映画感想の加筆改訂のお知らせ

にほんブログ村

« 『江戸川乱歩「黒蜥蜴」より 悪魔のような美女』(1979年) | トップページ | Hollywood Express #529◆2013.07.27(土) »

2013.07.28

『江戸川乱歩「白髪鬼」より 宝石の美女』(1979年)

この作品は井上梅次監督,天知茂主演のTV土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズ第7弾のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1979年 松竹/テレビ朝日 日本作品
ランニング・タイム◆72分
プロット◆殺されて復讐をする話しのようです。
音楽◆鏑木創

キングレコード発売のDVDにて。
画質は普通です。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。

キャスト
天知茂→明智小五郎探偵
五十嵐めぐみ→助手の文代
柏原貴→助手の小林少年
荒井注→波越警部

田村高廣 大牟田敏清/里見
金沢碧→大牟田ルリ子
小坂一也→画家の川村
田島はるか→るり子の妹 豊子
奈美悦子→住田女医
睦五郎→宝石泥棒で脱獄した西岡

北町嘉郎→波越警部の部下 田村刑事
岡部正純→不動産屋
小田草之助→浮浪者
山本幸栄
羽生昭彦
山崎純資
沖秀一
詫摩繁春
工藤和彦
山本伸二
加藤真琴
篠原靖夫
鈴木章司
園田健二
戸谷光輝

井上梅次監督の演出はよいと思います。
72分でコンパクトに収まっている佳作です。

金沢碧はいい声をしています。
今は何をしてるのか気になる。いい旦那でもゲットしたのかな。
ヤクザな男に捕まっていないだろうな。内田裕也に捕まった島田陽子みたいになっていないと思うけど。


キングレコードのタイトル。

タイトル。
そのまんまの白髪鬼となっています。ハッタリが効いてていい。
いつも出てる名前のわからん刑事ですがタイトルに田村刑事とちゃんと出てる。

いきなり脱獄のシーンになっています。
これに明智小五郎探偵のナレーションがかぶさっています。
脱獄した宝石泥棒の西岡はちゃんと子分にクルマを用意させていました。
白いアメ車です。車種はわからん。
で、途中でクルマを止めさせて子分を撃ち殺す非道っぷりを見せています。
これはまたヒドイ兄貴分です。それでも西岡を演じるのが睦五郎なのでそんなに凶悪な感じがしてないのがいい。

病院にて。
瀕死の西岡の子分を医者にどのくらい持ちますかと聞きながら尋問している波越警部です。こちらも結構な非道っぷりをみせています。いいのか。
「白髪・・」とか言って死に至る西岡の子分。

脱獄囚 西岡 仲間を射殺・・・等と、新聞の見出しモンタージュとなります。

明智小五郎探偵事務所にて。
見てるTVは東芝製です。古い。それでもチャンネルが回すツマミではなく1列に並んだボタン式になっています。当時の最新型TVです。
波越警部から電話です。西岡がお礼参りにくるかもしれないから注意せよとか・・・
「白髪のかつら」の話しはここで出ています。

西岡は洞窟から大牟田家の墓に入ります。
この洞窟は『江戸川乱歩「緑衣の鬼」より 白い人魚の美女』(1978年)と同じみたい。セットも流用してるようです。懐中電灯はさすがに黄色から赤になっています。

西岡が大牟田家の墓に宝石を隠してる設定で原作とは違います。
で、棺桶に隠した宝石がありません。驚愕してる西岡。

大牟田家にて。
さっそく入浴シーンになっています。でも金沢碧のヌードは吹き替えです。
以前見た時は本物からと思ったけどちゃんと編集で吹き替えてあります。
そんなとこに窓の外から覗きです。白髪に黒メガネの怪しい男です。
で、大騒ぎになります。川村に妹の豊子が来ます。

