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2020.07.05

『ビリディアナ』(1961年)

この風変わりな宗教映画の感想はネタバレ全開になっています。
ルイス・ブニュエル監督、シルヴィア・ピナル主演の風変わりな宗教ドラマのようです。


1961年 Films 59/Gustavo Alatriste P. C./UNINCI S. A. スペイン作品
ランニング・タイム◆91分
原題◆Viridiana
プロット◆宗教とビジネスを対比させる話しのようです。
音楽◆Gustavo Pittaluga

キャスト
シルヴィア・ピナル→修道院のビリディアナ。
フェルナンド・レイ→ビリディアナの叔父

フランシスコ・ラバル→叔父の息子ホルヘ
ビクトリア・ジニー→ホルヘのガールフレンド ルシア

マルガリータ・ロサーノ→メイドのラモナ
テレサ・ラバル→ラモナの娘リタ

ホアキン・ロア→ヒゲのじいさん ゼキエル
ホセ・カルボ→盲目のオッサン アマリオ
不明→ハンセン病のオッサン。
不明→ナイフの男
ローラ・・ガオス→子持ちのエネリナ

最後の晩餐の面々。13人いたらしい。わかるだけで・・・
José Calvo Don Amalio (as Jose Calvo)
Juan García Tiendra José 'El Leproso' (uncredited)
Palmira Guerra Beggar (uncredited)
Luis Heredia Manuel 'El Poca'
María Isbert Beggar (as Maruja Isbert)
José Manuel Martín El Cojo (as Jose Manuel Martin)
Joaquin Mayol Beggar (uncredited)
Joaquín RoaSeñor Zequiel (as Joaquin Roa)
Milagros Tomás Beggar (uncredited)

ルイス・ブニュエル監督の演出はよいと思います。
全体的に変態が入った普通のドラマになってます。
何というか登場人物達をいい悪いという分け方は出来ないようになってます。

変態のルイス・ブニュエル監督は『哀しみのトリスターナ』 Tristana (1970) でカトリーヌ・ドヌーブを義足の設定にして同じ変態のアルフレッド・ヒッチコック監督がその手があったのかと羨ましがったそうです。そんな感じで変態は変態を知るとよくわかります。

スカパー! BS252 シネフィルWOWOWにて。
画質はよいです。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声は AAC 2/0ch

番組一覧
製作国はスペイン。

video Mercury films
タイトル
una produccions espanola de UNINCI S. A.

en coproduccion
con
Gustavo Alatriste P. C.
de mexico

Viridiana

producida por
UNINCI S. A.
y films 59
con

Silvia Pinal Viridiana
Francisco Rabal Jorge
Fernando Rey Don Jaime
y

José Calvo Don Amalio (as Jose Calvo)
Margarita Lozano Ramona
José Manuel Martín El Cojo (as Jose Manuel Martin)
Victoria Zinny Lucia
Luis Heredia Manuel 'El Poca'
Joaquín Roa Señor Zequiel (as Joaquin Roa)
Lola Gaos Enedina
María Isbert Beggar (as Maruja Isbert)
Teresa Rabal Rita (as Teresita Rabal)
スタッフの紹介
タイトルバックは教会に音楽です。ハレルヤ

本編です。
修道院にて。画質はいい。
シスター・ビリディアナとマザー。
叔父さんは欠席です云々と会話になる。ビリディアナの唯一の親族。
会いたくないけどマザーの勧めで会うことになるビリディアナ。
何しろ金銭的に世話になってるので挨拶に行きなさいとなります。

叔父の屋敷にて。
女の子が縄跳びをしてます。名前はリタ。
もう馬車でビリディアナが到着してます。
メイドのラモナ。娘がリタ。

叔父さんに挨拶のビリディアナ。
2、3日しか滞在しないと言ってます。

シーンは変わってオルガンを引いてる叔父さん。

ビリディアナはもう寝る支度です。
ストッキングを脱ぐシーンをちゃんと入れてくれます。さすが変態の監督は違う
ラモナはドアのカギ穴からビリディアナの行動をチェックしてます。

