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2007.08.04

『ミンクの手ざわり』(1962年)

この作品はデルバート・マン監督、ケイリー・グラント、ドリス・デイ主演のロマンティック・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1962年 ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆That Touch of Mink
BS2衛星第2放送にて。画質はよいです。
プロット どういうわけかすれ違う2人の話しのようです。
音楽 ジョージ・ダニング

キャスト
ケイリー・グラント→実業家のシェイン
ドリス・デイ→求職中のキャシー
ギグ・ヤング→シェインの財務担当ロジャー
オードリー・メドウズ→キャシーの友人コニー
ジョン・アスティン→最低のビーズリー氏
アラン・ヒューイット→精神分析医のグローバー先生
ディック・サージェント→夜のプールのハリー・クラーク
ミッキー・マントル→N.Y.ヤンキースの本人役
ロジャー・マリス→N.Y.ヤンキースの本人役
ヨギ・ベラ→N.Y.ヤンキースの本人役

デルバート・マン監督の演出はよいと思います。

実業家のケイリー・グラントの乗ってるクルマに泥水を跳ねられた求職中のドリス・デイがグラントの顧問をやってるギグ・ヤングの案内でケイリー・グラントに文句を言いに行くが・・・と話しは始まります。

ドリス・デイとケイリー・グラントはすぐにデートとなって野球を見に行こう、N.Y.ならMLBのヤンキースとなりヤンキースタジアムに行きます。
2人は何故かヤンキース側のベンチ内で観戦してました。ここで軽いギャグがあったりします、ミッキー・マントル、ロジャー・マリス、ヨギ・ベラの3人(3人とも本人です。)が登場して判定に文句をつけたとなり退場となります。文句を言ってたのはドリス・デイだけだったりする。

なりゆきでケイリー・グラントとバミューダまで行ったところでドリス・デイから見ると何でもダブルベットに見えるギャグがあったりします。まだ会って少ししかたっていないのにセックスまでは行けないわとプレッシャーがかかってそうなっているようです。

バミューダのホテルにて。夜のプールでミンクのコートをやるまではと話しが出ます。これがタイトルのゆらいのようです。

ドリス・デイとケイリー・グラントにはそれぞれ話し相手のキャラがいます。独り言を言ってたら異常になってしまうからでしょう。
ワンシーンで伏線があってオチのセリフがあります。このへんはていねいな脚本といった感じです。

ドリス・デイは顔のアップの時はソフトフォーカスのサービスあり。
本編でもタイトルでも歌はなしです。
当時によく共演していたロック・ハドソンの名前が出る楽屋オチのギャグがありました。
この作品を見てたらレニー・ゼルウェガーはドリス・デイとよく似たとこを狙っている?と思えました。『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)もこんな感じなのかな?

ケイリー・グラントはいつも通りでした。
新機軸としてはホテルから腰のタオルだけの姿で出てくるとこです。他のスターがやったら見られないがケイリー・グラントだから様になるそうです。

ギグ・ヤングはコメディリリーフのキャラのようですがあまり笑えなかったりします。当時は大スターの相手役が多かったようです。

ケイリー・グラントが夜のプールで会った若い男ハリー・クラークはどこかで見たような顔で調べるとディック・サージェントという名前でTVシリーズ『奥様は魔女』(1964-1972年)の2代目ダーリンでした。『奥様は魔女』は最近見ても日本語版のセンスがよいせいか面白いです。

パンアメリカンの旅客機を使用。映画にだけはよく出ていた会社です。
コンピュータはパンチカードの時代でした。まだ磁気テープにもなってないのか。


本物のMLBのN.Y.ヤンキースの選手が出ていました。3人、一言ずつ発言してそのたびに退場になっていました。ここで映ってるのは旧ヤンキースタジアムです。

私はMLBのことになると何か書きたくなります。余談ですが、
ミッキー・マントルはスイッチヒッターの最多ホームラン記録の持ち主です。マントルは度重なる怪我に苦労したとなっていますが実は自分自身の不摂生と不注意で怪我が多かったと思われます。

ロジャー・マリスは忌まわしいシーズン61本新記録ホームラン騒動の犠牲者でした。ごく普通の右投げ左打ちでシーズンのホームランが10本から20本のレギュラー三塁手だったのがたまたまそのシーズンだけ打球の角度がよくなったせいでホームランを量産して要らぬ苦労をしたということです。ヤンキース生え抜きではなくトレードで来た外様の選手でマスコミ受けする性格でなかったのが原因と思われます。

ヨギ・ベラは右投げ左打ちの強打の捕手ということですが、イマイチな投手のリード、きわどい投球をボールに見せてしまうキャッチング、盗塁を阻止出来ないスローイング、等と守りではあまりいいとこない選手ですが、幸運なことにマスコミ受けするキャラクターと性格の持ち主で、それと強打のおかげで幸せな選手生活を全うしました。

この時代のヤンキースがあまり好きではないので悪口ばかりになってしまいました。
実は私にとってN.Y.ヤンキースの1番好きな時はフリーエージェント制度が始まったばかりで、そのおかげでカネで買った最良のチームと言われた1977年あたりだったりします。TVで初めてMLBを見たのが1977年のN.Y.ヤンキース対L.A.ドジャースのワールドシリーズだったのでそうなります。


そんなわけで1960年代にしては意欲的なロマンティック・コメディのよい作品でした。


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