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2009.07.26

『変奏曲』(1976年)

この作品は中平康監督、麻生れいこ、佐藤亜土主演のメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1976年 ATG 日本作品
ランニング・タイム◆108分
プロット◆17年ぶりに再開した2人が旅行に行く話しのようです。
音楽◆遠藤瑶子
スカイパーフェクTV707日本映画専門チャンネルにて。画質は元がこうなのか悪いです。

キャスト
麻生れいこ→今は奥サマの杏子
佐藤亜土→いまだに活動家の森井
松橋登→デザイナーの水品
不明→ガールフレンドのクリスチーナ
二谷英明→杏子の夫

中平康監督の演出はよいと思います。
五木寛之原作なのか聞いてて恥ずかしいセリフが連発されています。
革命云々とかヒロインのアンニュイなセリフとか。それで松橋登が出てきてそんなセリフを言えばコメディになりそうですがそうはならず。これは演出のおかげです。
1970年代ファッションに革命運動とダサい要素はやまほどあります。

この作品はかなり以前にテレビ東京(旧東京12チャンネル)の日本映画名作劇場で見てよかったのでまた見ました。
当時は芸術的だから見たのではなくてヌードがあったからです。いまだに解説で主演の佐藤亜土は素人ですというのを覚えています。誰が解説していたかは忘れましたが。品田雄吉か深沢哲也か白井佳夫の3人のどなたかです。私が映画を見るようになったのは日本映画名作劇場があったからです。お世話になりました。→現在の日本映画は全く見る気がしなくなったけど・・・、理由はお涙頂戴物は好みではなく、説教演技と絶叫演技が嫌い等々、色々とあります。

改めて見るとなるほどこのような話しだったのか。最初に見た時は麻生れいこのヌードと松橋登の演技しか印象に残っていなかったものです。

始まってすぐに佐藤亜土の活動家森井は処刑されて回想のような構成になっています。森の中は、フランスのパリ郊外となると、ここはフォンテンブローの森ですか。
1955年=昭和30年に出国して17年となっていまし。全編フランスロケです。

このいまだに革命家はインポということになっていますが、インポはヒロインに対してだけで他の女性とはセックスが出来るのでヒロインがそれに対して何で私ではダメなのと闘志を燃やす設定になっていた?そんなふうに見えたりします。

この言葉を言えば解放されるとなって活動家は「革命なんて無意味だ」、ヒロインは「お○○○」と言えばいいとなりますが、ヒロインの方はやはり「お○○○」とは言えなかったりする。これはいいな。

松橋登のデザイナーの水品はロールスロイスを自分で運転していました。ロールスロイスは運転手付きが普通なので少し違うんじゃないのとなります。
デザイナーはいえばTV土曜ワイド劇場『江戸川乱歩「吸血鬼」より 氷柱の美女』(1977年)でもそんな役をやっていたような。松橋登は『氷柱の美女』の印象が強過ぎて、この作品では何か変に見えてしまいます。これもこれでちょうどいいけど。

二谷英明はスティルと声のみの出演で特別出演ですが、これでは間抜けな亭主役のようでした。結構合っているのがいい。

タイトルバックに映ってるバイクはホンダCB750です。
カワサキ900Z1と共にヨーロッパのバイクを駆逐したバイクです。並列4気筒エンジンのバイクはジャパニーズ・スタンダードと言われ、故障無し、スムーズ、パワフルが特徴です。→で、当然売れたわけです。

少しは音楽映画のようなとこもあり音楽祭を見るシーンがあります。チェロだと思う。

そんなわけで久しぶりに見ても結構面白かった。いかにも1970年代なよい作品でした。


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コメント

し・渋い!
麻生れいこ!う~む、懐かしい・・・。

週刊プレーボーイや平凡パンチで、麻生れいこがグラビアに出るたびに買ったものです・・といって、ほぼ毎週買ってましたが。

かなりのファンだったのに、顔が思い出せない。。。
これも彼女の特徴ではないでしょうか。
彼女の、そして彼女のヌードのための映画です。
五木ブランドも、ATG芸術ムードも、彼女のための装飾でしたない、と言い切ってしまいましょう。

実は松橋登は当時、後のワイド劇場とかの少々病んだキャラの俳優というポジションではなく、堂々のアイドル・注目俳優だったのです。ですので、あえて運転手も使わず、ロールス・ロイスを運転するのが「カッコイイ」のでした。
(当時のお笑いトップ・アイドルだった笑福亭仁鶴なんかは、本当にやってました。おそらく、まだ現在も自分で運転してるのではないでしょうか)

lalakiさん、コメントありがとうございます。

麻生れいこは後ににっかつロマンポルノに出てたとずっと勘違いしていました。今回調べたらそれは麻生かおりで、ようやく気がつきました。結構感じが似ているので勘違いしていました。

ロールス・ロイスを自分で運転するのが「カッコイイ」のですか。そういえばそんな映画もありました。『欲望』(1966年)の主人公のカメラマンはそうでした。なるほど。


非常にばかばかしい映画ですね。
中平康の遺作としてはあまりにもひどいと思います。
麻生れい子の台詞は、全部他の女優の吹き替えになっています。
今の言葉で言えば、麻生は貧乳ですね。

佐藤亜土は、オペラ歌手の佐藤美子の息子でパリにいた画家です。
こいつの巨大なレリーフが横浜市役所の壁にありましたが、今はありません。
多分、佐藤美子が飛鳥田市長とお友達だったから作らせたのでしょうが、親のコネで作品を買わせた芸術家など最低だと思っていました。

さすらい日乗さん、コメントありがとうございます。

相当ご立腹のようですが、この監督の傑作『危いことなら銭になる』(1962年)の感想でも読んで落ちついてください。

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