『ザッツ・エンターテインメントPART2』(1976年)
この作品はジーン・ケリー監督出演、フレッド・アステア出演のMGMミュージカルのアンソロジー第2弾のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1976年 MGM アメリカ作品
ランニング・タイム◆131分
原題◆That's Entertainment, Part II
プロット◆1929年から1958年までのMGMミュージカルナンバーの紹介となっています。
音楽◆ネルソン・リドル
タイトルデザイン◆ソウル・バス
ワーナー発売のDVDにて。画質は非常によいです。スクイーズ収録のフル表示。画面サイズはワイド。左右に少し黒味あり。古い作品は当然左右黒味となります。
キャスト
ジーン・ケリー→歌とタップで作品紹介を担当
フレッド・アステア→歌とタップで作品紹介を担当
ジーン・ケリー監督の演出はよいと思います。
フレッド・アステアを引っ張り出しだしたのはジーン・ケリーの大きな功績です。2人一緒の歌とダンスが映画で残ってホントによかったと思います。
OVERTURE 序曲
タイトル
タイトル・デザインはソール・バス。
本を開いてMGM プレゼンツと出てます。続けてフレッド・アステアとジーン・ケリーの子供の頃の写真が並んでモンタージュで紹介されています。
そんな感じでキャストの出し方は物凄く凝っていて色々なパターンをそろえています。
『バンド・ワゴン』(1953年)◆いきなりフレッド・アステア、ジャック・ブキャナン、ナネット・ファブレイ、オスカー・レバントが歌い踊る「ザッツ・エンタテイメント」となります。他の作品のハイライトも入っています。
はしごのトリックからジーン・ケリーが登場。
歌で作品紹介をしています。
続いてフレッド・アステアも登場。
『For me and my gal』(1942年)◆ジーン・ケリーのデビュー作で共演はジュディ・ガーランド。歌がメインです。
この時点ではジュディ・ガーランドの方がジーン・ケリーよりキャリアは上です。
『Lady be good』(1941年)◆エリノア・パウテルのタップダンス。
この振り付けも多分バスビー・バークレーか?。エリノア・パウテルを囲む男性達がステッキをそろえて動かしています。
『踊るブロードウェイ』(1935年)◆ロバート・テイラーが歌っています。
飛び出すピアノやテーブルやイスが面白い。
『奥様は顔が二つ』(1941年)◆グレタ・ガルボの初の踊り。ガルボが笑ったと宣伝されて、それでグレタ・ガルボは引退したようです。
『ザ・ベル・オブ・ニューヨーク』(1952年)◆フレッド・アステアが帽子から砂を撒きながらタップダンスをします。昔の作品なので画面サイズはスタンダードです。
『リリー』(1953年)◆レスリー・キャロンが指人形とデュエット。
『踊る海賊』(1948年)◆ピエロに扮したジーン・ケリーとジュディ・ガーランドが歌とダンスです。
他の作品も入っています。バスター・キートン、W・C・フィールズ、ダニー・ケイ等の作品です。
フレッド・アステアがマルクス兄弟を紹介します。
ピアノのチコ、ハープのハーポ、メガネと口車のグルーチョ、マルクス兄弟です。
狭い船室にトランクを入れる。これでもう船室は一杯です。で、トランクの中に3人入っていました。で、この狭い船室に次から次と来訪者が入るギャグとなります。
オチはドアを開けると人か溢れて出てきます。
『キス・ミー・ケイト』(1953年)◆アン・ミラーのタップダンス。
ボブ・フォッシーとキャロル・ヘイニーのダンスがあります。ということはボブ・フォッシーはダンサー出身なんだ。
それから男女3人ずつの群舞があります。重力がないようなダンスとなっています。これはいいな。
『絹の靴下』(1957年)◆フレッド・アステアの歌から始まります。セットの後にふすまみたいなのがあって松の絵が描かれています。気になる。
次にフレッド・アステアとシド・チャリシーのダンスとなります。シド・チャリシーのスカートが途中からキュロットタイプに変わってしまうのが妙に気になる。
『ワーズ・アンド・ミュージック』(1948年)◆レナ・ホーンが歌います。
『Lovely to look at』(1952年)◆キャスリン・グレイソンの歌とマージとガワーのチャンピオン夫妻のダンス。
『イースター・パレード』(1948年)◆フレッド・アステアとジュディ・ガーランドが歌います。それにしてもジュディ・ガーランドの歌は凄い。
ジーン・ケリーの紹介です。
セットの丸や三角や四角の色がどんどん消えて行きます。モノクロの世界。
『虹の都へ』(1933年)◆モノクロ映画で歌うビング・クロスビー。相手役がフィフィ・ドーセイ。
『Listen darling』(1938年)◆この作品がデビューのジュディ・ガーランドの歌。
この作品がオーディション?、よくわからない。
『Cabin in the Sky』(1943年)◆エセル・ウォーターズの歌。ロチェスターのギター。
『踊るアメリカ艦隊』(1936年)◆エリノア・パウエルのタップダンス。群舞があるので振り付けはバスビー・バークレーか?。セットの軍艦の大砲が撃ってます。
『ニュウ・ムウン』(1940年)◆ネルソン・エディとジャネット・マクドナルドの歌「恋人よ我に帰れ」
『姉妹と水兵』(1943年)◆ジミー・デュランテの歌。トランペットのジェームズとはハリー・ジェームズのことか?
