『天使を誘惑』(1979年)
この作品は藤田敏八監督、山口百恵、三浦友和主演のメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1979年 ホリ・プロ/東宝 日本作品
ランニング・タイム◆109分
プロット◆何だかんだある恋人同士の話しのようです。
音楽◆玉木宏樹
BS11衛星第2放送にて。画質はまあまあ。
キャスト
こんなに豪華なキャスティングだったの?、これは最高です。
山口百恵→ヒロインの佐野恵子
三浦友和→恋人の上杉浩平
蟹江敬三→佐野恵子の兄 佐野正男
岸部一徳→佐野恵子の見合いの相手 徳山君彦
火野正平→上杉浩平のダチ 松田豊
津川雅彦→佐野恵子の上司 岩淵薫
神崎愛→佐野恵子のダチ 白石妙子。特技のフルートは吹かない。
中島ゆたか→上杉浩平の仕事上の知り合い 吉沢静世
大友柳太郎→上杉浩平の父 上杉朔太郎
岡本麗→藤原キヌ子 ホステスだと思う。凄いメイク
比企理恵→茨城の中学生
結城しのぶ→寺西フミ子
岸田森→編集長
大林宣彦監督まで出てました。上杉浩平のアパートでの近所の人らしい。
藤田敏八監督の演出はよいと思います。
全体的にはセックスシーンのないにっかつロマンポルノといった感じになっています。悪くない。
演出的にはワイプあり。会話シーンは結構長回し。で、いきなりアップで切り返したりしたり。フラッシュバックもあったりと凝ってました。
空撮から始まります。これはカネがかかってるじゃない。珍しい。
出だしのクルマで茨城まで主人公がヒロインを迎えに行くシークエンスがよかった。プロローグとしてはいい出来で見てて引っ張られます。
クルマはニッサン・ブルーバード310です。当時でも10年以上経った古いクルマです。
山口百恵の兄が蟹江敬三というキャスティングもいい感じです。
見合いの相手が岸部一徳です。何か凄いキャスティングとなっています。
この岸部一徳はええとこのどら息子らしく、クルマはフィアットX1/9でした。スーパーカーというほどでもない微妙なランクのクルマです。→まとめて水難にあったクルマなのかと思ったがそれは1983年になってからのことでした。フィアットX1/9はこの水難にあったクルマが多量に出回って日本では悪名が高いそうです。
主人公がアパートに帰ると泥棒に入られて大騒ぎになってる最中でした。
ここらへんで近所の人といった風情で大林宣彦監督が出ていました。どうやら出たがりのようです。
山口百恵の無言での静止ショットが多かった。いい感じです。山口百恵の演技は上手くはないけど下手でもないといった感じ。これで充分です。
三浦友和と大友柳太郎が親子の設定。感じが似ています。実際の両者とも大根役者呼ばわりされてるのも似てるし。
津川雅彦は今と芸風はそんなに変わっていない。これも意外でした。
このような手法もあった。津川雅彦と山口百恵の会話シーンで、それまでの長回しから津川雅彦の思い入れ演技全開になると効果音が引いてカットを割ります。
三浦友和が中島ゆたかと浮気してるとこをアパートで待つヒロイン山口百恵に、その浮気現場の効果音をかぶせてました。これも凝っててよい感じ。
親子ほど歳が違うのに神崎愛と大友柳太郎が三浦友和のアパートで一目会ったその日から、そのまま2人で大友柳太郎の家まで行ってしまう凄い設定となっています。無さそうでありそうなのがよい感じです。
この家にて、何故か大友柳太郎がエアガンを撃つとこが妙に印象に残ります。
ラストのホステスの三浦友和へのお礼参りは余計に見えた。
これは藤田敏八監督の趣味のようです。『八月の濡れた砂』(1971年)でも同じようなシーンがありました。
その前のヒロインを見つけるスローモーションで終わった方がよかったみたい。でもこのラストでホステスがヒロインの姿を見て去るとこはよい。余計なセリフを省いたのもよい。
そんなわけで今回見て非常に満足しました。よく出来ている作品です。
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