『狂へる天才』(1931年)
この愛憎ドラマ映画の感想はネタバレ全開になっています。
マイケル・カーティス監督、ジョン・バリモア主演のバレエに取り憑かれた愛憎ドラマのようです。
1931年 Warner Bros. Pictures アメリカ作品
ランニング・タイム◆81分
原題◆The Mad Genius
プロット◆自分が育てたダンサーに固執する話しのようです。
音楽◆David Mendoza (uncredited)
キャスト
ジョン・バリモア→座長のツァルコフ
チャールズ・バターワース→相棒のカリムスキー。
ドナルド・クック→ダンサーのフェドー
マリアン・マーシュ→フェドーの恋人ナナ
カーメル・マイヤーズ→愛人ダンサーのソーニャ
ルイス・アルバーニ→舞台監督のセルジュ
アンドレ・リュゲ→ルノー伯爵
メエ・マディソン→新人ダンサーのオルガ
フランキー・ダロ→子役のフェドー
ボリス・カーロフ→子役フェドーのロシア人義父
マイケル・カーティス監督の演出はよいと思います。
全体的にバレエ映画になってます。
DVDの解説によるとボリス・カーロフが端役で出ているそうです
株式会社ブロードウェイ発売のDVDにて。
画質はまあまあ。
スクイーズ収録のフル表示
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声は Dolby Digital 2.0ch
ブロードウェイのタイトル
著作権のアラート
タイトル
Warner Bros. Pictures Inc.present
John Barrymore Vladimar Ivan Tsarakov
in
The Mad Genius
with
Marian Marsh Nana Carlova
Charles Butterworth Karimsky
Donald Cook Fedor Ivanoff
Luis Alberni Sergei Bankieff
Carmel Myers Sonya Preskoya
André Luguet Count Robert Renaud (as Andre Luguet)
Frankie Darro Fedor as a Boy
スタッフの紹介
序幕
場所 中央ヨーロッパ
時 15年前
場所 農村
雨の夜、サーカス一座にて。
主人公の座長ツァルコフは操り人形を使ったダンス劇場を見せています。
相棒のオッサンはカリムスキー。
観客は子役の男の子が1人だけ。裸足に泥が凄い。
人形の足が取れてこれを握りつぶすツァルコフ。同時の男の子の悲鳴が聞こえる。
男の子には凶暴な義父がいて鞭を持って探しに来たわけです。
折檻された男の子は走って柵をジャンプして逃げてます。
これを見てるツァルコフとカリムスキー。
折檻してる義父はボリス・カーロフが演じてるそうです。前もって知らないと全くわかりません。
男の子フェドーが逃げ込んできたのでかくまうツァルコフ。
上手い具合にごまかしたツァルコフは移動だと言い出す。
どうやら行李の中にフェドーを隠したらしい。
雨の中馬車で移動になってます。当然御者がいます。
フェドーのことをダンサー向きだと言ってるツァルコフ。
酒を飲みながらツァルコフは相棒のカリムスキーに愚痴を言う。
悪い夢の話しをしてます。
ダンサー志望が子供の頃から足を悪くして操り人形の座長になってるわけです
ゴーレムの話しになってます。魂を与えられた人形。
人間が作ったフランケンシュタイン。そんな話しになる。
人間の夢が形になった人形。
フェドーを私の分身にするのだと意気込むツァルコフ。
溶暗になります。
物語
場所 ベルリン
時 現在
場所 国立歌劇場
ダンスの練習にて。
ツァルコフとルノー伯爵。
伯爵はフェドーがこちらを睨んでると言う。それは伯爵がフェドーのガールフレンド ナナに入れ込んでいるからです。
フェドーは私が育てたと主張するツァルコフ。星野仙一みたいだ。
ナナ・カルロヴァと舞台でもフェドーの相手役です。
彼女はフェドーに売却済みですとツァルコフ。芸術家には息抜きがかかせません。わざわざ私が仕組んだとも言ってます。
それでも芸術家には恋はいらない。息抜きのみでいいとなってるらしい。
一応ナナはやめて下さいと伯爵に言ってるツァルコフ。
舞台裏にて。
ダンサーにちょっかいを出してるツァルコフ。
新人オルガに声をかけてます。事務所においでなんて言ってる。
うるさい舞台監督がいます。名前はセルジュ。不機嫌なんです。
ツァルコフですがダンサーの1人に冷たいわねと言われたりする。
セルジュに声をかけるツァルコフ。
