『サンダーボルト』(1974年)
この作品はマイケル・チミノ監督でクリント・イーストウッドとジェフ・ブリッジスの共演の風変わりアクションです。かなり以前にTV放映カット版を見たことがありますがホトンド忘れています。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1974年 マルパソ・カンパニー/ユナイト アメリカ作品
原題◆Thunderbolt and Lightfoot
DVDにて。画質は非常によい。スカイパーフェクTVでの放映とは違います。
このDVDはユナイト作品でMGM DVDということでフォックスで発売です。ややこしい。
プロット もう1回金庫破りをする話しのようです。
音楽 ディー・バートン◆歌はポール・ウィリアムスが提供しています。
Paul Williams(song "Where Do I Go from Here")
キャスト
クリント・イーストウッド→金庫破りのサンダーボルト
ジェフ・ブリッジス→プータローのライトフット
ジョージ・ケネディ→荒っぽいレッド
ジョフリー・ルイス→運転担当のグディ
ダブ・テイラー→GS店主
キャサリン・バック→ナンパの相手メロディ
ジューン・フェアチャイルド→メロディのついて来たグロリア
ビル・マッキニー→クレージーな運転手
エリカ・ヘイゲン→ウエイトレス
カレン・ラム→バイクの女性
ジャック・ドッドソン→金庫の見張りの男
マイケル・チミノ監督の演出はよいと思います。
脚本も担当しています。話しはとりとめなく進行していきます。まじめに見ているとついていけないかもしれません。
チミノ監督の特徴はイマイチわかりません。製作費のむだ遣いだけではなさそうですし。
中々の渋いキャストでイーストウッド作品の常連にサム・ペキンパー監督作品の常連も交じっています。
ジョージ・ケネディはホントのゲストといった感じです。
始まったとこで教会にクルマがやって来ます。乗っているのはジョージ・ケネディ扮するレッド。
教会の神父はクリント・イーストウッド扮するサンダーボルトが務めています。メガネに髪をなで付けて変装?しているようです。
シーンは変わって中古車屋にジェフ・ブリッジス扮するライトフットがやって来て買う振りをしてトランザムを乗り逃げします。
教会にやって来てサンダーボルトをいきなり撃つレッド。
使用するハンドガンは20連マガジンが突き出ているのでモーゼル712のようです。これはまた珍しいハンドガンです。なんでアメリカのコルト・ガバメントではないんだ?
逃げるサンダーボルト。偶然にブリッジスのクルマと遭遇して無理やり乗り込みます
ジェフ・ブリッジスはライトフットと名乗ります。
このシーンではポール・ウィリアムスの歌が流れます。
GSに寄ります。店主はサム・ペキンパー監督作品の常連ダブ・テイラーです。ここで代わりのクルマを調達する2人です。この行動は強盗ともいったりします。
コンビになろうと言うライトフットですがあっさりと別れます。別れたもののサンダーボルトは追うレッドを発見してライトフットのクルマに戻ります。
レッドは相棒を連れて古いクルマでサンダーボルトを追います。相棒はジョフリー・ルイス扮するグディ。
2人が食事するとこでウエイトレスが登場。目立ちます。
出てきたとこをレッドはいきなり消音器付きのM1カービンで撃ちまくります。まじめなのか不まじめなのかわからん演出となっていて、どうやら型破りアクションを目指しているのではと思わせます。
逃げ切った2人はスネーク川の側の郵便ポストがあるとこでクルマを止めます。誰もいないとこでポストだけはあります。ポストにはA.G.COOKと表示があります。似た感じでA.J.クックという名の女優さんがいます。これからのつながりでレイチェル・リー・クックなんて名の女優さんもいます。
ここから郵便船アイダホ・ドリームに乗り込む2人。ポストがあるから郵便船が寄るのか?ホントかよと話しは進む。
ヒッチハイクをする2人。黒い暴走用に改造したクルマが止まります。乗ったところビル・マッキニー扮するイカレた男が運転してて助手席には洗い熊がいて走り出すと排気ガスが車内に充満して暴走してひっくり返ります。止まってトランクを開けるとウサギが一杯入っています。そのウサギをショットガンで撃ちまくる(当たってはいません。)イカレた男。誰が脚本を書いたんだ?となります。
この辺でようやく一緒にいる男が有名なサンダーボルトとわかります。びっくりしたり喜んだりのライトフットです。
モンタナ州ワルソーにある学校の黒板の裏にカネを隠していたとワルソーに来ますが肝心の学校は無くなっていました。
ガックリしてクルマに戻ったとこでレッドと相棒が待ち伏せしていたとなります。殴り合い等をしながら何となく話し合いとなる4人です。
クルマに乗ったとこでライトフットの思いつきでまたモンタナの同じ金庫を襲おうとなります。
ある店で打ち合わせする3人。ライトフットが黒いクルマを売ってカネを作ってきます。イーストウッドはピアノを弾いています。これはイーストウッド本人の趣味が丸出しの楽屋落ちのギャグだと思われます。
レッドの古いクルマで移動して働きながら準備をすることになる4人。
1972年のカレンダーがある狭い家がアジトとなっています。造りからするとトレーラーハウス?
