『ザ・カー』(1977年)
この作品はエリオット・シルバースタイン監督、ジェームズ・ブローリン、キャサリーン・ロイド主演のオカルト・カーアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1977年 ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆The Car
DVDにて。画質は非常によいです。音声は5.1ch化されていました。
プロット 謎のクルマ ザ・カーに悪戦苦闘する話しのようです。
音楽 レナード・ローゼンマン
キャスト
ジェームズ・ブローリン→保安官助手ウェイド
キャサリーン・ロイド→学校の先生ローレン
ロニー・コックス→ウェイドの相棒ルーク
R.G.アームストロング→暴力亭主エイモス ダイナマイト屋
ジョン・マーレー→エヴ署長
エリザベス・トンプソン→マージー先生
ヘンリー・オブライエン→アメリカンネイティブのチャス。
ドリス・ダウリング→暴力亭主エイモス夫人のバーサ。
ジェラルディン・キームズ→無線担当のドナ。
エリオット・シルバースタイン監督の演出はよいと思います。
ですが本編が少し退屈な感じ。
音楽はそれらしいスコアでした。
サイクリング→ヒッチハイク→保安官→墓地→女先生→ラストへ。
サイクリングのアベックを血祭りにあげヒッチハイカーを轢き直す出だしは快調で凶悪なとこを見せてくれます。
ですがそれに続く本編は少し退屈でした。何かTVムービーのような感じ。キャストが少し弱いのでキャラが喋ったり動いてるのを見てるだけで満足とまではいかなかった。
それで。間が空いて、評判のザ・カーは墓地には入れませんのシーンがあります。
55分あたりからようやくカーチェイスになります。
コマ落としでスピード感をだそうとしてます。これはやめた方がよかったような。
これまた評判なザ・カーが墓地でキャサリーン・ロイドに悪口を言われた腹いせにわざわざ家の中まで押しかけて来るとこもちゃんとありました。悪魔的というか人間的というかブラックでいいです。
ラストでR.G.アームストロングが活躍していいのかなと思う。
プロローグで女房を殴るとこを見せてジョン・マーレー保安官が「あいつはクズ」だと言ってた。そんな人が何で?と思える。それとも女房を殴るくらいの甲斐性?がない活躍出来ないのかな。
ジェームズ・ブローリンはまあまあ。ジェームズ・ブローリンはジョシュ・ブローリンの父親です。
ロニー・コックスが若いこと。
キャサリーン・ロイド。茶のパンツルックが素敵です。
登場するバイクはスズキのハスラー400でした。
2サイクルビッグシングルエンジンの音を聞かせてくれます。写真でしか見たことがないハスラー400が動いてるのが見れてよかった。これがこの作品の1番のいいとこだったりします。
空冷2サイクル、ピストンバルブの単気筒エンジン。
スズキの2サイクルオイル分離給油システムはなんて称していたっけ?忘れてしまった。→調べたらCCISでした。CCIS=シリンダ・クランク・インジェクション・システム。
ザ・カーについて・・・
クルマは改造車とのことです。リンカーンでしたか?エンジン音にもう少し迫力があったたもっとよかったと思います。
ザ・カーは外見は・・・
ボディカラーは黒。
2ドアのハードトップ。
丸目2灯のヘッドライト。
縦線のラジエーターグリル。
二重になったバンパー。
フロントを顔のように見せようとしているようです。
OHV V8エンジンだと思うけど、あまりいい音はしていない。物足りない。ここは『バニシング・ポイント』1971年版(71年)のダッジ・チャレンジャーのようないい音を聞かせてもらいたかった。
前説字幕があります。
タイトル。
特殊技術にアルバート・ホイットロックの名があった。
荒野です。クルマがやって来ます。
サイクリング中の若い2人。ピーターとスージー。
ザ・カーの主観ショットはオレンジ色がかかっています。
で、2人を片づけます。
自転車といえば、
この日本の現実で自転車は凶悪なところを見せてくれます。
見通しの悪い交差点等でも安全確認をしない。
信号は守らず無視して走る。
とにかく止まろうとしない。絶対に止まりません。
そんなわけで危なくて近寄れません。私はこの類いを内心でキチガイ自転車と呼んでいます。
自宅で寝ているジェームズ・ブローリン扮する保安官助手ウェイド。
起こすキャサリーン・ロイド扮するローレン。
ウェイドには女の子が2人います。
舞台になる町の名はサンタ・イネス。
道端のフレンチホルンの男。ジョニー・ノリス。
夫婦げんかを止めるが逆に脅かされる。
R.G.アームストロング扮する暴力亭主エイモスが登場。
ヒッチハイクしようとするジョニー・ノリスですが、通り過ぎたザ・カーに悪態をついたのを根に持たれて、引き返してきたザ・カーに片づけられます。
何回も念入りに轢き直しをやってるザ・カーです。凶悪でなかなかいい感じ。