海岸にて。何だか釣り堀みたいなとこだけど・・。
脱獄に使ったクルマが水中から引き上げられています。
凄い。本物のクルマを使ってる。低予算ではないじゃん。

地元警察にて。
クルマが上がったのと大牟田家に白髪に黒メガネの男 西岡が忍び込んでたことの2件が東京の波越警部に連絡されます。

ホテルにて。
410号室のキーを受け取る大富豪の里見が登場。

大牟田家にて。
クルマで到着する波越警部と明智小五郎探偵の一行。クルマはトヨタ・クラウン。
地元警察の寒川警部がお出迎え。

ルリ子と豊子と川村。
大牟田の肖像画について話しをしています。もうすぐ一周忌とのこと。
この肖像画は外した方がいいとか云々・・

警察が入ります。
波越警部はここに西岡と関係があるのではと疑ってます。調べたらどうだと開き直る川村。怪しい。
明智小五郎探偵の存在に気がついて何だか動揺してるルリ子と川村。

不動産屋が来ます。売りに出してあった別荘が売れたとのこと。
買い主も来ています。どうやら里見が買ったようです。
警察がいるのに、ルリ子や川村と里見の会話が延々と続いています。
明智小五郎探偵と里見のご対面となります。里見に西岡の写真を見せてる波越警部。
で、風呂場を覗いていたのは私ですと言ってる里見。謝罪してこの件はお終いとなります。
そんなわけで大牟田家と宝石泥棒の西岡とのつながりはなくなります。

警察や里見が帰ったとこで、話し込むルリ子と川村と豊子。
大牟田は確かに死んだと確認しています。
里見のことは気に入らないと言ってる川村。
里見はおカネがありそうだからそんなことは構わないとルリ子。
昔のことを心配している豊子。

海岸に佇む里見。大牟田家の墓の前です。
そんなとこに明智小五郎探偵が来ています。挨拶となります。

ホテルにて。
里見の部屋に入るルリ子。
地獄岩の話で出ています。あの岩は嫌いよとルリ子。
亡くなった大牟田の話しをする里見。タバコを出す癖を見せています。
これに驚愕してるルリ子です。何だかんだ言ってルリ子を安心させてる里見。
ルリ子にプレゼントをする里見。サファイアの指輪です。

明智小五郎探偵のナレーションです。
西岡は見つからず、他の犯罪もあるのでは・・

移動中のクルマにて。
明智小五郎探偵と波越警部。元ホステスらしいルリ子。これから大変だなと余計な心配をしています。

ホテルにて。
非常階段から410号室へと入る西岡。
で、西岡に脅かされても全然慌てていない里見。小物っぷりがいい西岡です。
里見から宝石の半分と海外への高飛びの段取りで手なずけられる西岡です。

大牟田家にて。
ルリ子と川村。指輪のことで、オレより宝石の方がいいのかと川村。
この作品の小坂一也は川村になり切りって一世一代のハマり役です。演技以前に本人のキャラクターが演じる役そのまんまなんです。

地獄岩付近にて。
絵を描いてる川村。そこにルリ子と里見がやって来ます。
ここでキーホルダーを回す癖を見せつける里見。驚愕してるルリ子と川村。
成り行きでルリ子にプロポーズしてる里見。
川村は少し不安になっています。何しろルリ子はおカネが大好きなもので・・

大牟田家にて。
川村と豊子。宝石好きのルリ子でも里見とは結婚しないでしょうと豊子。
カメラを持ってる豊子。
成り行きで「あんたが殺した」とか「そそのかしたのは君だ」とか口論になっています。凄いな。

停電です。
ベッドで寝てるルリ子に不気味な声が聞こえてきます。「出してくれ・・」とか、
起き上がってルリ子の背後から手をかけられる。白髪鬼です。悲鳴を上げるルリ子。
川村と豊子がかけつける。誰もいない。

階下に下りる豊子。
大牟田の肖像画に白髪が描き加えられています。カメラで撮る豊子。
窓の外に白髪鬼がいます。
川村にはホテルの里見に電話するように言ってカメラを持ったまま白髪鬼を追跡する豊子。

ここは西岡の白髪鬼が来てたようです。
川村がホテルに電話をします。出たのは里見です。これでアリバイが成立します。
川村もあまり上手くないことを言ってます。
ボーイがちょうど来て里見のアリバイのダメを押しています。

