・キューカー監督、ロナルド・コールマン、シグニ・ハッソ、シェリー・ウィンタース主演のフィルムノワールルックのシリアスなドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1947年 Kanin Productions (presents)/A Universal-International アメリカ作品
ランニング・タイム◆104分
原題◆A Double Life
プロット◆メソッド演技をやりすぎて色々とある話しのようです。
音楽◆ミクロス・ローザ
キャスト
ロナルド・コールマン→舞台主役のアンソニー・ジョン 通称トニー
シグニ・ハッソ→元夫人で共演のブリタ
シェリー・ウィンタース→ウエイトレスのパット・クロール
エドモンド・オブライエン→広報担当のビル
レイ・コリンズ→演出家のビクター・ドンラン
フィリップ・ローブ→舞台プロデューサーのマックス・ラスカー
ミラード・ミッチェル→新聞記者のアル・クーリー
ジョー・ソーヤー→ボナー警部
ウィット・ビセル→ストーファー監察医
ジョージ・キューカー監督の演出はよいと思います。
全体的に普通のドラマになってます。映像はフィルム・ノワール。
ロナルド・コールマンは何時頃まで映画に出ていたんだろう?
サイレント映画の頃からから主演していたから1947年ではもう晩年か?
ジョージ・キューカー監督は会話シーンでの切り返しはやっていません。
この監督はホントに俳優さんに自由にやらせてます。
俳優に気持ちよく演技をさせるのがジョージ・キューカー監督の芸風です。アルフレッド・ヒッチコック監督とは正反対です。
映画的に映るのが最優先で俳優の演技のやりやすさを考えていないのがアルフレッド・ヒッチコック監督の芸風なんです。
株式会社ブロードウェイ発売のDVDにて。
画質はまあまあ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch
ブロードウェイのタイトル
著作権のアラート
タイトル
A Universal-International
Kanin Productions (presents)
Ronald Colman
in
A Double Life
他のキャスト、スタッフ
音楽はミクロス・ローザ
タイトルバックは舞台の幕です。
ブロードウェイにて。
看板が運ばれてます。アンソニー・ジョン主演『紳士の中の紳士』
その流れでロナルド・コールマン演じるアンソニー・ジョンが登場。トニーと呼ばれてます。
ファンの女性3人ほどに見られているトニー。劇場に入る。
スタッフと挨拶して外に出ます。
外にて。
知り合い3人の男と挨拶してるトニー。
しかしトニーには性格に問題があるらしく評判は悪い。
それから女性2人連れと話しをする。舞台女優さんらしい。やはり評判はイマイチ。
マックス・ラスカーのオフィスにて。
ここに来たトニー。マックスと話しになります。秘書はアナ。
次の企画は?となります。マックスは『オセロ』の話しをする。
キスをしながら妻を絞殺・・・
ビクターというオッサンが来ます。演出家らしい。
プロデューサー、演出家、主演俳優の3人がそろいます。
トニーは自分のことを喋ってます。
ブリタと結婚して変わった。俳優として成功したが離婚した。
トニーは『オセロ』の企画には最初は乗り気ではない。
で、トニーは帰ります。
マックスとビクター。
トニーについての話になります。
ビクターはトニーの役へのアプローチが独特だと言う。要するにメソッド演技が過ぎるらしい。
エンパイア劇場にて。
トニー主演の『紳士の中の紳士』を上演中。好評で観客の反応もいい。
途中からマックスとビクターが来てます。上演が終わり挨拶に行く。
カーテンコールが何回もあります。
ブリタの楽屋にて。
男がいます。これがエドモンド・オブライエン扮するビル。
ブリタとビル。
ビルにトニーとはコメディだから共演出来ると話してるブリタ。
シリアスになると大変なことになるとか。
トニーの楽屋にて。
ブリタが来ます。マックスとビクターもいます。
マックスとビクターがいなくなる。
で、トニーとブリタ。
『オセロ』の話しになります。
ブリタはトニーが休暇中でも舞台のことしか考えていなかった話しをする。
『オセロ』をやったら現在のいい関係はお終いなのよと言う。
トニーは少し散歩をするとブリタと別行動になる。
夜の街にて。
散歩してるトニー。
ショーウィンドウを眺めます。ベネチアのポスターを見てます。
トニーはもうオセロになりきってます。ショーウィンドウに映ったトニーがオセロになってるからです。
