『憲兵とバラバラ死美人』(1957年)
この作品は並木鏡太郎監督、中山昭二、天知茂、主演の殺人が絡む憲兵ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品はキワモノで有名なので見ました。たとえハズレでも中山昭二と天知茂が出てるから大丈夫でしょうと見ました。。
1957年 新東宝 日本作品
ランニング・タイム◆77分
プロット◆殺人犯人を捜す話しのようです。
音楽◆米山正夫
スカイパーフェクTV261チャンネルNECOにて。画質はよいです。
キャスト
中山昭二→凄腕の小坂憲兵
天知茂→容疑者の常吉軍曹
細川俊夫→仙台の憲兵隊長
鮎川浩→小坂憲兵の助手高山
江見渉→犯人の君塚軍曹
若杉嘉津子→下宿先の女主人加島喜代子
江畑絢子→その妹の加島しの
三重明子→殺された伊藤百合子
並木鏡太郎監督の演出はまあよいと思います。
私が嫌いな挨拶のシーンが多いのはイマイチでしたが・・・。
話しの方は始めから大変わかりやすいので、そちらの方に気を取られなくてすみます。
子供が出来たから結婚してくれと、こんな展開で上手くいくんかいと始まります。
そして意外とまじめに話しは進行します。最期までまじめなままでした。これはホントに意外でした。
昔のTV土曜ワイド劇場での井上梅次監督、天地茂主演の江戸川乱歩・明智小五郎シリーズの方が豪華なゲストスターに無茶をやらせたりして、よほどぶっ飛んでます。
この作品は〜死美人というタイトルからそんな感じなのではと予想してたのでこんなにまじめなのかと意外でした。
グロな描写は井戸の水が何故臭いのかとか。→それは死体が投げ込まれて腐敗していたからです。これは凄い。それでも死体自体を見せるとこはなかった。
なわばり争いの図で東京の憲兵が仙台に何で来る?ともめたりします。
ゴジラみたいというセリフがあったけど、この作品の時代設定ではまだゴジラなんて存在しなかったのでは?。これは勢いで書いてしまったセリフのようです。
中山昭二はTVシリーズ『ウルトラセブン』(1967年)でのキリヤマ隊長の時と全く変わっていません。この作品では10年若い筈なのに全く変わっていませんでした。演技の方もキリヤマ隊長とあまり変わっていないのが何となく凄い。
天知茂は最初は誰だかわからずでした。
あまりいいとこがなくて軍用品横流しをして女出入りの激しい容疑者で捕まって憲兵隊に逆さ吊りにされて拷問されたりしてました。
この作品の途中から真犯人が確定するラスト近くまで画面には映ってませんが天知茂は拷問され続けてたようです。そんな感じて全くいいところはありません。
新東宝の女優陣はバタ臭くて色っぽい人がそろっているようです。これはオーナーの好みですか。これはいい感じです。
そんなわけでこれはまじめに作ってある、それはまじめな作品でした。意外でした。
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これねー、私、子供の頃TVで観て、ショックでトラウマになってしまいました。
怖いというだけでは、他にも怖い映画はいっぱいありましたが、この「憲兵」「井戸」「襦袢の年増」などの昭和初期のムードが子供の私を恐怖のどん底に叩き落したわけです。
この怖さは、今は正確に伝わってはいないのではないでしょうかねー。
投稿: lalaki | 2009.07.22 18:35