『生きてる死骸』(1941年)
この映画の感想はネタバレ全開になっています。
チャールズ・ヴィダー監督、アイダ・ルピノ、ルイス・ヘイワード主演のゴシックサスペンスのようです。
1941年 Columbia Pictures アメリカ作品
ランニング・タイム◆92分
原題◆Ladies in Retirement
プロット◆殺人から色々とある話しのようです。
音楽監督◆モリス・W・ストロフ
音楽◆エルンスト・トッチ
キャスト
アイダ・ルピノ→家政婦のエレン
ルイス・ヘイワード→元銀行員のアルバート
イソベル・エルソム→フィスク夫人
イヴリン・キース→メイドのルーシー
エルザ・ランチェスター→妹のエミリー
エディス・バレット→妹のルイーザ
クライド・クック→御者のベイツ
エマ・ダン→尼さんのテレサ
クイーニー・レオナード→尼さんのアガサ
チャールズ・ヴィダー監督の演出はよいと思います。
全体的にゴシックサスペンスになってます。何となく川島雄三監督の『雁の寺』(1962年)に似た感じになってます。
脚本はよく出来てます。セリフが書き込まれています。
アイダ・ルピノは大熱演でした。
メイドのルーシーはイヴリン・キースです。ユマ・サーマンに似ている。
コスミック出版発売のDVDにて。
画質はまあまあ。カクカクはあります。
スクイーズ収録のフル表示
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声は Dolbydigital 2/0ch
cosmic pictures
一部に画像の乱れノイズがありますと一応著作権のアラートもあります。
メニュー画面
『生きてる死骸』
Ladies in Retirement
この邦題はイマイチです。ゾンビは出てこない。
バックには音楽が流れています。
タイトル
Columbia Pictures Corporation presents
Ladies in Retirement
タイトルバックは霧の沼地です。
水面にタイトル文字が浮かんでます。凝っている。
starring
Ida Lupino Ellen Creed
and
Louis Hayward Albert Feather
川に文字が浮かぶ。
with
Evelyn Keyes Lucy
Elsa Lanchester Emily Creed
Edith Barrett Louisa Creed
Isobel Elsom Leonora Fiske
Emma Dunn Sister Theresa
Clyde Cook Bates
Queenie Leonard Sister Agatha
石碑に文字が浮かぶ。
スタッフの紹介も出方が凝っています。1部にマスクはかかる。
a Lester Cowan production
in association with Gilbert Miller
本編です。
霧の沼地にて。
一軒家があります。レオノーラ・フィスク夫人の自宅です。
エレンに手紙が届いてます。
1885年9月29日 ロンドンの下宿から
妹さんたちに退去をお願いします。
フィスク夫人。
家政婦がエレン。ロンドンに用事で出向く。
メイドのルーシー。
ベイツ。馬車の御者。専用タクシーみたいな感じ。
エレンは妹達を連れて来たいとフィスク夫人に訴える。
馬車でロンドンへお使いに行くエレン。
入れ替わりに若い男がやってきます。怪しい。
ピアノを弾いて歌ってるフィスク夫人。そういうことをやっていたのか?