イタリア料理店に入るトニー。ベネチア・カフェにて。
シェリー・ウィンタース扮するウエイトレス パット・クロールが登場。
そうなるとまたシェリー・ウィンタースは死ぬ役らしい。
モノクロでもわかりますがブロンドにしてます。
あと45分で仕事が終わるからと住所のメモを渡すパット。
夜の街にて。
1人で歩いてるトニー。どうやらパットのところへ行くらしい。
パットの自宅アパートにて。
ここに入るトニー。
名前を教えてとパット。なかなか言わないトニー。
マーティン?から色々と言ってオセロとまで言ってるトニー。
そんな感じでオセロのセリフが入ってるトニー。
パットがどうしたの?と聞いてます。
それから速攻でキスになってます。話しが早い。
溶暗になったのでセックスまで行ったらしい。
ブリタの自宅アパートにて。
トニーとブリタ。
このへんでロナルド・コールマンはロバート・ダウニーJr.に似てると気がつく。
リハーサルの話しから本当の舞台初日へとつながります。
トニーの役への入れ込み具合とか色々と入る。寝ている時も演技のことを考えてる。
舞台初日にて。
舞台の幕にのぞき穴があります。なるほど。これは必要だな。
当日の観客のノリ具合を見て演技をするわけです。
トニーは舞台が始まって終わり近くまで記憶で飛ぶらしい。
『オセロ』がどうな話しなのかよく知らない。要するに自滅する話しなのか。
で、クライマックスのシーンになってます。
夫人を絞殺するオセロ。召使いがドアを叩く。
バーにて。
若い男が来てオッサン3人を呼ぶ。
これはクライマックスだけ見るためにそうてしるらしい。
劇場にて。
それから捕まってるオセロとなります。
観客の受けは非常によろしい。何度もカーテンコールになってます。
このカーテンコールのシーンがしつこい。
トニーですがまだ役から離れていないようです。
パーティにて。
お年寄りのドリー夫人と話しをするトニー。それからブリタと話しになる。
幻聴がしてるトニー。現実の音が聞こえなくなってます。
そんな感じがおかしくなりつつあるトニー。
少し経って元に戻ってるトニー。現実の音がちゃんと聞こえてます。
ブリタに自宅まで送ってくれと頼んでるトニー。
アンソニー・ジョン主演『オセロ』ロングラン3ヶ月目。
楽屋にて。ブリタに宝石をプレゼットするトニー。
何故か給料3ヶ月分なんて言ってます。日本の劇場では映画前のCMでおなじみなのでバカ受けするかもしれない。
電報で『オセロ』200回公演達成のショットが入る。
舞台にて。
スタッフが騒音を立てたことにぶち切れてるトニー。入れ込み過ぎです。
『オセロ』通算300回記念公演。
だんだんと絞殺するシーンが本気になってるトニー。
ブリタがこれは大変となって思わずトニーと言ってる。
召使い役の女優に早くノックしろとなってます。
楽屋にて。
ブリタに医者が来てます。
トニーがぶち切れると医者から注意されてます。
『オセロ』ロングラン2年目。
公演が長くなればなるほどおかしくなってるトニー。
ブリタの自宅アパートにて。
トニーとブリタ。
ケーキを持ってくるブリタ。しかしトニーが何だかおかしい。
プロデューサーはまで舞台を続ける気だけどもうやめたほうがいいとブリタ。
それからキスシーンになります。もう結婚は無理よと言ってるブリタ。
そうなるとビルのせいだろうとなるトニー。口論になってます。
ブリタはトニーに帰ってくれと言う。頭に来たトニーは帰らない。
部屋に逃げこんでドアをロックするブリタ。
入れないトニーはまた幻聴が聞こえてくる。外に行くトニー。
夜の街にて。
歩いてるトニー。
ベネチア・カフェに来てます。夜中なので当然閉店してる。
パットの自宅アパートにて。
ドアをノックするトニー。入れてもらう。
当然不機嫌なパット。芝居には全く興味がないパットはトニーの正体は知らない。
旅行してたの?と聞かれるとベネチアに行ったと話してるトニー。
何で絵ハガキをくれない?文句のパット。
会話からビルは広報担当が仕事らしい。
灯を消してという話しから舞台との混同が激しくなるトニー。
そんなわけでオセロになりきってパットを絞殺してしまうトニー。やっぱりシェリー・ウィンタースは死んでしまった。
ところで舞台でドアを叩いてる召使いの名はエミリアだとわかる。
トニーは出て行きます。
ブリタの自宅アパートにて。
寝ているブリタは目が覚める。寝室から出て見に行くとトニーはいるらしい。
パットの自宅アパートにて。
大家夫人が来て警察に通報となります。
現場検証にて。
警察や報道陣が押しかけてます。
ボナー警部、ストーファー監察医、アル・クーリー記者等が登場。
