『江戸川乱歩「緑衣の鬼」より 白い人魚の美女』(1978年)
この作品は井上梅次監督,天知茂主演のTV土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズ第4弾のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1978年 松竹/テレビ朝日 日本作品◆土曜ワイド劇場用ドラマです。
ランニング・タイム◆72分
プロット◆謎の緑衣の鬼に悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆鏑木創
キングレコード発売のDVDにて。
画質は普通によいです。
スクイーズ収録のフル表示
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
キャスト
天地茂→明智小五郎
夏純子→ヒロインの芳枝
松村達雄→夏目老人
荻島真一→秘書の山崎
朝加真由美→夏目の娘
日野繭子→お手伝い
荒井注→波越警部
五十嵐めぐみ→助手の文代
北町嘉郎
羽生昭彦
池田駿介
加地健太郎
東村元行
小田草乃介
篠原靖夫
久木念
土屋靖雄
鈴木謙一
沖秀一
青沼三郎
山本幸栄
岡本忠幸
福谷光一
井上梅次監督の演出はよいと思います。
TVでヌードが見られるとお楽しみで見たものです。で、いま見ればそれだけではなく他に面白い所やいい所が多くあるとよくわかります。
この作品は凄い。次から次へとことが起こるノンストップアクションになっています。
緑衣の鬼の扮装はそのまんまというか愛嬌のある感じです。このシリーズの雰囲気にあってるからいいのではと思えます。
ヒロインの夏純子は脱いではいないようです。吹き替えでした。確かないはずです。
ルックスは何というか目鼻立ちがハッキリしているのが特徴です。
荻島真一は面白いセリフをハッキリと言ってるがいい。
クルマは黄色いトヨタ マークII 2ドアハードトップ、フェンダーミラーです。
固定電話はプッシュホン。当時最新のアイテムです。
キングレコードのタイトル
タイトル。
いきなり緑衣の鬼が出ています。全身緑でそのまんま緑衣の鬼です。
明智小五郎探偵事務所にて。
帰りの時間で窓から見ると何かビルに影が・・・
そのビルにクルマで行きます。
黄色いトヨタ・マークII 2ドアハードトップ、フェンダーミラーです。で、このクルマがマークIIではくなチェイサーかクレスタかというのはどうでもいい。
ビルの屋上で怪しい男が踊っています。その影でした。
通り掛かりの女性がこの影に襲われて悲鳴を上げます。この人が文代の女子大の先輩 笹本芳枝でした。
黄色いクルマで移動中。
詩人の夫が寝込んでる話しになってる芳枝。
笹本家にて。
家事手伝いの人がいます。玉子さん?
影が笑うという話しになっています。帽子を被って髪の毛はモジャモジャでマント姿らしい。
寝込んでる旦那に面会となります。
これがノイローゼで顔が見えません。
そんなとこでさっそく笑い声が聞こえてきます。錯乱してる旦那。
窓の外に影が見えます。すぐにいなくなる。
外にロケットの首飾りが落ちています。中には芳枝の写真が入っています。
明智小五郎探偵の「美しい人には云々と・・」とセリフが入ります。いい感じ。
「まあ怖い」とリアクションの芳枝もいい。
このロケットからシーンがつながって明智小五郎探偵事務所にて。
波越警部にロケットのことを調べるように依頼しています。
笹本家にて。
文代が来てます。玄関ドアが開いてるの入ります。
怪しい笑い声が聞こえてきます。芳枝が倒れています。
文代が助けると旦那のことを心配してる。
で、文代が見に行くと旦那が殺されています。
ここを後から殴打される文代。緑衣の男を見てから気絶します。
明智小五郎探偵事務所にて。
笹本家に電話してる明智小五郎探偵、出ません。
電話がかかってきます。波越警部からの報告です。夏目菊太郎に売ったロケットだとわかります。
笹本家にて。
明智小五郎探偵がやって来ます。
気絶してる文代を発見する明智小五郎探偵。ということは文代はほったらかしだったのか。
旦那の死体はない。芳枝も消えています。
風呂場からシャワーの音がします。家事手伝いの人が全裸で浴槽に浮いています。
ここは浴槽の底からのショットでおっぱい見せて死んでいます。
緑衣の鬼が姿を見せています。
ここで追うのかと思ったら追わない明智小五郎探偵。
夏目家にて。
夏目菊太郎に色々と聞いてる明智小五郎探偵と波越警部。
10年前に妻に買ったロケットとのこと。
夏目菊太郎の弟の娘が芳枝です。姪となります。
で、芳枝が笹本と結婚してから絶遠状態らしい。