ウェイドの自宅にて。
妹デブラと姉をバイクに乗せて送るウェイド。
バイクはスズキのハスラー400です。
ウェイドはノーヘル、娘2人を乗せての3人乗りしていました。さすがに娘2人にはヘルメットをかぶせています。
ハスラー400でジョニー・ノリス死亡の現場に入るウェイド。
協力的でない暴力亭主エイモス。
ロニー・コックス扮するウェイドの相棒ルーク。
ジョン・マーレー扮する初老のエヴ署長。
学校です。
パレード用の演奏の練習中です。
ルークとエリザベス・トンプソン扮するマージー先生はいい仲。
また事件と無線が入る。サイクリングの件です。
警察にて。
エヴ署長からの話とか色々描写が入ります。
アメリカンネイティブのチャス。
暴力亭主エイモス夫人のバーサ。
無線担当のドナ。
外に出ると夜の町の通りにザ・カーが止まっています。
エイモスを狙ったが避けられてエヴ署長を片づけるザ・カーです。
エイモスから事情聴取のウェイド。
他の目撃者のアメリカンネイティブのおばあさんからもチャスの通訳を経て話しを聞きます。
翌日の警察にて。
ウェイドが指揮をとっています。
葬儀屋のマッキーと打ち合わせのウェイド。
ドナからおばあさんの話ではザ・カーの運転手はいなかったと聞くウェイド。
サイクリングのピートの死体が発見されます。
現場のウェイド。
町の通りでパレードの練習です。
遠くでザ・カーのフロントガラスが光っています。
風が吹き、馬が落ち着かなくなって、ザ・カーがやって来ます。
全員走って丘に逃げます。
で、墓地に逃げ込みます。ザ・カーは入れません。何でもありではないのがいい。
ザ・カーに向かい挑発するローレン先生。これが後で命取りになります。
この隙に何とか脱出したマージー先生がパトカーの無線で助けを呼びます。
これを聞いたウェイドが向かう。
ウェイドの乗ってる白バイはモトグッツィです。アメリカ製のハーレーではありません。
パトロール中のレイ警官。
ザ・カーが迫ります。それで追跡となるレイ警官。
ザ・カーを包囲しようとする警察。
山坂道でザ・カーを追いつめた筈のレイですが、崖下に落とされます。
対面走行になったパトカー2台を派手に片づけるザ・カー。そんなのあり?なやり方でした。このへんになってくると普通ではないなとなります。
白バイで来たウェイドと対峙するザ・カー。
ウェイドのことは殺さずに病院送りにしています。
病院のウェイドとなります。
パトカーでローレンを自宅に送るチャス。
自宅に戻るローレン。
風が吹いてザ・カーがやって来ます。で、家をぶち抜いてローレンを片づけて去るザ・カーです。やることが派手です。
警察です。
全員を集めて打ち合わせとなります。
夜明けまで2時間。
ウェイドの自宅ガレージです。
エイモスの店でダイナマイトをクルマに積み込む警察。
カットバックになっています。
ウェイドがハスラー400を発進させようとしたとこで、ガレージ内にあのザ・カーがいました。
ザ・カーのエンジンがかかります。閉め切ったガレージ内です。
エンジンの回転を上げて排気ガス責めをやっています。
クラクションを鳴らして窓ガラスを割ります。小技を駆使して責め立てます。
何となく脱出してハスラー400を走らせるウェイド。追うザ・カー。
山頂へおびき寄せようとします。
なんだかんだあって何とかダイナマイトでザ・カーを片づけます。
ザ・カーの最後ですが炎で悪魔が描写されています。
この悪魔の描写を見ててNHLのニュージャージー・デビルズのマークがかっこいいなと思いました。赤い矢印を悪魔ぽくデザインして洒落てます。私がさして興味のないNHLのことを連想してるくらいなのでどうも盛り上がらないような。まあいいけど。
夜明けでエンドとなります。
後タイトル。
『ザ・カー』(77年)がこの程度の出来なら公開当時よく比べられた『クラッシュ』(77年)は相当退屈なんでしょう。2作を比べると『ザ・カー』(77年)の方が出来がいいということらしいので。
そんなわけでオカルト・カーアクションの標準な作品でした。悪くはない。
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とてもシンブルで良い作品に仕上がりっていますね。好きですよ。何回も見たくなります。ドアに取っ手がないのはGOODですね~。乗る時どうするのかな〜?人間じゃないから必要ないんだね。ヒットすると、すぐ2とか作るけど意外と1が1番よかったりしますね。やはり余計な小細工しないのが素晴らしいかもしれませんね。
投稿: ゆうちゃん | 2012.07.03 03:47
ゆうちゃんさん、コメントありがとうございます。
このザ・カーはあんまり怖くなくて、何か見てて面白い存在なのがいいですね。
何がいいって悪口を言われると根に持つとこがよかったりします。
そんな感じで続編無しも潔いし、よい作品だと思います。
投稿: ロイ・フェイス | 2012.07.06 09:21