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2007.01.06

ヤン・シュヴァンクマイエル監督の短編色々、1964年-1989年

この作品はヤン・シュヴァンクマイエル監督の何だかわけわからん短編集です。
なおこの文はネタバレ全開となっています。


1964-89年 チェコ作品◆表記ですがチェコスロヴァキア時代もあるような気がしますがどうする?
スカイパーフェクTV260シネフィルイマジカにて。画質は全体的に普通です。
いままで放映されたもの集めた感想です。これで全部ではありません。


ヤン・シュヴァンクマイエル監督の演出はよいと思います。
オリジナリティに関しては相当なものです。アイデア自体は他にもあるけど、見たこともない映像を見せてくれます。
この監督は日本のアニメ屋には全く持ち合わせていない、想像力と演出力があるようです。
日本のアニメ屋には作画しかない。コピーする能力といってもいい。

『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』(1964年)◆12min.
原題◆Poslední trik pana Schwarcewalldea a pana Edgara (1964)
原題◆... aka Last Trick, The (1964)
◆仮面の男が2人登場します。
◆効果音。手品を披露します。
◆ネジを巻いてサカナを骨にします。
◆バイオリンでダンス。
◆2人バイオリンから1人オーケストラ。
◆顔がたくさん登場してお手玉となります。
◆イスに芸をさせます。ところで虫は何だ?
◆ケンカしてバラバラになる2人です。
わけわからん


『J.S.バッハ—G線上の幻想』(1965年)◆10min.
原題◆Johann Sebastian Bach: Fantasia G-moll (1965)
◆男が登場して階段を登り部屋に入ります。
◆音楽とシンクロしたカット割り。
◆アニメや色々とあります。
◆開く扉。
◆石畳を移動するカメラ。
◆2つの窓。
何だかわかったようなわからないような。


『家での静かな一週間』(1969年)◆20min.
原題◆ichý týden v dome (1969)
原題◆... aka A Quiet Week in the House
男が双眼鏡で見張りをしています。古典的な双眼鏡のマスクの主観ショットがあります。建物の中に入ります。トランクから手回しドリルを使いドアにのぞき穴を開けます。ここはモノクロです。
で覗くと夢をみているようなシーンとなります。ここはカラーです。トランクには何でも入っているようです。1回覗くとカレンダーをチェックして目覚まし時計をセットして一眠りとなります。で、また覗く。
◆キャンディ包から錆びたネジ。
◆舌が歩き回りひき肉器にかかりひき肉となります。
◆ぜんまい仕掛けの鳥が粘土にまみれます。
◆引き出しから鳩が出て羽だけがなります。
◆上着からストローが出て花瓶の水を飲みます。
◆針金が戸棚を開けます。
男をのぞき穴にダイナマイトを差し込んで電気導火線を伸ばしてタイマーをセットしてそのまま去ります。その前にチェックし忘れたカレンダーをチェックしに戻ったりします。
主演の中年男俳優は他の作品にも出ているようです。常連なのか。
マジで夢をみているようでした。これは面白い。


『庭園』(1968年)◆17min.
原題◆Zahrada (1968)
原題◆... aka The Garden, (1968)
男が2人話しをしています。セリフがある。
歩きクルマに乗ります。ディテールのクローズアップショットを多用。
着いた家ですが人がたくさん手をつないで並んでいます。うさぎのつがいを見せます。
どうやら並んでいる人達は生け垣とのことです。
成り行きで客の男は生け垣に加わります。
これが政治的な作品らしい。シリアスでした。

『オトラントの城』(1977年)◆15min.
原題◆Otrantský zámek (1977)
原題◆... aka Castle of Otranto (1977)
オトラントの城についてTVリポーターが話しをします。博士が解説をします。
息子が死んだかいなくなって息子の父親が息子の嫁を横恋慕する。洒落ではなくホントに追いかけます。ヨーロッパにはよくあった話しなのでしょう。
実写で博士の調査のシーンとアニメで物語がカットバックで描写されます。
で、ラストではごちゃまぜになるようです。
わけわからん。


『ジャバウォッキー』(1971年)◆14min.
原題◆Zvahlav aneb Saticky Slameného Huberta (1971)
原題◆... aka Jabberwocky (1971)
子供のナレーションでストップモーションアニメが繰り広げられます。
何だかわからんが面白い。

『自然の歴史(組曲)』(1967年)
原題◆Historia Naturae (Suita)
水棲類◆フォックストロット。貝です。巻き貝。ジャズが流れる。
昆虫類◆ボレロ。標本。
魚類◆ブルース。グルグルと廻る標本達。
1シーンの間には肉を食べる口元のとクローズアップショットが入ります。
爬虫類◆タランテラ亀、ヘビ。
鳥類◆タンゴ。鳩、ニワトリ。
ほ乳類◆メヌエット。トラ、アルマジロ。
類人猿◆ポルカ。絵が多い。
人類◆ワルツ。人体標本。絵も多い。
わけわからん。

『部屋』(1968年)
原題◆Byt
閉じこめられる男。勢いよく転がされて部屋に入れられる。
ドアに釘。
矢印=ディレクション。これに従って進む男。
椅子に遊ばれます。伸びたり縮んだり。
穴だらけのスプーン。
ベッドがおがくずになります。埋もれる男。
手品師のような男が入って来ます。ニワトリを抱えています。
壁には名前が一杯。自分の名前を加える男。
わけわからん。ブラックユーモアな感じ。

『地下室の怪』(1983年)
原題◆Do Pivnice(Do Sklepa)
少女が階段を下りてきます。
地下室へ。
靴がパンを食べています。
石炭ベッドの男の老人。
石炭料理を作っている老婆。
箱からじゃがいもを取り出す少女。上手くいかず。
大きな黒猫に追われる少女。
じゃがいもを失ってまた地下室へ。
わけわからん。

