『3階の見知らぬ男』(1940年)
この作品は、ボリス・イングスター監督、ジョン・マクガイア、マーガレット・タリチェット、ピーター・ローレ主演のフィルム・ノワールのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1940年 RKO Radio Pictures アメリカ作品
ランニング・タイム◆64分
原題◆Stranger on the Third Floor
プロット◆謎の男を悩まされる話しのようです。
音楽◆ロイ・ウェッブ
株式会社ブロードウェイ発売のDVDにて。
画質は普通です。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル 2.0ch
キャスト
ピーター・ローレ→謎の男
ジョン・マクガイア→新聞記者のマイケル
マーガレット・タリチェット→恋人のジェーン
チャールズ・ウォルドロン→地方検事
エリシャ・クック・Jr.→被告人のブリッグス
チャールズ・ハルトン→隣のうるさい老人メン
エセル・グリフィス→大家のケイン夫人
ボリス・イングスター監督の演出はよいと思います。
全体的にドイツ表現主義で、そのままフィルム・ノワールになってます。
ピーター・ローレはホトンド『M』(1931年)のキャラそのままです。
Mが捕まって病院から出てきたような感じ。
ブロードウェイのタイトル
著作権のアラート
タイトル
RKO Radio Pictures
Stranger on the Third Floor
街です。ダイナーにて。
待ち合わせをしてるヒロイン ジェーンがが登場。
カウンターの隣の席を確保してまわりの顰蹙を買っています。
そこに男が登場。結婚間近の恋人マイケルがやって来ます。食事となります。
新聞記者のマイケルは給料が上がって新しいアパートを見に行こうと行ってます。
新聞を見せてるマイケル。当紙の記者マイケル・ウォードが殺人事件を目撃した・・・
これで給料が上がったらしい。
ジェーンは目撃なんてしない方がよかったのにと言ってる。
法廷の記者クラブです。
待ち時間はカードをやってお喋りの記者達。
死刑だ何だとと適当なことを言ってます。
そんなとこにマイケルがやって来ます。時の人なので色々と言われてます。
話しからこれからのマイケルの証言が決定的になるようです。
法廷にて。
証言をしてるマイケル。
被告人のブリッグス。演じてるのがエリシャ・クック・Jr.なのでもう死刑は確定か?
地方検事の質問にブリッグスには不利な証言をしてるマイケル。
ジェーンが傍聴席に入ります。
弁護士の質問になります。あまりやる気がない弁護士。
で、マイケルは殺人を直接見たわけではないようです。
証言が終わったマイケルは傍聴席のジェーンの所へ行く。
医者の証言です。
それから被告人ブリッグスの証言になります。ニックは死んでた金も盗んでいないと主張しています。
陪審員の1人は居眠りしていて注意されています。
地方検事はここでブリッグスに前科があったことを明らかにしています。
自分はやっていないとエリシャ・クック・Jr.は大熱演しています。
いたたまれなくなったジェーンは外に出る。
マイケルは気にするなとジェーンに言って記者クラブに戻る。
ジェーンは知り合いの記者に帰るからマイケルに言ってとマジで帰ってしまう。
で、知り合いの記者にジェーンは帰った、ケンカしたのかと言われてるマイケル。
バーにて。
知り合いの記者のオッサンと飲んでるマイケル。
時間となって法廷に戻ります。
法廷にて。
陪審員に票決は第1級殺人で有罪となるブリッグス。
殺していないと主張するブリッグスは連行されます。マイケルにニックは死んでいたと訴えています。
法廷のシンボル、天秤を持った像を映しています。
記者クラブにて。
考え込んでるマイケル。ジェーンに電話します。
票決を聞いてるジェーン。で、食事は断わっています。
記者クラブを出るマイケル。
あちこち歩きながらモノローグになるマイケル。
まだ殺してないと聞こえてる。
誤認逮捕の可能性は?、自分の証言に確信はなかった。
殺人事件の現場の店の前を通るマイケル。
店の名前が殺されたニックの名前がジャックになっただけです。
自宅アパート前にて。
玄関の階段にピーター・ローレが座っています。ホトンドホームレスです。
無視して中に入るマイケル。
自宅アパートに帰宅するマイケル。
ジェーンの写真が置いてあります。モノローグは続く・・。
このアパートには2年もいた。あまりいいとこではなかったようです。
