『牛乳屋フランキー』(1956年)
この作品は、中平康監督、フランキー堺主演の牛乳屋コメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1956年 日活 日本作品
ランニング・タイム◆84分
原題◆ぎゅうにゅうやふらんきー
プロット◆牛乳配達で色々とある話しのようです。
音楽◆馬渡誠一
スカパー! CS223 チャンネルNECOにて。
画質はそれなりに悪い。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声は AAC 2.0ch
キャスト
フランキー堺→牛乳屋の堺六平太/長州のおじいさん
坪内美詠子→杉牛乳店の杉香苗
毛利充宏→息子の杉健一
小沢昭一→配達人の新吾
市村俊幸→学生作家の石山金太郎
柳谷寛→ブルドッグ牛乳の親父
利根はる恵→牛乳風呂のマサヨ
中原早苗→水の江家のお手伝い 初
沢村国太郎→南郷隆盛
南寿美子→南郷英子
宍戸錠→助監督の松原善吉
小園蓉子→花代
キノトール→軒下氏
ドクトル・チエコ→チエ子夫人
小野田勇→小野田氏
杉幸彦→若いお巡りさん
小泉郁之助→老人のお巡りさん
青木富夫→配達員
竹内洋子→奥さん
原恵子→おかみさん
田中筆子→お婆さん
潮けい子→アパートの隣人
黒田剛→どなりこむ大男
紀原耕→郵便配達
宮路正美→南郷家の女中
水の江滝子→映画スターの水の江タキ子嬢
丹下キヨ子→映画スター丹下キヨ子嬢
岡田眞澄→有名なる映画スター
織田政雄→税務署課長
西村晃→税務署係員
中平康監督の演出はよいと思います。
全体的に何だかわからんように出来ています。
宍戸錠がまだ整形前で細面な顔なので誰だかわかりませんでした。
整形前の顔は始めて見た。そう考えると弟の郷えい治に似ています。当たり前か・・
画質、音声が悪いですのアラート
日活のタイトル
長州追分駅にて。
おじいさんに激を飛ばされ東京へ行く主人公のフランキー。
最初からおじいさんと主人公はフランキー堺の2役です。
主人公の名前は半平太の何倍かだという名前で六平太という名前になってます。そうなると2倍の能力があるのか?、宇宙刑事シリーズなのか?と思えた。面白い。
陸蒸気に乗って東京へ行きます。そのようにおじいさんが言ってる。
陸蒸気=汽車が発進してタイトル名が出ますが、どうしてタイトル名が牛乳屋でフランキーのなのかがわからん。
キャスト紹介で特別出演で色々と出ています。
丹下キヨ子とか色々・・
東野英治郎は出ていない。何故か出ていると勘違いしていました。何しろ東野英治郎は映画には何でも出ていたのでそうなります。
東京にて。
東京駅らしいけど、まだ回りには何もない。
小学生が迎えにきています。ませたことを言ってます。
牛乳屋に行く前に宮城に行きたいと言う六平太。
タクシーで行きます。初乗り80円。
宮城に付いたら『きゅうじょう』違いでここは後楽園球場でした。これはまたベタなギャグです。
日米野球大会ののぼりが出ています。この当時はどこのチームが来日してた?
