『砂漠の流れ者』aka『ケーブル・ホーグのバラード』(1970年)
この作品はサム・ペキンパー監督、ジェイソン・ロバーズ、ステラ・スティーブンス、デビッド・ワーナー主演のアクションがない異色ウエスタンです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1970年 フィル・フェルドマンプロ/ワーナー アメリカ作品
原題◆The Ballad of Cable Hogue
DVDにて。画質は非常によいです。
プロット 砂漠に置き去りにされて駅馬車中継所を作る話しのようです。
音楽 ジェリー・ゴールドスミス→ペキンパー組のジェリー・フィールディングではありません。勘違いしそう。
キャスト
ジェイソン・ロバーズ→砂漠のケイブル・ホーグ
デビッド・ワーナー→相棒の牧師スローン
ステラ・スティーブンス→売春婦のヒルディ
スリム・ピケンズ→駅馬車の御者ベン
ストローサー・マーティン→小柄で小太りのボーウェン
L・Q・ジョーンズ→痩せて背が高いタガート
R・G・アームストロング→駅馬車会社のクイットナー
ピーター・ウィットニー→銀行頭取クッシング
スーザン・オコンネル→若いクローディア
ジーン・エバンス→クローディアの旦那クリート
サム・ペキンパー監督の演出はよいと思います。
会話シーンの切り返しはこまめにやっています。
話しはなんてことはないけど、演出の方はは猛烈にカットを割って、リアクションショット、カットバックが全開になっててペキンパー監督は絶好調といったとこです。
他にはコマ落とし。セリフは通しカットは飛ばす手法もあります。
ウエスタンでありながらロマンティック・コメディのようであり、カントリーソングが流れるミュージカルのようでもあります。
ジェイソン・ロバーズは非常に好演してます。実はこの作品以外は見たことがなかったりします。
ヒロインを演じるステラ・スティーブンスは素敵です。口元のしわさえ素敵に見える。髪を束ねているのも素敵です。
ステラ・スティーブンスとインガー・スティーブンスは別人です。混同していました。
サム・ペキンパー監督のウエスタン『砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード』(70年)のヒロインがステラ・スティーブンスです。
クリント・イーストウッド監督主演のウエスタン『荒野のストレンジャー』(73年)のヒロインがインガー・スティーブンスです。
ところで実生活で自殺したのは、ステラ、インガーのどっちだったんだろ。
この話しは1908年の設定だそうです。
プロローグ。
砂漠です。
トカゲを狙うジェイソン・ロバーズ扮するケイブル・ホーグが登場。
タガートとボーウェンが邪魔をします。
水とライフルとロバを奪われます。
置き去りにされるケイブル・ホーグ。
何となく口調までハンフリー・ボガートに似ているジェイソン・ロバーズ。
ローレン・バコールはホントにハンフリー・ボガートのことが好きだったんだなと、この作品のジェイソン・ロバーズを見ていて、何となく連想します。
バコールはジェイソン・ロバーズと一時期結婚していました。
歌が入りタイトルとなります。誰が歌っている?
分割画面。歩くケイブル・ホーグのモンタージュ。
水を見つけるケイブル・ホーグ。プロローグで水探しは終了。
タイトルが終わります。
ここは駅馬車の通り道のようです。
駅馬車が来ます。町と町の中間地点とのことです。
スリム・ピケンズ演じる御者は親切でした。ありがとうの言葉のケイブル・ホーグ。
ついでにわざと荷物を落としてくれました。
スリム・ピケンズは御者役に決まっている?
