『極北の怪異』aka『極北のナヌーク』(1922年)
この作品はロバート・フラハティ監督によるイヌイットを扱った有名なドキュメンタリーです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1922年 アメリカ=フランス作品
原題◆Nanook of the North
プロット◆イヌイット一家を暮らしを撮ったドキュメンタリーです。
音楽◆塚本一実 DVDに付いていた音楽です。
IVC発売のDVDにて。画質は意外と悪くない。
キャスト
ナヌーク一家
家長のナヌーク
奥さんのニラ
奥さんのクナユー
虹という名の赤ん坊
奥さんが2人で、もう1人子供がいるみたい。
ロバート・フラハティ監督の演出はよいと思います。
結構カットバックを使っています。
ドキュメンタリーでも演出はあります。
DVD前説が入ります。
用語はエスキモーではなくイヌイットとする。
作品の前説が入ります。
ロバート・フラハティ監督のメイキング解説みたいになっています。
1913年バフィン島
ナヌーク一家 1920年 別れ。
タイトル。
極北 バフィン地方。北ウンガヴァ地方。ungava
ナヌーク一家 夏の旅の準備。
カヤックから降りる図。一見すると乗っている人の足しか入らないと思えますが船内からぞろぞろ人が出てきます。
赤ん坊、クナユー、子犬のコモック。
火をおこします。点火はどうやっている?マッチだったりして。
カヤックのメインテナンス。アザラシの皮で補強しています。
流木製オミアクで移動します。
オミアクとはカヤックより少し大型の船です。交易所へと向かいます。
交易所にて。
ナヌークの仕留めた獲物は多い。
獲物をナイフ、ビーズ、キャンディと交換しています。
グラモフォンも慣らす図があります。SPレコードプレイヤーのことです。
菓子とラードをもらう子供達。これは虫歯になります。実際にイヌイットの子供大人問わずにそうなっていた筈です。
流氷の群れが押し寄せて移動するナヌーク一家。
釣りの場所を探すナヌーク。手製のルアーでおびき寄せて銛で仕留めています。
獲物は鮭でした。
流氷は去り、セイウチの群れがやって来ます。極北の虎=セイウチ。
セイウチ狩りとなります。多人数のイヌイットがカヤックで移動となります。
海岸で寝ているセイウチの群れの寝込みを襲うイヌイット達。
銛を使用。しっかりと銛を打ち込みロープでつないで弱らせて仕留めます。
セイウチを解体します。生肉のまま食べています。
冬です。長い冬。
氷塊。流氷が陸にぶつかって出来るそうです。
犬ぞりで移動します。
キツネに罠。捕まえます。まだ生きているキツネ。
雪原を銛で刺して何を捜している?
イヌイットの住み処としてお馴染なイグルー作りの材料を捜していたようです。
雪が風で固まった物をブロックに切り取っています。
これでドーム状のイグルーを作ります。
子供のソリ遊びとカットバックしています。
イグルーは1時間で完成となっています。これは早い。
窓用に氷を切り取って取り付けます。明り取り窓とのこと。窓の横に光が入るように反射用のブロックを付けています。芸が細かい。
子供と遊ぶナヌーク。
もしかしてやらせ?
イグルー内で火を使う方法が入ります。
何をするにしてもコツやノウハウがあるのです。
朝です。出かける準備となります。
アザラシの皮製のブーツを噛んで柔らかくしています。
ところで奥さんの乳房がバッチリと見えています。当時の倫理コードでいいのか?
ここをイヌイットを人間として扱っていないのか?と突っ込まれた場合はもっともらしいエクスキューズがちゃんと用意されてたりします。→そのエクスキューズは何だっけ?何だか忘れた。
海に向かうナヌーク一家。食料がない状態です。
ところで犬達にも色々な事情があるようです。子犬を食ってしまうとか、ボス争いをしているとか。犬ぞりを引っ張っている場合ではないのかも。
大アザラシを獲る方法。
アザラシは20分に1回呼吸をしに水面に上がってくるとのことです。
呼吸用の小穴付近でアザラシを待ち伏せするナヌーク。
アザラシに対して銛を使い、つないだロープで引っ張るナヌークですがかなり悪戦苦闘しています。ナヌークは大まじめなんですが何となくユーモラスなシーンとなっています。
応援を呼ぶナヌーク。ようやく引っぱり上げます。かなり大きいアザラシです。
解体となります。また生肉のまま食べています。
犬達がアザラシの肉が欲しそうなショットが入る。
で、人間が食べ終わったとこで犬にもやります。
これで大騒ぎとなります。犬ぞりを引っ張るどころではありません。そんなこんなで移動の予定が大幅に遅れます。
雪嵐が来ます。
道を見失ったナヌーク一家。
で、空きイグルーが見つかります。入ります。
ここで寝るナヌーク一家。
犬の遠吠え。屋外にて雪まみれで寝る犬達。凍りついて凍死しているかと思えます。
ナヌークの寝顔からエンドとなります。
イヌイットはアジア系です。
カヤックからぞろぞろと出てくるシーンは昔TVで見た覚えがあります。細切れで放映していたのかもしれません。ホントTVはいいかげんです。
そんなわけで元祖ドキュメンタリーなよい作品でした。
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