ボナー警部の現場記者会見にて。
被害者はパット・クロール、絞殺、盗られた物はない。ベネチア・カフェの店員。
アル・クーリー記者と監察医。
記者の思いつきで『オセロ』にかけた見出しを監察医が言ったとこにする。
『彼女は死の接吻で命を失った』
ブリタの自宅アパートにて。
ソファから起きてるトニー。メイドが朝食を持ってきます。
クラクションがずっと聞こえてます。幻聴なのかと思ったら現実に鳴っていました。
トニーとブリタ。
恐ろしい夢を見たと話すブリタ。
トニーは何も覚えていないらしい。
メイドのおばさんが新聞を持ってきます。見出しは当然『彼女は死の接吻で命を失った』と出てるはず。
ビルのオフィスにて。
アル・クーリー記者がやってきます。新聞の見出しの話しをする。
ストーファー監察医が間抜けな発言をしていた。『彼女は死の接吻で命を失った』
そんな感じで自分が考えたのに監察医のせいにしてるアル・クーリー記者。
この『オセロ』をもじった見出しの件で新聞で宣伝してやるからカネをくれというのがアル・クーリー記者の用件でした。これは立派な職権乱用です。
ビルも承知してる。これもひどいな。
新聞を売ってるシーンが少し入る。
ビルのオフィスにて。
トニーがやってきます。
新聞持参で私が笑いものになってると激怒してるトニー。
マジでビルを殴ってるトニー。頭に来たビルも殴り返す。
今度はビルを首を絞めてるトニー。ようやく正気にかえってやめてる。
ビルから出ていけと言われて出ていくトニー。
それでビルは何やら考えてます。
警察にて。
ビルが来てます。ボナー警部と面会してトニーが下手人だと言うつもりです。
エドモンド・オブライエンはこういう役が多い。それに合ってる。『白熱』(1949年)でもそんな感じの役だった。
しかしボナー警部はもう犯人は捕まったと言う。向かいの変質者だった。
舞台の宣伝に使うつもりだろうと言われてるビル。
しかもトニーはブリタの自宅アパートにいたというアリバイもあるとのこと。
そんなわけでビルは帰ります。
ブリタの自宅アパートにて。
ここに来てるビル。休暇を取ると言ってるビル。
ブリタはトニーの話しをする。舞台に入れ込み過ぎてる・・・
それでこの間の夜のトニーは出ていって戻ったと話すブリタ。
そうなるとビルはまたトニーが怪しいと疑う。
フランクのバーにて。
飲んでるビル。ウエイトレスを見て何か思いついてるビル。
知り合いのネイトに電話をしてます。女優を雇う・・・
かつら屋にて。
女優のオーディションをしてるビル。
サンドラ・マイケルソン、これにしたらしい。
それからトニーに電話してるビル。明日旅に出る、その前に・・
フランクのバーにて。
ビル、ボナー警部。それに雇った女優のウエイトレス。
トニーが来てビルとテーブル席に着く。
トニーはウエイトレスを見て反応はしてる。イヤリングもボナー警部から拝借した本物です。
しかしトニーは劇場で会おうと行ってしまう。
これではボナー警部も確信は出来ない。
それなら劇場に行きましょうとしつこいビル。エドモンド・オブライエンだし。
劇場にて。
体調がイマイチなトニーは舞台が出来そうもない。励ましてるブリタ。
舞台にて。
先ほど2人がいたとこは回転舞台でした。それが回転して観客から見えてます。
ベネチア・カフェにて。
ビルとボナー警部。店主に色々な顔写真を見せてます。
この男だと証言する店主。トニーです。
そんなわけで劇場に突撃となります。
劇場にて。
ここに来てるビルとボナー警部。店主も連れてきてる。
芝居はクライマックスになってます。
そうなるともう普通の演技ではないトニー。
回りの俳優達が心配そうに見てます。セリフを入れてくれる俳優もいる。
そんなこんなで本物の短剣で自分の胸を刺すトニー。
ビルが入ってきてトニーは運ばれる。
血がついてる衣装を見てビックリのブリタ。
芝居は終わり幕は閉じる。主役がいないカーテンコールになってます。
楽屋にて。
寝かされるトニー。マックスが来てどうしてこんなことにと嘆く。
トニーは色々と喋る。
昔、死ぬ演技がうまいカービーという俳優がいた・・・
天国でパットに謝りたい。しかし自分は地獄に行くだろう・・・
ビルに新聞に三流役者と書かせないでくれと頼むトニー。
ブリタがやってきます。
しかしトニーは何も話すことなく死に至る。
目を見開いたままのトニー。ビルが目を閉じさせる。
俳優がいないカーテンコール。
エンドとなります。
そんなわけでロナルド・コールマンが大熱演のよい作品でした。
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