かなり以前の死亡記事でに6頭立ての馬車を操ることが出来る俳優と載ってたのを覚えています。
分割画面。水場作りケイブル・ホーグのモンタージュ。
で、馬に乗った男が来ます。勝手に水を飲むので撃ち殺すケイブル・ホーグ。
穴を掘ります。
また誰か来ます。穴の中から撃つケイブル・ホーグ。
撃たれてひっくり返るデビッド・ワーナー扮する牧師スローンが登場。当たってはいません。
水1杯10セントだとケイブル・ホーグ。タダで飲もうとするスローン。
色々と喋くります。どうやらインチキ牧師のようです。
そんなこんなでスローンからこの土地の登記、境界杭の話しが出てきます。
スローンの馬を借りて町へ行くケイブル・ホーグ。
町です。
用事を済ませたらすぐに町を出る予定のケイブル・ホーグです。
で、ステラ・スティーブンス扮するヒルディに登記所等の場所を聞くケイブル・ホーグ。
ヒルディの開いた胸元のクローズアップショットがしつこく入ります。
登記所です。
料金だ足りないのに無理やり登記させるケイブル・ホーグです。どうでもいい土地なので登記手続きをする事務員です。
外に出ればヒルディが気になるケイブル・ホーグ。
駅馬車会社の事務所です。
ボスのクイットナーと交渉のケイブル・ホーグ。
土地の権利書を見せて水をぶちまけます。水があるぞと豪快な交渉です。
で、放り出されるケイブル・ホーグです。豪快な解決方法です。
外に出たとこで珍しいので子供達につけ回されます。
銀行です。
自分の土地を担保にカネを借りようとするケイブル・ホーグ。
35ドルと言いますが断られます。結局、頭取の独断で貸してくれることになります。100ドルにしてくれました。
「ありがとう」のセリフのケイブル・ホーグ。これはいいなと感じました。大の大人がホントに感謝の気持ちで「ありがとう」と言う、いいものです。
ですが、外に出たらすぐにヒルディのとこに直行するケイブル・ホーグ。
お札のインディアンがにやりとする描写があります。
風呂に入るケイブル・ホーグ。
ヒルディをくどきます。中継所に来いよと言ってます。
S.F.に行くとヒルディ。レディーになると言ってます。
外では何かの集会をやってて牧師の説教が聞こえます。ここで残してきたスローン牧師を思い出すケイブル・ホーグ。
急いで帰り支度となります。カネを払わないので怒るヒルディ。
集会所のテントが倒れたりヒルディが物を投げたりして大騒ぎとなります。
逃亡するケイブル・ホーグ。大笑いの銀行の頭取となっています。
砂漠に戻るケイブル・ホーグ。
スローンは穴の中で待っています。
2人で町に繰り出します。
境界の杭打ちは省略されています。肝心なことはどうした?と突っ込みたくなります。
それにしても何もしない話しとなっています。
延々と中継所を作っているだけなのですから。終始、バックでカラスが鳴いています。これはギャグなのかな?。
デビッド・ワーナーはよい相棒を好演しています。
何となくケイブル・ホーグがルパン三世でスローン牧師が次元大介のような感じもします。
町にて。
ケイブル・ホーグはヒルディのとこへ。
投げられた鍋?を返します。
階段から転げ落ちるスローン。
この物音で酒場の連中が固まってしまいました。ごまかして外にでるスローン。
歌が流れます。
若い女を見つけたスローンは後をつけます。
若い女のクローディアに近づくスローンです。
口説きます。
そのクローディアの旦那クリートが帰宅します。
落ち着いて説教してごまかすスローンです。
砂漠です。
中継所作りのケイブル・ホーグとスローン。
まだクローディアに未練のスローン。
水と交換にベッドを手に入るケイブル・ホーグ。
またクローディアに未練のスローン。
段々と中継所の形になってきます。
駅馬車が通ります。
罠にウサギがかかるが逃げられます。
女性のバストや脚に関する話しをしています。
蛇を入れた袋に穴が空いてて蛇が出てきて慌てて逃げるスローンです。コマ落としになっています。
どうでもいいような描写が続きます。いいもんだ。
銀行の頭取クッシングが来ます。
駅馬車会社の面々が水捜しをしていますが降参してケイブル・ホーグと契約となります。
スリム・ピケンズの御者からアメリカ国旗をもらうケイブル・ホーグ。ピケンズは最初から登場しています。
駅馬車が止まり客が来ています。
食事の中味は?コカヴァン?
