『追想』(1956年)
この作品は、アナトール・リトバク監督、イングリッド・バーグマン、ユル・ブリンナー主演のロシアのアナスタシア皇女物ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1956年 20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆106分
原題◆Anastasia
プロット◆果たして今度のアナスタシアは本物と認知されるかとなって色々とある話しのようです。
音楽◆アルフレッド・ニューマン
20世紀フォックス発売のDVDにて。
画質は普通です。DVDならこれで十分でしょう。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声はドルビーデジタル 3.1ch
キャスト
ユル・ブリンナー→遺産目当てのボーニン将軍
イングリッド・バーグマン→病院帰りのアンナ
ヘレン・ヘイズ→偏屈な皇太后
エイキム・タミロフ→小太りの中年男チェルノフ。銀行関係らしい。
サッシャ・ピトエフ→メガネの男ペトロビン
Grégoire Gromoff→ボーニン将軍の部下ステパン (as Gregoire Gromoff)
マーティタ・ハント→皇太后お付きの女官リーフェンバーグ夫人
イバン・デニ→女好きで能無しなポール公
アナトール・リトバク監督の演出はよいと思います。
全体的に普通に出来ています。
この作品は元は舞台劇だそうです。そんな感じがセリフはよく書き込まれていて、いちいちセリフが決まってます。
ユル・ブリンナーのスキンヘッドは当時は珍しかったけど現在はやたらのいるので何だか普通に見える。ブルース・ウィリス、ビン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソンとか多いんです。
イングリッド・バーグマンのカラー作品は少ないようで結構多い。それにカラー作品を結構見ています。
この作品のイングリッド・バーグマンですが何故かシャーリーズ・セロンに似ている。
著作権のアラート
20世紀フォックス・ホームエンタテイメントのタイトル
20世紀フォックスのタイトル
シネマスコープのタイトル。この頃はマジにあったんです。
タイトル
Anastasia
前説字幕があります。
帝政ロシアは統治したロマノフ王朝は1917年、革命により打ち倒された。
逃れた貴族達もいたが皇帝一家は捕らえられ1918年に銃殺された。
だが1人だけ難を逃れて生きているという噂が流れ、その噂は年を経るごとに大きくなっていった・・・。
アナスタシア皇女だと思われる女性が現れた・・・
これは実際にもあった話しです。当時の20世紀フォックスはよく新聞ネタを映画にしていました。
1928年 パリの字幕。ロシア復活祭。
ニコライ2世御用足しの店にて。
そんなとこに地味な感じの女性が通り過ぎる。
オッサンがタクシーと値段の交渉をしています。
で、タクシーを送り出す。誰かを連れてくるようです。
高級レストランにて。ロシア料理店です。
余興にコサックダンスをやってます。
ここの主人がボーニン将軍です。タクシー運転手に呼び出される。
街にて。
ロシア教会では復活祭の儀式をやっています。
オッサンがタクシーで来たボーニン将軍を合流しています。
女はどこだ?となっています。さっそくコンタクトしています。アンナという名前。
すぐにアンナは行ってしまう。尾行してるオッサンとボーニン将軍。
アンナは歩いて橋の下に来る。ホームレスのオッサンがいます。
川に飛び込みそうなアンナを止めてるボーニン将軍。
高級レストランにて。
男2人が何やら相談しています。
どうやらアナスタシアを見つけて遺産をゲットする計画らしい。
若くて背が高くメガネの男ペトロビン。
小太りの中年男チェルノフ。銀行関係らしい。
ボーニン将軍がやってきます。同志と言ってる。
3人でアナスタシアのことで相談となります。
期限は8日しかないようです。期限を過ぎると詐欺が訴えられるとのこと。そうなってる。
で、精神科にいた女を見つけたと言ってるボーニン将軍。
タクシーを呼んだ男ステパンがアンナを連れてきます。
ボーニン将軍は本物のアナスタシアは10年前に銃殺されたと言ってます。
それでは最初から偽物を本物に仕立てて遺産目当てになってるようです。
いきなり兵隊が撃ったとか言って本物っぽくなってるアンナ。
見てて結構醒めてる3人。こういう具合なのかといった感じ。
銀行関係のオッサンは上手い芝居だと感心しています。