窓から声をかける男。これはビックリのフィスク夫人。全くの初対面です。
エレンの甥アルバートと名乗る男。会話からエレンは家政婦とわかる。
12ポンド必要だと言い出すアルバート。
どうやらフィスク夫人は元コーラスガールをやってたらしい。それでスポンサーが死んで自宅と小金をもらった感じ。
アルバートは軽い男です。適当なことを並べてフィスク夫人から12ポンド出させる。
鍵を取りに2階に上がるフィスク夫人。
ピアノに置いてあるタバコをくすねているアルバート。調子のいい男です。
メイドのルーシーがアルバートを見てビックリ。
このへんに若い男はいないと言ってアルバートに興味津々。
いきなりキスをさせろと迫るアルバート。
フィスク夫人が2階から降りてきてルーシーは台所に行った。
オーブンの鍵を開けて扉を開けるフィスク夫人。
ここが金庫代わりになってます。中から手提げ金庫代わりの木箱を取り出す。
12ポンドをアルバードに進呈するフィスク夫人。借金ではない。
エレンの噂話をしていなくなるアルバート。エレンには内緒にしてくれと言ってます。
溶暗になります。
馬車が戻ってます。
エレンは妹2人を連れています。
ルイーザとエミリー。見た目はエレンの姉というか母親みたい。
自宅にて。
馬車が到着してます。
この2人は大丈夫なのかといった感じ。大きな子供です。大丈夫なわけがない。
それでどうなると溶暗になります。
フィスク夫人とルーシー。
あの2人はひどいと話し込んでます。会話から6週間経っているようです。
フィスク夫人は今夜出て行ってもらうと意気込む。
外にて。
エレンとルイーザ。エミリーはどこかに行ってます。
フィスク夫人のことは好きではないと言い出すルイーザ。
追い出して3人で暮らしたいと言ってます。
私達の昔の私物があるとも言ってます。マジ?。
エミリーを置いて先に帰る2人。
自宅にて。
エミリーは先に帰宅してますが色々と収集しています。
フィスク夫人はエミリーに説教する。聞いてないエミリー。
そんなとこにエレンとルイーザが帰宅します。
2人を2階にやってフィスク夫人と話すエレン。
イカれている2人をこき下ろすフィスク夫人。
さすが言い過ぎですと抗議するエレン。
そうなると互いにヒートアップして口論になってます。
明日あの2人に出てってもらうとフィスク夫人。
フィスク夫人の寝室にて。
もう寝るとこですがドアの前にエレンがいたりします。
話しがあると言い出すエレン。手紙の話しから始めてます。妹2人は施設に入るとこでした・・・
屋根裏部屋に2人を居させてくれ。裏口から出入りさせる。食費は私の給料から。と交渉するエレン。
しかしフィスク夫人は明日出てってくれと意見は変わらない。
妹達を追い出してエレンも他の仕事を探せと言い出すフィスク夫人。これは大変。
エレンと妹2人で相談です。
私が何とかするとエレン。大丈夫なのか。
シーンは変わってます。リビングにて。オーブンがあるとこです。
妹2人は荷物をまとめています。
エレンが来て2人に話しがあると言う。1日中外出してもらう。フィスク夫人は2人きりで話すため。ルーシーも歯医者に行ってもらった。
フィスク夫人は沼地に飽きたので旅に出たい。自宅も売るとか。
そういう話しにしてるエレン。
2人に聖書に誓って欲しいと言い出すエレン。
家を買う話しは口外しない。エミリーはキリスト教ではないようで揉めてます。
そんなこんなで何とか2人に誓わせたエレン。
ベイツの馬車が来てルイーザとエミリーは出かけます。
それでエレンはどうする。
フィスク夫人はシャンパンを飲んでます。2人を追い出した祝杯らしい。
ピアノを弾いてるとこ階段からロープを持ったエレンが迫る。
ピアノが乱れて鳴り真珠のネックレスが千切れて真珠の玉が落ちる。最後にネックレスが丸ごと落ちる。これでフィスク夫人は死に至ったようです。
溶暗になります。
夜、雨が降っています。
そんなとこに2人連れがやってきます。誰かと思ったら尼さん2人です。
ルイーザが出ます。フィスク夫人はいないことになっているようです。
尼さんは灯油を借りに来た。
ルーシーはまだいたりします。灯油を取りに納屋に行かされる。
納屋にて。
カッパを着てようやく灯油缶を取り出してルーシー。
そんなとこにアルバートが来てたりします。ルーシーによるとフィスク夫人は旅行中ということになってます。
ルーシーに口止めするアルバート。玄関から乗り込むようです。
灯油缶を持って戻ったルーシーは尼さんの手伝いで教会まで行った。
残ったのはエレン、それにルイーザとエミリー。
エレンが尼さんと話し込んでいることに腹を立ててるエミリー。宗教が違うらしい。
またノックの音がします。今度はアルバートです。
エレンはどなた?と聞きます。まあそうなる。
エレン叔母さん久しぶりとアルバート。ローズの息子だ。本物なのか?
