『ハル』(2013年)
この作品は、牧原亮太郎監督の少しSFが入ったメロドラマ・アニメのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
2013年 WIT STUDIO/プロダクションI.G/ボニーキャニオン/松竹 日本作品
ランニング・タイム◆61分
原題◆はる
プロット◆ロボットが人間の代わりして色々とあり過ぎる話しのようです。
音楽◆大島ミチル
キャスト
細谷佳正→ロボットのハル
日笠陽子→引きこもりのくるみ
宮野真守→ハルの幼なじみリュウ
辻親八→ケアセンターの荒波
大木民夫→くるみの祖父 時夫
真山亜子→意味深な月子おばあさん
よのひかり→ルミ子
橘U子→エリカ
津田匠子→マミ
イッキ→ネパール人
佐藤奏美→メガネ
後藤ヒロキ→マル
西口杏里沙→帽子
倉富亮→リュウの仲間
牧原亮太郎監督の演出はまあまあだと思います。
全体的に決めのシーンでは絶叫芝居になってます。それじゃダメじゃん。
絶叫芝居をやって許されるのは溝口健二監督ぐらいです。
何だかよくわからん話しです。ひねり過ぎです。
見てる方にすれば話しは同じでも別に構わないんです。キャラと演出が違えばいいだけです。
BS191 WOWOWにて。
画質は非常によいです。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声は AAC 5.1ch
タイトル
松竹 これはどうでもいい会社だな。
ボニーキャニオン これは嫌な会社だな。
プロダクションI.G
WIT STUDIO
プロダクションI.Gも押井守監督作品だけやってるわけにはいかないから色々と大変なようです。
プロローグ
染め物工房にて。
水中の魚のシーンから入ります。
ロボットが魚を手づかみしようとしています。
伝統的な技術と最新技術の対比なのか?
おじいさんに呼ばれてるロボット。キュウイチという名前があるようです。
上空には旅客機が飛行中。
これを見ているおじいさんとロボット。
旅客機の後部から火が出て旅客機は爆発炎上する。
丸いマスクの主観ショットはロボットの主観だとようやくわかる。
スマホを見て卒倒してるおじいさん。旅客機には身内が乗っていたとわかったらしい。
ハルが死んでしまったとモノローグが入る。
ガールフレンドのくるみはふさぎ込む。
おじいさんがキュウイチにくるみを助けてやってくれと頼みます。
承知してるキュウイチ。
ラボにて。
次のシーンではロボットからもう人間の外観になってます。
モノローグでも人間になったと言ってる。どうやらハルのモノローグらしい。
メガネのオッサンの博士がいます。
博士はキュウイチと呼びかける。で、ハルからキュウイチではなくハルですと突っ込まれてます。
ハルは博士を先生と呼んでいる。
電車にて。
ハルと先生が移動中。
ハルはルービックキューブを持ってます。1面が合うとお願いごとが読める。
電車を降りて川の飛び石を渡る。
メガネの先生は用があるからとここで別れます。
単独で移動のハル。キューブにはくるみと暮らすと書いてあります。
子供の赤い帽子が川に落ちる主観ショットが入る。意味不明。
このへんの印象はとにかく絵がきれい。最近のアニメは絵だけは凄い。
タイトル
ハル
他のクレジットは入ります。プロローグが長い。
タイトルバックは街の風景。不細工なタワーがあるので京都だとわかった。
クレジットですが監督だけで演出という役割はない。この方がわかりやすい。
くるみの自宅兼店にて。
ここに無理やり入ってるハル。ケアセンターから派遣されたと言ってます。
くるみは押し入れに引きこもってる。
そうなると自分を引き上げる書類にサインだけしてくれと言うハル。
そんなこんなで結局ここにいるらしい。
片づけをしてるハル。
スクラップブックを見ています。そうなると色々な写真があります。
別のルービックキューブもあります。くるみの願い事が書いてある。
くるみに見せるとそのルービックキューブを放り投げてる。
ところでこの家はくるみしかいないようです。そうなの?。
食事を作って運ぶハル。料理はあまり上手くない。
それでハルはまた来ますと帰ります。どこに帰る?
