『ディーモン 悪魔の受精卵』(1976年)
この作品はラリー・コーエン脚本 監督、トニー・ロー・ビアンコ他主演の風変わりなサスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1976年 アメリカ作品
ランニング・タイム◆89分
原題◆God Told Me To
プロット◆謎の連続殺人を追って意外な結末となる話しのようです。
音楽◆フランコ・コーデル
WHD JAPAN/有限会社フォワード発売のDVDにて。
画質はそれなりに悪い。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
キャスト
トニー・ロー・ビアンコ→ピーター・ニコラス刑事
デボラ・ラフィン→別居中のケーシー・フォスター
サンディ・デニス→同棲中のマーサ・ニコラス
シルビア・シドニー→UFOに誘拐されたエリザベス・マリン
リチャード・リンチ→問題のバーナード・フィリップス
サム・レべン→エベレット・ルーカス
ロバート・ドライバス→デビッド・モーテン
マイク・ケリン→Deputy Police Commissioner
アンディ・カウフマン→パレードで発砲してた警官
ラリー・コーエン監督の演出はよいと思います。
評判通りで話しは面白いけど、それを生かす演出力が不足しています。ヘタではない演出ですが・・・
タイトル。
いきなり始っています。
街中にて。
いきなり自転車の男が撃たれます。
続いて次々と撃たれて大混乱となっています。
ニュースによると・・
ハスケル社の給水塔の上から無差別狙撃らしい。
警察が出動します。説得に向かうピーター・ニコラス刑事。
「動機は?」の質問に狙撃してる男ハロルド・ゴーマンは「神のお告げだ」と答えて飛び降り自殺します。
カメラをフラフラと動いてドキュメンタリー調になっています。
ハロルド・ゴーマンがそんなことはしないと証言が入ります。これは自殺のことか?
ピーター・ニコラス刑事のアパートにて。
悪夢で飛び起きてるピーター・ニコラス刑事。
同棲中のマーサがベッドにいます。きれいです。メガネをかけています。当時流行っていたナスビ型の大きなレンズのメガネです。
窓の外にはセントラルパークが見えます。舞台はN.Y.のようです。
そういえばラリー・コーエンはニューヨーク派でしたっけ?、一説にはハリウッドに行きたくてもは行けないのでしかたなくニューヨークにいるニューヨーク派とのことです。
狙撃犯の話しをしているピーターとマーサ。
通信販売のライフルを使っていたとか・・・
ハンプトンのケーシーに会いに行くとピーター・ニコラス刑事。
ハンプトンのケーシーの自宅にて。
会いに来てるピーター・ニコラス刑事。ケーシーは別居中の夫人らしい。
ロクに話しもしないで帰るピーター・ニコラス刑事です。
病院にて。
突然スーパーマーケットでナイフを振り回した男ジョンに面会に来てるピーター・ニコラス刑事。
「動機は?」と聞いてます。「神のお告げ」と言ってます。
で、具合が急変してジョンは死に至ります。
警察にて。
電話が入ります。出るピーター・ニコラス刑事。
「パレードで5人殺される」と言ってます。
この電話はヒゲを生やしたオッサンが公衆電話からかけています。
同僚刑事のサムを行かせています。
44丁目のダグ巡査にも電話しています。
ピーター・ニコラス刑事はパレード中止を訴えるがもうパレードは止められない。
そのパレードにて。アイルランド系のパレードらしい。
バグパイプを吹いてるからやっぱりアイルランド系なのか?それはスコットランドか?
カメラは手持ちカメラで動いています。
突然若い警官がリボルバーを乱射して死人が出ます。大騒ぎとなります。
警官は射殺される。やはり「神野のお告げ」と言って死に至ります。
ピーター・ニコラス刑事の捜査活動が描写されます。
殺人犯の近くには若い長髪でブロンドの男がいるらしい。これが正体不明です。
目撃者達も顔が思い出せないらしい。
この若い長髪でブロンドの男の名前はバーナード・フィリップスというらしい。
この名前だけでは経歴不明なので捜査のしようがないらしい。
街中にて。
仮設の観覧車があります。
アパートに入るピーター・ニコラス刑事。バーナード・フィリップスのアパートらしい。
突然中年の女性にナイフで襲われます。階段を転がり落ちるピーター・ニコラス刑事。
勢い余って中年の女性も階段を転がり落ちてナイフで自分を刺して絶命する。
動機は不明です。
病院にて。
手をケガしてるピーター・ニコラス刑事。
ミセス・フィップスは処女だと言ってる医者。それでも子供を生んでる。
これはまたキリスト教の色が濃い話しのようです。わけわからん。
とあるアパートにて。
若い男と話し込んでるピーター・ニコラス刑事。
この男はまだ小さい息子と夫人を殺したらしい。動機は例によって「神のお告げ」です。
警察のガレージにて。
奥の方に警察用のスクーターがあります。
初老の警官と話しのピーター・ニコラス刑事。
「神のお告げ」の話しをしています。
フィリップス夫人の話を聞いてるようです。1952年の妙な事件の話を聞いてます。
回想となります。モノクロになってる。
雨の夜にクルマを走らせる若い男。全裸の女性を助けを求めてるので乗せます。
話しを聞いてるうちに様子がおかしくなって女性はクルマが出ていきます。
このシーンですがボカシはありません。
話しの方は船とか光の海とか・・意味不明です。
この全裸の女性がフィリップス夫人らしい。これで子供が産まれたらしい。
警察ではこの事件はやめとけと言われてるピーター・ニコラス刑事。
新聞社にて。
ヒゲの初老の記者に話しを聞いてるピーター・ニコラス刑事。
オーソン・ウェルズの火星人の話しが出ていますがそれほど重要ではない。
これを1面ではないけど記事にすると言ってます。
新聞に小さな見出しで出ています。
ついでにピーター・ニコラス刑事は停職処分になったとも出ています。
警察にて。
メガネのマーサがピーター・ニコラス刑事に関しての証言をしにきてます。
懲罰委員会?なのか4人ぐらいいます。
警察の見解はピーター・ニコラス刑事は宗教にのめり込み過ぎてるのではないかとなっています。
この意見に怒って帰るマーサです。
街中にて。
宗教関係のデモをやっています。大騒ぎになっています。
警察にて。
黒人刑事ジョーダンが黒人のヤクザに何か言われてる。で、刺されます。
どうやらわいろを払ってるのに上手くやってないとクレームに来たようです。
ヤクザは壁に血でGODと書いて最近の事件と思わせるように小細工しています。
ピーター・ニコラス刑事はジョーダン刑事のアルバイトのもめ事でしょうと正論を言って「神のお告げ」とは無関係との見解になっています。
白人の上司はピーター・ニコラス刑事に余計なことを言うなと怒ってます。
留置場で黒人情婦から話を聞いてるピーター・ニコラス刑事。
刺したのはジョン・ブラウン?
