『重犯罪特捜班 ザ・セブン・アップス』(1973年)
この作品はフィリップ・ダントニ監督、ロイ・シャイダー主演の刑事物カーアクションのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1973年 フィリップ・ダントニ・プロ/20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆103分
原題◆The Seven-Ups
プロット◆捜査活動中に同僚を殺されて復讐する話しのようです。
音楽◆ドン・エリス
スカイパーフェクTV312CSN1ムービーチャンネルにて。画質はまあまあ。
キャスト
ロイ・シャイダー→Seven-Upのバディ
ビクター・アーノルド→Seven-Upのバリル
ジェリー・レオン→Seven-Upのミンゴ
ケン・カーチェバル→Seven-Upの死んだアンセル
トニー・ロ・ビアンコ→情報屋ビト
リチャード・リンチ→誘拐犯ムーン
ビル・ヒックマン→運転担当の誘拐犯ボー
ジョー・スピネル→ガレージのトレダノ
ルー・ポラン→ギャングの大物 コルテロ
ラリー・ヘインズ→高利貸のボス マックス・ケイリッシュ
マット・ルッソ→保釈手続事務所業のフェスタ
ロバート・バー→ヘインズ
レックス・エバーハート→ギルソン警部
フィリップ・ダントニ監督の演出はまあまあだと思います。
カーアクションのコーディネーターが監督も担当したとのことですが演出の方はどうかなと見ました。
その偏見で見ると、あまりよろしくないと思えます。
キャラ紹介が上手くなくて誰が誰だかよくわからん。
話しの進行がイマイチで何が起こっているのか状況がよくわからん。
全体的に緊張感が欠けています。
やたらと人が歩いているシーンばかりが目立ちます。
映画の監督というのはむずかしいとわかります。映画の演出にはノウハウがあるんでがそれがマニュアル化出来ないのです。だからノウハウなんですが・・・
見どころのカーアクションの方はさすがのよい出来でした。
やはり1970年代アメ車のエンジン音は最高です。
見終わってみればカーアクションは1回だけなのです。現在の作品のカーアクションがてんこ盛りとは違う1970年代の作品らしく出来ています。この構成が普通なんですが・・・
N.Y.が舞台です。
プロローグでセブン・アップスSeven-Ups)の一仕事の描写があります。強引なおとり捜査をやっています。
誘拐騒ぎがあって身代金は奪われてしまいます。人質は一応生きて返っています。
7upsの同僚アンセル刑事が射殺されてからようやく話しが何だかわかるようになります。
誘拐されるのはマフィアの幹部達で、マフィアとは別組織というか別の一味が誘拐をやって身代金を荒稼ぎしてる。
刑事殺しになると警察の捜査の必死度が段違いになるので誘拐一味の黒幕がもう手を引けと指令をだすが誘拐コンビには危機感はなくヤバい仕事を続けてる。
ロイ・シャイダー扮する7upのバディは瀕死のマフィアまで拷問したりしてマフィア幹部が次々と別の一味に誘拐されていることを知ります。
その誘拐の順番が自分の持ってる資料ファイルの順番と同じことにも気がつきます。
これで誰が黒幕かがわかります。この辺でようやく映画らしくなっていました。
で、この作品の売りのカーアクションがあります。
追うロイ・シャイダーが1973 Pontiac Ventura 2ドアクーペ
逃げるビル・ヒックマンが1973 Pontiac Grand Ville 4ドアセダン
Pontiac Grand Villeはサスペンションがフワフワでフラフラしながらすっ飛んでいます。これでよく走れるなと感心します。必見です。
途中からパトカー1台絡んできます。
橋を渡っています。何て橋だろ。
やはり『ブリット』(1968年)と似た感じになっていてます。
市街地から郊外に出るパターンとか・・・
助手席の男がショットガンを撃つとことか。ポンプ式ではなく水平2連ショットガンですけど。
製作スタッフが同じなので何となく『ブリット』(1968年)なのはご愛嬌というか、当たり前といった感じです。
それでもこのカーアクションはさすがによく出来ています。
そんなこんなで後はマフィアがかたをつけると判断し黒幕のケチな情報屋ビトを放ったらかしにしてエンドとなります。
キャストは主役のロイ・シャイダー以外はあまり知らない人ばかりでした。
計4人の7upの面々でリーダーのロイ・シャイダーにラテン系に黒人。殺されたのが白人となっています。
リチャード・リンチは『シンシア 悪夢の惨劇』(1987年)で見たことがあります。
ビル・ヒックマンは本職のカースタントドライバーです。『ブリット』(1968年)にもドライバー役で出ていました。
そんなわけで正直言ってカーアクションだけのまあまあな作品でした。
少し見てカーアクションがよかったのもありますが、どうやら1番面白いとこを見ていたようです。
他のカーアクションで、
スティーブ・マックィーン主演、1968年型マスタング・ファストバック390GT対1968年型ダッジ・チャージャーR/Tの元祖カーアクション『ブリット』(1968年)
イタリアのミラノを舞台に英国車ミニが主役の犯罪コメディ『ミニミニ大作戦』1969年版もお勧めです。普通のクルマとしてルパン三世の愛車フィアット500がたくさん出ています。
ダッジ・チャレンジャーがひたすら走る『バニシング・ポイント』(1971年)
タンクローリーに追われるよりクルマを降りた時に恥をかいてるのがヒドイ状態の『激突!』(1971年)
スタントドライバーが『バニシング・ポイント』(1971年)と同じ人が担当しているのでカーアクションが何となく似ている『ゲッタウェイ』(1972年)
1968年型シボレー・インパラと1969年型ダッジ・チャージャーR/Tが走る『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』(1974年)
本編はイマイチですが色々なクルマが走ってる『激走!5000キロ』(1976年)
オカルト・カーアクションの『ザ・カー』(1977年)
バイクはカワサキZ1000でクルマはOHV V8エンジンの『マッドマックス』(1979年)
マツダのサバンナRX-7とコスモAPのカーアクションがある『太陽を盗んだ男』(1979年)
赤いBMWが走りまくる『ザ・チェイス』(1994年)
無難なリメイクになっている『バニシング・ポイント』(1996年)
スピードは文句ないけどエンジン音が物足りない『RONIN』(1998年)
1950年代のキャデラックが出てる不条理ホラー『ジーパーズ・クリーパーズ』(2001年)
プリマス・バラクーダとキャデラック・エルドラドが対決する『ハイウェイマン』(2003年)
日本の新しめのクルマが走りまくる『ワイルド・スピードX2』(2003年)
会話シーンの合間にクルマが走る『デス・プルーフ』(2007年)
TVシリーズ『マッハGoGoGo』(1967年)の映画版にしては微妙な出来で、カーアクションとしても微妙な『スピード・レーサー』(2008年)
等々の感想があります。
ところで多くのカーアクションを見ていたらOHV V8エンジンはアメリカ人の魂なのではと思えてきます。
マジでそのように思えます。
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