『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』(1974年)
この作品はソウル・バス監督、ナイジェル・ダベンポート、マイケル・マーフィ、リン・フレデリック主演の風変わりなSFドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1974年 Alced Productions/Paramount Pictures 英国=アメリカ作品
ランニング・タイム◆84分
原題◆Phase IV
プロット◆進化したアリに悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆ブライアン・ガスコーン
BS193 WOWOWにて。
画質は非常によいです。少し粒子が目立つけど。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声はAACモノラル。
キャスト
ナイジェル・ダベンポート→中年のアーネスト・D・ハッブス博士
マイケル・マーフィ→若いジェームズ・R・レスコ
リン・フレデリック→ケンドラ・エルドリッジ
アラン・ギフォード→農場のミスター・エルドリッジ
ヘレン・ホートン→ミルドレッド・エルドリッジ夫人
ロバート・ヘンダーソン→従業員のクリート
ソウル・バス監督の演出はよいと思います。
かなり風変わりな話しになっています。
全体的には意欲は買えるが映画的手法がいまひとつといった感じ。もったいない。
音楽の方は電子音楽といった感じ。
いきなり始まっています。
phase1 第1局面
宇宙で何かがおこった。それが地球に影響を与えたというナレーションが入る。
誰のナレーション?
で、宇宙からアリになっています。アリが不思議な変化をしてるらしい。
ハッブス博士が研究をしている。
アリが何やらしているらしい。アリの頭に階級のマークが付いてるのか?
女王アリがいます。卵を産んでいます。
ハッブス博士から何とか財団への報告。
アリゾナにおける生物学的不均衡・・・
アリの種族間争いがなくなった。アリの天敵が激減してる。
で、映像でアリの大群が蜘蛛を駆逐しています。
報告の続きでアリ対策で研究所を造った方がいい。
手伝いが1人必要とか・・・。
砂漠の中をクルマが走る。
クルマはステーションワゴンというかSUVなのか。→ Jeep Wagoneer
このへんはゴルフ場とか別荘が開発途中で放棄されています。
クルマから男2人が降りてきます。
ハッブス博士と手伝いに来てる暗号の専門家レスコ。
地下からアリの主観ショットが男2人を見ています。
アリ塚です。
複数の四角い塔が建っています。幾何学的な感じ。横方向のスリットのような穴が開いています。
小型カメラで撮ってるハッブス博士。このカメラはミノックスのようです。
クルマで引き上げる男2人。
近くの農場に来ています。
羊が死んでいます。草がきれいになくなっている部分があります。
カメラが引くとミステリーサークルのような感じになっています。
農場主の自宅にて。
溝に燃料を流しています。ここのおじいさんの話ではいざという時は火を放つらしい。
馬に乗ってる女の子がいます。
おじいさんの奥さんミルドレッドもいます。他に手伝いのおじいさんもいるらしい。
ハッブス博士は避難勧告の書類を渡しますが、これを拒否してます。
phase2 第2局面
鳥が飛んでいます。これだけ。
研究所です。ドーム形の建物。三角形を組み合わせたジオデシック・ドームという形式のようです。
ここはハッブス博士とレスコしかいないようです。
それだと何でも2人がやらなくてはならないようです。人員が少ないというかドラマの集約化といった感じ。
発電機はSUVのエンジンでやってるらしい。
コンピューターは磁気テープのリールが廻ってるタイプ。データ入出力でパンチテープもあります。
このドームは例のアリ塚の塔のすぐ近くにあります。
ハッブス博士は本部と交信中です。
