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2007.01.14

『オープン・ユア・アイズ』(1997年)

この作品はアレハンドロ・アメナーバル監督、エドゥアルド・ノリエガ、ペネロペ・クルス主演のサスペンスの筈でした。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品は批評がいいので見ました。サスペンスの『テシス 次に私が殺される』(1996年)の監督なのでハズレではないと思い、それでもダメだったらペネロペ・クルスを見てればいいやと見ました。

1997年 サミット・エンタテインメント/アルチザン・エンタテインメント/他色々 スペイン=フランス=イタリア作品
ランニング・タイム◆117分
原題◆Abre los ojos
◆Apri gli occhi (Italy)
◆El Contrato, (Spain) (working title)
◆Open Your Eyes (USA)
◆Ouvre les yeux (France)
◆Permanent Midnight (USA)
プロット◆私は誰でしょう?という話しのようです。
音楽◆アレハンドロ・アメナーバル/マリアノ・マリン
ポニー・キャニオン発売のDVDにて。画質はよいです。

キャスト
エドゥアルド・ノリエガ→若くて金持ちのセサール
ペネロペ・クルス→女優のソフィア
ナイワ・ニムリ→無理心中をするヌーリア→
フェレ・マルティネス→セサルの知り合いのペラーヨ
チェテ・レーラ→精神分析医のアントニオ
ジェラルド・バレイ→TVの男、ディベルノワ社長


アレハンドロ・アメナーバル監督の演出はよいと思います。
最初から2度目覚めているとこをがあったりとハッタリをかましてくれます。これで油断も隙もなくなります。
溶暗を上手く使っています。少し溶暗になっている時間を長めにしたりしているのが芸コマです。
会話シーンでは切り返しを使っています。セリフなしの切り返しのリアクションショットも使っています。ここがよい演出のポイントです。
医者と話しをしているとこがメインになっているようですが本編なのか回想なのか妄想なのか、どれがホントの時間なのかはハッキリしていないのでホント見てて油断も隙もありません。大体この医者との話しがいつの時点なのかがハッキリしていない。でもやたらは面白くてそれでどうなると見入ってしまいます。

デジャブーの話しからセサールとソフィアのラブシーンへとなります。これはいいな。

白いワーゲン・ビートル・カブリオレでガレージを出る主人公のセサール。
水平対向4気筒エンジンの音はドタバタと冴えない。金持ちなので他にベンツのクーペも乗っていました。
何で口を動かさずに喋っているのかと思ったらマスクをしていたのかこれはまた尋常ではないですかと話しは進む。
あれよあれよいう間に見ている人をほっぽっておいて1997年から2145年に話しが進んでしまいます。サスペンスかと思って見ていたので面くらいました。これはSFではないか。

アパート内でソフィアがペネロペ・クルスの姿となって復活するとこは『めまい』(1958年)のようでした。
で、この後にセックスしながら枕を顔に押し付けて女性を殺すシーンがありましたが。これはヒッチコック監督が撮りたくても当時の倫理コードで撮れなかったシーンなのでは。現在の状況がさぞ羨ましいことでしょう。それでも『フレンジー』(72年)ではそんな感じの描写があったような。

ヒロイン2人はほとんど同列に描写されているように見えました。

ペネロペ・クルスは最高です。これはまた魅力的に撮れています。そういえばヌードもあるんでした。きれいな形のおっぱいです。
でも笑い方が少し下品。そこがまたよかったりするのかな。
タイトル部分でパントマイムを演じてる女性はペネロペ・クルスだったようです。
キャラ自体はそんなに重要ではなかったりします。エドゥアルド・ノリエガにとって最愛の人でしたが運命の人まではいってなかったような。何しろエドゥアルド・ノリエガの運命はいんちきなセールスマンみたいなおっさんが握っていたのですから。

無理心中をするヌーリアを演じるナイワ・ニムリさんもなかなかいい感じ。赤いドレスに赤いクルマ。アルファロメオ。これで無理心中へと至ります。これで退場かと思ったらまだまだ出番がありました。悪くない。
この人は歌手だそうです。そう思って見るとそんな感じにも見えます。


精神分析医のアントニオを演じるチェテ・レーラはなんとなく伊藤雄之助に見えたりしました。
ジェラルド・バレイ扮するディベルノワ社長はいかにもいんちきなセールスマンと言った感じでうさん臭さが全開でハマリ役でした。

インターネットを使うシーンがありました。当然ウィンドウズです。
ドッキリカメラってどこの国にもあるのか。あるんでしょうね。


溶暗から。始まり方が凝っています。
目を覚まして・・・
主観ショット。
起きるエドゥアルド・ノリエガ扮する若くて金持ちのセサール。
白のワーゲン・ビートル・カブリオレで出かけます。
誰もいない街。

目を覚まして・・・
チェテ・レーラ扮する精神分析医のアントニオと話しのセサール。
タイトルです。
女性がいます。ナイワ・ニムリ扮するヌーリア。

白のワーゲン・ビートル・カブリオレのセサール。
フェレ・マルティネス扮する知人ペラーヨを乗せます。
スカッシュする2人。

精神分析医アントニオとセサール。
マスクをしているセサール。
あの夜、何があったのか?

