『雨の訪問者』(1970年)
この作品はルネ・クレマン監督、マルレーヌ・ジョベール、チャールズ・ブロンソン主演のサスペンスです。
以前に最初の1部だけしか見られなかったので見ました。カーク・ダグラスが出てる作品と勘違いしていたような。何だっけ?『雨のエアポート』?→『雨のパスポート』(71年)でした。これもマルレーヌ・ジョベールがヒロインでした。雨のエアポートだと大昔の演歌だ。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1970年 フランス作品
原題◆Le Passager de la pluie
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はまあよいです。フランス語版でした。
プロット 怪しい男に尋問される話しのようです。
音楽 フランシス・レイ
キャスト
マルレーヌ・ジョベール→ヒロインのメリー。メランコリーの愛称でメリー
チャールズ・ブロンソン→謎の男ハリー・ドブス
ルネ・クレマン監督の演出はよいと思います。
雨の訪問者の暴漢はストッキングを頭に被ってヒロインを襲っていました。今だったらホトンドギャグに近いような感じです。この男は60000ドルをTWAのバッグに入れて来たことになっていました。
殺された男のことをマック・ガフィンと称していた。これをもちろんサスペンスには付き物な用語マクガフィンのことで洒落なのでしょう。
マルレーヌ・ジョベール扮するメリー。メリーはメランコリーのメリー。
前説で不思議の国のアリスの一文が引用されていました。なるほどこのヒロインの若奥さんは犯罪の世界のアリスなのですか。
マルレーヌ・ジョベールはそんなに美人ではないそばかす顔がちょうどいい感じ。
ショートカットのヘアスタイル。セシールカットというのか?
全編白い衣装で通していました。主に白のノースリーブニットに白のミニスカート。白いビニールのようなショートレインコート。白いショートコート。白のブーツ。と白ずくめです。これがいい。白いミニスカートばかりでした。
クルマは珍しくアメ車のステーションワゴンです。
アル中のママがいます。ボウリング場に勤めているようです。懐かしのスロットレーシングもあった。
何故かメリーは水平2連のショットガンが扱えます。これで暴漢を射殺して死体を断崖から海に捨てます。
そんなとこにチャールズ・ブロンソンの怪しい男が登場するわけです。
メリーのエプロンにLOVE LOVEの文字が入ってまして。ブロンソンはこの後はヒロインのことをLOVE LOVEと呼んでいました。
ヒロインの子供の頃のトラウマがフラッシュバックされます。
夫のトニーはファザコンで何かというと父はこうだったと奥さんに説教します。
滞在中のモーテルにて。
チャールズ・ブロンソンは『或る夜の出来事』(36年)でのクラーク・ゲーブルからの伝統に従って素肌にシャツでした。
で、チャールズ・ブロンソンがシャツを脱いで上半身裸になると鍛えられた肉体がというよりも、ステロイドで作りあげて日焼けエステサロン通いで焼いた成果といった感じなので見ててずっこけます。ここは御愛嬌ということにしましょう。
ブロンソンのハンドガンはルガーP-08でした。
クルミを窓ガラスに投げて割れたら?の設定がラストに生かされていました。
そんな感じで・・・
チャールズ・ブロンソンが「LOVE LOVE、君がやったのか?」と聞き、ヒロインのマルレーヌ・ジョベールが「やってません」と答えるだけで全編もってしまってる。面白いものです。
この作品はディテールがカルトです。ヒロインを描写する様々なディテールが色々と影響を与えているような感じ。パリに行って捕まって犬のように四つんばいで歩かされるシーンとか。
そんなわけでTV2時間ドラマのマスターピースといった感じのよい作品でした。
マルレーヌ・ジョベールの娘がエヴァ・グリーンだそうです。
エヴァ・グリーンとは洒落で付けたような名前です。多分芸名なのでしょう。ヒットラーの愛人エバ・ブラウンとかけているし常套句エバーグリーンにもかけています。洒落で付けたのかもしれません。母親がマルレーヌ・ジョベールならそんなものかななんて思ってしまいます。
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