そんなわけで事細かくビリディアナの行動を叔父さんに報告してます。
ビリディアナは床に寝てます。お祈りをして十字架にイバラの冠もある等・・・

翌日にて。
牛の乳をもらいに行ってるビリディアナ。
乳搾りをやらせてもらうが出来ない。
リタから下着が見えたと言われてる。実ははリタは木に登って寝室を覗いてる。

叔父さんに挨拶になるビリディアナ。
会話から叔父さんには息子がいる。ずっと音信不通らしい。

屋敷内にて。
叔父さんはハイヒールを履こうしてます。それからコルセットにも興味津々。
そんな感じで立派なオタクの変態といった感じ。

そんなところにビリディアナが来てビックリの叔父さん。
何故か通り過ぎただけです。パジャマに裸足だし。何なんだ?
ビリディアナは編みかけの編み物と毛糸を暖炉に放り込む。
バスケットに暖炉の灰を詰め込む。

ビリディアナはベッドに暖炉の灰をぶちまける。
そんな感じで怪しい行動をとっています。

翌日にて。
もうビリディアナの最後の滞在日です。
メイドのラモナと相談してる叔父さん。ビリディアナを引き止める相談です。
ビリディアナを説得してくれと頼む叔父さん。
困惑するラモナ。それなら何て言って説得するか考えてと言われてる叔父さん。
叔父さんは薬を用意させる。

叔父さんとビリディアナ。
夢遊病の話題になります。昨夜のビリディアナは夢遊病だったようです。
ベッドに灰を撒いた話しになってます。

いよいよビリディアナにお願いをする叔父さん。
シーンは変わると花嫁衣装を着てるビリディアナになります。それがお願いなのか。
ラモナがビリディアナに旦那様は結婚してくれと願ってると伝える。
一生ここにいてほしいと叔父さん。困惑するビリディアナ。

一転してビリディアナに謝罪する叔父さん。
メイドはビリディアナにコーヒーを勧める。飲んだビリディアナは眠り込む。

外にて。
リタが使用人のオッサンのところに来てます。
黒い牛を見たと主張するリタ。

屋敷にて。
眠り込むビリディアナを抱っこして運ぶ叔父さん。
しかしここを外からリタが目撃してます。

ベッドに寝かせたビリディアナと叔父さん。
それはいいけど外のリタは木に登ってここを覗いてます。
ビリディアナにキスをする叔父さん。それから花嫁衣装を脱がしつつおっぱいに顔を埋めてます。立派な変態といった感じ。
唐突に変態をやめる叔父さん。弱気になったのか道徳に目覚めたのかは理由は不明。
そんなわけでやったのはおっぱいに顔を埋めたとこまです。

ラモナとリタ。
叔父さんがビリディアナにキスをしていたと主張するリタ。
ラモナはそんなとことを言ってはいけませんといった感じ。

次の日にて。
寝込んでるビリディアナ。ラモナが水を飲ませる。
叔父さんが来て何とか説得しようとする。しかし無理みたい。
そんなわけで昨夜ビリディアナは私のものだったと口走ってしまう。
君はもう戻れないとまで言う。ここにいるだけでいいとまで言ってます。
それでも叔父さんを拒絶するビリディアナ。

荷造りしてるビリディアナ。
ラモナにもう無理だと弱音を吐いてる叔父さん。
ビリディアナには昨夜は何もなかったと伝えてくれと頼んでます。

ビリディアナを止める叔父さん。何もなかったと自分で言ってる。
許さないと言って部屋から出ていくビリディアナ。

ラモナはベッドをシーツをチェックしてます。何もない。
処女でセックスまでやったら血がついてるのか?

外にて。
使用人のオッサンの名前はモンチョです。リタと話し込む。
迎えの馬車に乗り込むビリディアナ。
アッサリと馬車は行ってしまった。何の余韻もない。

屋敷内にて
遺書を書いてる叔父さん。

町にて。
長距離バスを待ってるビリディアナ。
そんなところに役人と部下が来てビリディアナに悪い知らせをもってくる。
屋敷に戻ってくださいとなります。クルマで移動となります。

屋敷にて。
庭の木で首吊り自殺をしてた叔父さん。
リタの縄跳びししてた縄で首を吊っていた。
溶暗になります。

時間が経過しています。
庭では相変わらずリタは縄跳びをしてます。
使用人のオッサンが来てここで縄跳びをするなと怒ってます。
それでも縄跳びしてるリタ。子供はわけもなく意固地なのです。

