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2013.05.25

『江戸川乱歩「魔術師」より 浴室の美女』(1978年)

この作品は井上梅次監督、天知茂、夏樹陽子他主演のTV土曜ワイド劇場放映の探偵ドラマ第2弾のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1978年 松竹/テレビ朝日 日本作品
ランニング・タイム◆72分
プロット◆復讐する犯罪に巻き込まれる話しのようです。
音楽◆鏑木創
キングレコード発売のDVDにて。
画質は普通によいです。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。

キャスト
天知茂→探偵の明智小五郎
五十嵐めぐみ→助手の文代
荒井注→波越警部
西村晃→奥村源造/魔術師
高橋洋子→奥村源造の娘 綾子
夏樹陽子→玉村妙子
志垣太郎→玉村一郎
佐野周二→大富豪の玉村善太郎
宮口二郎→波越警部の部下
池田駿介→波越警部の部下
高桐真→玉村氏の実弟 福田得二郎
北町嘉郎→波越警部の部下 田村刑事
白石奈緒美→玉村家の女中
水原ゆう紀→どこに出てた?わからん。再現ドラマなのかな。

井上梅次監督の演出はよいと思います。
全体的に上手く出来ています。

入浴シーンでいきなり始ります。『江戸川乱歩「魔術師」より』
タイトル。

リゾートにて。榛名レークホテル。タイアップです。
玉村妙子と会う明智小五郎探偵。
食事したりボートに乗ったりしてデートしています。

玉村家の叔父の福田得二郎から妙子に電話です。
怪しい予告状が毎日送り付けられる。数字がカウントダウンしている・・・。

福田邸にて。
波越警部が来て話しを聞くが事件性がないから何もできないと言ってます。要するに死んでから電話してくださいと言ってる。
私が殺されないと警察は動かないのかと激怒している福田得二郎氏。ごもっともです。
波越警部の部下が宮口二郎のようです。父が宮口精二のおなじみの俳優です。
居合わせた妙子から明智小五郎探偵の名前が出ます。それがいい頼みなさいと勧める波越警部。
で、今夜は部下の刑事に泊まり込みにしてもらうことになります。

夜、福田得二郎氏は妙子に壁の隠し金庫に入ってる5億円のダイヤを見せています。

上野駅にて。
明智小五郎探偵が福田邸からの迎えと称するクルマに乗り込みます。
麻酔薬を嗅がされてしまう明智小五郎探偵。昏倒しています。

夜、福田邸にて。
笛の音がが聞こえてきます。目が覚める宮口二郎刑事。
福田得二郎氏はベッドで首を切断されて殺されていました。
壁の隠し金庫のダイヤは盗まれています。

パトカーで移動中です。
波越警部と宮口二郎刑事。今度の事件のことで話し込んでいます。
川べりが騒がしいので停車します。
獄門舟のシーンになります。ここは低予算ですが上手くまとめてあります。

このへんの印象ですが話しがスイスイ進んでる。これは面白い。

玉村家の主人と妙子がクルマで到着します。
このクルマを運転してるのが池田俊介刑事です。
明智小五郎探偵は行方不明と言うセリフから・・・

囚われの明智小五郎探偵のシーンになります。
食事を持ってくる高橋洋子扮する綾子。何故かチャイナ服です。ドレスではないパンツルック。
足のクサリの鍵を奪おうとする明智小五郎探偵ですがそれはやめて、1人になった時に隠し持っていたヤスリでクサリを削りますが、アッサリと取り上げられてしまいます。

これは見張られているなとなります。
ここからピエロのマスクのシーンになります。低予算だけど俳優さんの演技力でカバーしてるいいシーンです。
50年間復讐のために生きてきたと称するピエロの男。

ピエロのメイクを取って素顔で魔術を披露しています。
明智小五郎探偵が注射を打たれそうになったとこでいきなり灯が消えます。この隙に外に逃走する明智小五郎探偵。18L缶を海に投げ込んで追っ手を引きつけています。
物陰で綾子と話す明智小五郎探偵ですがすぐに見つかります。今度はマジで海に飛び込む明智小五郎探偵。

新聞の印刷するショットがあります。これはクラシックなモンタージュです。
明智小五郎探偵死亡を発表する波越警部。

明智小五郎探偵地事務所にて。
文代しかいないとこに妙子がやってきます。
明智小五郎探偵について話し込んでる文代と妙子。
代わりに調査させて下さいと言ってる文代。小林は出ていません。

玉村家にて。時計塔が見えます。
数字のカウントダウンの予告状が届いてて脅えてる玉村家主人。
この玉村家主人を演じる佐野周二の演技が凄い。演技なのかマジなのか境界線がわからないぐらい凄いんです。

宝石商の牛原から電話です。
牛原が実は魔術師なのです。今は取り込んでていて会えないとたま玉村家主人。

新聞に2の数字が貼り付けられていて驚愕する玉村家主人。
ここの新聞を震わせる佐野周二の演技も大げさでいい。
女中さんは白石奈緒美で、庭師の音吉が変装で登場。

一郎と玉村氏がクルマで出かけようとします。
ヘッドライトを点灯すると1の数字が投影されます。驚愕する2人。出かけるのは中止になったようです。
クルマは黄色いセダン?よくわからん。

脅えてる玉村氏が面白い。マジでそうなんです。
それから妙子の入浴シーンとなります。もちろんヌードは吹き替えです。
ところで夜の12時を過ぎてから風呂に入ってるのか。まあいいけど。
笛の音が聞こえてきます。ここでナイフで肩を切られる妙子。大騒ぎとなります。
音吉が来てて怪しまれています。