ブルドッグ牛乳店にて。
ここが商売敵のところです。
杉牛乳店にて。森永ホモ牛乳です。
配達人の新吾が戻ってきます。演じてるのが小沢昭一。顔にほくろがあるので間違いないと思う。
給料が出ないと不平を言ってる新吾。
ようやくここに来ている六平太。タクシーで来てます。
夕飯にて。
お子様ランチが出ています。
会話で国後択捉の北方領土ネタが入ってます。現実ではいまだにやってるけど。そもそもいい金づるな利権なので役人や自民党は解決する気がない。
そんなとこにバイクが来ます。学生服の太った男が入ってきて夕飯を食う。
2階を間借りしてる学生作家の石山金太郎が登場。石原慎太郎のパロディらしい。
石山金太郎は金回りがよく金貸しもやってて、ここの牛乳店にも貸してるらしい。
で、石山金太郎は六平太に金の勘定をやらせる。聖徳太子の紙幣です。
六平太と新吾。
かってる、借りてるの言い回しでもめています。
ここは50万の借金があると聞いてひっくり返ってる六平太。
それから配達地図を見て新吾から話しを聞いてます。犬、般若色々・・
隣部屋の石山金太郎は体操をやってて障子紙を手で突き破ってます。さすがにチンポコにはしていない。それは映倫があるから無理です。
布団でおじいさんに手紙を書いてる六平太。
それから寝ている六平太と新吾。たびたび六平太が起きるので迷惑してる新吾。
で、六平太が起きたら新吾は書き置きを残していなくなってます。
どうやらブルドッグ牛乳店に鞍替えしたようです。
書き置きには「一身上の理由でやめます。未払いの給料はブルドッグ牛乳店に送れ」と書いてあります。これはひどい。
牛乳配達をする六平太。自転車です。
電車が走ってます。どこでロケしたんだ?日活多摩川撮影所付近か?
いちいち呼び鈴を鳴らしてる六平太。迷惑です。
2階の窓から下着のお姉さんが苦情を言う。
次はいちいち大きい声を出すなと言われてます。
北沢派出所に配達します。で、酔っ払いを届けてくれと言われます。
ドクトル・チエコ宅にて。牛乳2本と酔っぱらった旦那を届けます。受け取った旦那を折檻してるドクトル・チエコ。
原っぱにて。バラック小屋のオッサン オダノイサムに配達しています。
アパートに配達します。
クルマが着く。助監督の松原善吉が大スターの丹下キヨ子にクルマで送られてくる。
で、六平太は松原善吉助監督から手紙を3丁目の南郷さんに届けてくれと頼まれます。
3丁目の南郷隆盛宅に配達します。
怖そうな西郷隆盛もどきの旦那がいます。ちゃんと犬を連れてる。
女中の菊やさんにぶつかって文句を言われてる六平太。それでも手紙をちゃんと南郷英子さんに渡しています。
水の江ターキーの屋敷に配達します。
お手伝いの初が登場。秋田出身とのこと。挨拶してる六平太。
ご主人が男か女からわからないと言ってる初。
アパートに配達します。
一気に階段を上って配達しています。鉄筋コンクリート5階の団地みたい。そうなるエレベーターはない。
長回しで階段を一気に上って降りるのを繰り返してます。フランキー堺はよくやってます。
この他にもあるロケが凄い。当時の風景がそのまま見れます。何というかビンボ臭い。
高級アパートに配達します。
5階以上あるけどエレベーターはない。
0号室、牛乳はドアの中へと張り紙がしてある。
中に入る六平太。カーテン越しにあれをやってこれもやってと延々と指示が出る。
牛乳を鍋に入れて10円でガスが出るガスコンロで沸かします。砂糖も入れる。
で、持っていくと猫に飲ます牛乳でした。
女性は風呂に入ってて牛乳を入れろと言う。
何故か石山金太郎の話しをしてる女性。
で、六平太が風呂に落ちて大騒ぎになってます。そんなとこにブルドッグ牛乳店の主人も来てまた大騒ぎ。
で、下の階のボクサーみたいな男を来て文句を言って滑ってひっくり返る。
次は普通の家です。
牛乳箱がブルドッグ牛乳店に変わってます。寝返った新吾がやっています。
外道、山猿と罵りあってケンカになってます。