息子の夏目太郎は病気だと言ってる夏目菊太郎。
娘の夏目友子がお茶を持ってきます。緑色の服の話が出ると動揺してる夏目友子。
廊下に出たとこでロケットの話をしつこく夏目友子に聞いてる明智小五郎探偵。
夏目太郎の部屋をみせてもらいます。
夏目太郎の部屋にて。
入るとこでドアからして緑色の部屋です。
中も緑色。壁には芳枝の写真が大量に貼ってあります。この部屋がセットなんですけど予算を全部つぎ込んだといった感じ。それでも凄く安っぽいのがアレです。
夏目太郎の写真も一応あるようです。頬に傷跡がある。
そんな感じで容疑者は夏目太郎ということになりつつあります。
東京ホテル 浦島にて。
ロビーに緑衣で頬に傷跡の夏目太郎がいます。フロントに鍵をもらい自室に戻る。
で、フロントが警察の手配に気がつき通報となります。
フロントのオッサンが見に行きます。鍵を開けて部屋に入る。
夏目太郎はシャワー中。
でかいトランクが揺れています。開けると下着姿の芳枝が入っています。
これはビックリのオッサンは後から殴打されて気絶します。
警察が来て夏目太郎の部屋に急行しています。
で、大騒ぎになっています。
波越警部の部下の刑事が2人いるけど演じてるのが誰だかわからん。
病院にて。
芳枝から事情聴取となります。明智小五郎探偵と波越警部。
犯人は夏目太郎で旦那を殺したと証言する芳枝。
そんなとこに夏目菊太郎と夏目友子が見舞いに来て熱川の別荘に行こうとなります。
秘書の山崎が登場。荻島真一が怪しげでいい感じ。笑っちゃうほど怪しげなんです。
で、山崎は夏目菊太郎にも気に入られてるらしい。
熱川にて。
タイアップのホテルやらワニやフラミンゴがいる動物園?やらのシーンがはいります。
あれから10日立ちました。と手紙で明智小五郎探偵事務所につながります。
熱川に着いた文代。
クルマのお迎えがあります。これはトヨタ・センチュリーです。古そうだけど。
夏目家の別荘にて。
芳枝から水族館へ行こうということになります。
着替えてから双眼鏡でのぞいてる文代。ちょうど芳枝が緑衣の男に襲われています。
慌ててかけつける文代と夏目友子。
途中で山崎がいたので一緒に水族館へ駆けつけます。
夏目友子は警察へ知らせに行き文代と山崎が向かいます。
水族館にて。
文代と山崎が2人で手分けして芳枝を捜しています。
水族館なのでサカナのショットをこまめに編集で入れています。
芳枝を襲ってる緑衣の男を目撃する文代。で、芳枝を小脇に抱えてズラかる緑衣の男。
いきなり人形になってるのが凄い。ここはいくらなんでも低予算でも割り切り過ぎのような感じがする。
追う文代ですが山崎と鉢合わせになります。緑衣の男はいない。
芳枝は水槽の中にいました。救出されます。
熱川に駆けつける明智小五郎探偵と波越警部一行。
山狩りとなっています。緑衣の男は見つからない。
芳枝から話しを聞いてる明智小五郎探偵。
助けて下さいと頼まれています。
夏目友子が男の子から手紙を渡されます。夏目太郎からです。
緑色の男からだと言ってる男の子。
手紙は兄妹だから洞窟へ来てくれとなっています。
文代と芳枝が明智小五郎探偵について話しをしています。
夏目友子は山崎と相談して洞窟の入口まで付いて来てもらいます。
1人で洞窟に入る夏目友子。
洞窟内を進み兄の夏目太郎を呼んでる夏目友子。いきなり緑衣の男が出てきます。マスクをとると顔を見て驚愕してる夏目友子。
山崎が夏目友子が戻らないと知らせに戻ります。
これは大変だと全員で洞窟に向かいます。
洞窟にて。
夏目友子がネクタイで絞殺されています。下着姿まででおっぱいは見せてない。
東京にて。旦那の笹本がトランク詰めの腐乱死体で発見されます。
明智小五郎探偵や波越警部にまじって池田俊介も出ています。ということは刑事ではなくここの施設の係員?
明智小五郎探偵事務所にて。
新宿の高層ビルの近くにあるように編集しています。なるほど新宿にあることになっているのか。
芳枝と山崎が来ます。
夏目太郎についての話しになります。突然姿を消した。何故?と明智小五郎探偵。
夏目家の財産についての話しをしてる明智小五郎探偵。
熱川の別荘にて。
夏目菊太郎と芳枝。この時点ではまだ夏目太郎は行方不明の状態です。
そんなとこに山崎が来て芳枝と結婚しますと言ってる。
これを祝福してる夏目菊太郎。
大まじめに「愛し合ってる」と言ってる荻島真一がいい。
遺産の話をしてる夏目菊太郎。内心は嬉しそうな芳枝。
2人きりになってる芳枝と山崎。
「財産をもらって嬉しいわ」からキスシーンはとなりセックスになったようです。
夏目菊太郎が1人で飲んでいます。停電して怪しい笑い声がする。
仕事が早いのかどうかわかりませんがもう夏目菊太郎を殺す気なのか?