パーティです。セサールの自宅にて。
ペネロペ・クルス扮する女優のソフィアが登場。ペラーヨが連れてきたようです。
ヌリアがいます。じゃまにしているセサール。
ソフィアを口説いているセサール。ペラーヨはソフィアに気がある。

ソフィアをアパートに送るセサール。
話し込みます。お互いにスケッチをしています。
TVでは冷凍保存の特集をやっています。もしかして伏線?

アパートを出るセサール。
ベンツのクーペで来ていたようです。
赤いアルファロメオがやって来ます。ヌリアが運転している。
挑発されて乗り込むセサール。
で、ヌリアはクルマを暴走させて無理心中に至ります。
溶暗となります。

公園です。
ソフィアと会っているセサール。
無理心中の話しをしています。夢だった?

自宅で起きるセサール。
顔は無残に変形しています。

精神分析医アントニオとセサール。
またシーンは飛んで外科医グループの顔についての説明。
顔は元には戻らないようです。代わりにとマスクを渡されます。

精神分析医アントニオから紙と鉛筆を貰うセサール。
ソフィアを描いています。

公園です。
公園でピエロのパントマイムのソフィア。
ベンツでストーカーしているセサール。
話しかけます。雨が降ってきます。
絡んでいるセサール。困惑のソフィア。

セサールの自宅です。
冷凍保存のニュースが流れています。伏線になっているようです。
マスクを付けて出かけるセサール。

バーです。
ソフィアとペラーヨがいる。
飲みまくるセサール。
トイレで吐いているセサール。

帰ります。外にて。
ソフィアは先に帰ります。
とりとめのない会話のセサールとペラーヨ。
先に帰ったペラーヨを捕まえようと走るセサール。ペラーヨはいない。
溶暗となります。

翌朝。路上で寝ているセサール。
ソフィアに起こされます。その前に一瞬ヌリアになっていました。

公園を歩くソフィアとセサール。
木漏れ日を映す移動ショットがあります。これは好きなショットです。
デジャブの話しをするセサール。
何となく『めまい』のような音楽が流れています。

精神分析医アントニオとセサール。
殺人をしたらしいセサール。
エリとは?名前?
書類に書名したとセサール。
顔は2週間以内に治ると外科医グループの説明。

セサールの自宅です。
ソフィアがやって来ます。今日はマスクを外す日です。
顔が治っているセサール。
セックスになります。ヌードあり。
コインを入れると動きますとソフィア。これは傑作な設定です。

カフェにて。シーンは飛びます。
ペラーヨとセサール。

セサールの自宅です。
夜、起きて鏡を見たら顔がケガした状態に戻っていて驚愕するセサール。
これは夢なのか?

ベッドにはヌリアがソフィアと称しています。
激高するセサール。殴って拘束します。

警察です。
事情説明に悪戦苦闘のセサール。
状況は悪いようです。

警察に来たペラーヨと口論のセサール。
ヌリアがソフィアだったらしい。わけわからん。

バーです。
TVで冷凍保存の宣伝をしていた男がセサールに話しかけてきます。
君を助けよう?夢を見ている?

精神分析医アントニオとセサール。
冷凍保存の話し。
催眠療法となります。溶暗となる。
会社の夢。エリ。TVの男。
戻ります。セサールは薬を飲んだ?

ソフィアのアパートに押し入るセサール。
部屋中の写真はヌリアになっています。
突然殴られるセサール。ソフィアと称するヌリアが泥棒だと思って殴ったようです。

アパートのドアから本物のソフィアが現われます。
回るカメラにキスシーンと、ここは『めまい』そのまんまです。
で、セックスとなります。
またヌリアになっています。セックスをしながら顔に枕を押し付けているセサール。変態なのか。

顔がまたケガした状態に戻っているセサール。

精神分析医アントニオとセサール。
殺人事件の裁判での証言は?
刑期は20年ぐらいなのかとセサール。

病院にて。
TVを見て暴れるセサール。例の冷凍保存の会社です。L.E.社。ディベルノワ社長。

精神分析医アントニオとセサール。
インターネットでL.E.社を調べます。
L.E.社のマドリード支社にクルマで向かいます。

L.E.社のマドリード支社です。
ディベルノワ社長ではなく他の男から説明を受けます。
1997年。これは夢ではとセサール。
精神分析医アントニオに促されてマスクを取ると顔はケガしたままの状態でした。これを何ともないと言ってる精神分析医アントニオ。

暴走したセサールはロビーに出てお巡りを撃って大騒ぎとなります。
溶暗となります。

精神分析医アントニオは背中を撃たれたのに何ともない。
ロビー周辺には誰もいない。
屋上に誰かいます。そこに向かうセサール。

屋上です。ディベルノワ社長がいます。
事情説明となります。
150年前に会ったとか。
路上で寝ていたとこから虚構となったか。
現在は2145年とのこと。
ソフィアがいる。ペラーヨもいます。もはや2人は単なる背景なようです。

屋上から飛び降りるセサール。
短くセリフが入りエンドとなります。

そんなわけで、この作品はサスペンスと思い込んでいましたが、あっと驚くSFではないですか。もしかしてフィリップ・K・ディック原作ではないのかいと思ってしまいました。
で、2145年になったと思ったら驚く暇もなくスパッと終わる、これは上手くだまされましたいう、よい作品でした。

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