それから六平太と新吾が自転車で追っかけになってます。延々と続く。
女の子にぶつかりそうになって転ぶ六平太。ここは保育所前です。
保育園のお姉さんと話しになる六平太。
杉牛乳店にて。
何とか帰ってる六平太。食事にします。
そんなとこに2階の石山金太郎が食事を持ってこいと言ってくる。
持っていかないと体操をして天井が抜けそうなので食事を持っていく六平太。
2階にて。
何故か石山金太郎は固まってます。勝手に原稿を読んでる六平太。
そうなると固まるのをやめてネタが閃いたらしい石山金太郎。いきなり書く。
原稿を朗読する六平太。狂った太陽・・・
聞いてる石山金太郎。インスピレーションがどうのこうのと言ってる。
それから妄想になる石山金太郎。
葉山のヨットハーバーにて。有閑マダムと棒読みな会話をしてる石山金太郎。
マダムと抱きあってる石山金太郎。
妄想から戻ります。
食パンを抱きしめてる石山金太郎。これにはビックリの六平太。
このへんの印象ですが、話しはなくてエピソードがつながってるだけのようです。
面白いので別にいいけど。
布団で手紙を書いてる六平太。
手紙から牛乳配達になっています。
ブルドッグ牛乳店の新吾と自転車競争になってる六平太。
勝負に勝ったが行き過ぎて西浦和派出所まで来てて帰り道を聞いてます。
サービス第一でお得意を増やしてる六平太。
手紙も配達します。
買物もします。
酔ったご主人も配達します。またやってます。
引っ越しの手伝いもします。
配達地図にお得意が増えてきます。
煙突の掃除もやります。
団地は階段を上らずに滑車とロープを使う。
特製ジャケットに牛乳ビンを装填して配達と回収を素早くやる。
六平太のモノローグが入ります。
東京は不思議な街だ。牛乳1本を5人で分けるとこがあれば、猫や犬に牛乳をやるところもある・・・
大失敗の図。
運動会を当て込んで300本を仕入れたら雨天中止になって在庫の山になる。
そんなわけで在庫を養老院や保育所に寄付をする。
その効果で配達先が増えた。
その功績で森永牧場へバス旅行になる。近所の人達を招待しています。
森永牧場にて。立派なタイアップです。
牧場見物から六平太と初の歌もあります。ミュージカルになってます。
何故か矢が飛んできます。それは日活ならぬ頓活映画がロケに来てるからです。
インディアンが登場しています。いいのか?
見物してる六平太一行。現場には松原善吉助監督がいます。南郷英子が手を振っています。
ロケから昼食になります。
丹下キヨ子の相手役が岡田眞澄らしい。
松原善吉助監督は丹下キヨコに捕まってしまう。
せっかくお弁当も持ってきたのガックリの南郷英子。
ブルドッグ牛乳店にて。
カネの勘定してる主人。聖徳太子の1000円札です。
牛乳風呂のお姉さんが来てます。何で?
杉牛乳店にて。
息子と遊んでる六平太。インディアン役を担当しています。
そんなとこに牛乳風呂のお姉さんがやってきます。
この店をバーに改造するつもりです。
借金50万円を1週間で返さないとこの店は頂くとなります。これは大変。
どうやら石山金太郎は金貸し代理をしていだけのようです。黒幕はブルドッグ牛乳店とこのお姉さんだったわけです。
そんなとこにバイクで石山金太郎が帰ってきます。このお姉さんは石山金太郎のことは知らない。
50万円をどうしようと話しあってるの六平太と杉香苗。
死んだここの主人の写真がありますが、フランキー堺です。何役もやってます。
2階にて。
石山金太郎とお姉さん。原稿を読んでバカにしてるお姉さん。
で、石山金太郎は牛乳に強力眠り薬を入れる。そのようにビンに大きくラベル『強力眠り薬』と貼ってあるんです。
で、石山金太郎は妄想の世界に飛んでいきます。
妄想なので斜めの構図になってます。
眠ったお姉さんを背負っています。
ひらけごまと言えば、ふすまが自動で開いて階段が見えます。
奥に進むとベッドがあります。お姉さんを寝かして服を脱がす。
妄想から戻ります。