次の日にて。
また来てるハル。料理を作ってます。スマホを見ながら作ってる。
食事を持って行くと料理で汚れた服なので人間のハルの服を投げ渡すくるみ。
買物をしてるハル。
ロボットなので何でも見てすぐに覚えるのか?
せっかく買ったパンを知らない子供たちに食われたりする。
スマホからキリンを通販で注文してるハル。しかしクレジットカードの残高が足りない。
子供3人に連れられて作り物の大きなキリンを見るハル。
これを買おうスマホを見ると価格0円になってます。しかし買えない。
デイケアにて。
ここにはメガネの先生がいます。電動車イスを修理中。
先生と話しをしてるハル。
価格0円は売れないことでもあると説明する先生。
で、月子おばあさんに説教されてるハル。
しかしハルの服のボタンを見て月子おばあさんはキリンの作り物のもらうためにかけあってくれます。
月子おばあさんはくるみさんに世話になっていました。
くるみの自宅兼店にて。
昔の映像を見ているくるみ。デジタルノイズが入ってます。
2人の色々なシーンがあって最後は旅客機事故で終わる。
くるみは食事もしない。ハルの作った食事がそのままです。
ハルと先生。
作り物のキリンを運んでます。
このへんはくるみの自宅とは無駄にカットバックとなってます。
踏み切りにて。
くるみの気持ちがわからんと先生に聞くハル。
先生はロボットでも人間でもくるみの気持ちはわからんと言う。
そんなわけでハルにくるみのそばで見ているだけでいいとも言ってます。
くるみの自宅兼店にて。
くるみは大切なメモリーに何やらハンダゴテで細工してます。意味不明。
そんなとこに作り物のキリンが到着します。
結構大きいので何とか入れてるハルと先生。
で、くるみがこっちを見ているをわかってるハル。
「ありがとうロボハル」のメモがあります。これで得点が稼げたわけです。
アルバムの中にキリンの写真があります。
これでキリンにこだわっていたわけです。なるほど。
ルービックキューブにもキリンのお願いごとが書いてあったようです。
それから料理を作ったりの普通の日々のモンタージュとなります。
食事をちゃんと食べてるくるみ。
これで仲よくなっても『押絵と旅する男』になるだけです。設定は逆だけど。
京都の町のディテールは相当正確だと思えますが私にはよくわからん。
街中にて。
ファッションヘルスの前を通るハルは知り合いのリュウから声を掛けられる。
リュウはヤクザに追われているのてすぐに逃げてます。普通は簡単に殺されると思うが・・・。
くるみの自宅兼店にて。
ルービックキューブには「ハルが暴力をふるいませんように」と書かれています。
で、くるみに聞くハル。もう会話するようになってるようです。
回想にて。
人間のハルはお店のボタンを勝手に売った。それでケンカになり、そのままハルは旅客機事故で死んだようです。
そうなると人間のハルはロクデナシだったのか?
カフェにて。
くるみと人間のハル。
おカネの話しになって口論にしてます。
回想から戻ってます。
ロボハルがくるみに謝罪する。くるみも謝罪してます。
デイケアにて。
先生とハル。
人間のハルの話しをする先生。リュウとつるんでいたハル。
回想になります。
児童不法労働から逃げ出したハルとリュウ。とにかく悲惨な過去だったらしい。
回想から戻ります。
浴衣で祇園祭だとなる先生。ルービックキューブにそう書いてある。
先生だけが盛り上がってます。ハルには何だかわからん。
おじいさんの工房にて。
ハルは浴衣を受け取ってます。
おじいさんは人間のハルの話しをする。
心臓が悪かったハル。ハルの両親は移植する心臓を買う。
しかし心臓の料金が払えずにハルを置いて夜逃げした。
そんなわけで子供の時からハルは借金を背負わされて児童不法労働になっていた。
ラボにて。
くるみのスクラップブックを丸暗記してるハル。
街にて。
祭りの準備の風景になってます。
くるみの自宅兼店にて。
浴衣を着てくるみを祭りに誘うハル。
くるみは自分がプレゼントした浴衣をハルが来てるで機嫌がよくなってる。
回想になります。
カフェにて。
