『トーキング・ヘッド』(1992年)
この作品は押井守監督、千葉繁主演の不条理サスペンスです。
押井守が語る映画史といった感じにもなっています。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1992年 エンボディメント・フィルムズ/バンダイ 日本作品
英題◆Talking Head
DVDにて。画質はよいです。
プロット 謎の連続殺人を追う話しではなく映画のお勉強の話のようです。
音楽 川井憲次
キャスト
千葉繁→渡り演出家の私
石井とも子→演出助手の多美子
立木文彦→半田原デスク
ハント敬士→脚本家の伊藤
松山鷹志→制作進行の田原
藤木義勝→作画の板野
佐々木菜摘→作画の知恵
伊藤寿克→作画の北久保
加藤雅也→作画の山下
三井善忠→制作進行の半田
田中真弓→音響監督のしじみ
真山恵衣→色指定のアヤ
くじら→色指定のツヤ
野伏翔→製作の鵜之山
金子浩子→秘書
亀山俊彦→プロデューサー
石原慎一→音楽の河合
兵藤まこお客さん
岡本かおる→仕上げの娘
日下文恵→仕上げの娘
黒坂志穂→仕上げの娘
田中佐姫子→仕上げの娘
松井貴子仕上げの娘
丸山昌子→仕上げの娘
丸山裕代→仕上げの娘
山寺宏一→作画監督の大塚
押井守監督の演出はよいと思います。
出始めの印象は『紅い眼鏡』(87年)に感じが戻っていました。で全編そんな感じでした。全体としては繰り返し、リピートって感じがしないではない。まあいいか。
『紅い眼鏡』(87年)と同じ所でロケをしています。低予算な作品らしい。
押井守の映画史といった感じで、は映画の教材のようなノリです。
この作品が映画教育用の映画とは思っていませんでした。映画教育用の映画にしては面白いともいえます。
押井守、得意の空薬莢の落ちる効果音はありました。他にも前作のモチーフが随所に見受けられました。
映画のロジックとしては私が思っているのとはと少しずれています。ちなみに私は脚本家が嫌いです。
謎解きのマイナスポイントがあります。
三島由紀夫が指摘した無用なキャラの図です。→謎解きの段階になるとそれまでの意味あり気なキャラクターがとたんに何の意味をなくなってしまうだっけ?
でもこれがギャグになっているので悪くはない。
『丸輪零』輪が三つのゼロが三つの丸輪零。
私がガキの頃に読んだ本でジョンストン・マッカレーの『パリの怪盗』では、怪盗が対抗策を考えていた探偵+助手+依頼人=3人を揶揄するセリフで「いくら考えてもゼロが三つ集まってもゼロなのだ」なんてのがありました。これはいいセリフでした。
ところでアニメの製作現場にコンピュータが入ってどのように変わったのか知りたいものです。現場が楽になったの大変になったの?と興味深い。
懲りない押井守監督はあの批評家には総スカンの押井監督のファンにもイマイチの『御先祖様万々歳!』(89年)の手法を使っています。映画作家です。
『ゼイラム』(91年)との共通点は照明の保坂芳美が同じです。
アニメの試写があります。
何だかよくわからんルーティンな出来のアニメです。
製作の鵜之山。
アニメ製作のスタジオ800馬力の新作『Talking Head』の製作が遅れに遅れているので失踪した監督に代わり渡り演出家を雇います。
ところでアニメ製作の納期を守れないと莫大な違約金を払わなくてはならないというのはホントなの。それだった実写はどうなるの?アニメのみに通用する契約なのかい。
製作は順調に遅れています。よくある常套句です。
製作デスクの半田原。スタジオ800馬力にて。
監督の丸輪零が失踪して渡り演出家を案内することになります。
舞台を歩く渡り演出家にヤジが飛びます。
出演者は舞台俳優ばかりのようです。
脚本家の伊藤。
昔々映画は動く絵を見せるだけから物語を語るようになったと講義があります。
クルマにて。ホンダ ステップバン。
半田原と渡り演出家。
スタジオ800馬力にて。
渡り演出家により予告編のロジックが語られます。
アニメ製作現場の狂乱ぶりが描写されます。電話かけまくり。まだ携帯電話ではない。携帯電話がある現在では状況はもっとひどくなっているでしょう。
この現場の描写は映画的にまだまだソフィスティケイテッドされて描写されているようです。これを現実そのまんまリアルにしたらおそらく見るに耐えなくなるでしょう。
色指定のアヤとツヤ。
モノクロからカラーへ。映画のカラーへの道が講義されます。
ペプシの自動販売機を前に渡り演出家と製作デスクの半田原によってタイアップのシーンとなります。
脚本家の伊藤が死亡。