翌日。電話に出る玉村氏。
また牛原氏から電話です。夕食のお誘いで受ける玉村氏。

一郎が時計塔が怪しいと女中と話す。文字盤に何か紙が貼り付けられています。
時計塔に入る一郎。
文字盤の穴から顔を出して貼られてる紙を見る一郎。しかし紙を見た時が長針が出した自分の首にかかる時なわけです。
危機一髪を音吉に救出される一郎。駆けつけた玉村氏は激怒して音吉を首にしています。ここのシーンも佐野周二が演技が凄い。

玉村家の外にて。
勝手口をのぞき込んでる文代。怪しい男が邸内から塀を乗り越えて出てきます。

尾行する文代。
奥村魔術団ののぼりがある付近で見失います。

夜、奥村魔術団の興業です。
文代が波越警部一行を引き連れて乗り込みます。
魔術の興業しています。では消えますと言ってマジに消えてズラかる魔術師一行。
探し回ってるとこに音吉が出現して乱闘になっています。音吉が強いこと。
ここで音吉が実は明智小五郎探偵の変装だとわかります。知ってたのは波越警部だけだったようです。
感激する文代のシーンもあります。

魔術師のアジトにて。
綾子が責められています。恨みのシーンの回想となっています。
50年の恨みがあるらしい。

牛原家にて。
招待されてる玉村家の3人。食事からダイヤを見せられます。
このダイヤが玉村氏の実弟 福田得二郎が殺された時に盗まれたダイヤなのです。
驚愕してる玉村氏と妙子。
妙子と綾子のご対面のシーンもあります。顔がパンパンで丸い高橋洋子です。
それはそうと見せたいフィルムがあると牛原氏。地下室に向かいます。

話しの方は進行が早いこと。気持ちいいくらいに早い。

地下室にて。セットが安っぽい。
フィルムが上映させます。映写機にラジカセも置いてあります。

上映となります。
サイレント映画で牛原氏の講釈しています。これが上手い。
このフィルムに出てくる御夫人が水原ゆう紀?
サイレント映画式の字幕もちゃんと入っています。
正体を現す牛原氏。母の名は美佐子と言ってる。
で、映写されていたスクリーンを上げると壁に穴があり、その中に白骨死体があります。驚愕する玉村家一行。
閉じこめられる玉村氏と一郎。妙子は人質として連れていかれます。

玉村家にて。
明智小五郎探偵と文代が女中さんから話を聞いてます。
出かけてる?どこへ?牛原家?、そこに急行する。

牛原家にて。
灯油をまいてマッチで点火している魔術師。シンプルです。

グリーンのダイハツ・シャレードで到着する明智小五郎探偵一行。
別のクルマで波越警部一行も到着してる。
誰もいない。焦げ臭い。地下室に向かいます。
炎上してる地下室。ドアを破り消火して救出してます。

治療中となります。
佐野周二が傷がしみるとか言ってて凄いのです。演技とは思えん。

地下室のレンガにリュウセイマルと書かれてるのを発見する明智小五郎探偵。
重要な手がかりです。
波越警部の部下で田村刑事というのがいるようです。

魔術師のアジトにて。
復讐完了の乾杯をしてる魔術師。
ここに明智小五郎探偵が壁の穴から顔を出して登場しています。驚愕してる魔術師。
あっという間に部下は捕まってます。
拳銃の弾を抜かれ、短剣を投げるが効果無し、魔術は種切れになったと言われてます。
で、指輪の毒薬を飲んで自殺する魔術師。で、ヘビが出てくる。

何故かヘビがいて魔術師もいる。ここで目が覚める明智小五郎探偵。
ここは明智小五郎探偵事務所でした。
まだ魔術が残ってると明智小五郎探偵。昔のことを調べようとなります。

玉村家にて。
明智小五郎探偵から電話で何もありませんと言う一郎ですが。
また笛の音が聞こえています。
玉村氏は部屋で首吊りして死んでいました。ヘビに菊の花があります。
佐野周二はこれで退場となります。名演でした。

シーン転換もちゃんとやっています。
低予算だけど出来るのです。どうしてこれが出来なくなったのか?→それは監督の腕前が落ちたからでしょう。

お寺にて。葬式になっています。
電話で文代からの報告を受けてる明智小五郎探偵。
玉村家の血液型がわかったとのことです。
で、犯人は綾子だと言ってる妙子です。
それは違うと明智小五郎探偵。今夜犯人に会わせると言ってます。

病院にて。
出生の秘密を調べてる文代。

玉村家にて。
波越警部がきます。明智小五郎探偵も来ます。
妙子を廊下の奥の部屋に行かせる明智小五郎探偵。
それで鏡を見ることになる妙子。自分自身を見ます。
綾子も文代に連れられて来ています。
そんなこんなで告白タイムになって自殺する妙子。
原作にあった弟分のキャラを無くして一緒にしてるキャラの妙子でした。

このシリーズは原作とは同じとこもあるけど、全然違うとこもある。
ホントに微妙なバランスになっています。このバランスは全て監督のセンスにかかっています。

エピローグ。
綾子は無罪で釈放された。
明智のクルマがしょぼい1000ccのダイハツ・シャレードだけど低予算のこのシリーズに合っています。
エンドとなります。


そんなわけで改めて見ると面白い。低予算とハッタリの絶妙な組み合わせとなっています。予算はないけどやることはやるぜといった感じの最高の作品でした。
カルトシリーズになるのもはわかります。


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