『HOUSE ハウス』(1977年)
この作品は大林宣彦監督、池上季実子他主演のファンタスティック・ホラーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1977年 PSC/東宝 日本作品
ランニング・タイム◆89分
プロット◆古い屋敷に行って悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆小林亜星、ミッキー吉野
スカイパーフェクTV707日本映画チャンネルにて。画質は普通です。スクイーズ収録録画のフル表示。画面サイズはスタンダード。上下に少し黒味があって左右に大きく黒味がある。
音声は普通のステレオ。
キャスト
池上季実子→新しい母が嫌いなオシャレ
大場久美子→怖がりなファンタ
神保美喜→カンフーのクンフー
宮古昌代→掃除好きのスィート
松原愛→メガネのガリ
佐藤美恵子→スイカのマック
田中エリ子→ピアノのメロディー
笹沢左保→オシャレの父
南田洋子→オシャレの伯母 羽臼華麗
鰐淵晴子→オシャレの新しい母 江馬涼子
尾崎紀世彦→バギーの東郷圭介先生
小林亜星→西瓜を売る農夫
三浦友和→戦死した花婿
檀ふみ→ジャージー姿の先生
大林宣彦監督の演出はよいと思います。
音楽ですが全編に渡り同じスコアが繰り返し効果的に使われています。上手いじゃん。
TV放送の録画なのだ画面が点滅する云々のアラートが出ています。
東宝映像株式会社
PSC
A MOVIE
タイトル。『HOUSE』のみ。
学校にて。
オシャレとファンタは仲良しです。これは一応伏線なのか?
ファンタはカメラが大好き。
ジャージー姿が先生が登場。これが檀ふみでした。
黒味を丸で囲むアイリスのような手法を使っています。
自宅にて。
オシャレが帰宅するとパパが待っています。
パパを演じるのは笹沢左保です。本職は作家ですが演技の方は結構上手い。
パパと娘がいい雰囲気のとこで話しにくいことを切り出すパパ。
実は新しいママがいるんだよと紹介されます。宝石デザイナーの江馬涼子さん・・
演じてるのが鰐淵晴子なもので浮世離れしてる御婦人です。
で、新しいママなんて許せないと自室に閉じこもるオシャレ。
自室にて。
壁にはバラの花の模様です。
オシャレが一回りすると服装が変わっています。よくある手法です。
昔のママの写真を見ているオシャレ。ママ役は誰なの?と写真を見ればオシャレを演じる池上季実子がママ役もやっていました。洒落ている。
ママの花嫁の写真から伯母様を思い出すオシャレ。
学校にて。
6人そろっています。
大場久美子→怖がりなファンタ
神保美喜→カンフーのクンフー
宮古昌代→掃除好きのスィート
松原愛→メガネのガリ
佐藤美恵子→スイカのマック
田中エリ子→ピアノのメロディー
アイリスの手法でオシャレが登場。これで7人。
尾崎紀世彦扮する東郷圭介先生がバギーに乗って登場。
合宿の都合がつかなくなって中止とのこと。がっかりしてる6人。
それでオシャレがみんなに私と一緒に来ない?となります。
場所はママの田舎の伯母様のとこだと言ってます。
自宅にて。
伯母様に手紙を書いて出すオシャレ。
ネコが登場。ペルシャ猫だと思う。
ある日、伯母様から返事の手紙が届きます。
待ってたのよと・・・
パパと江馬涼子です。
絵馬涼子は私もオシャレちゃんのとこまで行ってみますとなります。
パパの笹沢左保はちゃんと演技をやっています。
靴屋のシーンになっています。ゴダイゴの歌が流れます。
ここの2階に東郷圭介先生が住んでいるらしい。
で、階段からコマ撮りで転落する東郷圭介先生です。
東京駅にて。
6人がいます。東郷圭介先生は来ないしオシャレもいない。
階段から転落した東郷圭介先生はバケツがお尻からとれなくなり遅れてバギーで行くと連絡が入ります。
ここでゴダイゴがちょっと出ています。
ホームにオシャレがいます。
電車の見送りで大林宣彦監督が少し長めに登場しています。
電車で移動となります。
何故か座席にネコがいます。
子供の絵本から電車が進行するアニメとなります。まだゴダイゴの歌が流れています。
