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2005.05.11

『愛のそよ風』(1973年)

この作品はクリント・イーストウッドが監督専念の風変わりな話しということで見ました。
未公開というもの興味深い。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1973年 マルパソ・カンパニー/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆108分
原題◆Breezy
プロット◆ホントに愛する人と出会う話しのようです。
音楽◆ミシェル・ルグラン 見てる時は全く気がつかず。あまりない組み合わせで驚きました。というより音楽はあまり聞こえていなかった。
スカイパーフェクTV317スター・チャンネルにて。画質はまあまあです。

キャスト
ウィリアム・ホールデン→中年のフランク
ケイ・レンツ→若くて風変わりなブリージー
ジョーン・ホッチキス→元奥さんのポーラ
ロジャー・C・カーメル→フランクの知人ボブ
シェリー・モリソン→フランクの知人ナンシー
ジャミー・スミス-ジャクソン→ブリージーの知人マーシー
デニス・オリビエリ→ブリージーを泊めたブルーノ
ユージン・ピーターソン→弁護士のチャーリー

クリント・イーストウッド監督の演出はよいと思います。
歌はシェルビー・フリント。全く知らない人です。

最初の頃のイーストウッド監督の演出の腕前はそんなによくはないと思っていましたが、そんなことはなくて、この作品は手堅くまとめています。
それでもまだありがちなシーンが多かったりしますが。話し自体も手堅いというかありがちというか意外性はないです。
「こんな気持ちは初めてだ」のセリフがあります。フランクが言ってます。このセリフはいいセリフです。

プロローグ。
ベッドで目覚めるケイ・レンツ扮するブリージー、若い男の部屋から出ます。
最初からおっぱいが見えています。ノーブラにニット、当時最新の流行ベルボトムのジーンズ。当時の日本映画のように絶望的にダサくは見えません。
ブリージーと名乗ります。

タイトルです。知らないキャストばかりです。
私はウィリアム・ホールデンしか知りません。

ブリージーはヒッチハイクをします。中年オヤジのステーションワゴンが止まりますが乗ったところで危ない雰囲気となり逃げます。

ウィリアム・ホールデン扮する中年のフランクが登場。朝、自宅にて女性を送り出します。一晩これきりしたいらしい。
仕事に出かけるとこをギターを持ったブリージーがいたクルマに乗り込んできます。よく喋るブリージーです。
犬がケガをしているとこに遭遇してかかわることになります。成り行きでブリージーは走り去りフランクが面倒みることになります。

フランクの仕事先にて。不動産関係のようです。
夜です。フランクの自宅にて。
ブリージーが置き忘れたギターを取りに来ます。食事をして、部屋を見回り、シャワーを使います。またおっぱいが見えています。で、帰ります。

次の夜です。またフランクの自宅にて。
今度はパトカーに送られてブリージーが来ます。
リンゴを食べて朝方04:30に海を見に行きます。目を閉じてのセリフとシンクロしてクルマのヘッドライトが閉じるショットがあります。これ意図的なのか?偶然?でもいいショットです。
海岸を歩く2人に合わせて歌が流れます。ありがちなシーンです。
帰宅してフランクはブリージーをベッドに寝かせます。

フランクは知人ボブとテニスをしています。ところでテニスシーンがある映画というと『見知らぬ乗客』(1951年)となります。

フランクの帰りを待っているブリージー。帰宅したフランクは自宅に残してまた出かけます。夜遅く帰宅するとベッドで待ってるブリージー。ここからベッドシーンとなっています。

犬の見舞いというか引き取りに行く2人。
それから灯台に行きます。ここで桟橋の手すりに手をかけているる男がいます。これがクリント・イーストウッドらしい。あらかじめ知っていないとわかりません。ほんの一瞬の登場でした。
公園で犬と遊んで、ブリージーの服を買います。
ブリージーはよく喋ります。演じるケイ・レンツはセリフが多くて大変だったでしょう。

レストランにて。
ブリージーに説教するフランクですが元奥さんを居合わせて絡んできて気まずい雰囲気になります。

帰宅する2人。
黙って服を脱ぐ2人です。これに近いシチュエーションについては本『映画術』にも載っていました。要するに触れ合ってない2人がセリフに頼らずにセックスシーンに持っていくにはどうしたらいいのか?のヒッチコックとトリュフォーの議論で、これは服を脱ぐしかないが結論でした。
スティーブン・ソダーバーグ監督の『アウト・オブ・サイト』(1998年)でも同じような設定のシーンがありました。こちらの方が上手かったようです。

出かけます。海辺の丘まで。
映画を見に行きます。上映されてるがクリント・イーストウッド監督主演のウエスタン『荒野のストレンジャー』(1973年)の楽屋落ちがあります。
知人のボブとナンシーに会ってしまい映画を見ずに帰宅します。ここで2人の関係は少し悪くなります。

知人のボブと会って話しをするフランク。
若い女に関する話しを一方的にしているボブです。
そんな話しを聞いたせいか帰宅して口論となる2人。ブリージーは出て行きます。

元奥さんが事故ったと連絡があり見舞いに行くフランク。
で、フランクはまたブリージーに会いたくなり公園に行きます。そしてハッピーエンドかアンハッピーエンドのどちらともつかないラストとなります。急に気が変わったと、ご都合主義なのような感じもしますが演じる2人がいいのであまり気になりません。


ウィリアム・ホールデンは若い頃は押しの強い2枚目という印象があります。その芸風が変わったのは『ワイルドバンチ』(1969年)以降なのかも?。
一般的に実生活では孤独に無一文で死んだとされています。孤独は承知で財産を使い果たすようにして死んだという話しも聞いたことがあります。どっちがホント?

ケイ・レンツはこの作品限りなのかとIMDbで調べてみればTVが多いとはいえキャリアを途切れず続いてて2003年でもまだ活動中のようです。たいしたものです。


そんなわけで水準のラブロマンスでした。悪くない。
何故クリント・イーストウッド監督でこの話しなのかというのは謎ですが。



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