『カラー・オブ・ハート』(1998年)
この作品はゲイリー・ロス監督、トビー・マグアイア、リース・ウィザースプーン主演のタイムトラベル・ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1998年 ニューラインシネマ アメリカ作品
ランニング・タイム◆125分
原題◆Pleasantville
プロット◆タイムスリップしてTV内の1958年に行って色々はある話しのようです。セックスをして読書をすればテクニカラーになれる世界の話しでもあるようです。そんなわけはないか。
音楽◆ランディ・ニューマン
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
キャスト
トビー・マグアイア→デビッドでTVではバッド
リース・ウィザースプーン→ジェニファーでTVではメアリ・スー
マーリー・シェルトン→TVのマーガレット
ジョアン・アレン→TVのベティ
ウィリアム・H・メイシー→TVのジョージ
ドン・ノッツ→電気屋のおじいさん
ジャスティン・ニモ→ボーイフレンドのマーク
ポール・ウォーカー→TVのボーイフレンドのスキップ
ジェフ・ダニエルズ→TVのハンバーガー店のビル
J.T.ウォルシュ→TVのプレザントビルの町長
ジェーン・カズマレク→デビッドとジェニファーの母
モノクロからカラーヘ変わるというアイデアが気に入って見ました。アイデア倒れでダメだったらリース・ウィザースプーンだけ見ていましょう。
流れる歌は聞いたことはあるけどタイトルがわからない。私でも聞いたことがあるのですから有名なのでしょう。→フィオナ・アップルでビートルズのカバーのようです。Lennon/McCartneyなら音楽にはサッパリの私でも知ってるわけです。サントラを買おう。
ゲイリー・ロス監督の演出はよいと思います。
電気屋のおじいさんは トビー・マグアイアに見込み(何の見込みだ)がありそうですからTVドラマのプレザントビルに行ける特製リモコンを貸してくれたようです。
1958年の4月に行くことになっていました。文字通りチャンネルを回すロータリーチャンネルスイッチのTVがある時代です。このタイプのTVは1970年代までは残っていたような。
スタッフでカラーエフェクトデザイナーなんてありました。こんな役割は初めてみました。
色は何のシンボルなのでしょう。色の付き方はまず赤、次にグリーン、黄となっていました。なるほど三原色に近い色から付いてくるようです。それでいろんなカラーとなる。ロジカルじゃないですか。気に入りました。
ジョアン・アレンがカラーになってメイクでモノクロにするシーンはカラーコンタクトがなくて目はどうするんだと突っ込みみたくなりますがこのアイデアがいいのでかまいません。
「テクニカラー」とリース・ウィザースプーンが言ってました。天国がモノクロで地上がカラーでこのようなセリフがあります。元ネタは『天国への階段』(1946年)です。
脚本家の頭の中だけの世界でトイレの便器がない。
ですからこの世界の人間には性器がついていないのかと思ったらそうではないようです。結構矛盾している脚本のような感じ。
トビー・マグアイアがカラー化するとこでは暴力をふるえばカラー化するのかは思えてしまいますが次のシーンでハンバーガー店を暴徒が襲うとこを見せてそうではないとしているつもりなのか?よくわからん。だとしたら何でトビー・マグアイアはカラー化した?これが最後までよくわからん。
TVドラマがモノクロなのはまだ技術的にTVがカラー化出来なかったからで、色々と描写がないのは当時の放送コードのせいです。ですからカラー化を何かのシンボルにするのは無理があるのでは・・・。
そもそも最初はモノクロに赤が出始めるアイデア1発で始まってそれでは映画にならないのでテーマが必要ということになり、この展開にしたのかもしれません。それで結末はJ.T.ウォルシュが悪役を全部引き受けて、他の人はめでたしめでたしとということになっています。
パートカラーの使い方といえば『雁の寺』(1962年)、『紅い眼鏡』(1987年)が印象に残っています。日本映画なので部分的にカラーにすることはカネがないので出来ず。それでもセンスのよい使い方で印象に残っています。
電気屋のおじいさんがトビー・マグアイアに説教するとこで君はこのようなことをしたとアメフトのTV中継みたいに画面上でリンゴにチョークで印を付けるシーンは面白かった。
アメリカと日本の事情の違い・・・
日本では昔からTVを見ると白痴になると言われていましたが確かにその通りでしかも凶暴にもなります。凶暴な白痴というのもこまったものです。
日本の1958年当時の風景ですが現在と比較するとまるで別世界です。当時の日本映画のロケシーンの背景に注目してればいくらかは見られます。これがとても貧乏で悲惨に見えます。このような世界のどこがいいんだ?
この作品では歌が効果的に使われていていいです。日本映画で歌となるとタイアップで映画の話しとは全く関係ないから、こまったものなのです。
トビー・マグアイアとリース・ウィザースプーンが双子という設定でした。
トビー・マグアイアは初めてみますがなかなかいい感じ。オタクでもこのくらいルックスがよければいいのか。過去の世界にやって来たので事情はすでに知っているのですから説教出来て当たり前なのですがトビー・マグアイアのキャラクターなのか演技力なのか嫌みに見えないとこがいい。
リース・ウィザースプーンのヒロインはいい男なら年代を問わないタイプのようです。いい男なら誰でもいいのか。結局この世界に残ってしまったようです。これでキャラバランスが取れたのかも。
そんな感じでこの作品のヒロインはジョアン・アレンのようです。リース・ウィザースプーンはサポートのヒロインでした。これも意外でした。
後タイトルでJ.T.ウォルシュに捧ぐと出てましたが、J.T.ウォルシュは急死して死ぬ直前まで多数の作品に出ていたので遺作が何本あるかわからない人です。
この作品の紹介でよく見る紅いチェック模様の傘をさして黄色いプリント模様のワンピースを着ているヒロインはリース・ウィザースプーンではなくTVの世界のマーガレット役のマーリー・シェルトンでした。これには驚きました。マーリー・シェルトンは本編内でも結構いいキャラで、これは儲け役でした。
そんなわけでアイデア倒れではないよい作品でした。
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