ビリディアナはここにいることなったようです。
床掃除からやってるビリディアナ。相変わらずの生活です。
ラモナが来て上手く行きますよと励ましるのか?
それはともかくビリディアナの上司マザーが来てると知らせる。

ビリディアナと上司マザー。
私に懺悔しなさいと最初からかますマザー。
修道院には戻りません、懺悔の必要もありませんと主張するビリディアナ。
ビリディアナを傲慢と非難するマザー。
そんな感じでこの会談は不調に終わり仲たがいしたままお別れになってます。

町にて。
ホームレスのオッサンが他の面々に住む場所とおカネをくれる話しをしてます。
そんな感じでビリディアナはホームレスを集めて屋敷に連れて行くようです。

屋敷にて。
若いカップルがいます。叔父さんの息子と夫人といった感じ。
ビリディアナがホームレス達を連れて来るのを見てます。

ビリディアナと息子。
ホルヘと名乗ります。叔父さんの話しに出ていた息子です。
連れの女性ルシアは夫人ではなく同居してるだけとか。

ホームレス達です。
ここに住むのが嫌なホームレスもいます。
ビリディアナからおカネをもらって去っていきます。

ホルヘはビリディアナを信仰で腐ってると評する。だいたい当ってる。
ルシアはホルヘがビリディアナに関心があるのが心配みたい。

食事にて。
ラモナが料理の入った鍋を豪快に床に落としてます。
ルイス・ブニュエル監督は何故か料理を落とすシーンが好みのようです。さすが変態監督は違います。

ホームレス達の食事です。
ビリディアナはまた2人を連れて来てます。きりがないような感じ。
明日から働くのよと言い出すビリディアナ。そうなるとどうなる。
とりあえずで1人ずつ出来ることを言い出してます。
ハンセン病のオッサンがいて騒ぎになります。医者に連れて行くとビリディアナ。
他には逢引を打ち合わせするカップルもいます。盲目のオッサンです。
いつの間にか縄跳びの縄をベルト代わりにしてるのもいる。普通の窃盗だ。

ビリディアナの自室にて。
ホルヘが来てビリディアナと話し込む。
屋敷に電気を通したいとホルヘ。承知してるビリディアナ。
ホルヘが出ていく時に次はノックしてと言ってるビリディアナ。

外にて。
絵を描いてるホームレスのオッサン。
買物のホームレスにおカネを与えてるビリディアナ。
盲目のオッサンはタバコが吸いたいとうるさいので許可するビリディアナ。タバコの管理はすると言ってる。

ホルヘは業者を入れて頭領に色々と指示してます。
で、馬車の車軸に犬をつないで走らせてるのが気になるホルヘ。
そんなわけでこの犬を買い取ってます。馬車のオッサンは変わった人だといった感じ。
それはいいけど他の馬車も同じように車軸に犬をつないでいたりします。
そうなるとホルヘもきりがないことをやったみたい。

ホルヘですが畑を復活させようとしてます。
そんなとこにビリディアナが来て話し込む。
自分の仕事の話しからビリディアナのやってることを評するホルヘ。
ホームレス数人だけ助けてもしょうがないだろうと正論を言う。
ビリディアナは自分がやりたいと主張してるような感じ。

ハンセン病のオッサンが戻っています。包帯を巻いてるビリディアナ。

屋敷にて。
ホルヘとルシアが家捜しをしています。
この懐中時計はいいとか。十字架に折畳みナイフが仕込んでるのが気に入ったみたい。
ルシアはビリディアナが好きなんでしょうとホルヘに突っ込みをいれる。
明日は出ていくと主張するルシア。勝手にしろとホルヘ。

次の日にて。
頭領ラモンに指示してるホルヘ。
ビリディアナはホームレス達に夕べの祈りですとやらせてる。
このへん工事とお祈りがカットバックなってます。もちろん比較してるわけです。
カットバックが延々と続く。

ホルヘとビリディアナ。
今夜は公証人のとこへ行く話しになってます。
会話からルシアをもう出ていったとわかります。

ホームレスのおっさん2人がここから出ていくとビリディアナに伝える。
人が集まると人間関係で折り合いが悪くなってこうなるわけです。
元々ホームレスは人間関係に疲れたり苦手なタイプが多いと思えるし。
お別れのあいさつになってます。

