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2006.01.28

『謎の要人悠々逃亡!』(1961年)

この作品はケン・アナキン監督でジェームズ・R・ジャスティス主演の収容所物です。
和田誠の本『お楽しみはこれからだ』の紹介で知ってて以前から気になっていたので見ました。収容所物はそんなに好みではないのですが。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1961年 レスリー・パーキン=ジュリアン・ウィンテル・プロダクション/インデペンデント・アーティストLtd. 英国作品
原題◆Very Important Person
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質は普通によいです。
プロット 見事に脱走をする話しのようです。
音楽 レグ・オーウェン

キャスト
ジェームズ・R・ジャスティス→無愛想なアーネスト・ピーズ氏
レスリー・フィリップス→ヒゲのジミー・クーパー
ジョン・フォレスト→Sのグラッシー・グリーン
ジェレミー・ロイド→ジミーの知人ボンゾ
スタンリー・バクスター→ジョック/所長のスタンフェル

ケン・アナキン監督の演出はよいと思います。

プロローグ。
英国のTV局にて、思い出を語るワイドショーのようです。
無愛想な主人公アーネスト・ピーズ氏が登場しています。
知人のフレッド・ウィテカー氏が登場。
知人のビッグス将軍が登場。評判が悪いアーネスト・ピーズ氏で、ここから回想となります。

第2次大戦の戦時中です。
自分の事務所のアーネスト・ピーズ氏は無愛想に仕事をこなします。重要な用件で来たと思っているビッグス将軍はこの対応に気を悪くしています。

アーネスト・ピーズ氏は極秘の任務なのかクルマで空軍基地へと向かいます。新兵器テストとのことです。
英国の戦時中の新兵器といえばレーダーがあるとヒストリーチャンネルで見たような覚えがありますが、この作品ではハッキリとはしていません。

アーネスト・ピーズ氏はファーロー海軍中尉となって双発軍用機に乗って飛び立ちます。ドイツ上空で高射砲に被弾して機体に穴が開きます。乗組員の注意を聞き流したの原因なのか開いた穴から吸い出されてしまうファーロー海軍中尉です。いわんこっちゃないとなります。

どうやらパラシュートで無事に降りたようで樹にぶら下がっているとこを現地の御婦人方に通報されて捕まります。
取り調べを受けるファーロー中尉。何を聞かれても自分の名前と階級しか言いいません。これは定番のギャグです。

ファーロー中尉は留置所に入れられます。先客がいます。ヒゲのジミー・クーパーと若いグラッシー・グリーン。置いてある古い航空雑誌にファーロー海軍中尉の正体が掲載されていて焦ります。
英国人は捕虜なのに態度がデカい。実際もそんな感じ?。
実は若いグラッシー・グリーンはS(スパイ)でした。
スパイの報告でヒゲのジミー・クーパーとファーロー海軍中尉は重要人物ではないとなって捕虜収容所送りとなります。

捕虜収容所にて。
捕虜代表の隊長から聴取を受けるファーロー海軍中尉。妙なことを言って相手を煙に巻きます。嫌みな男です。
15練7号室へと送られます。同室は5人でヒゲのジミー・クーパーもいて、まじめなジョック、プラム等がいます。

点呼にて。
捕虜収容所のスタンフェル所長に反抗的態度を取るファーロー海軍中尉。独房送りとなります。このへんはマジとは思えない展開です。普通は銃殺になるぞ。

唐突に15練7号室の検査となります。
急なことなのでファーロー海軍中尉はスパイなのではと疑う同室の連中は対抗策として口をきかないことにします。小学生か?
クロスワードパズルを解くファーロー海軍中尉。1週間のお楽しみに何をするんだとこれをきっかけにリンチへとなりかけます。ちょうどよくファーロー海軍中尉の正体が捕虜上層部にわかります。同室の連中も謝罪して脱走を助けることになります。

ところでクロスワードパズルを日本語のカタカナでやるのは無理があると思えます。1文字違うだけで意味が変わってしまう意外性がなくなってしまうと思えるからです。ファーロー海軍中尉はクロスワードパズルなんぞ私が作れるなんて言ってます。ホントに嫌みなオッサンです。

脱走の計画をします。指示をするファーロー海軍中尉。
木曜の夜に決行するとなりますが見ている方は後何日とわからなかったりします。ここは不親切な演出です。

脱走計画の一環で囮2人がトンネルで脱走します。
ファーロー海軍中尉も脱走ということで行方不明となります。実はトンネル内に隠れています。囮2人はすぐに捕まり独房行きとなります。

本『お楽しみはこれからだ』に載っていた料理に関するセリフ「料理に頭は使わない」はちゃんとあります。最初に読んだ時は和田誠の奥さんが料理をやっている平野レミとは知らなかったのでせっかくの洒落がわからなかったりしました。何でもいいから知識はあった方がいいとなります。

スイス委員が3人来るとの情報が入ります。
これを脱走計画に上手く利用しようとなります。このスイス委員というのは公的審査期間?のようなものらしい。一応所長も評価を心配しています。
同室のジョックが所長に化けることになります。嫌がるジョック。見終わってからIMDbで調べると驚いたことにこのジョックとスタンフェル所長は同一の俳優が演じていました。道理で似ているというより全くの別人に見えました。盲点を突いたキャスティングと演出のようです。上手いじゃん。

あのスパイのグラシッー・グリーンが収容所にやってきます。
緊張感が走ります。グラッシー・グリーンが7号室にやって来ます。必死でごまかす同室の連中です。ここでトンネル内に隠れているファーロー海軍中尉のとこに別口の穴掘り中の男とニアミスとなります。ファーロー海軍中尉に大声で挨拶するので危ない状況となります。

スイス委員の3人がやってきます。
脱走に必要なレインコートを堂々と盗みにくるファーロー海軍中尉。
いよいよ決行となります。白昼堂々と正面ゲートからの脱走となります。あのグラッシー・グリーンもかぎ回っています。ここはさすがにスリルとサスペンスがありました。
グラッシー・グリーンに絡まれたりしますが正面ゲートを通過するファーロー海軍中を含む3人です。

で、帰国して何事もなかったように自分の事務所に戻るアーネスト・ピーズ氏です。突然に帰ってきたので秘書達がビックリしています。

回想からプロローグのTVワイドショーに戻ります。
無愛想なアーネスト・ピーズ氏ですがさすがに脱走仲間に会えたのは嬉しいようです。これでエンドとなります。

現実であれ映画であれ、白人と白人だから出来る話しのようです。
白人とアジア人だと、白人がアジア人を扱っても、アジア人が白人を扱ってもダメでしょう。アジア人がアジア人を扱ったらやっぱりダメなのがわけわからん。要するに収容所物はダメです。
日本人が収容されていたシベリア収容所物なんて悲惨で見るに堪えないでしょう。こんな日本映画はあるのかね?私は知りません。


そんなわけで思っていたよりはよく出来ていた作品でした。悪くはなかった。

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