調子がいいアルバートは酒がないかと大騒ぎ。エレンとは5年ぶりなのは本当みたい。
フィスク夫人は?とも言ってるアルバート。
食事になってます。
妹2人はアルバートと大騒ぎ。エレンは冷めています。それでどうなる。
エレンはロウソクが消えていることに気がつく。
ロウソクを点けて改めてアルバートを詰問するエレン。
アルバートは銀行員だったが休職になり結局辞職した。
何をやらかしたのというとまあ横領です。普通に犯罪だ。100ポンド。
そんなわけで警察から追われているアルバート。高飛びするカネをくれと言い出す。
エレンは旅の手配をしたら出てってと言う。
犯罪はやったが殺しだけはしていないアルバート。殺しなんてしたら正気でいられない。
そうなるとエレンはどうなんだ。
1人になったアルバートは速攻で金庫代わりのオーブンの南京錠を開けています。
殺しさえしなければ何をしてもいいらしい。
で、オーブンのフタを開けたらレンガで塞がれていました。驚愕するアルバート。
どうやらここにフィスク夫人の死体が詰め込まれいるようです。
移動中の馬車にて。
エレンとルイーザが教会からの帰りです。それに御者のベイツ。
宗教の違いでエミリーはいないわけです。
自宅にて。
アルバートはまたオーブンを開けています。レンガを崩そうとする。
ここをルーシーに見つかってしまう。レンガをルーシーに見せるとこれはビックリとなってるルーシー。
ルーシーに手提げ金庫の話しをするアルバート。
寝室にて。
そんな感じで無理やりルーシーにキスをして共犯にさせようとする。
ルーシーに突き飛ばされたアルバートはタンスに激突して上からカツラが落ちる。
フィスク夫人はカツラを常用としていたとルーシー。何故カツラが残ってる?となります。それにタンスに服が大量に残ってます。長期旅行なのに・・・
エミリーは何でも集める変な癖があります。
アルバートはエミリーにコンタクトして色々と聞き出す。
そのエミリーはフィスク夫人宛の手紙を持ってきてます。
フィスク夫人は戻らないと言い出すエミリー。エレンがこの家を買ったとも言う。
アルバートにあなたは身内だから話すとエミリー。大間違いです。
この話しをネタがどうするかといった感じのアルバート。
そんなとこに尼さん2人が来ます。
エミリーは逃げた。しょうがないのでアルバートが相手をする。
灯油缶を返しに来たと尼さん。土地の賃料も持ってきた。アルバートに渡す。
適当に話しを合わせてます。尼さん2人は帰ります。
それでアルバートはどうする。
手紙の封を開けるアルバート。
封の部分を濡らして元に戻せるようにしてます。元銀行員なので慣れています。
そんなとこにルーシーが来ます。
手紙の内容です。
同封されていた500ポンドの小切手の転送願いですがお客様の署名は登録のものと異なります。もう1回普段通りの署名をしてください。
エレン・クリードが受取人になっていると指摘するルーシー。
しかしルーシーは家政婦で家の事を任されているエレンなので疑ってはいない。
アルバート手紙の封をする糊をルーシーにやらせています。嫌がるルーシーですが無理やりやらされる。これで共犯が決定的になった。
そんなとこにエレンとルイーザが帰宅します。
とぼけているアルバート。いきなりフィスク夫人はいつ死んだ?と揺さぶりをかける。
これは当てずっぽうですが当たっている。ロウソクから推測したようです。
手紙の話しをするアルバート。
エレンは手紙を読んでガッカリ。速攻で返事を書いてます。
ミカドの口笛を吹くアルバートにそれは嫌いなのでやめてくれと言うエレン。
エレンは速攻で手紙を投函しに出かけます。当然怪しむアルバート。
また小細工を始めるアルバート。
吸い取り紙に写った逆文字を鏡を映して解読しようとする。
何故かルーシーも一緒に解読してます。ノリノリです。
夫人が手首を捻挫して云々・・・
フィスク夫人の名前をエレンを署名してたわけです。
あなたみたいな泥棒ねと評するルーシー。
アルバートはフィスク夫人が帰らなかったら署名偽造してもバレないと言う。
ルーシーに僕らの分をあるのではと言い出すアルバート。
ここはルーシーにキスをして改めて共犯にしてます。
帰宅するエレン。
吸い取り紙と鏡がテーブルに置きっ放しになってます。
これは大変となるエレン。吸い取り紙を引き裂きますがもう遅い。
煙突から煙のシーンが入る。ここはミニチュアです。
エレンの留守にアルバートはまたオーブンのレンガを崩そうとしてます。
見張りをルーシーにやらせています。
そんなとこに馬車が来てエレンが帰宅します。
アルバートに船を予約したので明日出てって言い出すエレン。
それでアルバートはどうする。
ルーシーに明日を家を追い出される。今夜やると意気込むアルバート。何をする?