『Girl crazy』(1943年)◆ジュディ・ガーランドがウエスタンルックで歌います。ミッキー・ルーニー、トミー・ドーシー楽団が共演。振り付けはバスビー・バークレーのようです。とにかくダンサーが大勢出てきます。
ジーン・ケリーがピエロになろうと歌い作品紹介をします。
パイ投げのモンタージュとなります。
ローレルとハーディ。御夫人のお尻にペンキを塗るギャグ。
アボットとコステロ。耳栓をすると聞こえませんのギャグ。
『作曲家達』(1929年)◆短編のようです。
ジャック・ベニーが司会。本物の作詞家や作曲家達が出てるようです。アーサー・フリードとかが出ています。
本物の作曲家サミー・カーンの意見があります。「映画では簡単に作曲し過ぎてる」と言ってる。
『ブロードウェイ・メロディー』(1929年)◆アン・サザーンとロバート・ヤングがガーシュインの作曲をしています。簡単に出来ます。
『メイジー』(1939年)◆ルー・エアーズとアル・シーン。作曲しています。簡単に出来ます。
『ブロードウェイ・セレナーデ』(1939年)◆女性の歌手が歌い、男がピアノを弾く。
『ワーズ・アンド・ミュージック』(1948年)◆ミッキー・ルーニーが作曲をしています。簡単に出来ます。どの映画でも簡単に作曲出来るということらしい。
『土曜は貴方に』(1950年)◆レッド・スケルトン
『グレート・ワルツ』(1938年)◆映画のヨハン・シュトラウスは簡単に作曲する。馬車の上で仕上げます。
ジーン・ケリーとフレッド・アステアがシルクハットに燕尾服で登場。
『雨に唄えば』(1952年)◆ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコーナーの歌とタップダンス「グッドモーニング」
『バンドワゴン』(1953年)◆フレッド・アステア、ジャック・ブキャナン、ナネット・ファブレイの三つ子の赤ちゃんの歌。
『若草の頃』(1944年)◆ジュディ・ガーランドの歌。マーガレット・オブライエンが出ています。
『イースター・パレード』(1948年)◆フレッド・アステアの階段でダンス。
ここからバックの群舞は普通のスピードで、手前のフレッド・アステアはスローモーションの合成でのダンスとなります。多分スクリーンプロセスではなくブルーバックの合成だと思う。
それにしても現在の撮影技術。グリーンバックにCGのデジタル合成は凄い。よほど突飛な合成か、不自然な動きをしなければ合成とは全くわかりません。まるで魔法です。
『情欲の悪魔』(1955年)◆ドリス・デイが歌います。ジェームス・キャグニーが出てる。この作品の画面サイズはシネスコのようです。ワイドTVでも上下に黒味があります。
『巴里のアメリカ人』(1951年)◆ジーン・ケリーが子供達を相手に歌とダンス。
フランク・シナトラ特集。
『The Tender Trap』(1955年)◆フランク・シナトラがタイトルの曲を歌います。
フランク・シナトラがソロデビューしたのは1942年12月だそうです。コンサートでは大人気のフランク・シナトラです。
『雲流るるはてに』(1946年)◆「オールマン・リバー」を歌います。
ジーン・ケリーがフランク・シナトラの紹介をしてます。
『錨を上げて』(1945年)◆ジーン・ケリーとフランク・シナトラ。
『下町天国』(1947年)◆ビリー・ロイとジミー・デュランテを相手にフランク・シナトラが歌います。
『上流社会』(1956年)◆グレース・ケリーを相手にフランク・シナトラが歌います。
また『錨を上げて』(1945年)◆ジーン・ケリーとフランク・シナトラのタップダンス。ジーン・ケリーはシナトラに合わせずに少しだけ上手くダンスをしています。合わそうと思えば出来るはずだからわざとそうしていたのでしょう。やっぱり内心は共演するのが嫌だったのかも・・・。
さらにフランク・シナトラの作品は色々と1シーンずつ出ています。
ジーン・ケリーとフレッド・アステアが登場して作品紹介。
映画ファンなら好きな場面がある。名場面集となります。
グレタ・ガルボが出てる。次はジョーン・クロフォード。で、チップス先生からW・C・フィールズが説教を垂れる。
『グランド・ホテル』(1932年)◆「グランド・ホテルは変わらん・・・」のセリフが入ります。
ジーン・ハーローの「本を読んでる」のセリフ。これを聞いた中年婦人のリアクションが面白い。
世界各地名所の風景の紹介されます。
『類猿人ターザン』(1932年)◆ジョニー・ワイズミュラー、モーリン・オサリバン。
色々な映画のシーンとなっています。
クラーク・ゲイブルの「アイラブユー」セリフ特集。
またマルクス兄弟が出てきてなにやらやっています。
『風と共に去りぬ』(1939年)◆ラストのシーンです。クラーク・ゲーブルのセリフ。日本語字幕では検閲のヘイズオフィスと揉めたセリフ「dam」は訳してない。
パリの魅惑の作品集。
