『恋のトリセツ 〜別れ編〜』(2004年)
この作品はダニエル・タプリッツ監督でジェイミー・フォックス等が出演のロマンティック・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
2004年 リサ・トーネル・フィルムズ/スクリーン・ジェムズ/ソニー・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆Breakin' All the Rules
DVDにて。画質は非常によいです。
プロット 男女の人間関係が入り乱れる話しのようです。
音楽 モーリス・ミラー
キャスト
ジェイミー・フォックス→作家になったクインシー
モーリス・チェスナット→編集者のエヴァン
ガブリエル・ユニオン→女医さんのニッキー
ジェニファー・エスポジート→凄腕のリタ
ピーター・マクニコル→出版社の社長フィリップ
ジル・リッチー→ナースのエミー
パトリック・クランショウ?→患者の老人
ビアンカ・ローソン→クインシーの恋人ヘレン
ダニエル・タプリッツ監督の演出はよいと思います。
会話シーンの切り返しと細かくやっています。
セリフは多量にあります。マシンガン・トークを聞いてて気持ちがいい。全体的に私の好きな1930~1940年代のロマンティック・コメディのようでいいです。
あちこちシーンが飛びます。カットバック全開となっています。
ダニエル・タプリッツ監督監督の作品は全部見ています。とはいっても4作品しかないけど。
神懸かり的ロマンティック・コメディの『コマンドメンツ』(97年)の感想があります。少し風変わりなロマンティック・コメディばかりです。
この作品も黒人俳優でロマンティック・コメディをやっています。あまり見ないような。
ダニエル・タプリッツ監督はよく新作が撮れたものです。ウィル・スミス主演の『最後の恋のはじめ方 』(2005年)の便乗企画に乗れたようです。
タイトルです。
凝ったタイトルとなっています。俯瞰の都市が映されます。最後にワイプで消える監督の名前が凝っています。
ジェイミー・フォックス扮するクインシーとモーリス・チェスナット扮するエヴァンが出勤の図。リストラの噂があるとのことです。
ピーター・マクニコル扮する若社長フィリップから呼び出されるクインシー。
同僚のブラウン(白人)も呼び出されてクビなのではと戦々恐々の図です。
フィリップ社長からリストラのための解雇マニュアル作成を依頼されるクインシー。
他の会社では首にされた男が銃を乱射した事件があったらしい。これはマジなネタでしょう。
帰宅するクインシー。
解雇マニュアル作成となります。これは一応伏線になっているようです。
クラブにて。
婚約披露パーティのクインシーです。
で、恋人ヘレンが来て別れ話となります。理由がよくて2人が合い過ぎているからダメなんだと。
このクインシーの状況を察するが素早い友人達です。状況が伝わるのが早いこと。空気を読んでいるようです。
会社です。
解雇マニュアル作成ではなく解雇告知担当も命じられるクインシー。
同僚のブラウン(白人)を解雇したとこで自分から辞めるクインシーです。
失業中のクインシーの自宅にて。
一応心配してるエヴァンがやって来ます。
ヘレンへの別れの手紙を自ら添削したとクインシー。それから始まって別れ話のマニュアルの話となります。エヴァンに詳しく説明するクインシー。
リストラと別れ話を組み合わせて別れのマニュアルになったようです。
この通りに実践するエヴァンです。
別れ話が上手くいったりします。これでこの別れのマニュアル本は出版となりベストセラーとなります。売れるモンタージュのシーンがあります。ルーティンな描写です。
ヘアサロンにて。
ガブリエル・ユニオン扮するエヴァンと交際3ヶ月のニッキーが登場。
この辺で印象を変えようとロングヘアをショートヘアにするとなります。ハル・ベリーのようになるはずとのこと。
ハル・ベリーはアカデミーを取った後は駄作ばかり出ていますけどファッション・リーダーとしては有名なようです。
会社にて。
クインシーとエヴァン。雑談となります。グルーピーからエヴァンの恋人ニッキーのこと。ニッキーは理学療法士とのことです。
ここで髪を切るのとシンクロしてエヴァンのタマに激痛がのギャグが入ります。
フィリップ社長と会うクインシー。
相談されるクインシー。付き合っている女を何とかしてくれとなります。
これがその女に筒抜けとなってたりします。ジェニファー・エスポジート扮する凄腕ののリタが登場。
ここは面白いカットバックを使っています。上手いじゃん。
ニッキー宅にて。
電話でヘアスタイルが大失敗だとニッキー。頭が大きくてとか、犬みたいとかと言ってます。
エヴァンがやって来ます。出ないニッキー。「話しがある」と言ったら別れ話と勘違いしたエヴァンは先に言われるのが嫌で逃げます。
クインシーの自宅にて。
エヴァンがいます。別れ話の打ち合わせとなります。
クラブにて。
打ち合わせはしたがニッキーの顔を知らないクインシー。エヴァンとの話しでニッキーをロングヘアだと思っています。
成り行きで偽名を使うショートカットのニッキー。