逃げる白髪鬼、追う豊子。
逆に豊子を襲う白髪鬼。思い切り首を絞めています。片づけられる豊子。

大牟田家にて。
ルリ子に注射をしてる女医。この女医が大牟田の死亡診断書を書いたお仲間らしい。

回想となります。
地獄岩にて。タバコに火をつけてキーホルダーを回して川村に崖から突き落とされる大牟田。
死亡診断書を書くのを渋ってる女医。交渉してる川村。病院増築のおカネを出すことで話しがついたらしい。
回想から戻って、女医は昔のことを持ち出さない方がいいと忠告しています。

警察から電話です。豊子が殺されたと・・・

海岸にて。
逆さ吊りの豊子の全裸死体。これは凄い。よくこんなシーンが撮れたものです。
この女優さんはよく出来たものです。全裸はともかく逆さ釣りなんて頭に血が上ってそれだけでマジで死にます。感心する。

大牟田家にて。
川村から事情聴取の警察。
里見のアリバイがあるので西岡が犯人になっています。
まだ宝石のことを言ってる波越警部。
助手の小林が庭に落ちた白髪を発見しました。
豊子の撮った写真が現像から上がってきます。ブレてる白髪鬼の写真、白髪の肖像画の写真。
川村が肖像画のことを聞かれてとぼけています。殺された豊子のせいにしています。

里見がやって来ます。
電話をアリバイがあると言ってる里見。完璧なアリバイです。
川村が止めるのに勝手にルリ子のお見舞いに2階に上がる里見です。

ルリ子の部屋にて。
死んだ主人に似てるから里見が怖いとか言ってるルリ子。
何で怖いと突っ込んでる里見。
またプロポーズしてる里見。私にはカネがあると言っています。まんざらでもなさそうなルリ子です。
またプレゼントしてます。パリで買ってきたネクタイピンらしい。
川村のことも面倒を見ましょうと言ってる里見。

大牟田家の墓の前にて。
明智小五郎探偵がいます。そんなとこに里見が来ます。
西岡の話題になっています。
別の犯罪が見えると言ってる明智小五郎探偵。肖像画の白髪の話をしてる。
自分の髪の毛を切って証拠にしてくれと明智小五郎探偵に渡す里見。

大牟田家にて。
ルリ子と川村。別れ話をしてるルリ子。
収まらない川村。逆に脅かしています。
プレゼントを見せるルリ子。これを見て驚愕してる川村。大牟田の物だからです。
大牟田の棺桶に入れた物が何故かここにあるわけです。それは驚愕するわけです。

地元警察にて。
大牟田の溺死を調べにきてる明智小五郎探偵。
心臓マヒ、遊泳中、女医の名前、
波越警部が庭で発見された白髪はかつら、里見の白髪は本物。

大牟田家にて。
女医が来ています。大牟田はちゃんと死んでいたと確認しています。
で、プレゼントの方は偶然ということで納得しようとしています。

クルマで移動中の女医。クルマは白いトヨタ・セリカ。
いきなり後から白髪に首を絞められています。

海岸にて。
釣りの男2人が下着姿の女医の死体を発見します。
現場検証となっています。死後役10時間で絞殺、死体の手には白髪が握られていました。

ホテルにて。
明智小五郎探偵が来ています。里見についてフロントから聞いています。
例によってボーイに用を頼んだりしてアリバイはあるようです。
で、宿泊期間トータルでは食事のルームサービスが倍の量らしい。怪しい。

造船所にて。
西岡が逃げています。アッサリと見つかります。逃げる西岡。

地元警察にて。
西岡が洞窟に逃げ込んだと通報があります。
洞窟に向かう警察の面々。

洞窟にて。
洞窟内に入る警察。明智小五郎探偵も来ています。
入り口付近には里見も何故かいます。
洞窟内では西岡が首を吊っていました。遺書もあります。
これで事件は解決したらしい。

地元警察にて。
東京に帰る挨拶をしてる波越警部。

大牟田家の墓の前にて。
明智小五郎探偵がいます。そこにまた里見が来ます。
よくここで会いますねと挨拶してる。
今日引き上げると言ってる明智小五郎探偵。
別の犯罪の話となります。女医の死亡診断書の話も出ています。
里見とルリ子の結婚の話も出ています。

大牟田家にて。
里見とルリ子、川村。同じネクタイピンの話が出ています。
パリで買ったということで納得してるらしい。
別荘を改装が完了したと里見。

里見とルリ子だけになって、嬉しいけど1つお願いがある。川村の面倒を見てくれと・・
これをドアの影で聞いてる川村。
で、高額な絵の数々を川村にやる話しを聞いて、絵は私の物よとお願いのルリ子。

