『惑星ソラリス』(1972年)
この作品はアンドレイ・タルコフスキー監督のカルトなSFドラマです。
どんな話しなんだと理解しているとはいえませんけどスタニスラフ・レムの原作『ソラリスの陽のもとに』も読んでいます。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1972年 モス・フィルム ソ連作品
ランニング・タイム◆167分
原題◆Solyaris
(Soviet Union: Russian title)◆Солярис
(USA)◆Solaris
プロット◆ソラリスに行って死んだ夫人と再会する話しのようです。
音楽◆エドゥアルド・アルテミエフ
IVC発売のDVDにて。画質はまあまあ。このIVCのDVDはかなり以前に買った字幕埋め込み固定の仕様なのでワイドTVにしたら字幕が入らなくなりそうです。
よい点は片面2層なので連続して見ることが出来ることです。これが1番よかったりします。
キャスト
ドナータス・バニオニス→ソラリスヘ行くクリス・ケルビン
ナタリア・ボンダルチュク→海からやって来たハリー/ハリー2号
ソス・サルキシャン→ステーションの自殺したギバリャン
ユーリー・ヤルヴェト→ステーションのスナウト
アナトーニー・ソロニーツィン→ステーションのサルトリウス
ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー→報告者のバートン
ニコライ・グリニコ→クリス・ケルビンの父
アンドレイ・タルコフスキー監督の演出はよいと思います。
水が特徴のタルコフスキー監督。その特徴がよく出ています。
地球から調査にやって来たら化け物屋敷のようなステーションといった展開でした。
いわゆる「お客」はコンパニオンという言葉がふさわしいと思えます。
最初に眠ったらすぐにハリーは登場してます。話が早くしていいです。それまでが長いけど。
ソラリスの海から来たハリーは昔の写真とは少し違うのはクリスの中で美化されているのか、ソラリス風にアレンジされているのか面白いとこです。
ナタリア・ボンダルチュクは美しい。
皮のパッチワーク風のワンピースが素敵です。ショールを羽織って表われて1人目がロケットで打ち上げられてもショールは残り2人が来ると同じショールが2枚になっていた。そんな感じで他にもショールが象徴的に使われていました。
タイトルです。
ロシア語なので何が何やら全然わかりません。
第1部。プロローグ。
水です。水草が揺らめいています。
カメラはパンニングして主人公のクリスが登場します。
池の辺に立ち尽くしている。
クルマが来ます。どうやら来客のようです。
池の辺の家に入ります。来客のバートンとクリスの父が話し込む。
ソラリスの話。妙なデータ。
クリスが行って報告を出して続行かどうかの判断となっています。
バートンは禿げの中年男です。クリスの父とは長年の友人らしい。
外は急の雨となります。
雨の中を立ち尽くすクリス。
すぐに雨は止みます。晴れたまま雨が降っていました。単なる撮影の都合だなんて言ってはいけません。
家にて。ソラリスについてのビデオを見ます。モノクロです。
クリス、バートン、クリスの母。クリスの父は席を外しています。
見てる3人とバートン報告の切り返しとなっています。
バートン報告は本人が持ってきた本人の若い頃の映像だったのかは何回か見てようやく気がつきました。お粗末です。
バートン報告。まだ若いバートンです。
捜索に飛んだバートン機は帰りが遅れた。
話しからどうやらプロペラ機のようです。ソラリスには大気があるようです。
コロイド状の霧。
海から何かが浮き上がってくる。
公園のような?
