『オー・ブラザー!』(2000年)
この作品はコーエン兄弟の脚本、監督で、ジョージ・クルーニー他主演の歌が入った風変わりなドラマのようです。歌がお楽しみ。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
2000年 ワーキング・タイトル・ピクチャーズ/カナルプラス/タッチストーン/ユニバーサル 英国=フランス=アメリカ作品
ランニング・タイム◆108分
原題◆O Brother, Where Art Thou?
プロット◆脱走した3人トリオが放浪する話しのようです。
音楽◆Tボーン・バーネット他
キャスト
ジョージ・クルーニー→脱走したエバレット・マックギル
ジョン・タトゥーロ→脱走したピート
ティム・ブレイク・ネルソン→脱走したデルマー
ホリー・ハンター→エバレットの奥さんペニー
リー・ウィーバー→予言する盲目の老人
フランク・コリソン→鍛冶屋の知人ウォッシュ
クイン・ガサウェイ→ウォッシュの息子
クリス・トーマス・キング→ギター弾きのトミー
フランク・コリソン→WEKYラジオ局の男
チャールズ・ダーニング→現知事のバビー・オダニエル
デル・ペンテコスト→太ったバカ息子オダニエルJr.
ウェイン・デュバル→知事候補のストークス
レイ・マッキノン→ペニーの婚約者で選挙参謀のバーノン・ウォルドリップ。
マイケル・バダルコ→ベビーフェイス・ネルソン
ジョン・グッドマン→強盗のビッグ・ダン
ダニエル・フォン・バーゲン→しつこい保安官
ミア・テイト→Sirenトリオの1人
クリスティ・テイラー→Sirenトリオの1人
ミュセッタ・ヴァンダー→Sirenトリオの1人
ジョエル・コーエン監督の演出はよいと思います。
全体的にミュージカルなオフビート・コメディになってます。
私の好みからするとタッチストーンとユニバーサルの最悪の組み合わせになります。まあこの作品は独立系のようなものですけど。
ユニバーサルはサントラのためだけのでしょう。タッチストーンは家族愛を入れとけばいいとなります。
撮影が凝っています。
絵作りがなんというかカラーが退色しているというかセピア調になっています。モノクロに近いと言ったほうが早いような。この作品は結局これがやりたかったのか?そんな気がします。
3人トリオのキャストはどなたも好演していました。
ジョン・グッドマンはコーエン兄弟の作品によく出ている印象があります。ところでグッドマンは歌えましたっけ?→『デヴィッド・バーンのトゥルー・ストーリー』(1986年)で歌っていました。
コーエン兄弟はドラムマガジンのトンプソンのサブマシンガンが好みのようで『ミラーズ・クロッシング』(1990年)に見事なマズルフラッシュの撃ちまくりで出ていて、この作品にも出てきます。
ハイライトシーンはビデオクリップや作品紹介番組等でホトンド見ていました。
未見のシーンの方が少ないと思えるほどで見ててこのシーンとこのシーンはこのような順につながるのかとなってしまいました。
株式会社アートポート/株式会社アート・ネット/パイオニアLDC株式会社発売のDVDにて。
画質は普通です。DVDクオリティ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声はドルビーデジタル5.1ch
著作権のアラート
パイオニアのタイトル
presented by pioneer LDC ink.のタイトル
アートポートのタイトル
GAGAのタイトル
著作権のアラート 英文のみ。
Universal Pictures
Touchstone Pictures
タイトル
Universal Pictures
and
Universal Pictures
presents
StudioCanal (in association with)
A Working Title production
前説字幕
ミューズよ、
戦いの技に優れ長年の苦境にある放浪者の物語を私を通して歌い語りたまえ
荒野にて。
囚人達が作業中です。
O Brother, Where Art Thou?
さっそく脱走する3人トリオ。
トリオは3人のことなのですがこれといった特徴がないので何となく3人トリオにしときます。
George Clooney ... Everett
John Turturro ... Pete
Tim Blake Nelson ... Delmar
Charles Durning ... Pappy O'Daniel
John Goodman ... Big Dan Teague
Michael Badalucco ... George Nelson
and
Holly Hunter ... Penny
Stephen Root ... Radio Station Man
Chris Thomas King ... Tommy Johnson
Wayne Duvall ... Homer Stokes
Daniel von Bargen ... Sheriff Cooley (as Daniel Von Bargen)
スタッフの紹介
タイトルバックは本編はカットバックしてます。
タイトル文字はサイレント映画の字幕風。
まだジョエル・コーエン監督のみでイーサン・コーエンは製作。
時代設定が1930年代と思われます。
なので汽車の飛び乗れば貨物車には職を求めて放浪するホーボーが数人いたりします。3人トリオのリーダー格のジョージ・クルーニー扮するエバレットが口上を述べてもそれどころではないんだよいった感じで全く無反応なのがホーボーらしい。
3人目が足を滑らせて3人全員が貨車から落ちてしまいます。
シーソーで漕ぐ作業車が通りがかる。
これに乗る3人トリオ。漕いでるのは盲目の老人。
盲目の老人は予言をします。
徒歩で移動となってる3人トリオ。
3人トリオはクサリでつながれているのでどうやって取る?
