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2015.11.08

『青空娘』(1957年)

この作品は、増村保造監督、若尾文子主演のメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1957年 大映 日本作品
ランニング・タイム◆88分
原題◆あおぞらむすめ
プロット◆いじめられて母親捜しをする話しのようです。
音楽◆小杉太一郎

キャスト
若尾文子→母親捜しの小野有子

菅原謙二→二見桂吉先生
川崎敬三→会社員の広岡良輔

信欣三→父親の小野栄一
沢村貞子→本妻の小野達子
品川隆二→大学生の小野正治
穂高のり子→姉の小野照子
岩垂幸彦 次男の小野弘志
ミヤコ蝶々→女中の八重

東山千栄子→広岡良輔の母 広岡静江
三宅邦子→有子の実母 三村町子
滝花久子→有子のおばあさん
町田博子→岡田の小母さん

八潮悠子→有子の同級生 米川信子
清川玉枝→信子の叔母 ジャズ喫茶をやってる。
藤田佳子→同級生の津村順子
矢島ひろ子→自称モデルの稲川育子

南都雄二→魚屋の哲五郎
柴田吾郎→靴屋の客 (as 田宮二郎)

増村保造監督の演出はよいと思います。
全体的に普通のドラマになってます。

キャストで、
若尾文子は普通に好演。
菅原謙二も普通に好演。
川崎敬三はこの作品では普通の好青年を演じてます。まあまあ。
旦那を演じる信欣三は小物っぽくていい感じ。

角川書店発売のDVD
画質はまあまあ。元がアレなのでこんなものでしょう。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch

DAIEI VIDEOのタイトル

大映のタイトル
プロローグ。
伊豆の海岸にて。
3人で卒業の記念撮影をしてます。
小野有子と2人。名前がわからん。
有子が東京に行く話しになります。私だけ病弱だったので伊豆にいたとか。

そんなとこに二見桂吉先生が来ます。
有子のおばあさんが具合が悪くなったとこと。

自宅にて。
二見先生の自転車で送ってもらってる有子。

危篤のおばあさんは有子に大事な話しをする。
東京のお母さんは本当のお母さんではないと話すおばあさん。
本当のお母さんは満州に行って行方不明になった。

海岸にて。
お母さんと呼んでる有子。
伊豆の海岸から満州は全く反対方向だそうです。映画だから。

何だか『グリーンベレー』(1968年)のラストの海岸で夕日が出ているは全くの方向違いでしたというのを先取りしてるように思える。
→ベトナムの海岸は東にしかない。

草むらに寝ころんでいる有子。
そんなとこに二見先生が来て青空の話しをする。
二見先生も東京に行く話しをしてます。仕事をしながら絵の勉強をする。

『青空娘』
タイトルバックは東京へ向かう列車のモンタージュです。

東京の駅にて。
有子は青山の小野家までの道順を聞く。
しかし東京の人は非常にせっかちで風変わり。何だかわからん有子。
パンパンとオカマのコンビが出てます。
パンパンの「ヘイ、ジョージ」のセリフは何となく凄い。パンパンという言葉の語感も何となく凄い。バカな売春婦というのをよく表現してます。
宗教というかキチガイの男も出てます。演じてるの藤山浩一のようです。

そんなとこに小野家の女中のミヤコ蝶々がコンタクトしてきます。
タクシーで移動となります。「ヘイ、タクシー」とモダンだ。

青山の小野家にて。お屋敷です。
タクシーで到着した有子と女中さん。
少年の弘志がさっそく軟球を投げて絡んできます。いきなり女中呼ばわりしてる。

2階ではジャズバンドの練習なんてやってます。
長男の小野正治がトランペット担当。
弘志が女中が来たと触れ回る。姉の照子にも言ってます。

最初から姉の照子にも女中扱いされている有子。
そういえば前半はシンデレラらしい。

タクシーで達子奥様が帰宅します。
挨拶する有子ですが階段下の物置をあてがわれる。

階段下の部屋にて。
あまり気にしない有子は籐イスで寝ています。
溶暗になります。

まだ寝ている有子。それでも着替えはしたらしい。着物になってます。
窓を開けて青空さんとあいさつしてます。

女中仕事になる有子。
電気だかガスの炊飯器、ジューサーもあります。当時最先端の台所です。
他には電気掃除機もあります。おそらくアメリカ製。
朝食は家族はそろわない。

