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2020.01.05

『メリー』(1931年)

この謎解き映画の感想はネタバレ全開になっています。
アルフレッド・ヒッチコック監督、アルフレード・アベル、オルガ・チェーホフ主演の殺人事件謎解きドラマのようです。


1931年 British International Pictures/Süd-Film ドイツ=英国作品
ランニング・タイム◆79分
原題◆Mary
プロット◆殺人事件の調査をする話しのようです。
音楽◆不明

キャスト
アルフレード・アベル→有名俳優のサー・ジョン
オルガ・チェーホフ→女優のメリー

ポール・グレーツ→座長のブラウン
ロッテ・スタイン→ブラウン夫人
エッケハルト・アレント→女装もする俳優ハンデル・ファーン
ジャック・マイロン=ミンツ→エレンといい仲だったジョン・スチュアート

マイルズ・マンダー→劇場支配人のムーア
不明→殺されたエレン・ムーア
ヘルミーネ・シュテルラー→下宿先のミラー夫人

ルイ・ラルフ→サー・ジョンのマネージャー ベネット
不明→サー・ジョンの執事 ハーベイ

フリッツ・アルベルティ→Verteidiger
ヘルタ・フォン・ワルター
エルミ・シュンツェル
ユーリウス・ブラント
ルドルフ・マインハルト=ユンガー
フリック・グロスマン
ルッチー・オイラー
ハリー・ハルト→Inspektor
ハンンリヒ・ゴート
オイゲン・ベルク→Detektiv

アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はよいと思います。
全体的に謎解きドラマになってます。
この作品はドイツの俳優で撮ったドイツ語版です。
英語で撮った『殺人!』(1930年)とはどんな感じに違ってるの?、ドイツ語は通訳が必要だったしあまり凝った撮り方は出来なかったような感じ

サー・ジョンを演じるアルフレード・アベルはさえない感じ。誰に似てる?
主演の女優さんオルガ・テシュコワはドイツのトップ女優といった感じ。ダイアン・クルーガーに似てます。

株式会社ジュネス企画発売のDVDにて。
画質はまあまあ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声は Dolbydigital 2/0ch

ジュネス企画
『メリー』
日本語字幕: 松岡葉子
メニュー画面

黒味で『運命』が流れる。

Mary
Regie: Alfred Hitchcock

夜、教会と町の全景から入ります。ここはミニチュアです。
悲鳴から鳥が飛んで猫が歩く。
何事なのかとアパートの人達が窓を開ける。

中年夫婦が登場。色々と説明してます。
ミラーさんの下宿屋。メリーが住んでる。騒いでるのはムーア。
この中年夫婦は劇団座長のブラウンと夫人です。

現場では警察が来て大騒ぎになってます。
カメラが動いて状況を描写してます。ぼう然としてるメリー。火かき棒。死体のエレン。
ブラウンが来てメリーもエレンをうちの劇団員だと説明する。
座長のブラウン。ムーアは支配人。

台所でミラーさんと中年の夫人が紅茶をいれながら話し込む。
メリーとエレンは仲が悪かった。仲直りしようと会ったとこだった。
ところが殺人になった。
せっかく紅茶をいれたけどメリーはもう連行されていました。

このへんは長回しを多用してます。

劇場にて。
カメラが動いてその先にチケット売り場にはお知らせが貼ってあります。
メリー・バーリングとエレン・ムーアは急病につき代役が出演。
ここもカメラの動きで状況を描写してるわけです。

留置所に入ってるメリー。

劇場にて。
このへんは劇中の舞台裏で出番を待ってる俳優から事情聴取になってます。
そんなわけで人が入れ替わる。
共演のファーンは昨日は一緒に劇場を出たメリーとエレンを見ている。
劇団きっての色男がハンデル・ファーン。女装もする俳優です。
エレンとスチュアートがいい仲だった。
ファーンは火かき棒と血まみれの話しをすると気分が悪くなってる。

法廷にて。
メリー・バーリングは殺人容疑で起訴されました。
陪審員達がいて評決を出すようです。
メリーの証言です。弁護人は女性です。
裁判官は被告人は女優なのでそこを考慮して評決してくれと要望してます。

別室にて。陪審員達が協議します。
陪審員長が司会になって協議が進みます。
男を巡って口論になった。メリーは男の名前は言わない。
弁護人は心神喪失で情状酌量を主張してる。
そんなこんなで評決は有罪6、無罪4になってます。