どうやらセルジュは薬が切れたので不機嫌だったようです。この当時でヤク中とは凄い設定です。
そんなわけで薬を与えるツァルコフ。ここはシルエットで描写されてます。
フェドーとカリムスキーが打ち合わせをやってます。
そんなところにツァルコフが来ます。席を外すカリムスキー。
フェドにナナのことを聞いてるツァルコフ。
ここまでになれたのはあなたのおかげですと感謝してるフェドー。
昨晩の公演で踊りを中止したのは何だ突っ込むツァルコフ。
伯爵のことが気になったとフェドー。
あまりナナに入れ込むなと説教するツァルコフ。
そんなこんなでフェドーは舞台に戻ります。
何か考えてるツァルコフ。ルノー伯爵にナナにダイヤの腕輪と花をもう一度贈ってくださいと電話してます
それから舞台監督に電話してオルガをよこせと伝える。
オルガが来ました。色々と指示をするツァルコフ。
相棒のカリムスキーも戻ってます。
オルガにフェドーが君を気に入ってると言い出すツァルコフ。全く違います。
溶暗になります。
街の風景から劇場に戻ってます。
オルガとツァルコフ。
フェドーは全く私に興味がなかったと報告するオルガ。
で、フェドーとナナを見てるツァルコフ。
事務所にて
ツァルコフとカリンスキー。
舞台監督の話題になってます。
楽屋にて。
ナナには伯爵からの花と腕輪が届いてます。
事務所にて。
舞台監督が呼ばれてます。
その前に手紙をタイプさせるツァルコフ。
要するにナナを役から下ろす内容の手紙です。
それからナナが衣装を来たら来させるように命じるツァルコフ。
君からと届いた手紙によると舞台監督のせいにしてるツァルコフ。
今夜の公演後にナナは降板する。ソーニャに代役をさせる。
これに署名するように舞台監督に迫るツァルコフ。
さすがに署名を拒否する舞台監督。
そうなるとツァルコフは薬を1包みずつ暖炉で燃やしてます。
薬をネタに舞台監督を脅迫するツァルコフ。結局署名してる舞台監督。
舞台監督と入れ替わってナナが来ます。
フェドーがナナの楽屋に行くが当然いない。
手紙をネタにナナに舞台降板を伝えるツァルコフ。
泣いてるナナに伯爵のところへ行った方がいいと仕向けてます。
フェドーは俺のものだと言ってるツァルコフ。
ナナに書類に署名しろと迫る。これでフェドーが成功出来るんだと説得する。
署名するナナ。
そんなとこにフェドーが来ます。
今頃になってナナを愛してると言い出すが遅い。
ナナは去って。フェドーとツァルコフが口論になる。
ナナの代わりはいくらでもいる。私がお前を作ったのだとツァルコフ。
子供の頃から足が悪かったツァルコフ。プリンシパルの母親から嫌われていた。
母親は私の父であるイヴァン大公を捨てた。
お前を失えば私の人生は終わると言い出すツァルコフ。私とお前は合わせて1人の人間のようなものだと熱弁をふるってます。
それから操り人形談義になってます。
売り言葉に買い言葉でフェドーをここから去ってしまう。
舞台裏で降板すると宣言するフェドー。そんなわけで大騒ぎになってます。
想い出の操り人形ですが事務所の棚にしまってあったりします。捨ててはいない。
舞台の緞帳を閉めろとなって溶暗になります。
パリ、アパートにて。
ベランダの鳥カゴとナナ。
そんなところにフェドーが帰宅して仲いいとこを見せてます。
通りの大道芸人の歌を聴いたりしてます。
溶暗になります。
ツァルコフの自宅アパートにて。
SPレコードが回り酒を飲んでるツァルコフとソーニャ。
そんなとこにカリムスキーが来ます。ツァルコフのことを探しましたと言ってます。
休んでくださいと言ってるカリムスキー。
ツァルコフはカリムスキーの給料を上げてやるとかいいスーツを買えとか調子がいいことを言ってます。カリムスキーの話は全く聞いていない。
カリムスキーは新しい脚本の話しをする。
スペインのカップルが主人公のようです。延々と脚本の説明してます。
で、肝心の用事はフェドーの契約書がようやく見つかったので届けに来たとのこと。
カリムスキーにはすぐに帰れと言ってる。
それで契約書の内容を確認してカリムスキーを呼び止めるツァルコフ。
コートを出せと言って2人で出かけるようです。
溶暗になります。
アパートにて。
仲よく食事のフェドーとナナ。
パリ随一のバレエ団と契約したフェドー。先行きは明るい。
フェドーは出かけます。
事務所にて。
シルエットでカリムスキーにタイプさせてるツァルコフ。
フェドー・イワノフは当バレエ団と8年間の契約を交わしてます・・・
→ハリウッドではスタジオ側が俳優を7年契約が縛っていたのが有名です。
そんなわけでパリのバレエ団にクレームの手紙を出すようです。