石山金太郎はブラジャーではなく雑巾を握りしめていました。それがオチかい。
で、お姉さんに牛乳を飲ませようとする。しかしお姉さんは牛乳をすり替える。
そんなわけで強力眠り薬入りの牛乳を飲んで爆睡する石山金太郎。強力眠り薬のビンが見えてます。
2両電車が走ってます。
手紙のモノローグから太陽族のネタが出ててます。借金のことを出してます。
牛乳配達をしてる六平太ですが借金の心配で仕事がおろそかになる。
そんなわけで南郷英子様宛ての手紙を父親の南郷隆盛に見られてしまいます。
杉牛乳店にて。
いよいよブルドッグ牛乳店の連中に店に乗り込まれています。これは大変。
そんなところに六平太が帰ってきます。止めようとして大騒ぎになります。
石山金太郎は2階で寝てる。動員されますが寝ぼけていて役に立たない。
そんなこんなで何となく収まってます。
誰か来ます。長州のおじいさんです。
六平太に説教しています。おじいさんはカネを持ってきたらしい。
しかしおじいさんのカネは古い。一銭一円のカネですが一応計算をします。
石山金太郎はそろばんを上手に使ってます。当時のパソコンのようなアイテムです。
息子が合計を発表します。50万円には全然足りません。それでどうする。
南郷家にて。
娘の英子に説教している南郷隆盛。
松原善吉助監督の手紙を読んでます。これが映画タイトルがつながって珍妙な文なんです。太陽族とか狂った果実とか・・・
杉牛乳店にて。
南郷隆盛が乗り込んできます。そうしたら長州のおじいさんと旧友だとわかる。
何だか話しがよくわからなくなってます。
長州のおじいさんは南郷隆盛は昔は付け文をしていたとバラしてしいます。そんな感じで最初の勢いがなくなってる南郷隆盛。
で、50万円の話しを聞いて任せておけと頼もしい南郷隆盛。
ブルドッグ牛乳店にて。
耳をそろえて50万円を返しに来ている六平太と石山金太郎と息子の3人。
そんなところにナンバープレートに国税庁と書いてあるクルマが来ます。
国税庁の江森に山崎と名乗る。
で、脱税でここを差し押さえるとなっています。追徴金365万円。
ガックリしてるブルドッグ牛乳店の主人。
差し押さえ用紙を貼ってます。手伝ってる配達人の新吾。そういうキャラらしい。
牛乳風呂のマサヨはアッサリとここを見限って引き上げる。
杉牛乳店にて。
よかったよかったと六平太一行が帰ってきます。借用書を渡します。
今度は嫁の話になってます。まだ南郷隆盛がいるんです。
じいさん2人は結婚の話で盛り上がってます。違うんですと説明してる六平太ですが上手く伝わらない。
助監督の意味がわからないじいさん2人。
そんなこんなで私に任せてくださいと言ってる六平太。
それにしてもこのへんの2役の合成が上手過ぎ。デジタル合成みたいにつなぎ目が全くわかりません。
さすがにクローズアップになると合成に失敗してるとこがあるけど。
南郷家にて。
じいさん2人と英子さんがいます。
そんなとこに幕末のコスプレをした3人がやって来ます。六平太と松原善吉と新吾。
歌って踊ってキャラ説明をしています。新吾だけ踊りが遅れてずれています。
錦の御旗を見てビックリのじいさん2人。
コスチュームは頓活衣装部の物を借りてるようです。
そんなわけでじいさんに気に入られた松原善吉助監督。
東京駅にて。
鹿児島行きの汽車です。
新婚旅行の松原善吉と英子さん。それに長州に帰る六平太のおじいさん。
松原善吉助監督を丹下キヨ子が見送りに来てます。
鉄橋にて。
六平太一行がいます。何故か新吾や石山金太郎までいる。
汽車が通過するのを見送ってます。
それからみんなで牛乳配達となります。
対照的にすっかり落ちぶれたブルドッグ牛乳店の主人。
バスが画面手前を通過します。『信用ある日活映画』と書かれています。
めでたしめでたしとエンドになります。
そんなわけでぶっ飛びコメディのよい作品でした。
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