アナスタシアの見本の等身大の絵ですがアナスタシアは1m77cmもあるのか。これは演じるイングリッド・バーグマンに合わせてあるんでしょう。
アナスタシアにある手や頭の傷もちゃんとあるアンナ。凄く似てるようです。
ボーニン将軍は多数決をとります。2対1で決行になっています。
反対したのは銀行関係のオッサン。
英国銀行の残したカネが目的だとハッキリと言ってるボーニン将軍。
会話からアンナはあちこちで本物だ偽物だと言われてたらしい。
そりゃ精神病院に入るでしょう。いわゆるアイデンティティが崩壊するわけです。
で、アンナを説得するボーニン将軍。
何故か本物しか知らないはずのことを知ってるアンナ。
ところでこの3人は皇帝一家の元関係者らしい。
このへんはイングリッド・バーグマンの力演の見せ所になっています。
ハリウッドから飛び出してイタリアに行き、またハリウッドに復帰しても昔とあんまり変わっていない。
ホテルだかアジトだかアパートかわからんところです。
窓の外にはマット画のエッフェル塔。ミニチュアの電車が走る。
アナスタシアになり切る突貫の特訓をやっています。
つじつま合わせは詰め込み記憶とか色々とやってます。
時間が経過すると窓の外のマット画のエッフェル塔には照明が入ってます。
ミニチュアの走る電車にも照明が入る。
どうやらずっと特訓をやってるようです。
チェルノフが来てあと3日だと知らせます。期限は延ばせない。これは大変。
メイドのおばさんが髪を直す。その間も特訓は続く。
チェルノフはアンナのことをスタニスラフスキー仕込みだかと言ってます。
要するに芝居にはしては上手いと言いたいらしい。成りきりのメソッド演技というわけです。
お披露目の一席をやるようです。事前検査なのか?
6人の関係者を呼んでアナスタシアの首実検となるようです。
無難な人選はボーニン将軍達がやってるようです。
6人相手の首実検です。
何故かアナスタシア当人しか知らないはずのことを喋ってるアンナ。
信じてる人もいます。
一段落してボーニン将軍がアンナは喋り過ぎだと言ってます。
当のボーニン将軍は本物のアナスタシアは死んでるとしています。
遺産目当てだとしつこく描写しています。
翌日、また特訓になっています。
今度は歩き方をやってます。頭の上に本を載せて歩くアンナ。
ピアノを弾いてるアンナ。ピアノには猫がいます。可愛い。
この曲は覚えておけとボーニン将軍はギターを弾く。アンナからギターを弾けるのねと言われてます。
次はダンスの特訓になってます。
ボーニン将軍相手にワルツを踊るアンナ。
夜中です。寝てるアンナは悪夢を見て悲鳴を上げる。
ボーニン将軍がかけつける。私は誰なの?とアンナ。いわゆるアイデンティティ崩壊の危機になってるようです。
舞踏会にて。どこだかわからん。
どうやらアナスタシアお披露目の推薦状にサインをしてもらう催しのようです。
関係者の男2人が来ています。アナスタシアの関係者のじいさんが来ててまずいとなっています。
呼ばれた人達は今度のアナスタシアは本物か偽物かと噂話で持ち切りです。
ボーニン将軍が口上を述べる。証明書に署名をと言ってる。大演説になってます。
で、アンナに面会する関係者達。
上手くいって信じてる御婦人もいます。
問題のおじいさんワシリウィッチは全く信じていない。最後に少しぐらついてるけど。
アジトにて。
結果ですが51人中で18人の署名でした。これではダメです。
3人でこれからどうする?と相談になってます。
署名の数が足りなくても皇太后のお墨付きがあれば大丈夫。会わせようとなります。
コペンハーゲンの城に向かうことになります。
そんなとこにメイドのおばさんがアンナが荷造りしてると知らせる。
荷造りするアンナを説得するボーニン将軍。
祖母の皇太后の話しをするボーニン将軍。説得してます。
移動中の列車にて。
アンナとボーニン将軍。A・アンダーソンのパスポートがあるアンナ。
コペンハーゲンはデンマークなのか。デンマークの映画なら『冷凍凶獣の惨殺』(1961年)を見たことがあります。
コペンハーゲンにて。
列車が到着する。タクシーでホテルに入ります。
1950年代だとクルマが古い。まだクラシックカーばかりです。どれも同じに見える。
ホテルにて。
アンナを部屋に送り、ボーニン将軍はバーで仲間2人会う。
皇太后は面会拒否のこと。こまった状態になっています。
まずはティボリ公園でお付きの女官リーフェンバーグ夫人に会うことにするボーニン将軍。
ティボリ公園にて。
軍楽隊のパレードをやってます。駅前でもやっていました。デンマークはこれぐらいしかやることがないのか?