演出助手の小林多美子。
色々と報告しています。
渡り演出家との会話で評論家には2種類の人間がいる。アニメを見る人と見ない人だとなっています。
お客さんの登場の図。
色指定のアヤとツヤが死亡。
作画監督の大塚。
アパートで餓死しているとこを発見されます。キノコだらけのアパートの室内。
大塚の描いた線画の遺言アニメが残されています。アニメキャラによるキャラクターについての講義。
このアニメキャラのCVは山寺宏一が担当しています。上手過ぎ。
音響監督のしじみ。音楽の河合も登場。
線画アニメのアフレコです。
キャラクターについて。
田中真弓の演技が見られます。私にはTVシリーズ『おそ松くん』(1998年-1999年)のチビ太が印象的。
音響監督のシジミは元ネタがアサリだからなんだとやっとわかった。
演出助手の小林多美子のナレーション。
サイレントからトーキーへと変わる過程。音響がいかに大切かが講義されます。
音楽とシンクロしたカット割りがないのは本編のセリフで音楽が出すぎてはいけないなんて黒澤明監督みたいなことを言っているからでしょう。
カウントダウンのフィルムが流れています。カウントダウンのフィルムは小学生の頃よく見ました。分かります?学校に見せに来た東映アニメの前にこれが入ってました。
音響監督が1番偉いとしています。
音楽の河合。
渡り演出家に見捨てられて退場となります。
作画の知恵 電話で1人芝居の図。
渡り演出家から、映画を見て同じ体験することは出来ない。等が語られます。
編集の森田が登場。2度見る必要がある。
クルマで移動中。映画は目の前にある。そのまんまの図です。
ここで原画担当の3人から渡り演出家は襲撃を受けます。
1秒間に24発撃てると称する写真銃で原画担当の3人を返り討ちにします。「9フィートラインを越えたら撃つ」のセリフ。
音楽の河合が死亡。
製作デスクの半田原が倒れます。
音響監督のしじみが死亡。
ジャズっぽい歌のシーンがあります。
誰ですかこの人は。
製作現場のいつもの風景が描写されます。
これが修羅場ということなのか。現実はこんなに面白くないのは確かなようです。
実は監視している演出助手の小林多美子?
ゾンビと化した製作デスクの半田原。
編集の森田。
編集についての講義。
つながらないカットはないとのセリフがあります。私もそう思います。
オリジナルコーヒーのスポットCMが入ります。
次期デスクを狙う制作進行の田原とその子分の半田がクルマで移動中に事故って死亡します。面白い死に方でした。
ラッシュです。予告編がようやく出来ます。
まだ線画で音のみです。映画史について。
予告編は本編で使われたナレーションがそのままでまた使われています。これ楽屋落ち?なのかね。洒落ているじゃない。
編集の森田が死亡。
まだ残っていた作画の板野の襲撃を受ける渡り演出家。
板野のことを「存在自体がリテイク」のセリフがあります。
板野の使うハンドガンとサブマシンガンは何でしょう。→サブマシンガンはPPSh41のようです。ドラムマガジンでちゃんと作動しています。どんなサブマシンガンなのかはサム・ペキンパー監督の『戦争のはらわた』(77年)を見ればわかります。
最後に残ったのが渡り演出家と演出助手の小林多美子。
対決?となります。
謎解きの結末は前任者はまだいる?彼とは?
後タイトルとなります。これは本編内映画の後タイトルです。
そんなこんなでスタジオ800馬力の新作『Talking Head』は完成して試写となります。見終わって帰る人達。
突然登場したプロデューサーと演出助手の小林多美子の会話。
演出助手の小林多美子に説明するプロデューサー。
オチらしいこととなります。話の大筋はマンガ『とどのつまり』のようです。
客席に置かれてモニタに映る顔。
これでエンドとなります。
サポートは押井組?の方々が出ていました。立木文彦、松山鷹志、藤木義勝、とか。
ハント敬士という名は何処かで見たなと思ったら思い出しました。『ゴジラVSビオランテ』(89年)に出ていた人です。バイオメジャーのエージェント役2人のうちどちらか、黒いのか白いのか分かりませんでしたけどこれを見たら白いほうだったようです。
不条理でわけわからんとよく言われるがこれくらい大したことないと思えます。少しセリフが多いだけです。
そんなわけで、わけのわからん話しは置いていて映画に関することを中心に書いて出した方が賢明なのでは?と思えるまあまあな作品でした。
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