『キャリー』(1976年)
この作品はブライアン・デ・パルマ監督、シシー・スペイセク、パイパー・ローリー主演の悲しいホラーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1976年 ポール・モナシュ・プロ/ユナイト/MGM アメリカ作品
ランニング・タイム◆98分
原題◆Carrie
プロット◆最初から最後までひどい目に合う話しのようです。
音楽◆ピノ・ドナジオ
キャスト
シシー・スペイセク→いじめられっ子のキャリー・ホワイト
パイパー・ローリー→狂信的な母マーガレット・ホワイト
エイミー・アービング→優等生のスー・スネル
ウィリアム・カット→体育会系のトミー・ロス
ナンシー・アレン→いじめっ子のクリス・ハーゲンセン
ジョン・トラボルタ→プータローヤンキーのビリー・ノーラン
ベティ・バックレイ→キャリーには好意的なコリンズ先生
P・J・ソールズ→クリスの腰巾着ノーマ・ワトソン
マイケル・タルボット→老けた高校生フレディ・デロイス
プリシラ・ポインター→スーのママ エリナー・スネル
エディ・マククルーグ→メガネのヘレン
ブライアン・デ・パルマ監督の演出はよいと思います。
話しの進行が早いこと。これだけでも凄い。驚くほど順調にひどい目にあっている話しなのです。
キャストの方々はどなたもハマリ役で好演しています。これも奇跡的だと思えます。
20世紀フォックス発売のDVDにて。
画質は非常によいです。
タイトル。
学校にて、バレーボールをやっています。
ここでもうシシー・スペイセク扮するいじめられっ子のキャリー・ホワイト、ナンシー・アレン扮するいじめっ子のクリスが出ています。
ロッカールームにて。
ボカシはありません。
シャワー中に初潮となるキャリー。まだおっぱいは見えていない。
これをネタにいじめとなります。最初からカマしてます。凄いや。
ベティ・バックレイ扮するコリンズ先生が出てきます。この先生はよくやっています。
ナンシー・アレン扮するいじめっ子のクリス。
エイミー・アービング扮する優等生のスー。
この主要キャラの2人はそんなに親しいわけではないようです。
職員室にて。
事情聴取されるキャリー。
手前にキャリー、奥に先生方、これを合成で描写しているブライアン・デ・パルマ監督得意技のショットがあります。
その他にもブライアン・デ・パルマ監督の得意技の合成の手法が多用されています。
キャリーの名前を間違える校長先生。
これは一応伏線なのか。人の名前を間違えるというのは大変失礼なことなのです。
帰宅途中のキャリー。
キャリーにちょっかいを出したチャリンコのガキが無意識の念動力=テレキネシス転ばされてます。
こんな感じに念動力=テレキネシスの伏線が多く入ります。
スーの自宅にて。
宗教活動のパイパー・ローリー扮するキャリーの母マーガレット・ホワイトが登場。
迷惑そうなプリシラ・ポインター扮するスーのママ エリナー・スネル。
キャリーの自宅にて。
貧乏で何もない家ですが一応電話は引いてあるようです。そうしないと話が進まないかもしれないけど・・・。
生理は罪だと無茶な説教するキャリーの母マーガレット・ホワイトです。
このシーンでも遠近合成が目立ちます。
ベイツ高校にて。
詩の授業中です。退屈そうな生徒たち。
ウィリアム・カット扮する体育会系のトミー・ロスが登場。
コリンズ先生がいじめた生徒達を集めて説教中。
懲罰の1週間のグラウンドでの特訓となります。これをこなさないとプロムパーティに出れなくなります。
◆プロムパーティに出れない女子高生は死んだも同然の存在なのです。
図書室のキャリー。
ミラクルに関する本を調べています。テレキネシス、意思の力。
特訓のグラウンドにて。
クリスがヒステリーを起こしてサボタージュをするが誰もついてきてくれません。で、1人だけ脱走となります。これでクリスはプロムパーティに出れなくなります。これでキャリーを逆恨みすることになるようです。
スーとトミー。
キャリーをプロムパーティに誘ってとトミーを説得するスー。この時点ではどういうつもりなのかがよくわからん描写です。キャリーに対する善意なのか悪意なのか?
