『私の秘密の花』(1995年)
この作品はペドロ・アルモドバル監督、マリサ・パレデス主演の自己回復ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品は『キカ』(93年)がよかったペドロ・アルモドバル監督作品で見ました。
1995年 スペイン作品
原題◆La Flor De Mi Secreto
スカイパーフェクTV311パワームービーにて。画質はよいです。
プロット 色々と上手くいかないけど人間的に成長する話のようです。
キャスト
マリサ・パレデス→ヒロインの作家のレオ
チュス・ランプレアベ→脳死による臓器提供プロパガンダドラマの母
カルメン・エリアス→心理学者のベティ
Gloria Muñoz→編集者のアリシア
Manuela Vargas→メイドのブランカ
Imanol Arias→レオの旦那で軍人のパコ
フアン・エチャノヴェ→恋人となる編集者の男アンヘル
ホアキン・コルテス→Antonio
ロッシ・デ・パルマ→ローザ
ペドロ・アルモドバル監督の演出はよいと思います。
タイトルがカラフルで凝っていました。で、始まってこれが本編かと思ったら劇中ドラマで意表をつかれます。やるじゃん。
ペドロ・アルモドバル監督はいきなりかましてくれます。私はどういう話なのかキャストも知らないで見てて、その上この劇中ドラマがよく出来ているから見事にだまされました。そういえばドラマの途中なのにタイトルクレジットがバンバン入るのが変だとは思えたりしました。
セリフではなくてカメラの動きで主人公のキャラ紹介をする手法がありました。
これはアルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』(54年)で使われている手法です。
この手法でヒロインの身の回りを描写してたら、窓から風が入り本のページがめくれてその内容でさらにカメラでキャラ紹介の続きをしてくれます。このシーンを見てるだけでペドロ・アルモドバル監督のセンスがいいとわかります。
きついブーツが脱げないことがこのヒロインの不幸なのです。
これを劇中ドラマの子供の脳死に直面している母と同列に扱っているのがいい。当人が不幸と思えば不幸には程度の差はありませんということですか。このブーツが脱げないことが後の伏線になっているんです。
ハーレクイン物でも作家は色々と契約があって制約が多いようです。ハーレクイン物だから制約があるのか。
ヒロインが夫婦げんかをして旦那が後ろにいなくなっても気が付かなくて愚痴を言う図があります。
これは『山羊座のもとに』(49年)の撮影現場でアルフレッド・ヒッチコック監督にカメラの長回しのことで文句を言ってたイングリッド・バーグマンでしょう。なるほどこのヒロインはイングリッド・バーグマンがモデルなのかと思いました。そう思うとマリサ・パレデスは何となくイングリッド・バーグマンに似ています。
旦那がヒロインに比べて息子みたいに若い。ここももちろんそういう設定なんでしょう。
サポートの俳優で『キカ』(93年)に出ていました鼻の形に特徴がある人が出ています。アルモドバル監督作品の常連のようです。→あとでロッシ・デ・パルマとわかる
プロローグの劇中ドラマはなんというか脳死からの臓器提供を描いたのプロパガンダドラマのようです。
スペインといえばフラメンコですか。闘牛、無敵艦隊とか。私にはそれくらいしか思いつかない。という偏見があります。
スペインの大声コンテストは声を出すだけのようです。日本みたいに聞いてて恥ずかしい言葉を発するのではなかった。スペインの大声コンテストは見に行きたいものです。
映画ネタのセリフが取り上げられていました。
『アパートの鍵貸します』(60年)、『カサブランカ』(42年)、『ベストフレンズ』(81年)等。3本とも見てます。どれもよい作品でした。
そんなわけでごく普通のメロドラマなんですがよい作品でした。これはペドロ・アルモドバル監督のおかげだと思います。
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