映画感想の加筆改訂のお知らせ

にほんブログ村

« 『変奏曲』(1976年) | トップページ | 『ミクロの決死圏』(1966年) »

2009.08.01

『アンドロメダ・・・』(1971年)

この作品はロバート・ワイズ監督、アーサー・ヒル、デイヴィッド・ウェイン、ジェームズ・オルソン主演の細菌物SFサスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1971年 ロバート・ワイズ・ブロ/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆131分
原題◆The Andromeda strain
プロット◆未知の微生物を相手に悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆ジル・メレ
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。

キャスト
アーサー・ヒル→リーダーのジェレミー・ストーン博士
デイヴィッド・ウェイン→チャールズ・ダットン博士
ジェームズ・オルソン→外科医のマーク・ホール博士
ケイト・レイド→微生物のルース・レービット博士
ポーラ・ケリー→ヒル博士の助手カレン・アンソン


ロバート・ワイズ監督の演出はよいと思います。
手前と奥を合成する手法を多用しています。この手法は好きなんです。
全体的に低予算となっているようです。これをロバート・ワイズ監督の腕前でカバーしているのです。

キャストは地味です。どなたも聞いたことがありません。
アーサー・ヒルとはどこかで聞いたような名前です。何の作品かは覚えがない。『探偵物語』(1951年)のキャラの名前か?

前説字幕があります。
関係各所の協力云々・・・

タイトル。
キャスティングは地味です。
特殊効果でダグラス・トランブルの名前が出ています。
科学関係のアドバイザーの名が多く出ています。

第1日。
荒野の小さい町を偵察している男。
ワンボックスのクルマに戻ります。もう1人の男がいます。
レーダーを出して作動させています。
どうやら落ちた小型衛星を回収しに来たらしい。
ニューメキシコのピートモンドという町のようです。字幕が出てました。

夜なのにコンドルが飛んでいます。
男2人が町に入る準備をしています。

カリフォルニア州バンデンブルグ空軍基地。
1971年2月5日。スクープ飛行管制室。
町に入り衛星を回収せよと指令を出しています。

そんわわけで町付近の2人の男は空軍の兵隊のようです。
私服で衛星回収の任務らしい。
スピーカーと喋っている人間を合成するシーンがあります。こうゆうのは好きなんです。

F4ファントムのジェット機が飛んでいます。
ピートモンドの町を偵察飛行のようです。
町中は死体だらけとなっています。これは凄いや。出だしは強烈です。

バンデンブルグ空軍基地にて。
緊急の赤い電話をかけるマンチェック少佐。
ワイルドファイア警報が発令となっています。

ジェレミー・ストーン博士の自宅に軍の迎えが来ます。
問答無用でジェレミー・ストーン博士は連行されます。夫人のアリソンのパパは議員のようで、パパに何とかしてもらおうと電話をかけますが盗聴されていて電話は切断されます。
オチは電話で「ご協力ありがとうございます」だって、これも凄いな。

ジェレミー・ストーン博士とTWA旅客機を貸し切りで移動となっています。
スパークス少将と連絡となります。

他の博士達も次々と招集されています。
このへんは以前にTV放送で見たときはカットされていたようです。全く見覚えがありません。


第2日。
バンデンブルグ空軍基地にて。
ヘリコプターが博士2人が移動となります。
ジェレミー・ストーン博士のキャラ紹介のような描写が入っています。
研究所にカネをかけ過ぎとか言われています。

ヘリコプターがピートモンドの町に着きます。
コンドルの群れが死体を食っています。
博士2人が降ります。ヘリコプターは着陸はしない。そのまま上空で待機となります。
ジェレミー・ストーン博士と外科医のマーク・ホール博士

黒味で画面を四角く切り取るアイリスを使い、複数切り取ってマルチスクリーンにしています。リチャード・フライシャー監督が『絞殺魔』(1968年)でやっていました。

死体が色々とありますが、女性のヌードの死体がありました。TV放送では当然カットされていました。早くDVDを見ればよかった。
空が光っているのが見えますが結局何だったんでしょう。→これは例の生命体だったようです。

首つり自殺しているおばあさんがいます。ということは感染してもしばらくは生きていたということです。
衛星回収の男2人はワンボックスのクルマの中で死んでいます。
死体から血は流れていない。