無罪4人を説得します。
責任は重大だと言ってるオッサン。無罪から有罪にする。
女性陪審員は心神喪失で無罪ですが他の女性陪審員から言われて無罪から有罪にする。
ダニエルさんはオッサンです。無罪から有罪にする。

最後はサー・ジョンでこの作品の主役です。
英語版の『殺人!』(1930年)のハーバート・マーシャルとは違うタイプの俳優になってます。
メリーはブランデーを飲んでいなかった。
そんなこんなで他の陪審員から有罪でしょうと詰め寄られています。ここはクローズアップを細かく入れる手法になってます。
あの部屋に誰かが入らなかったか?と主張するが結局有罪にしてしまうサー・ジョン。
これで全員有罪の評決となります。

判決の言い渡しは法廷を映すのではなく評決を決めた部屋を掃除してるシーンに音声を被せて描写してます。
判決は有罪で死刑となるメリー。

サー・ジョンの自宅にて。
ヒゲそりしながらラジオを聞いてるサー・ジョン。
劇場支配人の妻がエレン・ムーア。

ベネットはサー・ジョンのマネージャーのようです。別に付人もいます。
裁判はいい宣伝になったと言ってるベネット。

ラジオは『トリスタンとイゾルデ』を流してます。
ヒゲそりして聞きながら考え込んでるサー・ジョン。有罪にしたことを悔やんでます。
ここで誰かがブランデーを飲んだと気がつきます。今頃では遅いんですが。
メリーはブランデーは飲んでいないと証言した。しかし殺人は否定しなかった。どうしてそうなる?となります。
彼女以外の誰かがブランデーを飲んだ。飲んだのは誰なんだ?
それでサー・ジョンはどうする。

マネージャーのベネットに今夜は舞台に立たないと伝えるサー・ジョン。
メリーを雇っていた座長とコンタクトしたい。

座長ブラウンの自宅アパートにて。
自分で電話に出てブラウン氏は不在ですと居留守を使うブラウン。面白い。
しかしサー・ジョンの名前を聞いて態度を変えブラウン氏が戻られたようですと自分で自分に取り次いでます。面白い。
すぐに伺いますと返事のブラウン。仕事の話しだと喜んで夫人と出かけます。

サー・ジョンの自宅にて。
呼ばれて来たブラウン。裁判の話しをするサー・ジョン。
何だかブラウンの反応が悪いので仕事の話しにしてるサー・ジョン。そうなると食いつきがよくなってます。
そんなわけで仕事なら妻も雇って欲しいと主張するブラウン。

また裁判の話しを始めるサー・ジョン。仕事が決まったのでよく聞いてるブラウン。
メリーは無罪だと主張するサー・ジョン。ブラウンはとりあえず聞いてる。
プランデーを飲んだのは別の誰かなんだと力説するサー・ジョン。

会話でブラウン夫人が待ってるのを聞いて呼びに行かせるサー・ジョン。
ブラウン夫人が来たとこで食事にしようとなる。
ハーベイがサー・ジョンの付人か執事の名前のようです。

メリーの釈放を願って乾杯と音頭を取るサー・ジョン。
そうなの?といった感じのブラウン夫人ですがブラウンが目配せしてる。
そんなわけで話しを合わせてるブラウン夫人。

食事しながらこれからどうすると打ち合わせになります。
現場を見たいとサー・ジョン。案内するブラウン。そんな感じになります。
メリーの下宿先のミラー夫人。
ブラウン夫人は事件当夜に警官を見た話しをします。

ブラウンの自宅アパートにて。
窓から頭を出してるサー・ジョン、ブラウン、ブラウン夫人の3人。
警官が来た話しになるがそれぞれ別に目撃してるようです。そうなると警官は2人いたことになります。
乱暴にドアをノックする音がしてます。ムーアが暴れてるらしい。

ミラー夫人の下宿にて。
メリーの部屋にはサー・ジョンの写真があります。
ブラウン夫人、スチュアート、ファーン、小柄で変わり者のトム、ミラー夫人からそんな名前が出ています。

劇場にて。
聞き込みをするサー・ジョンとブラウン。
洗面台が壊されて、タバコ入れが落ちていたと聞きます。
その壊れた洗面台のある楽屋を見に行きます。窓の下の洗面台が壊れてます。

サー・ジョンはこのへんの部屋に泊まるようです。
朝になるとサー・ジョンのベッドには子供が押し寄せてます。
主人が死体を発見したと言ってるのはミラー夫人なのか?
スチュアートが君の息子を叩いた話しになります。スチュアートのカバンを勝手に開けたら警官の制服が出てきた。
こののへんで会話からスチュアートとファーンは別人とようやくわかった。