伯母様の話をするオシャレ。会ったのは1回だけ・・・。
サイレント映画の回想になります。
三浦友和が伯母様の花婿役で出ています。赤紙が来て戦死する。
そうなるとママより年上なので伯母様となるようです。
戦争を終わっても帰ってこない花婿を待つ伯母様。
バスで移動です。
バスから歩いて移動となります。
ここで字幕で登場人物の名前が表示されます。
山は典型的なホリゾントの絵で描写されています。
スイカの屋台があります。小林亜星が登場。
屋敷の場所を教えてくれます。
伯母様の屋敷に着きます。ロングショットの屋敷は作画合成。
屋敷はボロボロです。門が開きます。ネコが入ると車いすの伯母様がいます。
あなたの来る日を待っていたとセリフが入る。
ファンタがカメラで記念撮影をしようとするとカメラが落下して壊れます。
屋敷内に入ります。
いきなりシャンデリアから手裏剣?が飛ぶ。ヤモリを串刺ししています。
クンフーのアクションも少しあります。
ビアノがあるわよとメロディーに言ってる伯母様。
診療室を改造してピアノ教室にしていたとのこと。
昔は人が来てたけど今は誰も来ないとか。
時刻を知らせる時計が鳴っています。
スイカを井戸で冷やすことになります。
これがまたアレな伏線なんです。
マックのあだ名の由来が説明されてます。ストマックのマックなんだって。マクドナルドのマックではなかったようです。
一通り掃除等が終わって食事になっています。
伯母様は日に当たって気分が悪いのかいません。
ガリはメガネをかけないと何も見えないと話しが出ています。伏線です。
ここは片方ずつウィンクしてガリを見てる主観ショットになっているようです。
ファンタがマックを探しに井戸にやって来ます。
スイカを引き上げるファンタ。きれいな夕陽と見ているとスイカは生首でした。
ようやく気がついて驚愕してるファンタ。空飛ぶ生首にお尻を噛まれています。→そんな映画があった。『空飛ぶ生首』(1960年)
ようやく逃げてきたファンタのことを『泥だらけの純情』(1977年)と楽屋落ちのセリフが入ります。
生首が出たと大騒ぎのファンタ。
ここで伯母様は立てたんですか?のシーンが入る。
で、井戸に行ってスイカを引き上げると当然スイカです。
スイカを食べている面々。
伯母様の口から目玉が見えてビックリしてるファンタ。
マックは芋畑に行ってると話しが出る。マックは焼き芋キチガイなんだそうです。
クンフーが見に行きます。
オシャレは風呂に入ります。
台所にて。
マックは相変わらずいない。
ここで井戸から汲み上げた水が血の色になる描写があります。気がつかずそのまま飲んでるオチがないシーンです。
スィートは布団部屋に入る。ネコも入っています。
お人形があります。入り口の戸が自然に閉まる。
クンフーが夕陽を見ています。
風呂焚きをするクンフー。
風呂に入ってるオシャレに髪が絡みつく。
かまどから火が吹いて薪が襲ってきます。薪の相手をしてるクンフー。軽く片づけています。
俯瞰で門の上にネコがいます。そうなると・・・
台所にて。
ガリとファンタのとこに伯母様が来る。
ダンスを踊る伯母様はファンタの前で冷蔵庫に入る。驚愕してるファンタ。
ガリが中を見ると当然普通の冷蔵庫です。
で、小型化して梁の上でも踊ってる伯母様です。骸骨とも踊ったりしている。
食事をしてる伯母様。人間の手を食べています。
ネコがピアノに乗ってるシーンもあります。ここが映像の逆回転の繰り返しの描写で随分と安上がりになっています。
湯上がりのオシャレ。
2階に行くと自然とドアが開きます。そこには三面鏡があります。
オルゴールを鳴らしています。ここからつながってピアノを弾くメロディー。
ロングで屋敷のショットが入ります。これはミニチュアです。
オシャレは口紅をつける。
そうすると伯母様の声が聞こえてきます。いらっしゃい・・・
鏡に伯母様が出て鏡が割れて血が流れる。
オシャレの顔が崩れ落ちて全身が炎と化しています。
ピアノを弾いているメロディー。鍵盤が光っています。
