『激走!5000キロ』(1976年)
この作品は、チャック・ベイル監督のあくまでもクルマが主役のカーアクションのようです。人間はついでに出てるようなものです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1976年 ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆108分
原題◆The Gumball Rally
プロット◆N.Y.からカリフォルニア、ロングビーチまでのレースの話のようです。
音楽◆Dominic Frontiere
パーフェクTV312 CSN1ムービーチャンネルにて。
画質はまあまあ。
クルマのキャスト
青のACコブラ427→デイトナと川を走る。
赤のフェラーリ・デイトナ→トレーラーに隠れる。
黄のシボレー・カマロ→片輪走行をしてひっくり返る。
黒のポルシェ・タルガ→女性のコンビでナンパされる。
銀のメルセデス・ベンツ300SL→初老の男性のコンビ。
茶のロールスロイス→陸送車にて参加、暴走族に襲われる。
黒のダッジのパトカー→黒人のコンビです。
水色のシボレーのバン→車種は分からず。ガソリン満載で花火工場へ突入。
白のシボレー・コルベット→クラッシュして前後泣き別れの図。
黒のバイクはカワサキKH400→色々とクラッシュします。ギャグになってないが難です。
スタート出来ない赤のジャガーEタイプ→動かないのはナショナルカラーのブリテッシュグリーンでないからでしょう。
車種を調べて少し詳しく、
青のACコブラ427◆1966 AC Shelby Cobra 427
赤のフェラーリ・デイトナ◆1972 Ferrari 365 GTS/4
黄のシボレー・カマロ◆1972 Chevrolet Camaro
黒のポルシェ・タルガ◆Porsche 911 E Targa
銀のメルセデス・ベンツ◆1957 Mercedes-Benz 300 SL Roadster [W198 II]
茶のロールスロイス◆1969 Rolls-Royce Silver Shadow I
黒のダッジのパトカー◆1971 Dodge Polara
水色のシボレーのバン◆1971 Chevrolet Chevy Van
白のシボレー・コルベット◆1968 Chevrolet Corvette
黒のバイク◆Kawasaki KH 400
スタート出来ない赤のジャガー◆1974 Jaguar XK-E
ポルシェをナンパするクルマ◆1971 Ford Ranchero
パトカーを調べるパトカー◆1974 Mercury Monterey
人間のキャスト
マイケル・サラザン→ACコブラ427
ラウル・ジュリア→フェラーリ・デイトナ
ゲーリー・ビジー→シボレー・カマロ
有名どころはこの3人位で後はよく知らない人達でした。
チャック・ベイル監督の演出はまあまあだと思います。
本編が退屈なのがイマイチでした。これでクルマが走ってなければ誰も見ないでしょう。
スタートするまでが正直言って長く感じます。始まってから28分あたりでようやくスタートします。
寒いギャグが多かった。水鉄砲にクルマ内での小便の図とか。
女優さんの趣味が悪いのか、どうもイマイチでした。
間抜けな警察の人はコメディリリーフにもなってません。
全国から集まって来る設定になってますが字幕でどこどこと出てもさっぱりわかりません。アメリカ全土の体図を見せてからそこを見せないとわかりません。
ベッドシーンは洋ピン並みでした。これは誉めていません。
暴走族がクラッシュするとこはそれまでハーレーだったのが編集で日本製のトレールバイクになっています。毎度おなじみなことですが。だったら最初から日本製のバイクにしてくれと文句の1つも出ます。
フェラーリ・デイトナがトレーラー内に隠れるとこは走りながらではなくてトレーラーが止まってるとこに突っ込んでもよかったのでは。ここはフェラーリのブレーキングでも見せ所になったと思います。
近道ということでL.A.名物のコンクリート張りの浅い川をクルマが走ります。
今見ると川の中をクルマが走るなんて馬鹿げていると思います。クルマがかわいそうです。
フィニッシュ間際で日本人観光客列でじゃまされる図がありました。ギャグのつもりなのか?全く面白くありません。こまったものです。
キャストで・・・
ラウル・ジュリアが出ていたとは知りませんでした。若いこと。イタリアの伊達男を演じて水鉄砲の寒いギャグも見せてくれます。これだけでも必見かもしれません。昔から仕事を選ばない人だったんですね。
ゲーリー・ビジーも出てました。わかりませんでした。プアホワイト系のよく見る顔だからわからなかったかもしれません。
私でもマイケル・サラザンは大根だとわかります。この人はシドニー・ポラック監督でジェーン・フォンダ共演の『ひとりぼっちの青春』(1970年)がこれ1本でしょう。
そんなわけで本編にはイマイチなところは山ほどあってあまり面白くないカーアクションですがラウル・ジュリアのファンなら見ても損はないと思います。
私はクルマの種類が特定出来ただけで満足です。
他のカーアクションで、
スティーブ・マックィーン主演、1968年型マスタング・ファストバック390GT対1968年型ダッジ・チャージャーR/Tの元祖カーアクション『ブリット』(1968年)
イタリアのミラノを舞台に英国車ミニが主役の犯罪コメディ『ミニミニ大作戦』1969年版もお勧めです。普通のクルマとしてルパン三世の愛車フィアット500がたくさん出ています。
ダッジ・チャレンジャーがひたすら走る『バニシング・ポイント』(1971年)
タンクローリーに追われるよりクルマを降りた時に恥をかいてるのがヒドイ状態の『激突!』(1971年)
スタントドライバーが『バニシング・ポイント』(1971年)と同じ人が担当しているのでカーアクションが何となく似ている『ゲッタウェイ』(1972年)
『フレンチコネクション』(1971年)のカースタントのスタッフが作った実は続編の『重犯罪特捜班 ザ・セブン・アップス』(1973年)
1968年型シボレー・インパラと1969年型ダッジ・チャージャーR/Tが走る『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』(1974年)
オカルト・カーアクションの『ザ・カー』(1977年)
シボレーのトラックがカーアクションする『ザ・ドライバー』(1978年)
バイクはカワサキZ1000でクルマはOHV V8エンジンの『マッドマックス』(1979年)
マツダのサバンナRX-7とコスモAPのカーアクションがある『太陽を盗んだ男』(1979年)
赤いBMWが走りまくる『ザ・チェイス』(1994年)
無難なリメイクになっている『バニシング・ポイント』(1996年)
スピードは文句ないけどエンジン音が物足りない『RONIN』(1998年)
1950年代のキャデラックが出てる不条理ホラー『ジーパーズ・クリーパーズ』(2001年)
プリマス・バラクーダとキャデラック・エルドラドが対決する『ハイウェイマン』(2003年)
日本の新しめのクルマが走りまくる『ワイルド・スピードX2』(2003年)
会話シーンの合間にクルマが走る『デス・プルーフ』(2007年)
TVシリーズ『マッハGoGoGo』(1967年)の映画版にしては微妙な出来で、カーアクションとしても微妙な『スピード・レーサー』(2008年)
等々の感想があります。
ところで多くのカーアクションを見ていたらOHV V8エンジンはアメリカ人の魂なのではと思えてきます。
マジでそのように思えます。
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