ホルヘとラモナ。
ラモナに開かずの倉庫を案内させてるホルヘ。
父親といた7年間の話しをするホルヘと思ったら省略された。
それよりラモナを口説くホルヘ。ラモナもまんざらでもないといった感じ。
キスになってカメラは関係ない方を映してます。そうなるとああなるわけです。

クルマが来てます。
公証人に用事で町に行くラモナとビリディアナ。
歯痛のリタを連れてラモナも便乗してます。
それはいいけど屋敷には使用人しか残っていないわけです。

ホームレス達はうるさいビリディアナが消えて寛いでます。
そうなると何かやらかすみたい。子羊を焼くとかいってるのがいる。
一応真面目なおじいさんゼキエルは真面目にやれと怒ってるが効果はない。

ハンセン病のオッサンが鳩を捕まえてます。

屋敷内に入り込むホームレス達。
食器棚を漁ってます。高価な食器だと何かやらかす感じ。
高価なテーブルクロスも持ち出します。食堂のテーブルにかける。
マジで食事をやるようです。もう戻れない。
赤ん坊がうるさいともめてます。

食事会というか宴会の描写が延々と続く。
ワインも飲み放題になってます。後先考えないからホームレスなのか?
そんな感じで最後の晩餐になりつつあります。

全員片方に集まって撮りましょうと言い出す女がいます。
そんなわけで全員集まると最後の晩餐の絵そのままになってます。いいのか?
女は何をするかとおもったらスカートをめくっただけです。シャッター代わり?

ハレルヤのレコードをかけて盛り上げてます。
ハンセン病のオッサンは花嫁のベールとコルセットを付けて踊る。
それから鳩の羽を撒いてます。捕まえた鳩は食ったようです。
そんな感じでダンス大会になってます。

子持ちのエネリナ。
盲目のアマリオ。
他には何かと手製ナイフを出す危ないオッサンもいます。

セックスするカップルも出てきます。子持ちとハンセン病のオッサンみたい。
盲目のアマリオが手を引いてくれないといきなり怒り出して杖でテーブルの料理等を叩いてめちゃくちゃにする。

このへんでこれはまずいと逃げだす女2人がいます。
外に出たとこでクルマが来ます。用事が済んで帰宅です。これは大変。
それで女2人は逃げた。

ホルヘが見に行く。
ホームレス達はさすがに居心地が悪そうに挨拶して去っていきます。
テーブルの惨状見て音楽を止めるホルヘ。
いきなりナイフを出す男がいる。イスで応戦のホルヘ。
そんなとこをいきなり後から殴打されて昏倒するホルヘ。やったのはハンセン病のオッサンです。

遅れた来たビリディアナはナイフ男に捕まる。
やる気満々のナイフ男は強姦にかかる。ハンセン病のオッサンもやる気満々。

これは大変と気がついたラモナはリタを連れてクルマで助けを呼びに行く。

拘束されたホルヘはハンセン病のオッサンにカネの在りかを教えてナイフ男を片づけろと煽ってます。
その気になったハンセン病のオッサンはナイフ男を暖炉のスコップで殴打する。
そんなわけでナイフ男は片づいた。

クルマが戻ってきます。役人と部下3人が突入します。
溶暗になります。

エピローグ。
屋敷にて。
庭に何故か牛がいます。リタが相変わらず縄跳びをする。
屋敷改装工事の指示をするホルヘ。
それからビリディアナに落ち着いたか?と聞くホルヘ。

ビリディアナの自室にて。
割れた鏡で自分の顔を見てるビリディアナ。
今回の件で自分の信じていたことが全て否定されてしまったわけです。
それから部屋から出てます。

庭にて。
リタはいつの間にかイバラの冠をゲットしてます。
冠をたき火に投げ込みます。燃え上がる冠。

屋敷内にて。
ホルヘとラモナ。いい感じになってるようです。

イバラの冠が燃えるシーンが入ります。

ホルヘとラモナのとこにビリディアナがやって来ます。
ラモナにここにいるように言うホルヘ。
カードでもやろうと言い出すホルヘ。
いつが3人一緒にカードがやりたかったと言ってます。

カメラが引いています。
エンドとなります。FIN=the end

このあとはホルヘの正夫人にビリディアナ。ラモナはメイド兼第2夫人になるようです。
これはこれで全ては丸く収まったといった感じ。


そんなわけで風変わりな宗教ドラマのよい作品でした。


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