『陥し穴と振り子』(1983年)
原題◆Kyvadlo,Jama a Nadeje
原作は読んでいます。
地下です。
処刑される男。
砂袋の砂が減るたびに振り子が降りてきます。
ネズミを使って革ひもを切ってようやく逃げる男。
次は壁に仕掛けが施されている火の壁が迫ってきます。
ドアを開ける男。逃げる男。外へ。
男が待っています。服装からすると処刑人のようでまた捕まるようです。
主観ショットのみのようです。
珍しく話しがあります。

『男のゲーム』(1988年)
原題◆Muzne hry(Virile Games)
サッカー物なの?
チェコスロヴァキアのアパートにて。
TV中継が始まるようで、その準備をしている男。といってもビールにつまみを用意しているだけですけど。
アパートとスタジアムをカットバックしています。
スカイパーフェクTVのJスポーツのサッカー番組でお馴染の歌が流れています。ブラックな感じに聞こえます。
このサッカーは出場選手が殺されて退場となると1点入るようです。
選手はクレイアニメで描写されています。
色々な殺され方をしています。クレイアニメの粘土で出来てる選手なので殺され方のバリエーションが豊富です。
サッカーボールが見ている男の室内に入ってきます。選手や審判も室内になだれ込んできます。
棺桶に釘を打つ男2人もアパート下に来ています。
11-11となって、グラウンドはそして誰もいなくなった状態になります。
室内には粘土が残っていました。ズボンの尻に粘土が付いてしまった男。これがオチかい。
シュールです。面白い。


『闇・光・闇』(1989年)
原題◆Tma,Svetlo,Tma (Darkness,Light,Darkness)
室内です。ミニチュア。
這う手首。目も這っています。
耳が飛んできます。
鼻が来ます。鼻は首全体と一体になっていました。
舌が這ってきます。歯も来る。
脳が来ます。
脚が来ます。
チンポコと金玉がセットで来ます。
後は残りの色々な部分が来ます。
一体となって人間となったが室内は狭過ぎます。
電気を消して闇となります。
わけわからん。


『対話の可能性』(1982年)
原題◆Moznosti dialogu
永遠の対話。
野菜と食器や道具。混ざり合います。
食器と文具。混ざり合います。
他にも色々な物と混ざり合います。

情熱的な対話。
粘土の男女。
小さな粘土の塊を巡り諍いがあります。
本格的なケンカとなって混ざり合います。

不毛な対話。
机上にて。
粘土の首だけの男2人。
パンとバター。
鉛筆と鉛筆削り。
歯ブラシと歯磨き。
靴に靴ひも。
混ざり合います。
3つのエピソード、どれもわけわからん。

『棺の家』(1965年)◆10min.
原題◆Rakvickarna
原題◆Punch and Judy
プロット 一匹のモルモットを巡って争う道化師たち。
◆猿の人形の楽団。
◆人形劇が始まります。
◆ネズミではなくモルモットが餌を食べる。
◆音楽にシンクロしたカット割り。
◆棺桶を巡り争う人形。
わけわからん。


『コストニツェ』(1970年)◆10min.
原題◆Kostnice
原題◆... aka The Ossuary
プロット 15世紀、フス戦争の死者の人骨で完成された納骨堂に関するドキュメンタリー。
◆自転車が走るタイトルバック。
◆オフで話しが聞こえてきます。バザーでもやってる?絵を売るとか・・
◆髑髏のインサートショットあり。納骨堂。
◆人間の骨を保存して飾ってあります。
◆人は全く見えずオフで説明が入ります。
◆見学しているようです。引率の女の先生といったところ。
◆何か効果音が入ります。
◆最後は女の人が激怒して終わります。油性マジックはダメと言ってるでしょう。
ドキュメンタリーなのか?


『エトセトラ』(1966年)◆8min.
原題◆Et Cetera
プロット フロッタージュの技法を使い、三つのエピソードで構成される。
◆コマドリアニメ。
◆羽が4段階に大きくなります。
◆動物を鞭で芸を付ける図。逆もやっています。
◆線を引くとどうなる?
シュールでした。


『アッシャー家の崩壊』(1980年)◆15min.
原題◆Zanik domu Usheru
プロット 男の精神状態や屋敷の崩壊する様が描かれる。
◆モノクロ。ナレーションが入ります。実写です。主観ショット。
◆家に入ります。
◆リュートという楽器って何?
◆クレイアニメもあります。
◆人は全く出ていません。
何だかわけわからん。

『レオナルドの日記』(1972年)◆12min.
原題◆Leonarduv denik
プロット レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンや図面が動き出す。
◆実写とアニメ。
◆文明の進歩。
◆戦争の歴史。
◆スポーツ。
お勉強物なのか?


『ドン・ファン』(1970年)◆30min.
原題◆Don Sajn
プロット 放蕩者ドン・ファンの人生の顛末。
◆カラー。実写。劇場。オルゴール。
◆人形による劇が始まります。人がマスクを被って人形になっています。
◆屋外のシーンも多い。
◆ドン・ファンとこんなキャラなの?むちゃくちゃではないかい。
◆弟がいるようです。こちらはまともキャラ。
◆日本語字幕ではオダブツを連発しています。雰囲気に合っています。
ぶっ飛びでむちゃくちゃなドン・ファンでした。面白いからいい。

そんなわけでわけわからんけどよい短編ばかりでした。
それにしてもつまらなくはないけど見てて眠くなるのは何で?



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