食器はテーブルに釘付けの図。
スローンは中継所を出て行きます。
行き先は町のクローディアのようです。
入れ替わりにヒルディがやって来ます。
町から追い出されたとのことです。
コマ落としで小屋の中を片付けてるケイブル・ホーグ。
ベッドを整えます。
この作品を見てると時間はあっというまに過ぎていきます。黄金の時間といったとこです。
昼間です。
ヒルディの歌となります。そのうち2人の歌になっています。これはミュージカルです。
水浴びのヒルディ。駅馬車が来ます。
歌がおわったとこで慌てるヒルディです。コマ落としで小屋に駆け込みます。
そのうちにここを去るとヒルディ。
ここで待つとケイブル・ホーグ。
クローディアに手を出したらしく追われてスローンが戻ってきます。
頼まれると断れないケイブル・ホーグ。かくまいます。
一応旦那クリートを追い返します。
夜、3人で食事となります。
タダ云々のケイブル・ホーグの発言から気まずい雰囲気となります。
祈りの言葉のヒルディ。
明日ここを発つとヒルディ。3週間いたとのことです。
ありがとうのヒルディ。
外に出されるケイブル・ホーグとスローンです。
夜中にケイブル・ホーグを迎えに来るヒルディです。
朝です。
ヒルディで発ったとスローンに言うケイブル・ホーグ。
スローンも出て行きます。
歌が流れます。
日々の暮らしのモンタージュとなります。
ある日駅馬車に乗ってプロローグでケイブル・ホーグを砂漠に置き去りにした2人がやって来ます。
挨拶のケイブル・ホーグ。3年半経った等。
小柄で小太りのボーウェン。
背が高くて痩せてるタガート。
駅馬車で去る2人。
何故かFOR SALEの看板が出ています。
2人はまたやって来ます。
ケイブル・ホーグは不在なようで家捜ししています。
カネが埋まっていそうなとこを掘ります。
穴の底にいるとこでケイブル・ホーグが来ます。
攻防となります。蛇責めが効いてる。
で、タガートを撃ち殺すケイブル・ホーグ。
砂漠を裸足では歩けないと泣きが入る小柄で小太りのボーウェン。
クルマが通り掛かります。そのまま通り過ぎる。
駅馬車の中継所はもういらないのか?とケイブル・ホーグ。
許しを乞うボーウェン。
ケイブル・ホーグは許します。タガートを埋めろと言います。
ケイブル・ホーグはヒルディを思います。回想となっています。
埋め終わったボーウェンが戻ります。
駅馬車がやって来ます。
ここを出るとケイブル・ホーグ。S.F.に行くと言います。
中継所はボーウェンに譲ると言ってます。
またクルマがやって来ます。
ショーファー付きでヒルディが乗っているクルマです。
ケイブル・ホーグとヒルディ。感動の再会となります。キスシーンが長いこと。
ニューオーリンズへ行くとヒルディ。
すぐ準備するとケイブル・ホーグ。
荷物を載せたとこでサイドブレーキが外れてクルマはずりずりと動きます。
止めようして腹をクルマに轢かれるケイブル・ホーグ。
ここではボーウェンをかばっていました。
もうダメだとケイブル・ホーグ。あまりそうは見えないのですけど。
そこにサイドカーでやって来るスローン。
この作品は昔TV放映で見てたかもしれません。サイドカーで走って来るとこに見覚えがありました。当時はウエスタンなのにバイクが出てくるなんて変な映画だなと思った。マイナスなイメージだったものです。もちろん今はマイナスではありません。
で、祈りの言葉のスローン。
シーンは変わりケイブル・ホーグ埋葬のシーンとなります。
死ぬとこはシーン転換で処理しています。直接描写はありません。
別れの言葉のスローン。
関係者が集まっています。銀行の頭取もいます。
中継所を去る人達。
歌が流れます。エンドとなります。
これはモノホンのウエスタンです。
それにしても変な作品です。ペキンパー監督は結構ロマンティックなようです。あまり若くない男女がロマンティックな話しを演じてしまうのです。よいものです。
そんなわけでアクションを期待すると空振りになりますが風変わりなウエスタンのよい作品でした。
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