庭仕事のトラックを借りて走るライトフット。バイクの女性と絡みます。これは何だ?とホントによくわからん話しとなっています。
レッドと待ち合わせて大きい木箱の荷物を受け取りに行きます。人気のないとこに移動して3つの木箱を開ければ中には、長めの木箱2つには20mm機関砲、その台座の三脚が入っています。、小さめの木箱は多分20mmの実包でしょう。このシーンは『機動警察パトレイバー』(89年)の元ネタ?
モンタナのある狙っている金庫の見張りの男は『ゲッタウェイ』(72年)の気の毒な獣医を演じていたジャック・ドッドソンのようです。この作品でもやはり縛られることになっています。それでも気の毒度はいくらか少なくなっています。
いよいよ決行前の綿密な打ち合わせとなります。ここは念入りにやっています。犯罪映画らしくなっています。
決行となります。金庫の見張りの男の家に押し入ります。
ところどころでオフビートなシーンが入っていて、ここでは娘がセックスの最中だったりします。
女装するライトフット。この女装しているとこが結構長い。
20mm機関砲を運び込みます。金庫の前に設置してイヤーパッドにゴーグルを付けて発射となります。こういうディテールがいい。
仕事を終えて追跡をやり過ごすためにドライブインシアターに入り映画を見ます。映画を何かと思ったら何だか分からんアニメでした。
計画通りに行かず挙動不審で通報されてドライブインシアターから逃走しますが途中でレッドはクルマを奪って1人で逃げます。
2人は古いトラックをヒッチハイクしてようやくワルソーに戻ります。そこにカネを隠してあった学校があったりします。
見つけたカネで白いキャデラック・コンバーティブルを買ったサンダーボルトはライトフットを乗せて走ります。
ラストにはまたポール・ウィリアムスの歌が流れます。
この終り方だとジェフ・ブリッジスの方が得をしているようです。イーストウッドはこの脚本によくOKを出したものです。意外と太っ腹です。
ジェフ・ブリッジスのライトフットはよく喋ります。生意気な若者の筈ですが今見ると結構まともに見えたりします。
ジョージ・ケネディから『シャレード』1963年版でも見ましょうかとなります。DVDが買ってあります。私にとって『シャレード』は男優陣のオールスター映画だったりします。ケーリー・グラントとジェームズ・コバーンが一緒に映っているのが何とも雰囲気が合わず面白いのです。
ゲーリー・ビジーはカーリーなる役で出ているそうですがどこに出ていたのかわからん。
思っていたよりよい出来ではないですか。意外でした。
そんなわけでクリント・イーストウッドとジェフ・ブリッジスの共演が見物のよい作品でした。
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ゲイリー ビジーはライトフットのバイト先の仲間。トラックを貸した役。
投稿: P‐47 | 2010.12.13 15:39
P‐47さん、コメントありがとうございます。
ゲーリー・ビジーの役名についての指摘ををありとうございます。なるほど。
ゲーリー・ビジーとはいえばこの時期では『激走!5000キロ』(1976年)にも出ていたのは気がついたけど、
『サンダーボルト』ではわかりませんでした。助かります。
投稿: ロイ・フェイス | 2010.12.14 19:43