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2005.11.06

『ローラ殺人事件』(1944年)

この作品はオットー・プレミンジャー監督でジーン・ティアニー、ダナ・アンドリュース、クリフトン・ウェッブ主演のフィルム・ノワールです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1944年 20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆88分
原題◆Laura
プロット◆ローラが殺されて犯人は誰でしょう?という話しのようです。これは私の苦手な謎解きではないか。
音楽◆デビッド・ラスキン
20世紀フォックス発売のDVD特別編にて。画質はよいです。部分的に悪いとこはなかった。これが肝心なとこなのです。

キャスト
ジーン・ティアニー→ヒロインのローラ・ハント
ダナ・アンドリュース→マーク・マクファーソン刑事
クリフトン・ウェッブ→コラムニストのウォルド・ライデッカー
ヴィンセント・プライス→シェルビー・カーペンター氏
ジュディス・アンダースン→有閑夫人のアン・トレッドウェル

オットー・プレミンジャー監督の演出はよいと思います。
ですが、ダリル・F・ザナックの伝記本『ザナック ハリウッド最後のタイクーン』レナード・モズレー 金丸美南子訳 によると最初はルーベン・マムーリアンが監督でしたがひどい出来でザナックにクビにされて後はオットー・プレミンジャー監督になったそうです。
会話シーンでの切り返しは全然やっていません。この辺はルーベン・マムーリアンが監督なのかせも。

回想が多く使われていました。
会話シーンでの切り返しは全然やっていません。

ナレーションで始まります。
どうやらクリフトン・ウェッブ扮するコラムニストのウォルド・ライデッカーのようです。

コラムニストのウォルド・ライデッカーのアパートにダナ・アンドリュース扮するマーク・マクファーソン刑事が来ます。ローラがショットガンが顔面を撃たれた殺人事件の捜査です。
凶器は銃身を短く挽き切った水平2連の散弾銃。これで至近距離で顔面を2発撃たれれば顔面はずたずたで誰だか判らなくなります。
風呂に入りながら執筆中のライデッカーです。珍妙な感じがしますが、これで仕事がはかどるとのこと。
何故か携帯野球ゲームをしているマクファーソン刑事。意味不明です。
次の証言を取りに行くというマクファーソン刑事について行くライデッカーです。

有閑夫人のアン・トレッドウェルの家に行くマクファーソン刑事とライデッカー。
トレッドウェル夫人には若い男がいるらしい。
ショットガンから発射された散弾をバックショットと言ってます。
ヴィンセント・プライス扮するその若い男シェルビー・カーペンター氏がやってきます。

で、今度をカーペンターも加わって3人でローラのアパートに向かいます。
ローラの肖像画が飾ってあります。
このアパートの鍵はカーペンターが持っていました。金曜になかった鍵が何故かカーペンターが見つけます。怪しい。

レストランにて。
マクファーソン刑事とライデッカーが食事中。
ライデッカーの回想となります。
食事中のライデッカーに突撃依頼するローラ。当然断るライデッカー。
気が変わりローラに会いに会社に行くライデッカー。ローラに謝罪します。
で、ローラに入れ込むライデッカー。コネを紹介します。そのおかげもあって出世するローラです。

ジーン・ティアニー扮するローラは広告会社の人でN.Y.の人気コラムニストのライデッカーに突撃依頼して気に入られそのコネ等で華麗なキャリアウーマンに出世した人です。これはまた当時では目新しいキャラだと思われます。どこかのお嬢様かと思ってたらこのような今日的キャラなのでビックリした。
ここでタバコを吸うジーン・ティアニーのショットがあります。1940年代らしいショットです。

肖像画家のジャコビーがローラの相手と知って、コラムでこき下ろすライデッカー。
ライデッカーはローラに入れ上げて、いい歳こいてストーカーと化していました。

パーティで若い男カーペンターと知りあうローラ。苛つくライデッカー。
ローラに仕事をもらうカーペンター。2人は親しくなります。

ローラにカーペンターのしょうもない過去を教えるライデッカー。
そんなこんなでトレッドウェル夫人の家に急行するローラとライデッカー。
カーペンターはトレッドウェル夫人といました。これでローラはしぱらくカーペンターとの結婚は考えるとなります。

3日ほど実家に帰るとローラから電話があったとライデッカー。これが最後のコンタクトだったとしています。
回想から戻りレストランを出るマクファーソン刑事とライデッカー。

ローラのアパートにて。
マクファーソン刑事がいます。メイドのベシーと金曜の夜の安酒の話が出ます。ローラは買わないとのことです。
呼んだカーペンターが来ますがトレッドウェル夫人とライデッカーも押しかけてきます。なんだかんだと話しますが要領を得ず。