知らないので気楽にホントのことを話すクインシー。要するにエヴァンの悪口です。
クインシーの自宅にて。
待機中のエヴァン。犬に酒を飲ませたりします。
電話が入ります。ニッキーは来ないとクインシー。
レストランでデートのクインシーとニッキー。
自分で自分を噛む話しが出ます。前振りとなっています。
ここでクインシー宅に訪問者があります。
フィリップ社長との関係を続けたいリタが乗り込んできます。でもクインシーの顔は知らない。で、クインシーの名乗るエヴァンです。
ニッキーは仕事中。
風変わりな老人が患者です。ボケているのかボケている振りをしているのかニッキーにセクハラ攻撃をしかけています。
外にて。
フィリップ社長にアドバイスするクインシー。
どうすればいいのかどうなるのかを2人で実演しています。
植草甚一の映画本(どの本なのかは忘れた。)で知った脚本家ベン・ヘクトの『風と共に去りぬ』(39年)でのエピソードを思い出します。これが傑作で、無理を言って契約たのに実はベン・ヘクトが原作を読んでいないことが判明しプロデューサーのデビッド・O・セルズニックがスカーレット・オハラを、ビクター・フレミング監督がレット・バトラーを演じてベン・ヘクトに説明していたというのです。
これを実践するフィリップ社長。
凄腕のリタが相手なので全然ダメで逆に骨抜きにされます。
ニッキー宅です。
エヴァンが来ます。別れ話をしようとするがエヴァンに先手を打たれてしまいます。
ニッキーは仕事中。
白人の同僚看護師リタと話しています。
老人の患者もいます。
会社にて。
クインシーとエヴァン。別れたことを後悔するエヴァン。
ショートヘアのことを聞いて誰のことかを思い当たるクインシー。
クラブにて。ヘザー・ヘッドリー・ショーがあるようです。
ニッキーを待つクインシー。
ヘザー・ヘッドリーらしい女性シンガーの歌に合わせてカットバックとなります。
クインシーとニッキーの会話。いい感じです。
引き続きクインシーの自宅にて。
クインシーとニッキーの会話。
リタから留守電が入りニッキーは帰ります。非常に気まずくなります。
仕事中のニッキーは居留守です。
エヴァンがやって来ますがエミーが相手しています。
リタを訪ねるエヴァン。
またカットバックとなっています。
クインシーとフィリップ社長。
無表情が決め手だとアドバイスのクインシー。
無表情の見本を見せるクインシーです。これがいわゆるメソッド演技です。演技だけで全てを表現する。映画的ではありません。
郵便局で別れ話のフィリップ社長。
当然上手くいきません。
会って質問ゲームのクインシーとニッキー。
質問して真実を答えるゲームとなります。
クインシーの自宅内に移ります。
で、やる前にはエヴァンと話しをつけようとなります。
想像ゲームになってその気になるクインシーです。
ですが結局やったようです。
会社にて。
エヴァンはニッキーに指輪を用意しています。
慌てるクインシーです。
で、夜になります。
フィリップ社長宅でサプライズ・パーティとなります。
ヘレンがいます。
ニッキーが同僚エミーと来ます。
エヴァンがいてリタもいます。
クインシーはリタを知らない。
そんな感じで人物関係が入り乱れています。で、全員そろってさあ大変となります。結果としてはクインシーが1番ダメージが多かったようです。
クインシーの自宅にて。
フィリップ社長に襲われるクインシー。リタからクインシーと関係があると言われて嫉妬の鬼となっているフィリップ社長です。複雑な心境のようです。
クインシー宅にて。
戻ったヘレンに言われて犬を処分しようとするが戻るクインシーですが逆にヘレンを追い出します。
会社にて。
クインシーはエヴァンと会いに来ます。
エヴァンは結婚すると言います。相手はリタでした。
フィリップはエミーに看護されています。
人物関係が激変しているようです。
クインシーはニッキーだけとなります。
ニッキーは老人と列車でポートランドへ。
追うクインシー。この辺はロマンティック・コメディのルーティンな描写でいいのです。当然の成り行きでハッピーエンドとなります。ハッピーでないのは老人だけかも。
キャストについて。
作家になったクインシーを演じるジェイミー・フォックスはこの作品で初めて見ます。好演しています。
編集者のエヴァンを演じるモーリス・チェスナットは『暴走特急』(95年)では成り行きでスティーブン・セガールの相棒にされる列車のボーイ役で見ています。結構上手い。
ヒロインのニッキーを演じるガブリエル・ユニオンは初めてみます。好演していました。
何となくキーラ・ナイトレイに似ているジェニファー・エスポジート。
ジェニファー・エスポジートの作品は結構見ています。3本か4本は見ています。
潜入サスペンスの『犯罪潜入捜査官』(2000年)がお勧めです。
ピーター・マクニコルは『レスリー・ニールセンのドラキュラ』(95年)で伯爵に操られる男で見たような。
そんなわけで御機嫌なロマンティック・コメディのよい作品でした。
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