鍛冶屋の知人を頼ることになります。
いきなり小屋から子供が撃つ。
ここはピートの知人で鍛冶屋のウォッシュの自宅です。
ここで鎖を外してもらう。ここまではよかった。
それから食事のあとはラジオを聞いてます。
夜はラジオを聞いていました。歌が流れます。
へアネットを借りて納屋で寝ていると当局が押し寄せる。
ウォッシュが賞金に目がくらみ密告したからです。
納屋に火をかけられるが子供がクルマで救出に来る。
鍛冶屋の息子が運転するクルマで強行脱出します。
クルマが故障して子供と豚を追い返す。
エバレットは鍛冶屋の箪笥から金時計を黙って借りていた。
これを売ればクルマが買える。
ダムの完成まであと4日。それまでに行かないとまずい。
森にて。
歌いながら歩いてる人達と遭遇する3人トリオ。
川に浸かって洗礼を受ける儀式らしい。浸礼と称するようです。
これで罪が精算されると行くデルマー。ピートもそうする。エバレットは行かない。
買った車で移動中です。
ギター弾きのトミーをヒッチハイクで乗せてます。
ピシャミンゴに行くと歌でお金が貰えると聞く。行きます。
ピシャミンゴにて、ラジオ局WEZYがあります。
ここで歌う3人トリオとトミー。人数を大目に言ってそれぞれ10ドル貰ってる。
入れ替わりにパピー知事が選挙ラジオ演説に来ています。
ジョージ・クルーニーは親類に歌手(ローズマリー・クルーニー)がいるので歌えるような感じがすしますが歌は吹き替えだそうです。
試しに歌ったら一発でダメだしされてショックだったとジョージ・クルーニーのインタビューを読んだ覚えがあります。
夜、キャンプにて。
1人あたり40万ドルのお宝があるらしい。そうエバレットが主張してるわけです。
エバレットが大金を隠したという場所は21日にはダムの底となるそうで、現在が17日とのことです。1930年代でテネシーのダムということはニューディール政策の頃のようです。
そんなとこにまた当局の追っ手が押し寄せる。クルマを失うことになります。
トミーは速攻で逃げた。3人トリオも逃げます。
また徒歩で移動中の3人トリオ。
そんなとこにクルマがやって来ます。
当局に追われるベビーフェイス・ネルソンのクルマです。知らない3人トリオは乗る。
脱走と強盗の二重に追われることになります。
追っかけになります。牛が嫌いだ、だからって放牧されている牛をトンプソンマシンガンで撃つベビーフェイス・ネルソン、もうむちゃくちゃをやっています。
すぐに銀行を襲います。
躁状態で口上が達者なベビーフェイス・ネルソンはあだ名のベビーフェイスと言われることを非常に嫌います。
夜にて。キャンプです。
結局ベビーフェイスとは別れることになります。何故かというと突然鬱に入ったベビーフェイスは去って行ったからです。
ラジオ局WEZYにて。
このメクラのオッサンはDJもやる。録音エンジニアが本職なのか?
オッサンが来て3人トリオの歌が大ヒットしてるので契約したいからと交渉してる。
しかしメクラのオッサンはわからん。
3人トリオはおカネはあるので民家の窓に置いてあったパイを無断でもらいます。
料金のおカネは置いていきます。
クルマにはジョージ・ネルソンが残したカネがあった。
ところでパイは窓のとこに置いとく物のようです。単に冷ますだけのことですか。
絶えず移動しているので見てて退屈はしません。話しも早く、どんどん進みます。
3人トリオはヒッチハイクをやってます。
しかし囚人護送トラックだったので知らないふりをする。
普通のトラックにヒッチハイクで乗る3人トリオ。
雑貨店にて。
ダッペン・ダンのポマードを買おうとしてるエバレット。しかし在庫がない。
ここに来た客のクルマを盗んでズラかる3人トリオ。
森にて。
クルマで移動中の3人トリオはセイレーンの3人と遭遇する。
川で水浴びなのか洗濯なのかをしている美女3人と遭遇する3人トリオ。
一瞬いい思いをしたが結局一服盛られて1人は当局に売られたようです。
要するに昏睡強盗の一種だったらしい。溶暗になります。
目が覚めるエバレットとデルマー。
ピートは服だけが残ってる。デルマーはピートはガマガエルになったと思い込む。
クルマで移動中の2人とカエル。お金はあります。
レストランで食事のとこに眼帯の太った男がコンタクトしてくる。
強盗のジョン・グッドマンと遭遇する3人トリオ(ピートはヒキガエルになっています?)