台所にて。
魚屋が来ます。女中さんが相手をする。

庭で芝刈りの有子。芝刈り機があります。
そんなとこに弘志が宿題をやれと絡んできます。
かかってきなさいと取っ組み合いになってる有子と弘志。
「女中なんかにまけるもんか」のセリフがいい。
投げ飛ばされて腕をひねられて押さえ込まれて降参してる弘志。
そんなわけでケンカに勝って宿題まで教えてる有子。

道路でキャッチボールの弘志とその他。
クルマが駐車してます。これが当時の高級車ばかり。

庭では卓球大会になってます。テーブルテニス。
会社員の広岡良輔が登場。この集まりは照子とのお見合いも兼ねているらしい。
大勢の中に叶順子がいます。声でわかった。

成り行きで広岡と卓球をする有子。
最初はヘナチョコですがエプロンを外してスリッパを脱ぎ気合いを入れて好試合となります。
結局は広岡に勝っている有子。盛り上がってはいるが照子は収まらない。
有子に説教する達子奥様。ここは省略してる。

台所にて。
女中さんに怒られたとあまりしょげない有子。
そんなとこに弘志が来て卓球に勝ったことを喜んでくれる。それに女中ではなくお姉さんと呼んでくれる。

黒いリムジンが到着します。
旦那の小野栄一が帰宅する。有子には優しくしてる。
そうなると達子奥様は収まらない。

階段下の部屋にて。
弘志と有子。
私は空想が好きなのよと有子。あなたもやりなさいと言う。
弘志の空想は両親が仲良く兄と姉は自分に優しくと世知辛い。

旦那と達子奥様は口論になってます。
何だか旦那は物わかりがよ過ぎて達子奥様が収まらない感じ。
そんなとこにに有子が来て成り行きで自分から女中になりましたと言う。
気まずい雰囲気になってます。

電話です。有子がとります。
二見桂吉から有子にでした。ちょうどいいタイミング。
何かあったら訪ねて来なさいと自宅アパートの住所を教える二見先生。

二見先生は赤電話の公衆電話センターからかけていました。
当時は自宅有線電話はまだ普及していなかった。もちろん携帯電話はない。

女中仕事の有子。
アイロンをかけてます。
そんなとこにに女中さんからお迎えのお車がと呼ばれる有子。

東京貿易何とかのビルにて。
エレベーターで広岡と会い案内してもらう有子。
どこに来たのかという父親の迎えで会社に来たわけです。

有子と小野栄一社長。
母のことを聞く有子。
本妻がいて秘書を2号にして、その子供が有子なわけです。
逆恨みでそりゃ女中扱いされます。

母親の写真を見せてもらう有子。美人です。
写真をハンカチで包んでる有子。

街にて。
有子と小野栄一社長。
ゆっくりと話しをしよとうなってます。
洋服店に入ります。洋装店ヤナセ。クルマのディーラーではない。
帽子や服を買ってもらう有子。
それで母親の写真をちょうだいとお願いしてる有子。もらいます。

隣の靴屋にて。
ここに客の男が2人いて目撃する。そのうちの1人が田宮二郎です。
そうなると田宮二郎はバンドメンバーで小野家にはいたはず。

ダンスホールにて。
有子と小野栄一社長。
ビールを飲んでダンスとなってます。有子はまだビールはだめか。
家を出ると言う有子。小野栄一社長はいてくれと頼む。
そんなわけでもう少しいることにする有子。