パリだけではなく主要な都市に出します。ニューヨーク、ローマ、ロンドン、ウィーン、そんなわけでフェドーは仕事が出来なくなるようです。
バレエ公演の看板にて。
フェドー・イワノフの名前を消している看板職人達。うわさ話をしてます。
これを見ているフェドー。代わりはボリス・ダリンスキーの名前になってます。
説明セリフは使わないサイレント映画からの基本的な手法になってます。
溶暗になります。
モンマルトルの場末キャバレーにて。
そんなところでリハーサルになってるフェドー。
うるさい舞台監督からちゃんとやれと言われてる。
これを窓の外から見ているツァルコフ。
溶暗になります。
アパートにて。
寝てるフェドー。帰宅するナナ。
新聞にはツァルコフ演出、ロシア何とかバレエ団の広告が見えます。
あの人が街に来てるのねとナナ。で、口論になるフェドーとナナ。
ナナはフェドーにツァルコフみたいなことを言ってるわと指摘する。
先行きが暗い感じになって溶暗になります。
街にて。
マルティネリ興行の事務所にてオーディションです。
ここでダンサーの審査をしてるツァルコフとカリムスキー。
相変わらずダンサーに声をかけてるツァルコフ。入れ食い状態です。
そんなとこにナナが私的な用事で来たと伝えられる。
別室にて。
ツァルコフとナナ。
仕事がないフェドーのことを話すナナ。
君のせいだよとツァルコフ。これはひどいな。
仕事が出来るようになる条件は別れることだと言い出すツァルコフ。
そんな感じでまた別れるように迫ってます。
『椿姫』の話しを出すツァルコフ。この通りにすればいい。
またルノー伯爵の名前を出して速攻で電話までしてます。
泣いてるナナに泣くなと言いつつ伯爵に色々と話してるツァルコフ。
溶暗になります。
アパートにて。
帰宅するフェドー。ナナはいない。
ナナを探すと奥の部屋にツァルコフがいたりします。これはビックリのフェドー。
フェドーを説得にかかるツァルコフ。
彼女は発ったよ。列車でルノー伯爵はとベルリンへ向かった。
カネに惑わされない女はいないと断言するツァルコフ。
溶暗になります。
列車にて。
ナナとルノー伯爵。上機嫌な伯爵。
すぐに溶暗になってます。
広告です。ツァルコフ来たる。
看板はフェドー・イワノフの名前になってます。
舞台でリハーサルになってます。
フェドーはご機嫌斜めです。ダンサーは総入れ替えだと言ってる。困惑してる舞台監督。
ツァルコフが来てフェドーをなだめる。しかフェドーは今夜の公演は中止だ。ベルリンが初日だと言っていなくなる。
ツァルコフは今夜の公演は中止にはしない。このままでいいと言ってます。
ベルリンにて。
ナナとルノー伯爵。ロベールは伯爵の名前だ。
伯爵から花をもらうナナ。それからフェドーが出るベルリン公演初日のチケットもプレゼントされてます。
ベルリン公演初日にて。
貴賓席にはナナとルノー伯爵がいます。
もう公演は一段落してカーテンコールを受けてるフェドー。
舞台裏ではまたカリムスキーがヒゲのオッサンに脚本を読んでくれと言ってます。
楽屋のツァルコフとフェドー。
次の幕でもその調子だと言ってるツァルコフ。
しかしフェドーは次の幕はないと言い出す。ダンスは辞めますと宣言する
貴賓席のナナと目が合ってお互いに理解してと主張するフェドー。
お前のために15年やってきたと説得のツァルコフ。
そんなこんなでフェドーは次の幕もやるようです。
最終幕が始まってます。
シルエットでまだ薬を使ってる舞台監督。
この巨大な顔のセットはただの石膏だ。死んでると言ってます。
斧でセットの鼻の部分を壊してます。
そんなところにツァルコフが来ます。
成り行きでツァルコフと舞台監督の格闘アクションになってます。
何しろワーナーなのでそうなる。ここもシルエットで描写されてます。
どうやら舞台監督は斧を使ってツァルコフを片づけたようです。見えないけど結構スプラッタな感じです。
フェドーはちゃんと舞台を務めてます。
幕が開いてセットが見えたらツァルコフの死体が引っかかってます。
これはビックリのフェドー。そんなわけで観客は大騒ぎになってます。
ダメ押しでツァルコフの死体がセットから落ちて舞台前まで転げ落ちる。
またパニックになってる観客達。いっせいに逃げて大騒ぎがひどくなってる。
慌てて幕が引かれています。
それから再会するフェドーとナナ。キスになってます。
ツァルコフの死体のそばにいる相棒のカリムスキー。
警察が2名ほどいます。
エンドとなります。
そんなわけで愛憎ドラマのよい作品でした。
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