隣のじいさんがいつも自分を監視していた。
回想になります。
疎の隣のじいさんメンがタイプライターの音がうるさくて眠れないと大家のカーン夫人に苦情を言って一騒ぎになっています。
回想から戻ります。
マイケルはようやくネクタイを外して眠るようです。
玄関ドアを開けたら隣の部屋にピーター・ローレが入ったようです。これは怪しい。
部屋から外を伺ってるピーター・ローレ。
話しかけるマイケル。慌てて階段を下りてズラかるピーター・ローレ。
追っかけるマイケルですがアパートを出たとこで見失います。
自室に戻りモノローグのマイケル。
隣りが静か過ぎる。しかもあの詮索好きのじいさんが大騒ぎでも出てこない。
で、隣りのドアを触ろうしたけど指紋が気になりやめてるマイケル。
戻って、またモノローグのマイケル。ペーパーナイフをいじってる。
回想になります。
ニックの店にて。同僚のオッサン記者と食事のマイケル。
メンじいさんがやってきます。変わり者だと評してるオッサン記者。
マイケルに話しかけるメンじいさん。寝る前にコーヒーは飲まない方がいいと説教をたれる。
嫌な感じになってるマイケル。殺意を覚えると愚痴をこぼし、あいつは人間ではない害虫だと言ってるマイケル。踏みつぶしてやりたいと言ってる。それはまずいだろ。
で、ナイフを振り回すマイケル。ナイフは危ないだろとオッサン記者が抑える。
これではオッサン記者にしっかりと覚えられたと思える。
そうなるとメンじいさんが殺されたら疑われるのはマイケルとなります。
回想から戻ります。
モノローグでどうする?となってるマイケル。
回想になります。
雨の晩。アパートにて。
ジェーンを連れて帰るマイケル。ドアの前でキスしてる。
自室に入っていい感じになってるとこに大家のケイン夫人が乗り込んでくる。
女を連れ込むのは規則違反とのこと。
大家の後ろには苦情を言ったメンじいさんがいます。
激高してるマイケル。メンじいさんの胸ぐらを掴んでいます。
これはまた怪しいなんてものではない。立派な容疑者になれます。
だからマイケルは早く新しいアパートに引っ越ししたがっていたわけです。
一騒ぎが収まってまたマイケルとジェーンといい雰囲気になってます。
で、ジェーンを送るマイケル。まだメンじいさんは監視しています。
明日引っ越すと言ってるマイケルにジェーンは住むなら一緒よと言ってくれる。
そのうち2人で住めるとこに引っ越しましょうとジェーン。
アパートを出たとこでキスとなります。
回想から戻ります。
まだメンじいさんが生きてるか死んでるかは不明のままです。
疲れて眠り込むマイケル。
そのまま夢に突入しているマイケル。
いきなり警察でお前がやったんだろうと責められてるマイケル。
号外を読んでるジェーンが大ショック。記者が殺人・・・
他の記者達は面白ければ何でもいいといった感じ。これは凄いな。
あっという間に留置所でジェーンと面会のマイケル。
犯人を見たのに誰も信じてくれないと訴えるマイケル。
留置所のマイケル。ドイツ表現主義の描写が入ります。
何もない広いところに格子の影が差し込んでいます。
弁護士が裁判前の打ち合わせに来ています。容疑者は全員自分は殺していないと主張すると醒めてる弁護士。
弁護士ですがまずは罪を認めて情状酌量で行こうと主張してる。この弁護士はブリッグスと同じ弁護士です。全くやる気ない。
法廷にて。ここもドイツ表現主義のセットです。
当然地方検事も同じです。裁判官も同じ。
大家のケイン夫人がマイケルに不利な証言をしています。そりゃそうなる。マイケルは殺してやると言ってた。実際そうなんです。
ジェーンが証言する。地方検事が責め立てる。嘘はつけないわと言ってるジェーン。
陪審員は全員寝てたりします。さすが夢です。凄いな。
そんなこんなで票決になります。有罪です。第一級殺人で死刑です。
傍聴席にはピーター・ローレがいます。あいつだと指摘するマイケル。
裁判官があの天秤を持った像に変わってます。
それでもう処刑前の神父のお言葉になってるマイケル。
何故かブリッグスがいてマイケルを責める。
またドイツ表現主義で格子と一緒に電気椅子の影が大きく映っています。
そんなとこに誰かが来ています。殺されたはずのメンじいさんが来ています。
メンじいさんはだから夜にコーヒーを飲むからそうなるとマイケルに説教しています。それがオチかい。でもこういうのは好きだな。
うなれされて夢から覚めるマイケル。
マイケルはそれでどうする?
水差しから水を出して顔を洗ってます。水道がないのか?