博士2人はワンボックスのクルマで移動しています。何だか妙に合理的です。
衛星は医者の自宅内にありました。どうやら衛星を開けたようです。
死体に血が固まって出来る死斑はないそうです。ということは血がない?→血が粉末になっています。

もう制限時間ですとヘリコプターが降下してきます。
どこかから赤ちゃんの鳴き声が聞こえてますがヘリコプターがうるさくて聞こえない。
ヘリコプターにあっちに行けと合図している博士。
で、赤ちゃんを回収します。

このへんはいわゆるドキュメンタリータッチとになっています。
凄い緊張感となっています。

老人の男をも出てきます。
錯乱しています。病気ではなく元気だけはあります。

町は全滅と報告しています。
アメリカ軍はどうやらこの町を焼き払うつもりらしい。もちろん核爆弾でやるつもりのようです。

ネバダ州フラットロック。
クルマで移動中の博士2人。
チャールズ・ダットン博士と微生物のルース・レービット博士。
どうやらワイルドファイア計画の基地に向かっているようです。

金網の柵に囲まれいてポツンと建物があるとこに着きます。
農務省研究センターと看板がある建物です。
このシーンは『バイオハザード3』(2007年)では、そのまんま引用していました。少しは変えなさいと突っ込みを入れたくなります。

建物に入り物置のような1室に入ります。
ここは床が降下してエレベーターになっています。当時の秘密基地仕様です。これはいいな。

地下に降ります。
町から戻った博士2人が消毒減菌処理をされているようです。
クルマで来た博士2人と合流して合計4人となります。
軍人が1人います。どうやら連絡員のようです。
その他にも職員は多数いるようです。

こんな調子でディテールが凄く凝っています。
でもセットはそんなにカネがかかっていないような。この作品は意外と低予算な感じがします。

緊急事態には核自爆装置が作動すると描写が入ります。
オットマン仮説に従い核自爆装置解除キーは独身男性のホール博士が担当します。

この地下研究所の構造はどうなっているかの描写が入ります。
5層になっている。最下層が1番除菌されています。
生存者の赤ちゃんと老人は回収されています。

減菌処理の描写を念入りにやっています。
このシーンが結構長い。
何だか見たことのないシーンが多い。TV放送ではカットされていたのでしょう。何しろオリジナル131分を90分ぐらいにカットしたバージョンを見たから無理もない。

休憩中の博士4人の風景。
それぞれ回想シーンが入ります。


第3日。
食堂でミーティングとなります。
周りには他の職員もいます。

第5レベルに入りいよいよ本格的な調査となります。
まず衛星を拡大して調べます。
遠隔操作のアームを使っています。
実験動物を使いどのように感染するかの実験となります。

ホール博士には黒人女性カレン・アンソンが助手に付きます。
演ずるポーラ・ケリーはCCH・パウンダーに似ています。

コンピューターのモニタやTVはまだブラウン管です。
コンピューターは一応タッチスクリーンになっていますが基本的にはテキスト表示でコマンド入力のようです。

衛星の内部をもっと拡大して調べています。
いよいよ感染物体の本体を見つけたようです。
緑色の物体です。これが動いています。成長しているようです。

シーんは変わって、
飛行中のジェット戦闘機がおかしくなります。
パイロットに異常が発生したようで墜落します。

ヘリコプターがジェット戦闘機墜落現場に着きます。
ユタ州のどこか・・・
現場付近で通信録音を聞いてます。
実験室だけでは単調になるのかこのような屋外のシーンがカットバックされています。

ジェレミー・ストーン博士の話しではピートモンドの町はもう核爆弾で焼却されているとのこと。でも実はまだでした。
緑色の物体が何なのか調べています。

墜落現場にて。
パイロットは骨だけになっていました。
このシーンは永井豪の漫画『デビルマン』(1972年-1973年)に引用されていました。そのままではないのがいいところでした。

赤ちゃんの名前はマニュエル・リオスというらしい。老人がそう言っています。
これは何か伏線なのかと思ったけど関係なかった。

第4日
調査はあまり進んでいません。
緑の物体はアンドロメダストレインと命名されたようです。
この研究所はマイナートラブルが原因で軍との連絡が1日途絶えていたようです。凄い設定です。いわゆるあってはならないことです。
ピートモンドの町はまだ焼却されていないとわかります。
ジェレミー・ストーン博士は早く焼却してくれと連絡しています。