クルマでデートのクリス。
→ 1967 Chevrolet Chevelle SS 396 [13817]
相手はジョン・トラボルタ扮するプータローヤンキーのビリー・ノーラン。
ジョン・トラボルタが若いこと。まだ『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977年)の前のジョン・トラボルタなのです。
スーとトミー。
TVでモノクロのウエスタンを見ているトミー。このウエスタンはは何て題名の作品だ?わからん。気になります。
クルマでデートのクリス。
クリスを色仕掛けでビリーに何かをらせようとしているようです。
図書室のキャリー。
トミーが話しかけてきます。プロムパーティの誘いです。
ビックリして断るキャリー。
キャリーとコリンズ先生。
トミーのことを相談しているキャリー。このコリンズ先生はキャリーに親切だったけど、結果的には力及ばずといったところです。
コリンズ先生とスー、トミー。
キャリーのことでスーに詰問のコリンズ先生です。
建前を連発するスーですが、悪気はなかったようです。よくわからんキャラです。
トミーはどうでもいいといった感じ。
赤いダットサントラックに乗っているトミー。
→ 1970 Datsun 521 Pickup [PL521]
◆このクルマは昔、私の家にあったクルマと同じモデルです。ボディカラーは白でしたけど。
キャリーの自宅にて。
トミーが訪ねてきます。プロムパーティの誘いです。
断りきれないキャリーです。これでプロムパーティに出ることになったようです。
養豚場で豚の血を仕入れるビリー一行。
クリス、フレディが同行して大声で喋りながらやっています。何も考えていない。ところで養豚場に従業員はいないのかい。
キャリーの自宅にて。
プロムパーティのことをママに話すキャリー。当然怒るママです。
ここでテレキネシスの時に流れる音楽が『サイコ』(1960年)のバーナード・ハーマンそのままです。別にいいけど。
プロムパーティの会場にて。
ビリーとクリスは豚の血のバケツを仕掛け中です。
◆こんな感じに話しは早い。情け容赦なく破滅に向かってどんどん話しは進みます。ここがこの作品の凄いとこなのです。
ベイツ高校にて。
フレディで投票係を買って出ています。これはキャリーをクイーンに仕立てる小細工のためです。
パーティ会場はトミーとキャリーの噂で持ち切りとなっています。
この状況だとクリスとスーは共謀していたわけではないようです。
偶然の一致というか便乗したのかよくわからん状態です。
買物の風景。
口紅を買うキャリー。
タキシードを買うトミーと他の2人。面白いモンタージュとなっています。
キャリーの自宅にて。
ピンクのドレスのキャリー。
まだ口論となっているキャリーとママです。
プロムパーティ会場にて。
パーティが始まります。
スーの自宅にて。
プロムパーティ会場に向かうスー。スーもパーティには出れないので普段着で隠れて潜入するらしい。
プロムパーティ会場にて。
コリンズ先生と話すキャリー。
トミーとダンスとなるキャリー。回るカメラ。
キング&クイーンの投票となります。
小細工の図。当然と選ばれるトミーとキャリー。
パーティでも赤い野球帽を被っているノーマが気になる。
こうなるとトミーはそんなに悪意はなかったようです。
わざわざ豚の血を浴びるかもしれないことをやるわけがないからそう思えます。
豚の血が入ったバケツを落とす仕掛けのロープを追うカメラ。これはいいシーンです。
スーが到着しています。マジで仕掛けのことは知らないようです。
で、偶然に仕掛けのロープに気が付くスー。
そんな感じで情け容赦なくことは進みます。豚の血を浴びるキャリー。
トミーの頭にバケツが直撃したのを機会に笑い者になるキャリー。
スプリットスクリーンの手法が全開となります。念動力=テレキネシスでプロムパーティ会場を破壊するキャリーです。全く救いがない。
プロムパーティ会場から外に出るキャリー。
クリスとビリーがクルマでキャリーにちょっかいをかけてきますが念動力=テレキネシスでクルマごと片づけています。
自宅に戻るキャリー。
風呂に入ります。血まみれな体を洗います。
で、ママに殺されかけるキャリー。全く救いがない。
反撃するキャリー。ママを壁にはりつけにしています。宗教的描写らしいけど私にはわからん。→日本にいると無宗教で拝金主義になるのです。
崩壊する自宅。地面が陥没してキャリーとママは家ごと地面に吸い込まれていきます。全く救いがない。
エピローグ。
スーの自宅にて。眠るスー。心配しているママ。目が覚めて出かけるスー。
キャリーの自宅を訪れるスー。で、有名な強烈な夢落ちとなります。未見だとかなりビックリします。未見の方はお楽しみにしてください。
エンドとなります。
そんなわけでこれは傑作。なんとも全く救いがなく悲しいけどよい作品でした。
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