早く結果を報告しないと予算が打ち切られるとか、いきなり俗っぽくなっています。
これは日本の原発関係の学界で明らかになったけど学者連中は予算次第でお役人様の何でもいいなりというか太鼓持ちになってるひどい状態でこまったものなのです。
アリの塔が爆発しています。次々と爆発して崩壊してます。
ハッブス博士が実験用の迫撃砲で爆破しているようです。
どうやらアリを挑発しているようです。こうすれば何か反応があるわけです。
農場主の自宅にて。
溝に燃料が溜まってるとこを木片のボートに乗ってアリが移動しています。
馬が暴れています。どうやらアリに襲われてるらしい。
溝の燃料を点火しています。燃える燃料でアリがやられています。
農場主の自宅がシロアリに食われたのか崩壊しています。
トラックで脱出となります。総勢4人です。
研究所のドームにて。
レスコがアリの言語パターンを分析しています。
トラックは走行中。
車内にアリが入り込んでいてパニック状態となります。
クラッシュするトラック。もう研究所付近らしい。
研究所のドームにて。
SUVの発電機がやられました。予備電源に切り替わる。
黄色い殺虫剤を大量に散布しています。そこに避難してる4人が通過する。大丈夫なのか。
黄色い殺虫剤を被った風景が描写されています。そこら中が黄色くなっています。
防護服を着て外をを調べてるハッブス博士とレスコ。
SUVのエンジンはアリが特攻して破壊したとわかります。
避難してた3人は黄色い殺虫剤で死んでいました。1人の手には穴が開いています。アリが入り込んでいます。
このアリを回収しているハッブス博士。
そんなとこで物置に隠れていた女の子が出てきます。
研究所のドーム内に入ったとこでハッブス博士とレスコと女の子は念入りに洗浄しています。
アリを研究してるハッブス博士とレスコ。
完全な調和、利他主義云々・・・
アリの天敵はカマキリなので、その実験に取り掛かっています。
女の子を気にしてるレスコ。女の子を呼んでいます。
で、来た女の子が発作的にいきなり実験装置を破壊しています。大騒ぎになります。
ハッブス博士は実験装置の部屋ごと殺菌しています。
アリです。
どうやら黄色い殺虫剤に耐性を持たせるシーンになるようです。
黄色い殺虫剤の粒をアリが巣穴に運んでいます。運ぶ途中で殺虫剤にやられてアリが死ぬと交代のアリが出てきてまた運びます。
このへんはだいたい映画批評家 町山智浩の紹介通りになっています。
研究所のドームにて。
本部と連絡してるハッブス博士。
アリ塚の塔を破壊すればいいと言ってる本部ですが、もうやっちまったものでうやむやな答えをしてるハッブス博士。
近所の家族のことも聞かれていますが、やっぱりうやむやな答えです。死亡者が3人も出ているのがバレたら責任問題になってしまうからでしょう。
アリです。
女王アリが黄色い殺虫剤の粒を食べて黄色い卵を産む。
これで黄色い殺虫剤に耐性があるアリが出来るらしい。その前に女王アリが黄色い殺虫剤でイチコロになるのでは?と思えるがそうなったら映画を終わってしまいます。
研究所のドームにて。
レスコがアリの言葉の研究中です。交信が出来るとか言ってるレスコ。
サソリが歩いています。トカゲ、ヘビ、野生の王国な描写が入ります。
別に何てことがないシーンでした。
ドームの周りに幾何学的な作りの複数のアリ塚が囲むように出来ています。
日が昇ります。そうなるとアリ塚に日光が反射してドームに日光が集中して照射されます。
ドーム内にて。
レスコと女の子がとりとめない会話をしています。
女の子がここで何をしてる?と聞いています。統計学上の研究だと答えてるレスコ。
ハッブス博士からここを包囲されてると知らされます。
ドーム内の室温が5度も上がってる、これからもっと上がるらしい。これは大変。
黄色いアリが来ています。
ハッブス博士はアリと交戦状態になるのがわかっていたらしい。どうやらこのことは内緒でレスコを呼んだらしい。
やる気満々のハッブス博士。あまり乗り気ではないレスコ。対称的な2人です。
レスコはいつ迎えのヘリコプターが来るのか?と聞いてます。