電子顕微鏡で緑の物体=アンドロメダストレインを更に拡大しています。
結晶体生命。アミノ酸を必要としない。
宇宙を生きる完璧な生命体と言ってます。
何と核爆発でもエネルギーにして成長するらしい。そうなるとピートモンドの町を核爆弾で焼却したら大変なことになるようです。
あわてて中止を連絡するジェレミー・ストーン博士。中止連絡を受けた側は文句たらたらとなっています。で、すぐ変わる状態をピンポンと言っています。面白い表現です。

そんなわけでこの研究所の核自爆装置も解除してくれと連絡しています。
それには1日かかると受けた側の返答でした。

結晶体生命拡散をシミュレーションしています。
ディスプレイの地図を使って広がりを描写するおなじみの描写となります。
ところがこの地図は細菌戦のシミュレーションではないかと気がつくチャールズ・ダットン博士。ここは細菌兵器の研究所なのかと激怒しています。

汚染警報が鳴っています。これは大変な状況です。
レービット博士の具合が悪そうです。これは感染ではないとホール博士は診断します。
ですが職員は感染していると思っていて全員避難していなくなっています。
どうやらレービット博士は警報ランプの赤い点滅を見ててんかんの発作を起こしたようです。

ホール博士は血液と呼吸に関係があると気がつきます。
これがポイントらしい。

気密装置に異常と警報が出ます。
そうなると当然核自爆装置が作動となります。
通路の非常ドアが締まり解除装置に辿り着けなくなります。
爆発まだあと5分になります。

ホール博士はジェレミー・ストーン博士の指示ででメインホールを登って上の層に移動となります。
メインホールにはガスと自動照準のレーザー銃があるそうです。危ないじゃん。
自分が行くわけではないのでレーザー銃は当たっても脊髄を外せば大丈夫なんて言ってるジェレミー・ストーン博士。嫌だけど解除キーを持っているので行くしかないホール博士です。

メインホールに入るホール博士。
上の層へと移動となります。
この自動照準のレーザー銃は横山光輝の漫画『バビル2世』(1971年-1973年)等で引用していたようです。当然そのままではなく少し変えているのが巨匠のいいところです。

自動照準のレーザー銃の悪戦苦闘しましたが自爆装置を何とか解除したホール博士。
思わぬとこで大活躍となりました。

対処の方法がわかりアルカリ性の雨で大気圏内のアンドロメダストレインを処理するようです。

ジェレミー・ストーン博士の報告が短く入ります。
アンドロメダストレインの描写。
コンピューターのアラート601が入りエンドとなります。


そんなわけで低予算でもがんばっていたよい作品でした。


« 『変奏曲』(1976年) | トップページ | 『ミクロの決死圏』(1966年) »

映画」カテゴリの記事

1970年代」カテゴリの記事

コメント

1971年制作だそうで、コンピュータの端末など時代を感じるものもありますが、映画の出来は現代の感覚で見ても一級品ですね。 観る前は宇宙生物が増殖して人類を襲うような内容かと思っていたら大違い、丹念に検査を積み重ね一歩一歩事実を解明していく、ドキュメンタリー映画のような説得力に圧倒されました。 後半、アンドロメダを調べる過程で、ネズミと猿が死ぬ場面があります。 これは医学や科学の実験で日常に行われていることなのでしょうが、映像で見ると衝撃的です。 俳優陣は知らない人ばかりですが、迫真の演技は素晴らしいです。 低予算映画と言われているようですが、脚本・監督・演技が優れていると いい映画が出来るという見本みたいな映画ですね。

ナカムラ ヨシカズさん、コメントありがとうございます。

ロバート・ワイズ監督の腕前でよい作品は年月を経ても残るというのがよくわかる作品ですね。

これでスターが出てればと思えますがこの無名キャストでよかったのかもしれません。
当時でSFに出てくれるスターとなるチャールトン・ヘストンぐらいしか思い当たらないけど、そうなるとまた別の話になるかもと考えるのも楽しいものです。


コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『アンドロメダ・・・』(1971年):

« 『変奏曲』(1976年) | トップページ | 『ミクロの決死圏』(1966年) »

月齢

無料ブログはココログ
フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

バイクフォト

  • ヤマハ トリッカー XG250
    私が買ったバイクです。ヤマハばかり。