寝室にて。
妹2人におやすみの挨拶のエレン。変な音が聞こえたと訴える妹2人。
家を買ったことは黙っていてと再確認するエレン。誓ってと言われるがエミリーは誓う神が違うので黙っています。
エレンは紅茶を飲みにリビングに来てルーシーに寝なさいと言う。
そんなわけでエレンとアルバートだけになる。
カナダ行きの船だとエレン。少しは援助するとも言ってます。
不満タラタラのアルバート。カナダで飢え死にかとなる。
尼さんが警察に通報するかもとアルバートに揺さぶりをかけるエレン。
アルバートは通報は無理だと開き直る。
今日フィスク夫人と街で会ったと言い出すエレン。すぐ戻る。新事実です。
オーブンをパイプで叩いて揺さぶりをかけるアルバート。反応を見てます。
またフィスク夫人の死ぬ夢を見たと言い出すアルバート。反応を見てます。
夜中にて。
ピアノの音を聞いて目を覚ますエレン。これはビックリ。
そんなわけで見にいくエレン。
リビングに来たエレンはピアノにフィスク夫人が座っている後ろ姿を見る。
これはアルバートがカツラをかぶっているだけかと思ったら違います。
立ち上がるフィスク夫人が振り返ります。これを見て気絶するエレン。
逆にビックリしてアルバートと呼んでるのはルーシーでした。立派な共犯です。
アルバートが来ます。それでどうする。溶暗になります。
翌日にて。馬車が来ます。
アルバートはエレンは寝込んでいると言って馬車を帰してます。
まだ何かやらかすつもりのアルバート。それでどうなる。
ルイーザとエミリーが来ますがアルバートは適当にあしらう。
エミリーはピアノが聞こえたと主張してる。2人はフィスク夫人がもうここにいるのでは?と言ってます。
そんなとこにエレンが来ました。2人を散歩に行かせる。
アルバートがエレンに大丈夫かと声をかける。
ベイツには帰ってもらったとアルバート。ここに居座る気満々です。
君は夢遊病になったとか言ってまた揺さぶりをかけるアルバート。
テーブルにカツラが置いてあります。
これで昨夜の仕掛けを理解するエレン。知っていたの?と聞く。
俺とルーシーでやったと開き直るアルバート。ここで暮らしたいと主張する。
最初に殺したら次は簡単なのよと言い出すエレン。
そうしたら500ポンドでいいと譲歩するアルバート。
そんなとこにノックの音がします。尼さん2人が来ます。
アルバートを台所に避難させてエレンが相手します。
話しがあると言い出す尼さん。
警察が来た。銀行のカネを盗んだ男性を探している。特徴が甥御さんに似ている。
警察はデコイファームに捜しに行った。
改心してくれるか?と尼さんらしいことを言ってます。尼さんの弟も犯罪に走ったとか。
そんなこんなで尼さん2人は帰ります。
妹さんたちに来るようにとも言ってます。これは伏線だ。
そんなとこにルーシーが来て悲鳴をあげて外に逃げていく。
ルーシーが逃げたとアルバートに伝えるエレン。全部聞かれていた。
おじけづいたアルバートは速攻で逃げると言い出す。エレンにも逃げろと言う。
エレンは行かないと主張する。
カナダ行きのチケットと有り金を持ったアルバートは逃げて行った。
エレンはどうする。そんなとこに散歩から妹2人が帰宅する。
アルバートが追いかけっこして捕まっていたわと伝える。とても悔しがっていた。
エレンはデコイファームに出かけると言い出す。会いたい人たちがいる。
妹2人にお別れをするエレン。
いつ戻ると聞かれてわからないと答えるエレン。
妹2人が明日修道院に行くと聞いて安心して出かけるエレン。
エンドとなります。
cast of characters
cosmic picturesの表示があります。Columbia Picturesの女神のクレジットが出せないからです。
そんなわけでアイダ・ルピノが大熱演のゴシックサスペンスのよい作品でした。
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