『クリミナル・ラヴァーズ』(1999年)
この作品はフランソワ・オゾン監督、ナターシャ・レニエ、ジェレミー・レニエ主演の不条理サスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1999年 マース・フィルムズ/ユーロ・スペース・ジャパン他 フランス=日本作品
ランニング・タイム◆96分
原題◆Les Amants Crimineles
英題◆Criminal Lovers
プロット◆若い2人が衝動殺人から小屋に監禁される話のようです。
音楽◆Philippe Rombi
スカイパーフェクTV260シネフィルイマジカにて。画質はまあまあ。
キャスト
ナターシャ・レニエ→ヒロインのアリス
ジェレミー・レニエ→アリスに協力するリュック
ミキ・マイロノヴィチ→小屋の男
サリム・ケシュケシュ→殺されたサイード
この作品は何かと話題で私はまだ見たことがないフランソワ・オゾン監督作品で見ました。
フランソワ・オゾン監督の演出はよいと思います。
現在ののシーンから違うシーンが飛んでカットバックになっている手法が使われていました。
カメラが人物につかず離れずといい感じです。これがサスペンスというか、よい演出の基本だと思います。
アリスはリュックに頼み込んでサイードを殺します。後に実はこうだったと言いますがそれも嘘のようでした。結局何で殺したかは不明になっています。これが不条理のゆえんです。
シャワールームでサイードを殺した後に2人でシャワーを浴びていたりします。これはブラックユーモアなのか?。
殺した後にクルマで死体を運ぶ途中に宝石店で強盗をやらかします。
これはどういう展開なんだ?。→ヌーベルバーグからのフランス映画伝統の手法と思えばそんな感じです。演出がいいので何をやってんだこれからどうなるんだと結構見入ってしまいます。
死体を埋めた後にボートで川下りをする2人です。
それから森の中の小屋に忍び込んだとこで、そこの男に捕まり地下に閉じこめられます。そこで回想に入り殺しに至るまでの描写が入ります。
その回想が殺しまでに追いついてしまいます。それからどうなると話は進む。
話しの方はゲイネタに逃避行からセックスに至り、警察から追われラストとなります。なるほど、このような結末ですか。いつものフランス映画といった感じです。まあいいけど。
監禁されてゲイネタがあります。監禁されても女性には用がなく責められるのみは男の方というのが今風です。女性は痩せさせてから喰うと凄いエクスキューズがついていました。
ラスト近くでのヒロインのアリスとリュックのセックスシーンを見ていると何だか昔のにっかつロマンポルノでこのようなシチュエーションなのを見たような気がします。日本の資本が入っているからサービスで入れたのかと思ってしまいます。
ヒロインのナターシャ・レニエはいかにもフランス人な感じです。
17歳という設定ですがとても17歳には見えません。これをフランス人は老けてるではなく成熟しているといえばフランス人も納得するかな?。
意外とオーソドックスな演出と話しでした。この監督の腕前はよいと思います。もっと前衛的でいかにもヌーベルバーグ的な人かと思っていたけど違っていました。職人的な感じの方が強かったりします。
そんなわけでよく出来たにっかつロマンポルノといった感じのまあまあな作品でした。
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