『メリー・ウイドウ』(1934年)◆モーリス・シュバリエが出ています。ところでモーリス・シュバリエは実生活では死ぬほどモテたそうです。
ちゃんとパリでロケしてるジーン・ケリーが作品紹介をします。
『雲流るるはてに』(1946年)◆ダイナ・ショア。スクリーンプロセスで歌っています。
『巴里のアメリカ人』(1951年)◆セーヌ川でのジーン・ケリーとレスリー・キャロンのダンス。
ジーン・ケリー出演のパリのロケシーン。
後に小さくバイクが見えます。これはスズキGT500なのでは?、空冷2サイクル ピストンバルブ並列2気筒エンジンです。バイク好きには気になるのです。
『巴里のアメリカ人』(1951年)◆光る階段で歌うのは誰?→「パラダイスへの階段」 "I'll Build a Stairway to Paradise" でジョルジュ・ゲタリーが歌います。このナンバーは素晴らしい。歌もセットも絶品です。
ジーン・ケリー出演のパリのロケシーン。エッフェル塔近くの広場でローラースケートをしています。
『メリィ・ウィドウ』(1952年)◆フレンチカンカンのダンスをやっています。
『メリィ・ウィドウ』(1934年)◆ベルサイユ宮殿でのワルツ大会。
ジーン・ケリーとフレッド・アステアが登場して作品紹介。
マンガの中のジーン・ケリー。アニメで色々な作品が紹介されます。
『舞踏への招待』(1954年)◆アニメのアラブ人の男2人とダンスのジーン・ケリー。
『上流社会』(1956年)◆ビング・クロスビーが歌でジャズの紹介をします。ルイ・アームストロングが出てきてホトンド白人の太鼓持ちのようなことをやってます。黒人の芸人は色々と大変なのがよくわかります。
『イースター・パレード』(1948年)◆フレッド・アステアとジュディ・ガーランドがホームレスコスプレでの歌とダンス。
『小さな町の娘』(1953年)◆ボビー・ヴァンのピョンピョンと跳ねるだけのダンス。これは1発アイデアで面白い。でもこの作品限りの手法です。
『雨に唄えば』(1952年)◆シド・チャリシーがグリーンのドレスでジーン・ケリー相手にダンス。原色を多用したコミック風のセット。
『アニーよ銃をとれ』(1950年)◆ベティ・ハットン、ハワード・キールのロケ多用のウエスタン・ミュージカル。「ショウほど素敵な商売はない」はこの作品がオリジナルなのか?。スタントがバレバレなのが惜しい。曲乗りしてる時に使う銃はレバーアクションではなくポンプアクションの銃でした。これは意外です。レバーアクションでは動作が多過ぎでいくらスタントでも出来なったのかもしれません。
ジーン・ケリーの紹介でスペンサー・トレーシーとキャサリン・ヘップバーン特集。
2人の共演作は計何作?→計9作だそうです。
『少年の町』(1938年)◆ミッキー・ルーニーが不良少年です。小学生ではない。
『ブーム・タウン』(1940年)◆クラーク・ゲイブルとスペンサー・トレーシの共演。
『フィラデルフィア物語』(1940年)◆キャサリン・ヘップバーンがケイリー・グラント相手に高飛車なギャグをやります。面白い。
『パットとマイク』(1952年)◆2人相手にやらそうなスペンサー・トレイシーを助けるキャサリン・ヘップバーンは相手の凶器ブラックジャックを取り上げています。
『アダム氏とマダム』(1949年)◆プライベートフィルムのような映像が流れます。浮気現場でピストル自殺騒動となっています。
『いつも上天気』(1955年)◆ジーン・ケリーがローラースケートでダンス。
『恋の手ほどき』(1958年)◆モーリス・シェバリエとジーン・ゴールドの歌。
『ブロードウェイのバークレー夫妻』(1949年)◆フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのタップダンス。
『Easy to Love』(1953年)◆エスター・ウィリアムスの水上スキーのダンス。他にも大勢出てて水上スキーのラインダンスのようになってる。これも振り付けはバスビー・バークレーか?。とにかく大勢出ていて無駄に豪華なのが凄い。
エピローグ。
ジーン・ケリーの歌から始まってフレッド・アステアの歌が入り、2人の歌で出演者を紹介していきいます。この歌で42人のスターを紹介したとのことです。
『バンドワゴン』(1953年)の最後のシーンが入っています。
ジーン・ケリーとフレッド・アステアのダンスで締めてエンドとなります。
2人が最後の握手をするのは唯一の共演作『ジーグフェルド・フォリーズ』(1946年)からの引用といういうかそんな感じです。
後タイトル。
EXIT MUSIC 終曲
そんなわけでジーン・ケリーとフレッド・アステアが一緒に出てるのが楽しいよい作品でした。
この作品は洗練されてます。素晴らしい。
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