そんなところにブラウンがお迎えに来ました。
タバコ入れの話しをするブラウン。スチュアートのタバコ入れだ。
染みがついていたがブラウン夫人はそれは血の跡だと言った。

で、ブラウンの芝居で警官を演じてるは2人いる。ファーンとスチュアート。
最初はスチュアート。第三幕でファーン。制服は2着ある。
幻の警官がいるとサー・ジョン。警官は2人いたのだ。1人目が偽物。2人目が本物。

刑務所にて。
メリーに面会するサー・ジョン。
長いテーブルの端に座って対峙するメリーとサー・ジョン。
サー・ジョンの新作の話しをするメリー。
新作には代役を立てて私は君の事件を調べてると言うサー・ジョン。

控訴しても一生刑務所なので死刑でいいと言い出すメリー。
そんなこんなで私を助けたいなら何もしないでと言われてしまう。

真実を語ってくれたら私の劇団に入れるよと勧誘してるサー・ジョン。
エレンと争いになった男の名前を聞きますがメリーはそれは原因ではありませんと名前を言わない。
私はエレンが悪口を言ったので耳を塞いでいましたとメリー。
何とかメリーを説得しようとしてるサー・ジョン。
スチュアートのだろうとタバコ入れをメリーに渡すと、これはファーンのですと指摘するメリー。
ここで面会時間が終わります。

サーカスにて。
サー・ジョンとブラウンが来てます。
ここでファーンは空中ブランコの仕事をしてます。クラウデッテと名乗って女装してる。
そんな説明をしてるブラウン。
サー・ジョンはファーンに大役を与えるつもり。

ブラウンの自宅アパートにて。
夫人と話し込むブラウン。サー・ジョンの案を説明してます。

サー・ジョンの自宅にて。
手帳にファーンの予定を書いてチェックしてるサー・ジョン。
そんなとこにファーンが来ます。主役に抜擢したので来てるわけです。

ステッキを持ってるファーン。ベネットが案内してます。
台本読みから稽古になってます。普通の舞台仕事といった感じ。

しかし台本はメリー・バーリング裁判を題材にしてると言うサー・ジョン。
困惑するファーン。まあそうなる。
当時ムーアの一座にいたファーン。

台本読みのリハーサルみたいになります。
ブランデーの話しをするサー・ジョン。ファーンは聞いてない。
そんな感じで殺人シーンの再現になります。
台本をめくるファーン。肝心のページは白紙になってます。ファーンに白状しろと言ってるようなものです。それでどうなる。

この台本は未完成ですと無難な解答のファーン。
サー・ジョンはファーンに考えてくれと言う。
台本を完成させてくださいとあくまでも無難な態度のファーンは帰ります。
サー・ジョンはまたサーカスに行こうと言ってます。それでどうなる。

サーカスにて。
ファーンの楽屋に入るサー・ジョンとブラウン。
手紙を書いてるファーン。しっかりと封をしてます。
で,ブランデーの瓶もあったりします。怪しい。
ファーンに出番だと呼び出しが入ります。
サー・ジョンに私の出番が終わると作品に素晴らしい案がある言ってるファーン。

サーカスです。象が歩いてる。
いよいよファーンの出番です。縄ばしごを登って空中ブランコです。
出し物が終わってかなり様子がおかしいファーン。

上の足場でおもむろにロープをたぐって輪を結ぶファーン。
何をするのかと思ったら首吊りジャンプを敢行する。
ここはさすがに死体は見せずに揺れるロープのみで描写してます。
そんなわけで大騒ぎになってます。
サーカスの座長がファーンの手紙をサー・ジョンに届けます。

これが芝居の結末だ。
男は火かき棒を手に飛び出す。
メリーは突き飛ばされて頭を打ち気を失う。
男はエレンを殴打して血まみれの死体を見て我に返る。
男はブランデーを飲み干し窓から劇場に逃げ込む。
そして楽屋で手を洗い洗面台を叩き壊す。
通りに集まる人々を見て震え上がるが、
舞台衣装の警官に変装し気付かれず帰宅する。

ブラウンにこれが君が見た警官だと話すサー・ジョン。
動機は愛する女性に過去の秘密をバラすと被害者に脅迫されていた。
メリーは知っていた。彼は逃亡中の囚人で逮捕の恐怖の中で生きていたことを。

刑務所にて。
出所したメリーを迎えるサー・ジョン。
エンドとなります。


そんなわけで普通の謎解き映画のよい作品でした。


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