モノローグで隣りが静か過ぎるとまた言ってます。
それでは起こしに行こうとマジで行くようです。
隣りをノックをしてます。反応無し。ドアに鍵がかかっていません。入るマイケル。
直接は見えないけどどうやらマジでメンじいさんは死んでるようです。これは大変なマイケル。
マイケルは自室に戻ります。
トランクを出して逃走のための荷造りをやっています。そうなるのか。
マジでずらかるようです。まずはトランク無しで出かけます。
ロビーで電話をかけてるマイケル。
ジェーンのアパートにて。
ルームメイトと住んでるらしいジェーン。
マイケルから電話で今すぐ有り金持って公園が会おうと言ってます。
公園にて。
ジェーンと会うマイケル。
すぐ街を出ないと逮捕されるとマイケル。
逃げたら疑われるわとジェーン。
メンじいさんはのどを切り裂かれていた。ニックと同じだと言ってるマイケル。
ということは同じ犯人となります。それではブリッグスは冤罪なのかとジェーンに突っ込まれてるマイケル。
警察に話して真犯人を探してもらおうと言ってるジェーン。
そんなこんなで自分で通報することになるマイケル。
アパートにて。警察が来ています。
ピーター・ローレも近くにいます。隠れています。
通報者だと名乗って入るマイケル。記者なので警察とは知り合いのマイケル。
怪しい男が廊下をうろついていたと証言するマイケル。
ニックと同じ殺され方だとも証言しています。
ブリッグスの冤罪のことも言ってます。そうなるとブリッグスはまだ死刑執行までは行ってないようです。
地方検事の自宅にて。
ここに来ているマイケルと刑事。
マイケルの話しをあまり本気にしていない地方検事。
もっぱらブリッグスの冤罪のことを主張してるマイケルですが、2件とも第1発見者は同じだとなって何だか風向きが悪くなってきます。
親類に精神異常者は?なんて聞かれてるが否定するマイケル。
で、参考人として連行されてしまいます。
ジェーンの仕事先にて。
口述筆記の仕事をやってるジェーン。マイケルから電話です。
逮捕された。謎の男は見つからず・・・
これは大変となって早退を申し出るジェーン。オッサンの上司は許可する。
街中にて。
聞き込みをしてるジェーン。目玉がギョロッとして白いマフラーの男をことを聞いてます。
目玉がギョロッとして白いマフラーの男って、それは『用心棒』(1961年)の仲代達矢だろうと思える。
それはともかく、最初は八百屋のジュゼッペ。空振りです。
郵便配達人には名前がわからないとダメですと言われてる。
他に色々と聞き込みをするジェーンですが空振りの連続のモンタージュになってます。
夜になってダイナーにて。
コーヒーを注文してるジェーン。そんなとこに偶然で隣りにピーター・ローレが座ってる。
まだジェーンは気がついてない。
迷い犬にエサを買ってるピーター・ローレ。
何だか気がついてるジェーン。ピーター・ローレの後を追います。
ダイナーの前で迷い犬にエサをやってるピーター・ローレ。
話しかけるジェーン。いったん別れますが白いマフラーを巻くのを見て、ピーター・ローレに事件の話をしてるジェーン。ピーター・ローレも何だかおかしいとなりつつある。
ニック、メンじいさんの名前を出してるジェーン。
3階に住んでた老人は通報すると言ったので殺したと言ってるピーター・ローレ。刑務所には戻りたくないと言ってます。
ジェーンは自宅まで送ってとピーター・ローレに送らせます。
その辺のアパートに入り電話するつもりのジェーンですが、大家のおばさんが入れてくれない。
怪しんでるピーター・ローレ。ジェーンを警察の手先なのか?と疑ってます。
逃げるジェーンを追うピーター・ローレは唐突にトラックに跳ねられる。
これではまずいといった感じのジェーン。
駆けつけたお巡りはピーター・ローレが探していた男に似ていると気がつきます。
瀕死のピーター・ローレはお巡りに自分がやったと証言して死に至ります。
これで事件は片づいたようです。
エピローグ。
ダイナーにて。プロローグに戻ってます。
カウンター席で隣りを確保して待ってるジェーン。マイケルがやって来ます。
ダイナーの主人にこれからは家で食べるからここの常連が2人いなくなると言ってるマイケル。それは結婚するからだと言ってます。で、主人から祝福されています。
マイケルとジェーンは判事に結婚証明書を受け取りに行こうとなります。
タクシーはぜいたくよと言ってるジェーン。
しかし近くのタクシー運転手は冤罪が晴れたブリッグスでおごってくれるとなってタクシーに乗り込むマイケルとジェーン。
エンドとなります。
ハリウッドはこういうオチは上手い。後味がいい。
エリシャ・クック・Jr.が死なずにエンドになってます。ビックリした。
『マルタの鷹』(1941年)ではズラかって生死不明だったし。死なないエリシャ・クック・Jr.は初めて見たような気がする。
そんなわけでフィルム・ノワールのよい作品でした。
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