『ふたりのベロニカ』(1991年)
この作品は、クシシュトフ・キェシロフシキ監督、イレーヌ・ジャコブ主演の風変わりなドラマです。
ベロニカといったらベロニカ・ハートなんてポルノの女優がいたのを思い出します。見たかったな。
この作品は当然ポルノではありません。なおこの文はネタバレ全開となっています。
1991年 Sidezal フランス=ポーランド=ノルウェー作品
ランニング・タイム◆98分
原題◆La Double Vie de Veronique
(Poland)◆Podwójne życie Weroniki
(Poland)◆Podwojne zycie Weroniki
(USA) ◆The Double Life of Veronique
プロット◆もう1人の自分がいたという話しのようです。
音楽◆Zbigniew Preisner=ズビグニエフ・プレイスネル 音楽ですが、TVシリーズ『ウルトラセブン』(1967年)、『帰ってきたウルトラマン』(1971年)と同じような感じの音楽があるような。
IMAGICA TV/紀伊國屋書店発売のDVDにて。画質は普通です。全編グリーン系の絵でした。
ボカシはなかった。これが1番いい。普通に見れます。
AVアンプでの表示はドルビーステレオ プロロジックになっています。ドルビーデジタルではありません。
キャスト
イレーヌ・ジャコブ→ポーランドのベロニカ/フランスのベロニカ
フィリップ・ヴォルテーム→人形師のアレクサンドル・ファブリ
クシシュトフ・キェシロフシキ監督の演出はよいと思います。
色彩感覚が凄い。グリーン系の色を中心に赤を入れています。グリーンが凄くて赤が強烈。黒もあります。
意味もなく映画的なシーンが多かった。本編は直接関係ないディテール描写が山盛りになっています。
この作品以外の双児物で・・・
オリビア・デ・ハビランドが双子を熱演しているフィルム・ノワール『暗い鏡』(46年)とか。
市川崑監督、山口百恵主演の双児物『古都』(80年)を見てたり。この作品は私にとってのTVシリーズの特撮系オールスターキャストでよかったです。でもアイドル山口百恵主演だとこういうのしか出ないのとかいうのが正直な意見です。
他にもジェームズ・スペイダー主演のが殺された双児の兄弟の仇を取るサスペンス『殺しのナイフ』(87年)なんての見てました。これもよかった。
裁判で証言してくれというベロニカの知人のアパートにはバイクが置かれています。
ここからの関係ない連想で、バイクはペットみたいなようなものです。ちゃんと面倒をみないとダメなんです。放ったらかしで雨ざらしではすぐにポンコツ化します。
ポーランド-フランスのふたりのベロニカ。
ポーランドのベロニカ
抱き合って脚をからませるとこはよかった。
横向きに寝てる図は妙に色っぽい。乳房の向きがそう感じるのか。
2人はテレパシーを感じるのかと思ってたらそうでもなかった。
途中まで出てるのがどちらのベロニカだかよく分からず。
ポーランドのベロニカはあっけなく死に至ります。
で、フランスのベロニカ
ポーランドのベロニカが使ってた楽譜が綴じていた紐が何故か手に入り何かを感じます。
アン、ドゥ・・・は1.2.3のこと。ドゥが2のことだと今頃実感しました。
クルマはルノーの2ボックス5ドアに乗ってます。
お目当ての男と会ってから会話のシーンは切り返ししてた。
フランスは写真のフィルムをつながったままその大きさで焼き付けてます。なるほどこの方が合理的だ。さすがフランス。
この写真からポーランドのベロニカの存在を知り、既に帰らぬ人となってるのを知ってか知らずか涙するフランスのベロニカ。いいシーンでした。
1966年生まれの設定。で、1991年当時で25歳となる。いい頃です。
貧しいけれどシックではなく、ブルジョアでシックなヒロインでした。これがいい。素晴しい。
イレーヌ・ジャコブは惜しげもなくヌードを披露してくれます。見せて当然ではないのがよい。
イレーヌ・ジャコブをジャコビという名前と勘違いしてました。で勝手にその名前なら父親は船長でしょうと決め込んでいた。→『マルタの鷹』(41年)からの一方的思い込みです。
イレーヌ・ジャコブの代表作はクシシュトフ・キェシロフシキ監督の2作のみ。
『ふたりのベロニカ』(1991年)
『トリコロール/赤の愛』(1994年)
代表作が2つもあるんですから運がいい方の女優さんなのでしょう。
プロローグ。
ポーランド 星の話し。
フランス 葉っぱの話。
共に子役のベロニカです。
タイトル。
ポーランド。
歌うイレーヌ・ジャコブ扮すルポーランドのベロニカが登場。
雨が降る中を歌い切ります。
恋人とベロニカ。
足を絡めるシーン。
ヌードもあります。横向きで寝ているとこでのおっぱいの形が色っぽい。
水たまりを踏んで走って何処に行くベロニカ。
父と会話のベロニカ。
私がもう1人いる?とか言ってます。
列車のベロニカ。
クラコフに着きます。
おばさんの家にて。
恋人との話をしているベロニカ。やっちゃったと言ってます。
ここの家系は突然死してるとセリフが入っています。伏線なのか?