ここでバートンが撮影してきたフィルムが出ます。
何だかわからん。雲だけしか映っていません。
ソラリスは考える海とのこと。
巨大な4メートルはある赤ん坊を見たとバートン。
ソラリス研究は続けた方がいいという意見もあります。
反対に打ち切った方がいいともあります。
この件はバートンは幻覚を見たとなります。
室内の風景が映されます。
ハリーの写真らしいのが映る。若い時のクリスの母かもしれない。
家の外でクリスとバートンが話し込む。
口論となっています。
クリスはシニカルなキャラです。地上ではこのようなキャラなんですか。
道徳観のないことの例でヒロシマの名が出ていました。
バートンは怒って帰ります。
ソラリスのビデオを見てるクリスの母。
宇宙ステーションには現在サルトリウス、スナウト、ギバリャン、3名のみ。
ここでバートンのクルマから電話です。
ソラリスで見た巨大な赤ん坊を地球でも見てると。
走行中のバートンのクルマです。
有名な首都高でロケをしたシーンが流れます。これがかなり長い。一応未来都市のつもりらしい。
走ってるクルマが古い。最初に目立つ1ボックスのバンは何だかわからん。他にはクラウン、グロリア、スカイライン等。
このシーンはバートンの主観ショットのようです。
クルマ内には女の子がいます。
このクルマからの主観ショットは押井守監督の『紅い眼鏡』(1987年)、『機動警察パトレイバー2』(1993年)に引用されていすま。もちろんそのままではない結構上手い引用でした。
シーンの締める夜景がよいです。でもここが『機動警察パトレイバー2』なんです。
唐突にこのシーンは終わります。
夜?家の外で書類を燃やすクリス。
ハリーの写真もあります。
父と母。別れのシーンのようです。
宇宙です。どうやらクリスは出発のようです。
あっというまにソラリスです。宇宙ステーションが見えます。
到着します。
汚れが目立つロケット発着場。
誰も来ません。
ステーション内を歩くクリス。通路は荒れています。
スナウトの部屋に入るクリス。
ギバリャンは死んだ。自殺だった。とスナウト。
ハンモックには誰かいます。
一応警告をするスナウトです。
手近な部屋に入るクリス。
荷物を置いて出ます。
ギバリャンの部屋に入るクリス。
荒れています。
クリス宛のビデオメッセージを見ます。一体何がおこったのか?
サルトリウスが海にX線を照射してから云々。
ここでドアの向こうに何かいます。
ビデオを持ってここを出るクリス。
通路のクリス。
暗い窓にもたれて考え込むクリス。
サルトリウスの部屋に向かうクリス。
中には入れずに外に出て話しをするサルトリウス。
室内には小人がいます。
通路を歩く女の子を見るクリス。
追って冷凍室に入るクリス。ギバリャンの死体があります。
スナウトの部屋に入るクリス。
サルトリウスの悪口を言ってるクリスです。
3人の他に誰かいるのか?とクリス。
自分の部屋に戻るクリス。
ドアを塞ぎます。
ギバリャンのビデオメッセージの続きを見ます。さっき見た女の子が映っています。
自分を裁くとギバリャン。
寝るクリス。
ハリーが登場。椅子に座っています。
ところで手に持ってるのは何?扇子?
クリスにキスをするハリー。
ハリーの写真を見るハリー。
鏡を見て自分だと気がついたようです。
思い出せないハリー。何を?
一緒にいないとダメとハリー。
ハリーに対して宇宙服に着替えろとクリス。
ハリーの来ているワンピースは背中の紐をほどいても脱げません。脱げない仕様になっています。切り裂いて脱がしています。
第2部
ロケット発着場にて。
ロケットにSOLARISと書かれてました。これが英題になっています。
ハリーをロケットに入れて打ち上げ宇宙に放り出すクリス。
発着場から出るのが遅れたクリス。ロケット噴射の直撃を受けて普通は死んでいます。
80分ぐらい経過です。この作品は167分あります。
ランニングタイムが94分のSFアクション『バイオハザードII アポカリプス』(2004年)ならもうクライマックスのアクションになっています。続けて見たので何となく思いついた。特に関連はありません。
クリスは自室に戻ります。
スナウトが来ます。クリスが自分と同じ状況になったので。妙にうれしそうなスナウトです。
冗談でお客を片づけるのに「空手を使ったのか」なんて言ってるスナウト。
空手といえばスカイパーフェクTV751ニコロデオンの看板番組の『スポンジ・ボブ』です。スポットCFでスポンジ・ボブは空手の達人とやっています。
10年前に死んだ妻ハリーが現われたとクリス。
X線を使った実験をしてからお客が出るようになったとスナウト。この実験は直接海に照射したわけではなかったようです。
またハリーは出る。今度はハリー2号なのかとスナウト。
通風口に付けるアイテムを教えてくれるスナウト。
ギバリャンの発明とのことです。これを付けると梢が風に吹かれる音になるそうです。これはなかなかの物です。
ハリーのショールが残されています。
眠るクリス。
ハリー2号がいます。
ワンピースを切り裂いて脱いでるハリー。