何かの会議にて。大勢います。
公衆電話から警察に電話した男が出席しています。
夜の街を歩いてるピーター・ニコラス刑事。
黒いリムジンのお迎えがあります。乗ります。
ホテルにて。
リムジンを降りて部屋に入るピーター・ニコラス刑事。
どうやら相手は会議に出ていた1人らしい。
手を出すなと警告しています。1951年の事件・・・
で、話しをしてるうちに発作を起こして死に至ります。
地下鉄に乗るピーター・ニコラス刑事。
ホームに立ってます。そこに電話の男が接近します。
地下鉄が入ったきたとこでピーター・ニコラス刑事を突き落とそうとしますが失敗して逆に捕まってます。
男はローガンと名乗ってる。
案内をさせます。あの教祖様に会わせろとピーター・ニコラス刑事。
建物に入り業務用エレベーターを降ります。
焼却炉がある地下室です。
ローガンはエレベーターに残り上がっていくが途中で御陀仏になったようです。
ピーター・ニコラス刑事は焼却炉付近である教祖様というか黄色く光る男と遭遇しています。話しかけています。
手のキズから血を流してるピーター・ニコラス刑事。
焼却炉に追いつめられていくピーター・ニコラス刑事。
何だかそこら中が燃えています。慌てて逃げるピーター・ニコラス刑事。
謎の教祖様は消えています。
修道院にて。
自分の身元を洗うピーター・ニコラス刑事。養子縁組みのことを聞いてます。
修道院側はちゃんと調べています。で、結果は?
老人ホームにて。
自分の実の母親と面会するピーター・ニコラス刑事。
母親はエリザベス・マリンと名前が判明しています。この母親役がシルビア・シドニーのようです。代表作は『暗黒街の弾痕』(1937年)だと思います。
例の1951年の事件を聞きます。回想となります。
円盤にて。
何だかTVシリーズ『スペース1999』(1974年)のアーカイブ・フッテージの流用のような円盤内部です。
エリザベス・マリンとはそこに拉致されて妊娠したようです。
あなたは何者と聞かれてるピーター・ニコラス刑事。私はあなたの息子ですといった感じになりますが、パニックになってるエリザベス・マリン。
一騒ぎとなってしまいここから逃げるピーター・ニコラス刑事です。
別居中のケーシーの自宅にて。
メガネのマーサが訪ねて来ます。ピーターが帰らないとマーサ。
私は3回流産したとケーシー。
2人が話し込んでるとこにピーター・ニコラス刑事も来ます。
で、2人にお別れの挨拶をしてるピーター・ニコラス刑事。
クルマを走らせるピーター・ニコラス刑事はどこに行く。
地下のプールバーにて。
ヤクザの黒人がヤク中の黒人をいじめてます。
そこにピーター・ニコラス刑事が入る。やる気満々のヤクザの黒人ですがピーター・ニコラス刑事を刺せません。
結局そばの黒人2人を刺して自分のクビもかっきって死に至ります。
廃虚のアパートにて。
ここに入るピーター・ニコラス刑事。
黄色い光に満ちあふれた部屋に入ります。そこに教祖様がいました。
教祖様は「探していた」とか言ってます。2人で新しい世界を作ろうとも言ってます。
外見は人間だが違うとか・・
で、教祖様を殴ってクビを絞めてるピーター・ニコラス刑事。
アパートが倒壊して火事になります。
エピローグ。
警察前にて。
手錠をかけられて警察に入るピーター・ニコラス刑事にインタビューです。
「バーナード・フィリップスを殺した動機は?」との質問に、
「神のお告げ」と答えるピーター・ニコラス刑事。
エンドとなります。
後タイトルの最後にバーナード・ハーマンに捧げると出ています。
ラリー・コーエンにそんなことをされても、バーナード・ハーマンにはありがた迷惑な感じだと言われてるらしい。
そういえば『悪魔の赤ちゃん』(1973年)の音楽はバーナード・ハーマンでした。一応コンタクトはあったわけです。
そんなわけで脚本はいいけど演出が上手かったらな?といういつものパターンのまあまな作品でした。悪くはない。
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