別荘にて。
里見がいます。そこに川村がやって来ます。
絵を全部くれれば手を切ってやると川村。それでは地下室ヘ行きましょうと里見。

地下室にて。
何もありません。椅子と壁に鹿のはく製があります。
川村に椅子に座るように勧める里見。
椅子に座る川村ですが拘束器具が飛び出て拘束されます。
正体を見せる里見。どうやって生き返ったと聞かれて回想となります。

回想となります。
棺桶の中で白髪となる大牟田。
せっかく棺桶から出られても真っ暗です。ロウソクを探して点火します。
水たまりを見つけて自分の頭を見て白髪となってることに気がついて驚愕しています。
回想から戻ります。

川村を処刑する里見。
壁の鹿のはく製の角がこちらを向いて壁ごと迫ってきます。

明智小五郎探偵事務所にて。
波越警部が来ました。西岡の遺書の筆跡が違うと判明したようです。
急に白髪になる原因を調べていた明智小五郎探偵。一例を話しています。
英文の本でエドガー・アラン・ポーの『早過ぎた埋葬』のことも話しています。
助手の小林が戻ってきます。香港で宝石が売りに出されてことを調べてきました。売り主は白髪だったとか。
明智小五郎探偵は3つの事件があの墓で交錯してると言っています。
そこに川村が行方不明と連絡が入ります。

別荘にて。
角で串刺しになってる川村の死体。

大牟田家にて。
ルリ子と里見。
里見は顔の痣を消す手術をしたと包帯を巻いています。
宝石を見せましょうと出かけます。

大牟田家の墓にて。
ここにやって来る里見とルリ子。
墓の扉の鍵を持ってる里見。開けます。私の宝石箱はこの中にあるとルリ子を中に入れます。
見せたいものがあると大牟田の棺桶を開けると川村が入っています。
黒メガネと包帯を取る里見。痣はまだあります。
ようやく里見の正体に気がついてるルリ子。
「やっぱり生き返ったのね」のセリフから・・・

回想となります。
せっかく棺桶から出ても外には出れません。
出口を探します。違う棺桶の中から宝石を見つけます。宝石があると言うことはここに出入りしてるのいうことで、表の扉はロックされてるので他に出入り口があるはずと探します。ようやく出入り口を見つけます。
回想から戻ります。

「あたしがやったのではない川村がやった」と言ってるルリ子。この往生際の悪さがいい。やっぱり悪女はそのくらいの方がいい。
で、ルリ子を川村の入ってる棺桶に入れる里見。
これで復讐は完了した。そんなとこに西岡が現われます。
西岡が謎解きをやっています。どうやら西岡がホテルにいて現場は里見だったらしい。
洞窟に警察を呼ぶためにわざと見つかったのも里見がやったらしい。

切りがいいとこで西岡が変装を解きます。明智小五郎探偵です。
謎解きで自信過剰だという部分の訂正を求める里見。ここは負け惜しみではなくロジックが通っています。
で、拳銃自殺する里見=大牟田。
里見=大牟田が倒れて棺桶のフタが開きます。ルリ子が出てきます。
後タイトルになります。
石を拾って宝石だと思ってるルリ子。
海岸に出て貝殻を見つけて宝石だとしてるルリ子。
スローなテーマ音楽に戻っています。これもこれでいいけど。
エンドとなります。


そんなわけでよく出来ている作品でした。佳作です。


« 『江戸川乱歩「黒蜥蜴」より 悪魔のような美女』(1979年) | トップページ | Hollywood Express #529◆2013.07.27(土) »

映画」カテゴリの記事

1970年代」カテゴリの記事

江戸川乱歩 土曜ワイド劇場」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『江戸川乱歩「白髪鬼」より 宝石の美女』(1979年):

« 『江戸川乱歩「黒蜥蜴」より 悪魔のような美女』(1979年) | トップページ | Hollywood Express #529◆2013.07.27(土) »

月齢

無料ブログはココログ
フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

バイクフォト

  • ヤマハ トリッカー XG250
    私が買ったバイクです。ヤマハばかり。