レスコが自分で連絡すると無線を使おうとしたら電源を落ちます。どうやらまたアリが発電機に特攻したらしい。
それで室温が上がると人間より前に機械が参ってしまうとのことです。
エアコンの中には何がいる。黄色いアリがいて赤いケーブルをかじっています。
ホワイトノイズ。あらゆる音の集合をアリに向けて送信してるレスコ。
分析してアリの苦手な音だけにしてまた送っています。
何故か女の子はこの音が苦手なようです。
このホワイトノイズでドームの周りのアリ塚が崩壊しています。
エアコンのケーブルをかじってるアリの上にはアリの天敵カマキリがいます。
アリを片づけるカマキリ。しかしまだ別の黄色いアリがいてカマキリの足を引っ張って落としています。
落ちたとこで電源をショートさせるカマキリ。ダウンするエアコン。
ハッブス博士は手が腫れています。アリに刺されてたらしい。
室温が上がっています。スプリンクラーを作動させてるレスコ。そうなるとあらゆる機器が停止となります。
こうなるとアリ対人間は相討ちといった感じです。
反射鏡アリ塚は倒したけどドームも相当なダメージを受けた状況です。
日が沈みます。室温は下がります。華氏120度から下がっています。
黄色いアリの死体を運んでる普通の黒いアリたち。
巣穴に運び込まれた黄色いアリの死体がきれいに並んでいます。
ドーム内にて。
気温が下がった夜間の数時間は装備が動くとのことです。
録音で記録を残してるハッブス博士。
レスコはプリンタで図形を描いています。これを送信するらしい。
数学的図形がメッセージになるらしい。四角を送っています。
寝ている女の子にアリが忍び寄るシーンになります。
昼にて。
反射鏡アリ塚がまだ残ってるので室温が上がってます。
ハッブス博士ですが相当具合が悪そうです。
女の子を怪しんでるハッブス博士。黄色いアリを1匹見つけて叩きつぶそうと大騒ぎになります。結局逃げられて機材を壊しただけでした。
phase3 第3局面
レスコはアリは何で自分たちを殺さないと言ってます。
ハッブス博士は相当参っています。大丈夫なのか。
アリの組織について話してるハッブス博士。
女王アリを倒せばアリ組織が崩壊すると主張しています。
この状況ではもう負けたと言ってるレスコ。
女の子が悲鳴を上げています。モニターにネズミが映っています。
このネズミがアリの大群に食われています。コマ落としになっているけど。
アリから返信が来たようでプリンタが図形を描く。
四角、丸、小さな丸。これはいったい何だろう?と色々と推測してるレスコ。
モニターを見ていたハッブス博士が女王アリを見つけたと言ってます。
そんなとこで女の子が勝手にドームの外に出ています。裸足で歩きながら賛美歌のような歌を歌っています。アリに足を噛まれながらどこかに去ります。
爆薬の在庫はもうないとのこと。爆破作戦は出来ません。
さてどうするとなるハッブス博士とレスコ。
特攻するからブーツを履かせてくれと頼んでるハッブス博士。相当体調が悪いんです。
ドームから出て裸足で特攻してるハッブス博士。止めてるレスコ。
ハッブス博士は落とし穴に落ちる。アリにの大群に襲われてます。
レスコは防護服で最後の手段だと思える青い殺虫剤を撒いています。
モノローグで女王アリを倒すしかないと言ってます。
歩いてるうちに防護服を脱いでいます。よくわからん描写です。
すり鉢状の穴にたどり着くレスコ。特攻というかそのまま落ちます。
落ちた先には砂地になっています。
砂地から手が出てきます。女の子でした。顔も砂から出てくるのかと思ったらそうではなかった。
カット割りでもう顔の部分は出ていました。これは撮影の都合です。惜しいな。
レスコのモノローグで自分達は改造されて彼らの仲間になったと言っています。
エンドとなります。これでphase4 第4局面ということらしい。
そんなわけで淡々とし過ぎて映画的なエモーションが少し足りない惜しい作品でした。悪くはない。
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