ショールが2枚になっています。
起きたクリスはハリーが寝てる間に余ったショールを始末しようと外に出てドアを閉めたとこで、このドアをハリーがブチ破ります。
ハリーも無事ではすまずに大怪我をしています。この傷はあっという間に直ります。
ドアをブチ破った理由がいい。「あなたがいなくなると思ってやった」とハリー2号です。これは素敵な理由です。
電話が入る。スナウトからの呼び出しです。
通路にて。
スナウトとサルトリウス。加わるクリスとハリー2号。
お客と称するようです。
サルトリウスはハリー2号を物扱いしています。
これは罰だとクリス。
クリスの自室にて。
ビデオを見るクリスとハリー2号。
ハリー2号は何を覚えているのだろう。
ビデオには昔のハリーが映っています。ハリー2号は何を思う。
自分のこともわからないらしいハリー2号。
スナウトが来ます。
クリスの脳電図をソラリスの海に照射するとスナウト。
ニュートリノ系を破壊するサルトリウスの発案もあると言ってます。
お客はニュートリノ系の細胞で構成されているとのことです。ソラリスを離れるとこのニュートリノが安定しないお客はソラリスを出るとこは出来ません。
ハリー2号は寝ているけどクリスとスナウトの話しは聞いています。
いったんで部屋を出るが戻るクリス。ハリー2号を抱きしめます。
眠るクリス。
ハリー2号は眠りません。
ハリー2号はクリスに私はどこから来たと問います。
私はハリーではないとハリー2号。。
ハリーが自殺したことを知っているハリー2号。サルトリウスが教えたとのことです。
ハリー2号に自殺したハリーのことを話すクリスです。
図書館にて。
クリスとハリー2号。サルトリウスといます。
遅れてスナウトも来ます。
サルトリウスを除きスーツ姿の男2人。
何の集まり?→今日はスナウトの誕生日です。ロウソクが点いています。
眠りについてのレポートを読むクリス。
ドン・キホーテの本があります。
クリスを責めるサルトリウス。
仕事もしないで1日ベッドにいると言ってます。何をしているんだと聞いてはいけません。
ここで意見を述べるハリー2号。
お客はあなた方自身の良心だと言ってます。
私が思うには、ハリー2号はハリーのコピーではない。考えることで違う存在になっているとなります。
酔っぱらって通路を歩くスナウト。
付き合うクリス。
17:00ちょうどで30秒無重力になるとスナウト。
図書館です。
タバコを吸っているハリー2号。
結構長めに絵が映し出されます。何の絵?狩猟民族?
唐突に始まる無重力シーン。無重力となってシャンデリアの飾りの硝子細工が触れ合って風鈴のような音がするのが素敵です。これはいいシーンです。
昔のフィルム。ソラリスの海等がカットバックされます。
シーンは変わります。
自殺を図るハリー2号。液体酸素を飲み下します。
凍りついてるハリー2号の死体。
ハリー2号の死体を見ているクリス。スナウトが来ます。
生き返るのを待つクリス。
ハリー2号は生き返ります。これは水気たっぷりのいいシーンです。この作品の白眉です。
「私はハリーではない」とハリー2号。
「君は本物のハリーだ」とクリス。
ソラリスの海のシーンが入ります。
地球には帰らないとクリス。
眠るクリス。
起きます。通路にて正面からオーバーラップで後ろ姿となります。
これは何のシーン?よくわからん。
通路にて。
海が活動を始めたとスナウト。
どうやらクリスの脳電図はもう送ったらしい。
具合が悪くなって寝込むクリス。
ハリー2号が側についています。そんなとこから女性が交代で出るシーンになります。
夢を見ているか、若い時の母と話すクリス。とりとめのない会話。
汚れた腕を洗ってもらうクリス。
起きるクリス。
スナウトがいます。ハリー2号はいない。置き手紙を残しています。
ハリー2号は自分の意志でニュートリノ破壊装置で死んだらしい。
脳電図を送ってからお客は来ないとか、島が出来たらしいとかスナウト。
図書館にて。
クリスとスナウト。
ここの生活についてとか、哲学談義となっています。
ハリー2号のショールは残されています。
カメラがクリスの耳に寄って行きます。耳のクローズアップショット。
クリスのモノローグ。
仕事は終わったとクリス。
君は帰った方がいいとスナウト。
プロローグに戻ります。
水です。水草が揺らめいています。
クリスが池の辺に立ち尽くしている。
家に近づくクリス。
家の中は水がしたりリ落ちています。普通ではありません。これを全然気にしていないクリスの父。
引くカメラ。俯瞰となります。引くカメラ。
プロローグに戻っていませんでした。
ソラリスの海に浮かぶ家と周辺の土地。合成がイマイチなのは撮影の技術的な問題です。ここは突っ込みはなしで補正して見るのがいいと思います。
エンドとなります。
そんなわけでそんなに難解ではなくて少し風変わりなSFメロドラマのよい作品でした。ところで私はタルコフスキー監督作品はこれしか見ていなかったりします
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