『ハイヒール』(1991年)
この作品はペドロ・アルモドバル監督、ビクトリア・アブリル、マリサ・パレデス主演の母子物メロドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ペドロ・アルモドバル監督作品で見ました。少し見たらこれが面白いこと。それで始めから見直しました。タイトルからSMコメディと思ってたら全然違う話でこれまた大まじめなメロドラマでした。
1991年 スペイン作品
原題◆Tacones Lejanos
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はそんなにはよくはない。元々このような画質なのかもしれません。
プロット 母子が理解しあう話のようです。
キャスト
ビクトリア・アブリル→ニュースキャスターで娘のレベーカ
マリサ・パレデス→大歌手兼女優で母のベッキー
ミゲル・ボゼ→ゲイのレタル、判事のドミンゲス
Féodor Atkine→殺された夫のマヌエル
アンナ・リサラン→秘書のマルガリータ
ペドロ・アルモドバル監督の演出はよいと思います。
プロローグでヒロインのビクトリア・アブリル扮するレベーカは空港で母に久しぶりに会うとこで回想します。
1972年のマルガリータ島で母にイヤリングを買ってもらう、1974年に母はメキシコへ行くがすぐに戻ってくると約束する。等と回想されて、久しぶりに再会を盛り上げます。
思い出のイヤリングを付けて母に会う娘の図。
もしかして母は1974年にメキシコに行ったきりなのでは思わせて、実はその通りでした。これでは残された娘は屈折します。
母の元夫と結婚する娘、屈折しています。ビクトリア・アブリルは笑うシーンがホトンドなかった。
母のベッキー役のマリサ・パレデスは以前見た『私の秘密の花』(95年)に出てた人でした。
で、ペドロ・アルモドバル監督はイングリッド・バーグマンのミーハーというマニアなんですね。
この作品ではいきなりセリフでイングマル・ベルイマン監督、イングリッド・バーグマン主演の『秋のソナタ』(78年)の話しが出ていたりました。
『私の秘密の花』(95年)でもヒロインが夫婦げんかをして旦那が後ろにいなくなっても気が付かなくて愚痴を言う図があったりします。それは『山羊座のもとに』(49年)で撮影現場でアルフレッド・ヒッチコック監督に文句を言ってたイングリッド・バーグマンでしょう。と『ハイヒール』(91年)、『私の秘密の花』(95年)の2作にイングリッド・バーグマンネタが出ていればそう思ってしまいます。
ビクトリア・アブリルがキャスターを務めるニュース開始のタイトルのセンスはいい。こういうとこでペドロ・アルモドバル監督のセンスがいいのがよくわかります。
ゲイの人はクラブでカラオケで歌い、ファンが振り付けを真似していました。
なるほどアイドルなのですか。結構重要なキャラとは思ってましたが実はあっと驚くこんなのあり?の1人2役でした。
ハイヒールの足音の話をする娘。足音がするたびに母が帰ってきたのではと思っていたと、演じるビクトリア・アブリルの見せ所となっています。
そんなわけでこれは力作で普通のメロドラマなのに非常に面白い作品でした。
ペドロ・アルモドバル監督は増村保造監督と同じような感じ。
普通のメロドラマなのにこれが異常に面白いとこが共通しています。で、演出手法がよくわからないのがこれまた共通しています。
何でこんなに見てて面白いのかがよくわからないのです。特徴といえばペドロ・アルモドバル監督はカラフルな色の使い方、増村保造監督は登場人物がみな妙な喋り方をしていると、見ててこのくらいはわかりますがでもそれだけで面白くなるわけではないから不思議なのです。
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