見物人の子供達が紙製の潜望鏡でパレードをのぞいています。
カフェで待ってるボーニン将軍。
リーフェンバーグ夫人がやってきます。今は男爵夫人になってるらしい。
逃げたロシア貴族達はヨーロッパに散り散りになってるようです。
皇太后との面会話しになるけど無理とのことです。
で、皇太后はバレエ見物に行くと言ってるリーフェンバーグ夫人。
劇場にて。バレエ公演です。
貴賓席に入るアンナ、ボーニン将軍。それでどうやって面会する?
ポール公の話し出ています。皇太后の城に居候してる女好きらしい。能無しでもあるらしい。
お仲間2人が来ます。皇太后一行がやって来たとのこと。
向かいの貴賓席に皇太后一行が入ってます。
皇太后はカーテンの影で見えない。見えてるのはポール公とリーフェンバーグ夫人。
幕間にて。ロビーに人が出ています。バーもあります。
アンナとボーニン将軍。ポール公とコンタクトしてます。
ポール公は見た目通りの女好きの能無しといった感じです。
美人にご紹介をというので来ているポール公。
それでもこの人がアナスタシアですとなるとさすがに腰が引けています。
ポール公と話し込むアンナ。
貴賓席にて。
ボーニン将軍は貴賓席の皇太后に面会します。
大勢の孫にあったとうんざりしてる皇太后。
ボーニン将軍もさすがに本物とは主張せずにあいまいにしています。
パリに帰れと言われてるボーニン将軍。
反対側の貴賓席にて。
戻ったボーニン将軍とアンナ。
ポール公の話しをしているアンナ。
貴賓席の皇太后の方は内緒でオペラグラスでアンナを見ようとしているのか?
そんな感じ。
ホテルにて。
ボーニン将軍とアンナ。
上出来だったと言ってるボーニン将軍。ポール公の招待があるとこれだけでもそうなるらしい。
ポール公に会うついでに皇太后にも会うつもりです。
花火です。ここはどこだ?
食事中のアンナとポール公。窓の外では観覧車が回ってる。
上機嫌で酒を飲んで食べて喋りまくるアンナ。
キスまでしています。それでも2回目はやめてるアンナ。
ボーニン将軍がきます。アンナを帰している。
どうやらここはホテルのようです。エレベーターにアンナを乗せてるボーニン将軍。
バーにて。
ボーニン将軍とポール公が話し込む。
カネの話しから入るボーニン将軍。ポール公に頼みごとをする。
部屋にて。
戻ったボーニン将軍。ドレスが脱ぎ散らかしてあります。いい気分のアンナ。
それから広間を挟んでそれぞれの部屋から大声で会話してます。
ボーニン将軍に告白しなさいと言ってるアンナ。それからボーニン将軍がアンナの部屋に入るとアンナは寝ています。
電気を消してそのまま自分の部屋に戻るボーニン将軍。
お城にて。
皇太后の馬車が戻ります。散歩というかそんな感じ。
ポール公がアンナとの面会の話しをするがアッサリと却下されたようです。
女官のリーフェンバーグ夫人はやってきたおばさんとアンナの噂話をしてる。
アッサリとポール公は帰ります。
皇太后と話しになるリーフェンバーグ夫人。
アンナのことを聞かれても私にはわかりませんと無難に答えてるリーフェンバーグ夫人。
で、皇太后はアンナに会いに行くようです。
ホテルにて。
ボーニン将軍とアンナ。ポール公から手紙が届く。ダメということらしい。
手紙を読んで字まで汚いとポール公をこき下ろしてるボーニン将軍。
そんなとこにフロントから電話です。男爵夫人がレディと見える。実質皇太后が面会に来たことになります。これは大変。
あっという間に皇太后と面会するアンナ。
もしかしてアンナは二日酔いではないのか?