猫の目も光る。そうすると何かがおこる。
布団部屋にて。
スィートがいるとこにネコが入ってきて目が光る。
メロディーの悲鳴も聞こえます。
メロディーの方は指を少し切っただけでした。それがオチかい。
布団部屋にて。
羽根布団から羽根が飛んでいます。布団に襲われているスィート。
ここは床をガラスにして下から撮っています。これはアルフレッド・ヒッチコック監督の『下宿人』(1926年)の引用だと思います。
ファンタはおっかなびっくりでメロディーを探しに行く。
メロディーはトイレでした。紙をちょうだいと言ってる。それがオチかい。
布団部屋にて。
スィートがいません。スィートの服だけが残っています。スィートは裸でどこへ行く?となっています。
布団をめくるとネコと人形があります。
ファンタは『そして誰もいなくなった』になると心配しています。→『そして誰もいなくなった』(1945年)
そうすると白馬の騎士の話しになって、白馬に乗った尾崎紀世彦先生が登場してハッピーエンドになっています。それがオチかい。
オシャレがいないとなります。
風呂上がりで2階でオシャレをしていると主張してるファンタ。
2階に行きます。
2階にて。三面鏡の部屋に入ります。
鏡に映るオシャレ。で、違うとこからオシャレが出てきます。
バギーで向かってる東郷圭介先生を少し気にかけてるオシャレです。
駐在所に電話をする話しになります。
このへんはコマ落としのように妙な撮り方をしています。
私が電話するとオシャレ。で、「電話は故障してる、私が直接呼んでくる、ここにいて」と言って屋敷を出て行きます。
オシャレが出ていったらドアが開きません。これでは外に出れません。
4人残されます。
クンフー
ガリ
メロディー
ファンタ。
他から外に出ようとすると屋敷中の窓や雨戸が次々と自動で閉まるシーンとなります。これは素晴らしいシーンです。
で、最後に門が閉まって全部閉まりコンプリートとなります。
ロングの屋敷のショットが入ります。雨戸が閉まり灯が漏れていない屋敷。
オシャレは庭を優雅に歩いています。
トラック野郎達に囲まれてるバギーの東郷圭介先生。
単に渋滞してるだけのようです。
クンフーが雨戸を強行突破しようとする。ダメです。
ガリは自動で戸を開け閉めする仕掛けがあるはずだ。そうだ伯母様に開ける方法を聞けばいいとなります。ところが肝心の伯母様がいない。
人間の手の標本があります。リボンからマックの手とわかります。
景気付けにピアノを弾いてとなります。何かノリノリなメロディー。下手なジョークを連発しています。
オシャレが戻ってくるのが遅いと話しが出ます。
ピアノの音に混じってオシャレの歌も聞こえてきます。
ガリとクンフーがオシャレを探しに行きます。
残されたファンタはメロディーに話しかけるが反応がにぶい。
そんな感じでファンタは超常現象を目撃して驚愕するのが専門らしい。
2階の部屋にはオシャレがいます。
ピアノの方はネコの目が光って本格的におかしくなっています。
で、ピアノに指を食われて「指がないわ」と大ボケしてるメロディー。寄り目で驚愕してるファンタ。
ピアノに食われるメロディー。最後まで下手なジョークを言っています。
「まあ卑猥ね」と自分で言うなとなってます。それがオチかい。
2階の部屋に入るガリとクンフー。
ガリが『つれづれの記』を見つけます。で、クンフーといるオシャレが鏡に映っていないことに気がつきます。
大時計の中にスィートがいます。血が流れます。
発見して驚愕してるクンフー。で、何故かスィートに謝ってるクンフー。
逃げ出すガリとクンフー。
気絶してるファンタを引っ張って座敷に行きます。
まだピアノは鳴っています。指だけが残ってピアノを弾いていました。
座敷にて。
ファンタのエプロンには金魚が入ってます。これはピアノの側でひっくり返った時に金魚鉢をテーブルから落とした割ったからです。
3人で力を合わせて脱出しようとなります。
ここでシーン転換でラーメンを食ってるオヤジが割り込んできます。
