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2007.01.21

『ピッチブラック』(2000年)

この作品はデビッド・N・トゥーヒー監督、ヴィン・ディーゼル、ラダ・ミッチェル主演のSFサスペンスアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。


2000年 インタースコープ・コミュニケーションズ/ポリグラム・エンタテインメント/ユニバーサル アメリカ作品
原題◆Pitch Black
DVDにて。画質は非常によいです。
プロット 宇宙で遭難して不時着したらとんでもない惑星でしたという話しのようです。
音楽 グレーム・レベル

キャスト
ヴィン・ディーゼル→囚人のリディック
コール・ハウザー→賞金稼ぎのジョンズ
ラダ・ミッチェル→ヒロインでパイロットのフライ
サイモン・バーク→パイロットのオーエンス、死亡
キース・デビッド→子連れでアラブ系のイマム
ジョン・ムーア→夫婦連れでアラブ系のジーク
クローディア・ブラック→ジークの奥さんらしいシャザ、死亡
リアナ・グリフィス→子供のジャック/ジャッキー
フィラス・ディラニ→子供のアリ
ルイス・フィッツジェラルド→美術商のパリス
レス・チャンテリー→怪我をするスレイ

デビッド・N・トゥーヒー監督の演出はよいと思います。
演出はビックリ系で見ててくたくたになります。サスペンスもあります。
緊張感はずっと持続しています。この作品のよいとこです。
カット割りは細かい。アクションの方向性はデタラメな感じがするのは何だかアニメ系のようです。
クローズアップショットの使い方は何か変則でしたが途中から映画本来の手法となるような感じがしました。ドキュメント系だろうとアニメ系だろうと途中から映画本来のカット割りに近くなるのは面白いものです。
子役が合計何人なのか見ててなかなかわかりませんでした。子供でも危険な状態となればクリーチャーに容赦なくやられていました。これはロジカルでいいです。


誰のナレーションで始まるのか?→これはヴィン・ディーゼルでした。結局ナレーションにはあまり意味がなかったような。
40人ぐらい乗客がいると説明しています。

乗員が冷凍睡眠中で航行している宇宙船ハンター・グラッツナ号は流星群に遭遇して遭難します。この宇宙船には観光客はいないようです。技術者や商人等が乗っているようです。
この事故で船長は死亡します。コントロール不能になったハンター・グラッツナ号は付近の惑星の大気圏に突入します。姿勢を安定させるために貨物室を切り離します。まだ不安定なので客室も切り離そうとするラダ・ミッチェル扮するパイロットのフライ。さすがに同僚パイロットのオーエンスに止められています。
そんなこんなで胴体着陸となります。最初から飛ばしてま進行です。

この宇宙船は胴体着陸が出来るようです。TVシリーズの『ウルトラセブン』(67年)のウルトラホーク1号のようです。緊急胴体着陸なんかしたら船体は粉々になるのではと思えて何となく嘘っぽい設定ですけど、これが映像になると見ごたえがあってよいとなります。

不時着してさっそくヴィン・ディーゼル扮する囚人のリディックと護送中のコール・ハウザー扮する賞金稼ぎのジョンズが争っています。
同僚パイロットのオーエンスは負傷していてダメのようです。
ところで何人生き残っているのかよくわからん。

囚人のリディックは逃亡します。
実はこの賞金稼ぎのジョンズは警官だと思われていることを利用しています。

不時着して惑星は大気はあるとなっています。他の惑星でも呼吸が出来るとなるとこれは何でもありじゃんとなります。面白ければいいんですけど。
太陽が複数あってその太陽によって画調が変わります。黄や青と変わります。これはSFな設定でいいです。

