『スピオーネ』(1928年)
この作品はフリッツ・ラング監督、ルドルフ・クライン・ロッゲ、ゲルダ・マウルス、ヴィリー・フリッチ主演のスパイドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1928年 ドイツ作品
ランニング・タイム◆142分
原題◆Spione
プロット◆熾烈なスパイ戦の話しのようです。
音楽◆これが何故か電子音楽が付いてました。もちろん製作時のオリジナルではないと思えます。少し違和感がありますが見ているうちに結構合ってるじゃないとなってきます。悪くないです。誰なのかは不明です。
もしかして『メトロポリス』(1927年)の音楽を後からつけた有名らしいミュージシャンなのかな?
IVC発売のDVDにて。画質は意外とよいです。
キャスト
ルドルフ・クライン・ロッゲ→スパイ組織の首領ハーギ
ゲルダ・マウルス→スパイのソーニャ
ヴィリー・フリッチ→スパイの326号
ルプ・ピック→日本のマツモト博士
フリッツ・ラスプ→ロシアのジェリュシック大佐
リエン・ダイヤース→拾った女キティ
フリッツ・ラング監督の演出はよいと思います。
サイレント映画なのですがセリフ字幕の少ないこと。言ってることが想像がつく場合では全くセリフ字幕が出ません。
前説の字幕があります。
何だかんだとあってラジオニュースのモンタージュがあります。こういう手法は好きです。
死刑囚のモーリェは脱獄を手引きされてスパイ組織の首領ハーギに雇われます。
ハーギは車イスの状態で指揮を取っています。机にはガラス製でスケルトンのアナログ式24時間時計が置いてあります。そんな感じでモダンなデザインとなっています。
壁には最新情報が自動で表示されるようになっています。
対する側の組織にはハーギ側のスパイが入り込んでいます。
スパイの326号が登場してハーギ側のスパイをあぶり出します。
シーンは変わってレスレーン夫人がハーギ銀行に行くと頭取と面会となり脅迫されます。
レスレーン夫人にも弱みがあるので断れない。この頭取も車イスです。ということはスパイ組織の首領ハーギでもあるようです。
スパイ組織の首領ハーギは女スパイのソーニャを呼び出して仕事の話しとなります。
ホテルにて、女スパイのソーニャが発砲事件を起こして326号がごまかす工作をします。これはソーニャ側から仕掛けてようです。
ソーニャのアパートがあるパーク通り24に326号がやってきます。この近辺には日本のスパイが活動中らしい。
ダンスホール ダニエリにて。ソーニャと326号。
ハーギからメモを受け取るソーニャ。
そんなこんながあってソーニャに裏切られる326号。
326号がやけ酒を飲んでいるとこに日本人スパイのマツモト博士がコンタクトしてきます。
マツモト博士は雨の夜に女を拾います。
家庭の事情が回想で描写されていますが、これがトンデモな嘘っぱちになっています。でも面白い。
ソーニャと一緒にいるロシアのジェリュシック大佐はカネでどちら側にも転ぶ男とのことです。
手紙を投函するとこをスパイが盗み見る描写があります。
目の見えない男が実は見えてますというシーンです。この手法は後の作品でも使っています。『恐怖省』(1944年)でありました。
日本側の組織は重要な条約文を日本に送ることになり3人の部下にそれぞれ運ばせてそのうちの1通が本物ということになっています。
その2通があっさりとハーギの手に渡ります。ですが2通とも偽物。3通目も手に入れますがこれも偽物。それでも次の手はもう打ってある用心深いハーギ。
マツモト博士が雨の夜に拾った女キティが着物姿で色仕掛けでせまり本物の条約文を持っていってしまいます。
この結果にがく然として部下の亡霊にも責められてマツモト博士は腹を切ります。やはり日本はハラキリとなるようです。
326号が列車に乗っているとこを破壊工作があり乗ってる客車が切り離されて違う機関車と激突します。
現場に行くソーニャ。326号を助け出します。
現場から逃げる3人を追う326号とソーニャ。
追いつめますが最後のスパイは自殺します。カーアクションがあって、ここも中々見ごたえがありました。
ハーギ銀行に当局が手入れをしますがソーニャを人質に取ったハーギが15分で立ち去れと脅迫します。
当局側は必死でハーギが立てこもっている秘密の部屋を捜索します。
ですが、毒ガスは出てくるは、見張りがいるは、捜索は進まないはと、カットバックで盛り上げています。
実は車イスいらずで立つことが出来るハーギは脱出しています。
ハーギは当局の本部に潜入していたスパイ719号で、芸人のピエロでもあったということで、まるで江戸川乱歩の世界となっています。
で、ラストも洒落ています。さすがフリッツ・ラング監督です。
キャストで・・
スパイの326号を演じる俳優は登場した時の汚な作りではケネス・ブラナーに似てて、背広姿になってからは天地茂に似てました。
女スパイのソーニャを演じる女優さんは何となくエマ・トンプソンに似てたりします。
そんなわけでトンデモな日本描写はご愛嬌ですがよい作品でした。
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