窓には例に影が見えています。
息子の夏目太郎だと思ってる夏目菊太郎は話しかけています。
で、今度は芳枝が行方不明です。
山崎が来て緑衣の男を追いかけます。
次の日です。
現場付近の波越警部や明智小五郎探偵。
夏目菊太郎から話しを聞いています。財産の相続人の話しになっています。
肝心の芳枝はまだ行方不明です。
地元の豪族に関する古文書を明智小五郎探偵に見せてる夏目菊太郎。
どうやら秘密の地下道があるようです。
山狩りとなっています。
ここで荒井注のゴム製のヘビを掴むギャグが入ります。
夜になって別荘で休んでる波越警部。
緑衣の男が姿を現わします。追う波越警部。結構忙しい。
古井戸に入る波越警部。降りて地下道を進みます。
懐中電灯も無しでよく夜の地下道に入れるものです。そこは低予算だから。
で、2人の緑衣の男を目撃します。格闘しています。で、見当を付けて片方に加勢する波越警部。
そんなとこに山崎が来ます。
波越警部は見立てを間違えてモノホンの緑衣の男には逃げられてしまいます。捕まえたのは変装した明智小五郎探偵でした。
明智小五郎探偵はここが変装したわけはあとで話すと言ってそのままになっているシーンです。
洞窟内に芳枝が倒れています。また緑衣の男は消えています。
懐中電灯といえばこの作品は誰もが同じ黄色い懐中電灯を使っています。
撮影現場で使い回しているのでしょう。低予算だから気にしてはいけません。
地下道の抜け穴を出る明智小五郎探偵と波越警部。
出たとこの足跡は明智小五郎探偵と波越警部の2人分しかありません。これは謎です。
夏目家の別荘にて。
芳枝から事情聴取となっています。夏目太郎の話しをする芳枝。
消えた緑衣の男の話しになります。
そんなとこにコウモリが入ってきます。コウモリが出ていったら結んだ手紙が落ちてい
ます。
文面は嫉妬に狂った夏目太郎が芳枝を殺して心中してやるといった内容らしい。
ベッドに寝てる芳枝。
怪しい物音と笑い声がしてきます。ベッドの下から日本刀が飛び出てきます。悲鳴を上げる芳枝。
何か凄いな。ノンストップアクションで原作を越えています。
キズは浅かった芳枝。
明智小五郎探偵を責める山崎。明智小五郎探偵を無能呼ばわりしています。
黄色いマークIIが走ります。どうやら文代が別荘に向かってるらしい。
夏目菊太郎に重要な用件が出来たので東京に帰ると伝える明智小五郎探偵。
それは無責任だと不満の夏目菊太郎。で、明智小五郎探偵から内密の相談があるとなります。
クルマで別荘に到着した文代。
明智小五郎探偵と波越警部を迎えに来たらしい。
明智小五郎探偵が2つの不可解と5つの不可能の話しをします。
波越警部が作った箇条書きを説明してる明智小五郎探偵。
ここのシーンでも話しが出るとこまめに話しに出てるショットを入れています。ちゃんと編集してモンタージュしてるわけです。偉い。
で、東京の事件があるので帰りますと黄色いクルマに乗ります。
夏目菊太郎の遺言書を明智小五郎探偵が届けることを強調しています。
何故か遺言書にかこつけて夏目菊太郎も乗ってる。
夜です。
居間で1人で飲んでる夏目菊太郎。
声をかける山崎。何故か不機嫌な返事の夏目菊太郎。
ベッドに寝てる夏目菊太郎。
緑衣の男が来て思い切り首を絞めていますが反撃してる夏目菊太郎。
ハンドガンで夏目菊太郎を撃つ緑衣の男。最初から撃てよと思ってはいけません。
夏目菊太郎が撃たれてるのを発見する芳枝。警察に通報しています。
芳枝が戻ると夏目菊太郎の死体が消えています。山崎も来て死体を捜す。
地元の刑事2人が芳枝から事情聴取ですが夏目菊太郎が消えてるのでどうも要領を得ない。
電話です。山崎が出ると夏目太郎と名乗る男からです。これはビックリの山崎。
死体は水族館に捨てたと言ってる。
水族館にて。
芳枝と山崎と刑事2人が駆けつける。
また黄色い懐中電灯を持っています。使い回しもいいとこで何か気になります。黄色いクルマも気になるし。
夏目菊太郎の死体があります。と思ったらまだ生きています。
波越警部もいます。夏目菊太郎を連れています。夏目菊太郎が2人になりました。
合成で2人の夏目菊太郎となっています。
で、変装を解く明智小五郎探偵。ここは編集が上手い。入れ替わるとこが絶品です。
ぼんやり見てたらホントに変装してると思ってしまいます。
いよいよ明智小五郎探偵の謎解きとなります。
また緑衣の男が出てくるが文代の変装でした。
笑い声が録音されてる小型テープレコーダーは東芝製のようです。
で、真犯人と名指しされてこれまでと観念して毒を飲み水槽に身を投げる山崎。
その後は追って自分も毒を飲み明智小五郎探偵を呪って水槽に身を投げる芳枝。
水槽に漂う2人の死体でエンドとなります。
そんなわけでよく出来ています。これは佳作な作品でした。
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