危険な仕事はロボットではなく借金を抱えた人間にやらすんだと主張してる人間のハル。
それで転倒した人間のハルから思い出のボタンをもらってるくるみ。
回想から戻ります。
この変の印象ですが何だかよくわらかん話しです。
押し入れにハルを入れるくるみ。
ボタンの話しになります。思い出のボタンをハルの浴衣に縫い付ける。
何だか盛り上がってキスをしてる2人。ずっと一緒にいてとなってます。
祭りにて。
道路を封鎖して行列や山車が通ったりしてます。
デイケアの2階から見物してる先生とおばあさん達。
ハルとくるみはまだ自宅兼店にいます。ようやく出かけます。
ルービックキューブにお願いごとを書いてるくるみ。
祭りとは関係なく2人で歩き回ってるようです。これでいいじゃん。
神社にて。2人でお願いごとをしています。
出店にて。大きいぬいぐるみを当ててるハル。
思い出のカフェの2人。
川にて。ビー玉を拾ってるハル。
そんなとこにリュウが現われる。くるみを売ってしまおうとヤクザもいる。
2人で逃げます。雨が降ってきてます。
そうなると結局ヤクザに追われる話しなのか。結構普通だ。
街中にて。
逃げていてる2人。いいかげんにぬいぐるみを捨てたほうがいいと思える。
いくら逃げても自宅兼店に帰るわけにはいかないと思える。それでどうなる?
ヤクザやり過ごして逃げるとこでくるみが川に落ちる。
リュウが追いつきます。このへんから絶叫芝居の連続で見てて辟易する。
ハルはロボットなんだからリュウがハルに執着するのは何か変?そうなるとどうなる?。
殴られて倒れるハル。血を流す。よく出来たロボットだなとなる。
オーバーラップして回想になります。
ハルとくるみはケンカをした。そのまま旅客機に乗り込むくるみ。そうなの?
実は死んだのはくるみだった。そうなるようです。これはビックリ。
伏線も何もなく単なるどんでん返しになってます。まあいいけど。
水中に落ちるハルとくるみ。
おじいさんの工房にて。
おじいさんと先生とロボット。
それでくるみを失ってハルは抜け殻になってます。
で、ロボットを使った治療をすることになります。
ロボットはくるみになりハルとコンタクトする。
水中にて。
ハルとくるみ。キスをしてる2人。
くるみは沈み、ハルを浮かび上がる。
ハルには思い出のボタンが残される。
くるみの外装が剥がれてロボットの内部が見える。そのまま沈む。
雨の川に戻ってます。
相変わらず絶叫芝居で何だかわからん。
リュウが川から引き上げたのはハルだけでした。ハルに謝罪してるリュウ。
ヤクザはいつの間にかいない。肝心のくるみが沈んだので逃げたのか?
回想が入ります。どこまで戻る?
ボタンを握りしめるハル。
これはまたかなり話しが乱暴です。何だかわからん。
溶暗になります。これで何とかなるらしい。
エピローグ。
大文字焼きになってます。京都は観光行事がやまほどある。
京都は観光で大儲けして笑いが止まらないのでしょう。観光でぼろ儲けしてる寺の坊主はカネ光りしてるし。
おじいさんとハル。
死んだらどうなる?といった感じの話しになってます。
遺影ですがくるみにロボットまであります。そうなったらしい。
川に提灯を流してます。
おじいさんとハルの関係がわからん。身内なのか婿なのか?
くるみの自宅兼店にて。
ここにいるハル。商売を継いでるようです。
先生にデイケアの仕事を頼まれているハル。
それから1人で食事をするハル。ここにはいなくるみに話しかける。
エンドとなります。
後タイトルの歌は相変わらずの演歌調でうんざりする。
それに歌が作品に合うことは全く考えていない。単なるタイアップの小遣い稼ぎなんです。
この作品は『老人Z』(1991年)と2本立てにしようと見たけど絶叫芝居ぶりはどっこいでした。画質は『ハル』(2013年)の方が全然いい。しかし絶叫芝居がじゃまをしてこれがあまりアドバンテージになっていない。
そんなわけで色々な作品があるものだと思えるまあまあな作品でした。
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