ボーニン将軍も出ていてって2人きりで面会になります。
最初は蝋人形並みに似てると言ってる皇太后。
それはともかくアナスタシアと皇太后しか知らない記憶を披露してるアンナ。
帰ろうとする皇太后に抱きついてるアンナ。
おびえると咳が出るアンナ。これはアナスタシアがそうだったようです。
そんなこんなで上手くいったらしい。
バンドがあって歌が入っています。ここはどこだ?
何だかボーニン将軍のパリの高級レストランのようです。もうパリに戻ってるらしい。
仲間の2人が御婦人相手にお喋りしてます。
どうやら皇太后のお墨付きが付いたので浮かれてるいるようです。
名前の響きがいいのでウルグアイにでも行くかと言ってるペトロビン。
ボーニン将軍はバンドと一緒にギターを弾いて歌ってる。
マジでこの件はホトンド成功といった感じ。
3人の会話から皇太后とアンナはパリに着いたと言ってます。
で、明日が披露式典だと言ってます。
で、コペンハーゲンからパリに戻ってるのがわかりにくい。
地図で移動のモンタージュを入れればいいだけのにこまったものです。
披露式典記者会見会場にて。
3人で打ち合わせをしています。あのイスはやめた方がいいとか。
どうやら皇太后とアンナとは打ち合わせせずに、ぶっつけ本番で披露式典から記者会見をやるらしい。
皇太后、アンナ、ポール公がそろって記者会見になるらしい。
その前にアンナだけで記者会見をやってます。
この3週間は皇太后と一緒だったと言ってるアンナ。いつのまにか3週間も経っていたらしい。この描写もない。説明セリフだけではダメなんです。
まずは遺産のことを聞かれてるアンナ。
無難に答えているアンナですがベテラン記者から精神病院のことを聞かれてまずい雰囲気になっています。
ボーニン将軍が記者会見を打ち切らせる。
また披露式典の段取りの打ち合わせになっています。
ボーニン将軍とアンナ。
精神病院のことが新聞に出る前に披露式典をやればいいと言ってるボーニン将軍。
あと1時間で披露式典らしい。
何か言いたいそうなボーニン将軍。
要するにボーニン将軍はアンナとポール公の結婚に反対で、これをストレートに言えないだけらしい。
それにアンナがアナスタシア皇女になり切ってるのも気に入らないらしい。
いきなりバンドが演奏しています。
もう舞踏会になってます。披露式典が始まってるらしい。
ポール公とワルツを踊るアンナ。ポール公にはカネがない。そんな話しになってます。
ボーニン将軍は皇太后の部屋に入ります。
お付きのの女官リーフェンバーグ夫人は結構目立つ。コメディリリーフのようです。
ここからもう発ちますと言ってるボーニン将軍。義務を果たせた。そんな感じでお別れの挨拶になっています。
何でそんなに機嫌が悪い?と皇太后から突っ込まれてるボーニン将軍。
リーフェンバーグ夫人から皇太后にお時間でと声がかかる。
ボーニン将軍にここで待てと言って部屋を出る皇太后。
アンナが皇太后のところに来ています。
チェルノフとペトロビンはボーニン将軍はどこへ行った?と焦ってます。
人払いをして2人きりになる皇太后とアンナ。
アンナにポール公を愛してるいるのかと聞く皇太后。あいまいなアンナ。
あなたはボーニン将軍と同じだと言ってる皇太后。
エメラルドを進呈する皇太后ですが断ってるアンナ。
そんなこんなでアンナをボーニン将軍のとこへ行かせる皇太后。
披露式典に向かう皇太后。
ペトロビンがボーニン将軍がいないと言ってきます。
アンナもいない、どうなってる?と回りが騒然としています。
2人がいるはずの部屋に誰もいないと報告が入る。
皇太后が披露式典からの記者会見に行く途中で、
「芝居は終わった、お帰り」と決めセリフの皇太后。
これでエンドとなります。
そんなわけで普通によく出来てる作品でした。
この作品もようやく片づいた。ずっと見ようと思っていて伸び伸びになっていました。かなり以前に地上波大幅カット日本語吹き替え版で見ていました。
それで、このDVDは日本語吹き替え版もあるので今度見る時は日本語吹き替え版を見ましょう。イングリッド・バーグマンの吹き替えはおなじみの水城蘭子だし。
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