歌の練習の風景。
これを見ながら一緒に歌うベロニカ。
ポーランドのベロニカの服装は・・・
黒のジャケットに赤のニット。
赤い手袋もしています。
黒に赤がワンポイントが私のお気に入りになったのはこの作品からです。
街にて。
ぶつかられて楽譜を落とすベロニカ。
街中はデモでもやっているか大騒ぎとなっています。機動隊も出ています。
避難するのかバスが発進しています。急いで乗り込んでる観光客達。
このバスにもう1人のベロニカがいます。
ポーランドのベロニカは気がつくがもう1人のフランスのベロニカは気がつかない。
歌の練習のベロニカ。
評価をされているらしい。まずまずの評価?
街を歩いてるとこで発作をおこすベロニカ。
ベンチで休んでるとこで変態の男に遭遇します。いつでもどこでもいる人種です。
舞台でのベロニカ。
オーディションが済んでいてどうやら合格のようです。
路面電車のベロニカ。
バイクの男と話します。恋人のアンラク。
2サイクル・エンジンのバイクです。音でわかります。ロードタイプ。多分CZ?MZかも。
追いかけてバイクで2人乗りのベロニカ。
自宅まで送ってもらいます。
自宅にて。
下着姿でまつ毛を指輪で直しているベロニカ。
舞台のベロニカ。
本番です。歌うベロニカ。
主観ショットで倒れるベロニカ。あっけなく死に至ります。
前半のポーランドのベロニカは後半にはフランスのベロニカとコンタクトして2人のベロニカになると思っていたら、ここでポーランドのベロニカはあっけなく死に至る。これには予想外の展開で見ててビックリ。
埋葬されるベロニカ。
ここも主観ショットとなっています。
黒味になっても効果音が入ります。
29分でポーランドのベロニカは退場となります。
フランスです。
恋人とベットのベロニカ。唐突に悲しみを感じるベロニカ。
ヌードのシーンではボカシがある。これは興ざめする。
クルマで移動のベロニカ。
クルマは小型2ボックス5ドアのルノー5のようです。
老人を訪ねて音楽を辞めるとベロニカ。
クルマですが日本もヨーロッパ並みになっているようです。
小型車ではなく軽自動車になるのが日本的ですけど・・・小型車は維持費が割高なんです。ですから軽自動車になるのです。
フランスのベロニカの服装は・・・。
黒いコート。赤いマフラー。
この組み合わせがよろしい。
学校の音楽の先生らしい。
人形師の男が登場。一見嫌味な感じの男です。
人形劇です。
バレエ。蝶になります。
病院のベロニカ。
クルマで移動のベロニカ。
信号で止まると隣に人形師の男のバンが止まります。
夜中に電話がかかってきます。
変態ではないらしいが無言電話です。
タバコを吸っているベロニカ。
クルマで実家へベロニカ。
パパと話しをします。
恋をした。
1人になった。等々。
アパートにて。どこかはわからん。
女3人で話し込む。
裁判で証言をするとベロニカ。知人の浮気のことらしい。
手紙が届きます。
ヒモが入ってる。
ベロニカのアパートにて。
寝ているとこで顔に光りが当てられます。鏡に反射させている。
ヒモから何かを感じているベロニカ?サイコメトリーなのか?
カフェ?
ヒモと心電図を重ねてるベロニカ。
知人に人形師のことを聞くベロニカ。
アレクサンドル・ファブリとわかる。絵本を描いてるらしい。
ファブリの本を買うベロニカ。
郵便が届きます。
パリからだと。となるとここは何処の街なんだ?わからん。
実家へベロニカ。
パパは入浴中。
郵便が届いてます。カセットテープ。
学校で授業中のベロニカ。
アパートにてカセットテープを聞くベロニカ。
色々な音が入っています。
歯磨きしながち聞いてるベロニカです。
リモコンで巻き戻して聞き直していたりします。
実家にて。
パパの書斎を家捜してるベロニカ。
切手から駅名を知ります。
駅に入るベロニカ。
アナウンスが聞こえるカフェを探してるベロニカ。
そのカフェに入ると人形師の男が来ます。
カセットテープを送り来るのを待っていたらしい。
試されていると思ったのかムカついてカフェを飛び出るベロニカ。
街中にでたとこで転ぶベロニカ。
通りすがりのアパートのロビーに隠れるベロニカ。
人形師の男が追ってきます。それを見ているベロニカです。
やり過ごしてタクシーに乗ってこの場を去ります。
ホテルに入るベロニカ。287号室。
ロビーに人形師の男が来ています。
ホテルの部屋にて。
まつ毛を指輪整えているベロニカ。これはポーランドのベロニカもやっていました。
一眠りしたとこで、愛していると人形師の男。
ベロニカもそのようです。
荷物を調べる2人。
私はいつも別の場所にいるようだとベロニカ。
写真を見る人形師の男。ベロニカが写っていると気がつきます。
私が撮ったのに私が写っているというわけか?面白いシチュエーションです。
人形師の男のアパートにて。
夜、目覚めるベロニカ。
ベロニカの人形が2体。
1966年11月23日に2人のベロニカが生まれた。
クルマで実家に入るベロニカ。
クルマのパワーウィンドウを下ろすヒロインの図。何故か私はこのショットが好き。『機動警察パトレイバー2』(93年)でもこんな感じのショットがあって好きになった。
窓から手を伸ばして樹の幹に触れるベロニカ。
エンドとなります。
クシシュトフ・キェシロフスキ監督の脚本で他の監督が新作を撮る。
ですが脚本だけではダメです。クシシュトフ・キェシロフスキ監督が演出しないとダメなんです。今回見て改めてそう思いました。
そんなわけで話しはよくわかりませんがヒロインを見てるだけで面白いよい作品でした。この作品は佳作だと思います。
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