映画感想の加筆改訂のお知らせ

にほんブログ村

« 『愛されちゃってマフィア』(1988年) | トップページ | 『マッドマックス』(1979年) »

2005.12.03

『ミスター・グッドバーを探して』(1977年)

この作品はリチャード・ブルックス監督でダイアン・キートン主演の自分探しドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1977年 パラマウント アメリカ作品
原題◆Looking for Mr.Goodbar
プロット 無理のある二重の生活を続ける話のようです。
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質は悪いです。

キャスト
ダイアン・キートン→ヒロインのテレサ・ダン
テューズデイ・ウェルド→スチュワーデスでテレサ・ダンの妹キャサリン
ローリー・プランジ→同じく妹のテレサ・ダンのブリジット
リチャード・ギア→遊び人のトニー
トム・ベレンジャー→ゲーリー、どこに出てた?→ラストの男らしい。
ウィリアム・アサートン→善意の男で福祉関係者のジェームズ
リチャード・キリー→ヒロインの厳しい父

リチャード・ブルックス監督の演出はよいと思います。

この監督の作品というと大藪春彦のハードボイルド小説『蘇る金狼』の映画化みたいな『バンクジャック』(71年)がお気に入りです。昼はまじめな銀行の警備担当員で夜は自分の勤める銀行の貸金庫は入ってる3組の悪党達の盗られても届けることが出来ない金をかっぱらおうと情婦に手伝わせて色々と忙しいとこがいいのです。銀行の警備担当員がウォーレン・ビーティ、その情婦をゴールディ・ホーンでした。

モノクロでスティルのがタイトルバックとなっています。
フラッシュバック多用と昼の生活と夜の生活シーンのつなぎの無駄を省いて大胆にカットバックさせています。結構途中のシーンをすっ飛ばしています。そのおかげで普通の演出なら3時間位かかりそうなとこを137分になっていました。
合成も使っていました。
会話シーンでは切り返しはやらないでドキュメンタリータッチになっています。
このヒロインは起きてる時も夢を見てるような設定になっています。もしこうなったらと思うシーンが余計な処理をせずにそのままつながって出てくるので見てて面食らいます。

基本的に普通のポルノのような話になっていました。
昼は小学校の教師で夜はバーに通って男を漁るとなっていました。この作品が先かポルノが先か分かりませんが、これはまたスタンダードな話でした。。

1975年よさようならとTVで言ってました。1975年といえばMLBワールドシリーズが熱戦でした。で、またTVで77年よこんにちはとなっているから1年あまりのこと?のようです。
ブルーフィルム上映なんてありました。ホントにフィルムでした。

1970年代のヘアスタイルや服装のセンスはイマイチなのでその分は損をしています。アメリカ映画ならまだしも日本映画になるととても見ていられない凄いハンデになっています。
でもダイアン・キートンは1970年代のヘアスタイルや服装でもそんなにダサく見えないのはたいしたものです。

ヒロインは子供の頃に脊椎の曲がる病気をして手術療養をし、これがその後の行動を決めてしまったことになっています。病気は遺伝なのでもう自分の子供は産めないと避妊手術(これは幻想のシーンかもしれません)をして夜の生活を始めます。でも他のシーンでコンドームを笑い飛ばしていたからホントに避妊手術をしてたのかもしれません。

ヒロインの服装や言動。
前開きのファスナーのワンピース。
もう終わりなんて聞いてはいけません。それを言ってはお終いですか。
ノーパンでブーツ、これで迫ります。
ジーンズにブーツとブーツ姿が多い。

いつもの調子で男を引っ張り込んだら、その男が普通ではなくヒロインは危機となります。
この暗闇でのストロボライトを光らせたアクションは劇的な感じになるはずなんですが、私はTVの『8時だよ全員集合』こんな感じのがあったなとつまらないことを思い出してしまい自らこの作品をスポイルしてしまいました。こまったものです。
で、ヒロインは死に至りストロボライトで照らされたのデスマスクのようなショットでエンドとなります。

やっぱり宗教的な話となってまして、ヒロインは善意の男から逃げるために更に無茶をして死に至るようです。
でもこのヒロインは信念にしたがって行動していただけなのに何故か犯罪は引きあわない的なラストになっていたような。ここがイマイチです。何か他にいいラストがなかったものかとなります。


リチャード・ギアは鼻の形が特徴的なのですぐに分かりました。情けないヒモのような男でとてもベトナム帰りには見えません。裸で踊ったりして楽しませてくれます。
トム・ベレンジャーはどこに出てるのか分かりませんでした。→これはラストの男のようです。

ダイアン・キートンというとウッディ・アレンの元愛人との印象しかなかったし、この作品自体の印象は当時流行っていた女性自立映画のバリエーションと思っててあまり見る気がしませんでした。で、今回見て、作品とヒロインともに大分印象が変わりました。
そんなわけで話の方ははスタンダードですが演出が凝っててよかったです。これほど見る前と印象が違ったのが珍しい、なかなかの作品でした。

« 『愛されちゃってマフィア』(1988年) | トップページ | 『マッドマックス』(1979年) »

映画」カテゴリの記事

1970年代」カテゴリの記事

コメント

ばかばかしいと 思われるかもしれませんが
この映画を見て見て思ったこと・・・

「知らない人には ついていかないこと・・・」。
子供のころ親や学校の先生から 生活指導の時間にうるさいほど言ってたのをハッキリとおぼえてますが・・

大人になっても 守ることだと断言しました。

たしかに大人になれば誘拐目的はないとしても 完全に安全だというワケではない・・・
大人になれば 自分で行動できるが その反面 みたくもない人間の心の闇や危険な状況も社会人になって次第にわかるようになってゆく・・・

このキートン演じたテレサも その危険があることに気づかず あまりにも無頓着すぎたといわざるを得ないですね。

zebraさん、コメントありがとうございます。

「知らない人には ついていかないこと・・・」
寅さん風にいえばそれをいっちゃお終いだよとなりますが、ごもっともなことです。

やっぱりこの作品の場合は無理やりモラルを示すためのエンドだと思えます。だからもう少し上手い終わり方がないものかとなります。


コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ミスター・グッドバーを探して』(1977年):

« 『愛されちゃってマフィア』(1988年) | トップページ | 『マッドマックス』(1979年) »

月齢

無料ブログはココログ
フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

バイクフォト

  • ヤマハ トリッカー XG250
    私が買ったバイクです。ヤマハばかり。