雨の夜です。ローラのアパートにて。
マクファーソン刑事が仕事中。肖像画を見ています。
フレッド刑事に電話します。盗聴をしているらしい。
ライデッカーがやって来ます。話しに出てくる美術商のコーリーは結局話しだけで出てきません。
話し込んでライデッカーは帰ります。
また肖像画を見ているマクファーソン刑事。眠り込みます。
そんなとこに死んだはずのローラが帰宅します。
このマクファーソン刑事がローラのアパートで肖像画を眺めていると殺されたはずのヒロインのローラが帰宅するシーンがいいです。
肖像画が実体化するみたいにすればもっとよかったかも。でもそうしたらフリッツ・ラング監督の『飾り窓の女』(1944年)(ヒロインはジョーン・ベネットでこれも1944年作品)そのまんまとなります。

自分が殺されてることを知らないローラです。新聞も読まず、ラジオを故障中だったと称しています。
金曜の夜に出かけて月曜の夜に帰宅したらしいローラです。
マクファーソン刑事は帰ります。

で、すぐにアパート地下室にいるらしいフレッド刑事と打ち合わせのマクファーソン刑事。死体はモデルのダイアンとわかります。

盗聴からローラが男を会いに出かけるわかります。
会いにきたカーペンターをマクファーソン刑事が尾行にかかります。

ローラの実家にて。
ショットガンを処理しようとするカーペンターを現場で押さえるマクファーソン刑事。
カーペンターから事情を聞きます。ダイアンをローラのアパートに連れ込んだとこに来客があったのでダイアンを出したら撃たれたとカーペンター。
ローラが故障したと言っていたラジオは故障していませんでした。

朝です。ローラのアパートにて。
マクファーソン刑事が食事というか食材を持ってきます。これでロマンティックな展開になるのかと思ったら・・・
メイドのベシーが来て驚く。
カーペンターが来て前言を翻して開き直る。
ライデッカーが来て驚愕して発作を起こす。
と色々とあります。

そのライデッカーが勝手に手配してローラを祝すパーティとなります。
色々と話しが出ます。
ローラとトレッドウェル夫人の会話も興味深い。トレッドウェル夫人はカーペンターとは似た者同士でお似合いと言ってます。
で、電話中のマクファーソン刑事はでかい声で今日中に犯人を逮捕すると強気の発言をしたのもで、まわり中に丸聞こえでその場が凍りつきます。
どうするのかと思ったらローラを連行するマクファーソン刑事。
帰りがけにカーペンターを殴るマクファーソン刑事です。

ローラを取り調べとなります。
警察の取り調べでは机の上に大きなライトが2つの古典的構図でした。
ですがあっさりとローラを帰すマクファーソン刑事。

ライデッカー不在のアパートに入るマクファーソン刑事。
調べます。仕掛け時計をたたき割って物入れがあることがわかります。これと同じ時計がローラのアパートにもある。

ローラのアパートにて。
ローラ相手にマクファーソン刑事をこき下ろすライデッカー。
そのマクファーソン刑事がやって来ます。
怒り心頭のライデッカーは帰ります。
マクファーソン刑事は時計の中から銃身を短く挽き切った水平2連のショットガンを発見します。これで犯人はライデッカーとわかる。

マクファーソン刑事が帰ったとこに戻るライデッカー。
時計の中からショットガンを取り出します。
で、クライマックスとなり、ライデッカーのセリフでエンドとなります。
製作で色々ともめて結局プレミンジャー監督の撮ったシーンが採用された問題のラストはけっこうよかったです。意外な犯人?のライデッカーの「グッバイ マイ ラブ」とセリフが決まっていました。


ヒロイン、ローラの肖像画が度々登場していました。
この絵の出来具合がよすぎると肝心のヒロインの女優が見劣りする場合がありますがジーン・ティアニーは充分魅力的で肖像画に負けていませんでした。このような場合はわざと絵を下手くそにする手法もあったりしますけど。

クリフトン・ウェッブ扮するウォルド・ライデッカーはN.Y.のラジオ番組を持っている人気コラムニストで個人的なことで気に入らない奴はコラムでこき下ろすこともやったりしています。
この人のナレーションで話しは始まります。風呂に入りながらタイプを打ったりしてるようです。そういうものなのですか。これも古典的な描写。

ダナ・アンドリュース扮するマーク・マクファーソン刑事がローラ殺人事件の捜査に来ます。何故か暇つぶしに携帯の野球ゲームをしていた。低音のいい声。

ヴィンセント・プライスはスポーツマンタイプの怪しい男で実は関係ないキャラでした。高校時代はフットボールのクォータバックをしているようなタイプです。背が高い。それならバスケットボールか。
オーバーアクトで有名らしいそうですが、この作品ではそうでもなくてごく普通に喋っていました。まだキャリア序盤だからおとなしくしていたのかもしれません。

『レベッカ』(1940年)でのダンバース夫人役で有名なジュディス・アンダースンは普通のサポートでなんてことはなかった。

この作品は私の苦手な謎解きなんです。オチは実はこの人が犯人でしたの1回限りのトリックです。それはないでしょうと思ったがまあよい作品でした。



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