『僕は戦争花嫁』(1949年)
この作品はハワード・ホークス監督、ケイリー・グラント、アン・シェリダン主演のロマンティック・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1949年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆I Was a Male War Bride
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 男の戦争花嫁になって悪戦苦闘する話しのようです。
音楽 シリル・モックブリッジ
キャスト
ケイリー・グラント→フランス軍人のアンリ・ロシャール大尉
アン・シェリダン→ヒロインのキャサリン・ゲーツ中尉
マリオン・マーシャル→ルームメイトのキティ
ハワード・ホークス監督の演出はよいと思います。
戦争花嫁とは駐屯地でアメリカ軍人と結婚すればアメリカに入国出来るという制度のようです。これが逆になるとコメディになる。このアイデアで作ってあるとのことです。→参考書『ハワード・ホークス映画祭』
前半と後半に分かれているような感じです。前半が2人で任務遂行で後半はケイリー・グラントが男の戦争花嫁になって悪戦苦闘してました。
前半は任務を果たそうとサイドカーで目的地に向かうとこを結構長く描写してました。サイドカーを運転するのがヒロインの方なのが珍しい。いい音をしているバイクです。セルモーターではてくキックスタートのようでアン・シェリダンのキック1発でエンジンがかかっていました。これは見物でした。
踏み切りにてケイリー・グラントが遮断機にまたがったまま持ち上げられてしまう、しょうもないギャグをホントにやっていました。
他にも同じようなギャグがありました。1発アイデアの寄せ集めで全体的にはつながりがイマイチで、散発的な感じがしないでもない。
サイドカーからボートへ、そしてまたサイドカーで目的地に至ります。120kmの距離をサイドカーで走るのは結構キツイと思われます。バイクは雨が苦手です。降られたら大変です。
シンドラーを捜すのが任務ということで、それはさぞ重要な任務かと思ったらそうでもなかった。偶然そのような名の同名異人となってました。
会話シーンの切り返しは全くやっていません。ヨーロッパで撮ったので面倒だったのでやめたの?
伏線を張ってのお約束のギャグ。ケイリー・グラントがアン・シェリダンに私を見ても他人の振りをしろ。で、グラントは捕まってしまい、「証言してくれ」→「知りません」で連行されてしまいます。こういうのは好きだな。
ハワード・ホークス監督作品のヒロインはホントに映画的な理想的なキャラクターです。
美人でサッパリとした性格と口調で男勝りですが最期には男に合わせてくれる。こんな人はいません。
同じように押井守監督の好みのヒロインは美人で頭が良くてエキセントリックな性格な人で現実にはいないとこがホークス監督作品のヒロイン並みです。アニメでもいませんか。
細かいところで食堂にてアン・シェリダンが余計なことをした男友達をお盆でひっぱたくのがいい。食堂には何があるかの基本的処置の脚本でした。
2番手ヒロインのマリオン・マーシャルはアン・シェリダンと一緒の時は目立たないように撮っていました。これも演出の基本的処置ですか。
ケイリー・グラントは珍しくフランス軍人の役ですがいつもと全く変わっていません。何をやってもケイリー・グラントにしか見えないので役作りなんてしない人ですから。
色々と事情があって3度も結婚式をあげてました。
男の戦争花嫁はペットと一緒に勘定されていました。
男の戦争花嫁なので寝るとこがなくて一晩中歩き回ります。
男の戦争花嫁なので審査の度にの無限回に同じ説明を繰り返さなければなりません。
それでも船に乗るとこでは、ついに男ではダメなので女装する羽目になります。
悪戦苦闘の連続となっています。面白い。
そんなわけでロマンティック・コメディの水準作品でした。悪くはなかった。
« 『教授と美女』(1941年) | トップページ | 『モンキー・ビジネス』(1952年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1940年代」カテゴリの記事
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
- 『生きてる死骸』(1941年)(2022.01.30)
- 『いのち短かし』(1947年)(2022.01.29)
- 『Gメン対間諜』(1945年)(2022.01.16)
- 『密輸空路』(1946年)(2022.01.15)
「ロマンティックコメディ」カテゴリの記事
- 『パーム・スプリングス』(2020年)(2021.12.11)
- 『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019年)(2021.05.01)
- 『ターンレフト・ターンライト』(2002年)(2019.09.28)
- 『クレオ/レオ 君の名はヴェロニカ・ハート』(1989年)(2018.11.17)
- 『陽気なルームメート』(1943年)(2018.09.01)
コメント