建物を発見します。
何かの工場?ではなく、研究所のようです。
救命艇を発見するパイロットのフライ。

穴の中には何かがいる。
ジークが死亡します。居合わせたリディックが捕まります。

穴を調べるパイロットのフライ。
危ないとこを脱出することになります。何かがいます。
そんなわけで特殊な能力のあるリディックを使うことになります。

持参したバッテリーを使い発見された救命艇が使えるか調べます。
どうやら使えるようです。複数のバッテリーを運ばないダメですけど。

子供のアリが倉庫の中で危険な状態になります。
この星系の模型を見つけるパイロットのフライ。

救命艇内でパイロットのフライにジョンズのことを話すリディック。
ジョンズが警官ではないことをバラします。

太陽電池で動くバギーが走ります。
移動中に大きな骨をくぐりながらその骨が崩れ落ちるシーンがありました。何だかTVシリーズの『マッハGO!GO!GO!』(67年)のタイトルみたいです。『マッハGO!GO!GO!』はアメリカでも放映されているそうですから多分引用でしょう。

夜になりつつあります。船に戻りバギーにバッテリーを積みます。
暗くなりもう救命艇には行けません。
クリーチャーは小型だけではなく大型もいるらしい。

そんなわけで船に立てこもります。
ところが船内にはクリーチャーは入り込んでいて犠牲者は出るは大騒ぎとなります。
船内にいても危険で、大量のクリーチャーが跳梁跋扈する22年目の日食がいつまで続くのかわからないので、これはやりたくない惑星脱出の救命艇への決死のバッテリー運搬作業となります。ここからがバッテリー運搬を伴う『ポセイドン・アドベンチャー』(72年)風に思えました。

公開当時のハイライトシーンでおなじみの光ケーブル?は闇の中でクリーチャーよけに使っていました。これで効果がどのようあるのか、どうしたらまずいのか、もっと前振りがあればもっとサスペンスがあったのにと思えました。

男の子だと思っていた子供が実は女の子でしたということで、その女の子が生理中らしくてクリーチャーは血の匂いを嗅ぎつけるらしいのでこまった状態となります。

リディックとジョンズが争うことになります。
死体を囮に使おうとジョンズがもちかけてくるが殺すのはリディックだとなってます。これがきっかけとなっています。

クリーチャーに死角があることに気がつくリディック。
難関の谷を進みます。
雨が降り始めて酒瓶の松明が消えそうになります。
ここまで残ったのはオヤジと女の子とパイロットのフライにリディック。
谷の裂け目の洞窟に避難した3人。リディックは先に救命艇に向かう。
洞窟内の光る虫?のような物を集めて酒瓶に詰めてランタン代わりにします。これを持ってパイロットのフライは救命艇に向かう。

救命艇では1人で逃げようとするリディック。
そこにパイロットのフライがやって来ます。

そんなこんなで何とか救命艇で脱出となります。
多大な犠牲を伴うことになります。
これはある種のハッピーエンドなのか?殺人者の魂が救われる話しでもあるようです。

クリーチャーからの主観ショットがあります。
このクリーチャーは死角があってじっとしていれば助かる場合もあるようです。これはもう少し上手く前振りしたほうが効果があったと思えます。
クリーチャーはハンマーヘッドのシュモクザメがモチーフになっているのではと思えました。このパターンでの傑作がTVシリーズ『ウルトラセブン』の資源回収ロボット(当時の呼称はキチガイロボット)のクレージーゴンです。カニのシオマネキがモチーフと思われ左右の手がアンバランスなのがポイントになっててセンスがいいデザインとなっていました。


ヒロインのパイロットのフライを演じるラダ・ミッチェルは青っぽいタンクトップにパンツルックとなっています。リーダーって柄ではないけどリーダーの役割を果たそうするキャラを熱演していました。
囚人と賞金稼ぎのそれぞれから言い分を聞くヒロイン。どちらが正しい?とサスペンスとなります。

何となく少ない人数が一緒になって行動するとこが『ポセイドン・アドベンチャー』(72年)のようで、ヴィン・ディーゼルのキャラクターやタンクトップ姿から『恐怖の報酬』(52年)のイブ・モンタンを連想しました。
この作品が気に入ったのなら『恐怖の報酬』をお勧めになります。バッテリーではなくニトログリセリンをトラックで運ぶサスペンスです。


そんなわけでよく出来たSFサスペンスアクションのよい作品でした。

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