原っぱにて。
ハイキングになってる2人と太った男。
食事が終わったとこで太った男は木の枝で2人を張り倒してカエルを潰し金を奪ってクルマまで奪ってズラかってしまいます。
何故かこのシーンの終わりでサイレント映画の手法のアイリスを使用。画面を黒味で覆って強調したいとこを丸く残す手法です。
ピートが当局の連中に捕まって拷問される。
縛り首のロープまで用意されています。それでどうなる。
トラックにヒッチハイクで乗ってる2人。
通りすがりで道路で作業中の囚人にピートを見つけて???となってる2人。
知事選の対立候補ストークスの演説会にて。
歌が入ってます。ウォルビー3姉妹が歌う。
そんなとこ2人が来てます。エバレットは自分の娘たちが歌ってるのでビックリ。
コンタクトするとパパは列車に轢かれてしみになったと聞かされる。
新しいパパ候補ははバーノン・ウォルドリップ。
ママは雑貨店に買物だというので急行するエバレット。
雑貨店にて。
まずは夫人とコンタクトするエバレット。
次は婚約者のウォルドリップと殴り合いになってズタボロにされるエバレット。
店の主人に外に放り出される。面目丸つぶれです。
映画館にて。
映画を見ている2人。上映されているサイレント映画はこの作品専用で撮り直しているようです。古い感じがしない。
そんなとこ囚人集団が入ってくる。課外活動らしい。
ピートがいて小声のつもりで警告をする。お宝は探しに行くな・・・
現知事のパピーの自宅にて。
パピー知事とバカ息子、それに側近2人。
情勢は不利なので愚痴が出ています。
夜、刑務所にて。
稲妻に縛り首ロープ。悪夢で目を覚ますピート。
そんなとこにマジでエバレットとデルマーがピートを脱獄させに来る。
無事に脱走して3人トリオに戻ってます。
ピートはお宝のことを吐いたと心から謝罪をする。
で、エバレットは今頃になってお宝はないと心から謝罪してます。
夫人の再婚を阻止するためにの方便だった。
ピートは激怒する。これで刑期が増えて出所するのが1987年だと愚痴が出ます。
そんな感じでもめてます。
白人優越主義者集団KKKの集会にて。
何故か近くにいた3人トリオは成り行きで見物してる。
ここにあの太った男もいたりします。
しかも親玉が知事候補のストークスだったりします。いいわけがない。
知り合いのトミーが捕まって処刑されそうなので助けに入る3人トリオ。
エバレットが燃える十字架を倒して太った男を直撃する。これでジョン・グッドマンは退場となります。
選挙演説の集会にて。
色々な工作するパピー。トークスの選挙参謀ウォルドリップをスカウトするつもり。
3人トリオは付け髭で変装して舞台に出る。エバレットは夫人とコンタクトする。
そんなこんなであの歌を披露する3人トリオ。観客総立ちの大受けで面食らう。
そんなとこに入ってきたストークスは余計なことを喋って墓穴を掘る。
これは宣伝になる判断した現知事のパピーは3人トリオを恩赦にすると発表する。これはラジオ中継で広まったはず。
そんなこんなで自宅まで結婚指輪を取りに行くことになくエバレット。
指輪がないと元に戻れないと主張してる夫人。
行列と遭遇する3人トリオ。
捕まったベビーフェイス・ネルソンと再会してます。
今回は躁状態のベビーフェイス・ネルソン。ハイテンションで電気椅子にまっしぐらになるようです。
黒味が入ります。
エバレットの自宅にて。
奥さんとまた結婚式を挙げるための指輪を取りに行きます。
ここに来てる3人トリオとトミー。フタがある机に指輪がある。
しかし当局の連中が待ち伏せをしていました。
俺達は恩赦になったと主張しても当局一行はラジオも聞かずに追跡しているのでそんなことは知りません。
3人トリオとトミーは速攻で吊るされそうになります。トミーはついでらしい。
保安官のサングラスに映り込むショットがよくある手法ですが凝っています。
エバレットは無神論者だったが神に祈る。
そうなると何やら変な気配になります。足下に水が滲みてる。
いきなり大洪水となります。ダムに放水されたらしい。
ここでポマードの箱が漂うシーンになるわです。
大水で水中をポマードならぬパウダーの箱が漂うシーンはどこかで見たような?→それは『ある殺し屋』(1967年)でそんな感じのシーンがあった。箱はパウダーですが中身は麻薬だったような。
ようやく浮かび上がり空の棺桶に捕まってる3人トリオ。
トミーは例の机をゲットしています。ここに指輪があるはず。
黒味が入ります。
エピローグ。
エバレットと夫人。
この指輪ではないと主張する夫人。困惑のエバレット。
線路にて。メクラのじいさんが乗ったシーソー漕ぎの作業車が去っていきます。
画面をモノクロになります。
エンドとなります。
後タイトル
最後に
Working Title Films
Mike Zoss Productions
そんなわけでコーエン兄弟らしいよい作品でした。本編中に流れるアリソン・クラウスさんの歌もよかった。
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映画『オー・ブラザー!』見ました。「カラーが退色しているというかセピア調」、「保安官のサングラスに映り込むショット」、「ミュージカルのよう」。映画のいろいろなシーンがよみがえってきました。良い作品とのであいに感謝です。
投稿: ETCマンツーマン英会話 | 2013.01.07 13:42
ETCマンツーマン英会話さん、コメントありがとうございます。
『オー・ブラザー!』はコーエン兄弟作品らしいよい作品でしたね。私はカントリーソングが嫌いでもないので歌が入るが妙によかったりしました。
投稿: ロイ・フェイス | 2013.03.24 14:51