屋台にて。色々なキャラが出ているらしい。よくわからん。下手な物まねのフーテンの寅さんだけはわかった。これだけ似てないと松竹から突っ込まれても『似て非なるものです』で通せそうです。
食事中の東郷圭介先生。
屋敷にて。
2階からこれないように階段にバリケードを築いてる3人。
『つれづれの記』を呼んでいるガリ。村には若い娘がいなくなった・・・
停電です。真っ暗になります。
突然デカイオシャレの顔が出現します。大きすぎる唇も出ています。
「今度はあなた達の番よ」と言われます。
家中の色々な物が襲ってきます。クンフーが反撃しています。
座敷を出て廊下の電話を使おうとするクンフー。
電話のケーブルに首を絞められています。何とか電話機をやっつけて座敷に戻ります。
今度は庭に出て花嫁衣装のオシャレとアクションとなるクンフー。
東郷圭介先生のバギーも接近しています。
屋敷の場所がわからんらしい。
屋敷にて。
クンフーは結局雨戸を破って中に戻っています。雨戸はすぐに元に戻る。
『つれづれの記』からシロを抱いて待っているという記述から掛け軸のシロを攻撃せよと主張してるガリ。
クンフーは天井の灯に頭から食いつかれます。何ともならずそのまま食われます。
それでもクンフーの脚だけが掛け軸のネコを攻撃します。掛け軸のネコに結構ダメージを与えたらしい。壁から血を吐いてます。
別の場所にいる花嫁衣装のオシャレも血まみれになっています。
クンフーの脚はタンスに食われました。タンスからも血を吐いてます。
今度は畳が床上浸水状態になっています。
1畳の畳に乗って浮かぶガリとファンタ。まだ『つれづれの記』を呼んで何とかしようとしてるガリ。
バギーの東郷圭介先生はスイカの屋台に到着する。
小林亜星と尾崎紀世彦がギャグを演じています。なんだかわからん。
で、東郷圭介先生はバナナと言いつつダウンしています。
屋敷にて。
1畳の畳に乗って浮かぶガリとファンタ。
メガネを落としてしまうガリ。手を伸ばしたら魔法瓶に食いつかれて水中に落ちる。
落ちたメガネは蚊取り線香の豚がかけています。
水中では何故か素っ裸になって水中ダンス状態になっているガリ。いいじゃん。
1畳の畳に乗って浮かぶファンタ。
階段に流れ着きます。そこには花嫁衣装のオシャレがいます。
オシャレに抱きつくファンタ。オシャレは伯母様でもあるようです。
それはいいけど池上季実子のおっぱいが見えています。
溶暗となります。
翌日の朝。
オープンカーに乗って江馬涼子が登場。屋敷に向かっているようです。
クルマは何だと思ったらオレンジ色のフォルクスワーゲン・ビートルのカブリオレでした。この年代のクルマでは無難なセレクトです。
マフラーをなびかせて走行しています。見ててジェーン・マンスフィールドみたいに事故って首が取れるのではと心配になります。→ジェーン・マンスフィールドはマフラーが運転していたクルマのホイールに巻き付いて首が取れたという都市伝説があるんです。
このへんは歌が流れています。
スイカの屋台に着きます。
というかバギーが止まっていて先には進めない。
バギーの東郷圭介先生はバナナになっていました。
歩いて屋敷に向かう江馬涼子。
屋敷にて。
ここに入る江馬涼子。玄関から呼びかけますが誰も出てこない。
それで庭に回る江馬涼子。
縁側の雨戸が開きます。着物姿のオシャレが開けています。
それはいいけど。雨戸を閉める時に戸袋にしまう作業を省略している。まあいいけど。
江馬涼子に縁側に上がってもらい正座で向き合います。
ネコが通って目が光ると江馬涼子が燃え上がり燃え尽きています。
伯母様のナレーションが入りエンドとなります。
後タイトル。
キャストやスタッフを表示しています。最初はタイトル名しかでてなかった。
監督助手が小栗康平でした。知らなかった。
TV放送の録画なのて最後に不適切な表現がどうのこうのとアラートがはいります。
ここをその時その時に合わせて妥協したら映画の価値がなくなります。
そんなわけで結構ぶっ飛んでるよい作品でした。こういうのは好きだな。
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