『アラスカ珍道中』(1946年)
この作品はハル・ウォーカー監督、ボブ・ホープ、ビング・クロスビー、ドロシー・ラムーア主演のアラスカ物コメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1946年 パラマウント アメリカ作品
ランニング・タイム◆90分
原題◆Road to Utopia
プロット◆金鉱の地図をめぐって騒ぎに巻き込まれる話しのようです。
音楽◆リー・ハーライン
スカイパーフェクTV310衛星劇場にて。
画質はよいです。
キャスト
ビング・クロスビー→芸人のデューク
ボブ・ホープ→芸人のチェスター
ドロシー・ラムーア→ヒロインのサル
ダグラス・ダムブリル→黒幕のエース・ラーソン
ヒラリー・ブルック→ラーソンの情婦ケイト
ジャック・ラルー→ラーソンの手下レベック
ロバート・バレット→悪漢のスペリー
ネスター・ペイヴァ→悪漢のマガーク
ロバート・ベンチュリー→解説のロバート・ベンチュリー
ハル・ウォーカー監督の演出はよいと思います。
全体的に手堅くまとまっています。
始まる前にロバート・ベンチュリーの前説があります。色々と身もフタもない楽屋オチなことを言ってます。
ロバート・ベンチュリーは『海外特派員』(1940年)でやる気のない海外特派員で出ていて「こんなに楽な商売はない政府発表に署名するだけだ」とかましていました。これは傑作なセリフです。
しかし現実の日本のマスコミの記者クラブは政府発表を垂れ流しててるくせに署名すらしていない。映画より現実の方がひどかったりします。
本編でも楽屋オチネタが多いです。
主人公2人が山を見てると、それがパラマウントのマークになるギャグが有名です。
動物づくしで、牛になったりイヌになったり、サカナや熊に話しかけられたりしています。
タイトル。
ラジオからはクロスビーの歌が流れて当のクロスビーが老人で訪ねて来ます。
老人夫婦の家に老人が訪ねて来て35年前と回想となります。
19世紀のサンフランシスコとなります。
ロバート・ベンチュリーがこれはフラッシュバックですと演出手法のことまで解説してくれます。
まずヒゲの悪漢コンビのスペリーとマガークが男を殺して金鉱の地図を奪います。
殺された男の娘のをドロシー・ラムーア扮するサルがアラスカへと向かいます。
売れない芸人コンビのビング・クロスビー扮するデュークとボブ・ホープ扮するチェスターが登場。
歌とダンスが入ります。で、インチキな霊感ショーで日銭を稼ぎます。
ホテルにて。
俺はN.Y.に行くとチェスター。
ケンカしてチェスターがS.F.からN.Y.の船に乗ると別れることになります。ところでS.F.からN.Y.へ船で行けるのですか?、水路があるのかと疑問が出ます。
港です。
結局2人ともアラスカ行きの船に乗ったとこで有り金をなくしてしまいます。
金庫と勘違いして窓からカネを捨ててしまったのです。
そんなわけでこき使われる2人。
素人演芸会で奮闘する2人。クロスビーの歌が入ります。結局猿の芸に負けてます。
スカガウェイに着くヒロインのサル。
知り合いのエース・ラーソンを訪ねます。
この男が金鉱の地図を横取りしようと画策します。情婦もケイトが登場。
上陸前の船内にて。
2人は金鉱の地図を発見して悪漢2人をだまし討ちして地図を横取りします。結構強い。
で、2人は悪漢のスペリーとマガークの名を騙って上陸します。
酒場ゴールデン・レールに入り扱いのよさにいい気持ちとなります。
酒場では黒いドレスで歌うドロシー・ラムーアは素敵です。結構歌が入ってて3人とも歌います。
ここでエース・ラーソンの指示でヒロインのサルが金鉱の地図をありかを聞き出そうと1人ずつ呼び出すことになります。
そんなところに本物の悪漢スペリーとマガークがやって来ます。
慌てて逃亡するチェスターとデューク。犬ぞりのギャグが入ります。面白い。
ドーソンシティへと向かうデュークとチェスターの2人。
犬ぞりを使うシーンが多い。
ここで山を見ててパラマウントの楽屋オチのギャグが入ります。面白い。
歌も入ります。
ドーソンシティです。
色々と画策中となっています。まあまあ。
イヌぞりで移動中にて。
女性が行き倒れているのをの発見するデュークとチェスター。
この人はソーニャ・へニーかと楽屋オチが入ります。
ソーニャ・へニーとはオリンピックのフィギュアスケートから映画スターに転身した人です。1930年代の20世紀フォックスを支えていました。20世紀フォックスでは数少ないスターの1人。
スウェーデンでなくノルウェー人。ダリル・F・ザナックはソーニャ・へニーをスウェーデン人とだと思っていました。
山小屋に入ります。
釣りとなります。魚が喋るギャグが入ります。
サルとデートのチェスター。歌が入ります。
山小屋にて。
ここで自分は悪漢のマガークではないとサルに伝えるデューク。
夜です。
地図を取りに行くサル。失敗して戻ります。
チェスターとデュークが寝てる時に熊が入ってきます。
ここでチェスターが熊を女性と勘違いする古典的ギャグがあります。
熊を抱きしめて「本物の毛皮のコートを買ってやるよ」とか「たくましい手だね」とかギャグがあります。古典的ですがやはり面白い。
熊は部分的に本物を使っています。特撮で熊が喋るギャグが入ります。
朝です。
本物の悪漢スペリーとマガークがやって来ます。また同じ手でやっつけています。
地図はない。女性2人に持ってかれてようです。
犬ぞりチェイスとなります。
行き止まりで岩山チェイスとなります。岩山を登ります。
何とかドーソンシティに戻るチェスターとデューク。
酒場ゴールデン・レールに入ります。正体を隠す2人ですが犬からバレます。
逃げる2人。乱闘となります。
事務所に忍び込むチェスターとデューク。
金庫から地図を取ります。ダイナマイトのギャグが入ります。
何だかんだでダイナマイトが爆発して悪漢2人は退場となります。
犬ぞりで逃げるチェスターとデュークとサル。
追う黒幕のエース・ラーソン一味。
そんなこんなで地割れが起こってデュークが取り残されて悪の一味15人を相手にすることになったことで回想から戻ります。
それでチェスターの息子はデュークそっくりでしたとオチになります。
かなり前にTVで途中までしか見られなかったのでやっと見れました。
今回は期待してました。期待し過ぎだったのかもしれない。たかがコメディのシリーズ物ではないかとハードルを低くすればよかった。
そんなわけで思っていたほど笑えず。これが正直な気持ちです。
前に見たのは大幅カット日本語版でした。ロバート・ベンチュリーの解説?は丸々カットされていた。多く入っていた歌もカットされていたようです。
今回の字幕ノーカット版の出来は日本語版と比べると前に見た日本語版のほうが良かったような感じしてしまいます。
それに日本語版にあった笑えるセリフ「殺してから口を割らそう」がなくなってた。何でそうなるの?
オチは大体予想通りでした。息子ではなく養子だと言ってるけど。
そんなわけで正直言って日本語版の方が面白かったけどよい作品でした。
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