お使いの有子。
途中で自転車の魚屋とコンタクトする。
鯛の切り身をゲットする有子。

小野家にて。
太った奥様が来てます。広岡良輔の母 広岡静江です。
演じてるのは東山千栄子だとすぐにわかります。
ここの本妻が沢村貞子なのでキャストは豪華です。

どうやら奥様は息子に聞いて有子がお目当てで来たらしい。
卓球で勝った話しをしてる奥様。完璧に人違いしてます。
そんなわけで面目丸つぶれの照子。

お使いから戻る有子。
クルマで来てる広岡とコンタクトします。
母親が来たので心配してるの?。

長男の小野正治が照子に余計なことを吹き込んでます。
父親が有子と銀座の街を歩いてるのを友達が見た・・・

テニスコートにて。
その外で有子と広岡。クルマで来てるようです。
有子が高校時代の先生が好きなのよと言ってもあまり気にしない広岡。

小野家にて。
帰宅する有子。女中さんがえらいこっちゃと知らせる。
階段下の有子の部屋が荒らされた・・・
荷物がめちゃくちゃになってます。やったのは照子らしい。
大事な母親の写真がないので直談盤に行く有子。

照子の部屋にて。
ここに入り写真を返してと迫る有子。

別な部屋では旦那と達子奥様も口論になってます。
小野家はもう大変な状況になってます。

写真と引き換えに家から出て行けと言われる有子。
しかし写真は目の前で破り捨てられる。
さすがに頭に来た有子は大げんかになって照子を押さえつける。

荷物をまとめて犬にエサをやってここから出ていく有子。
犬にサヨナラとあいさつして出て行きます。

街にて。
春陽堂のビルが目に付きます。江戸川乱歩の文庫本でおなじみです。
有子は二見先生が務める会社に行きます。

雑居ビルの会社にて。
ここに掃除のおばさんがもしかして有子の母親なのか?そんな感じ。
しかしまだコンタクトしない。

会社にて。
二見先生は大阪出張の準備でいない。
自宅アパートの住所を教えてもらう有子。

東中野駅にて。
到着して駅から出てる有子。踏み切りを渡る。

二見先生の自宅アパートにて。
出張の準備をしてる二見先生。そんなとこに有子が来ます。
ここに来た理由は聞かずに酒かワインを飲ませてる二見先生。

ここにいていいと鍵を渡してお金を渡して青空のことまで言って出かける二見先生。
いちいち出たら戻って1つずつ用件を片づけてるがいい。

そうなると有子は部屋の片づけぐらいしかやることがない。
絵がありますがどうやら有子の肖像画らしい。二見先生が裏側にしていた。

そんなとこににモデルの女性が来ます。同じアパートに住んでるらしい。
私と二見先生は恋人関係なのよとホントか嘘がわからんことを主張するモデル。
名前は稲川育子と言ってる。
そんなわけでここにはいられませんと出ていく有子。

広岡の会社にて。
有子から電話です。すぐ行きますと仕事を放り出して出かける広岡。
仕事なんてどうでもいいらしい。

喫茶店にて。
有子と広岡。
田舎に帰る。母親を捜すのが目的。実家は母親か来るかもしれない唯一の場所。
それで広岡からお金を借りるのが用件の有子。
広岡は借りるのではなく受け取ってくれ。たまには自分の言うことを聞いてくれと熱心に頼む。
そんなわけで気持ちよく貰う有子。
それから何故か靴も預ける有子。これもはシンデレラのネタかもしれない。

列車にて。
マジで実家に帰ってる有子。

実家にて。
帰宅してる有子。昼寝してるおばさんを起こしてあいさつしてます。
おばさんから3日前に母親が来たと聞いてビックリの有子。すれ違いです。
しかも東京で暮らしてる母親の住所は不明とのこと。
「バカなお母さん」と責める有子。

海岸の岬にて。
お母さんと呼ぶ有子。伊豆から東京なら方向は何とか合います。
そんなとこに誰かが来ます。同級生でした。二見先生もいる。

同窓会にて。
有子と二見先生。他の同級生達。
二見先生とお付き合いしたい人は手を上げてと言われるが有子だけが上げず。
あのモデルともめたので当然そうなる。

列車が走ります。
有子は実の母親を探しに東京に行きます。

東京です。食堂にて。
電話してる有子。広岡にかけてます。
テーブル席に戻ると二見先生がカレーを食べてます。
二見先生が何か言おうとしたらもう広岡か来てしまった。

3人で話しになってます。
お母さんの写真を見せてる有子。破られたのでセロテープでつなげてあります。
写真を見て見覚えがあると言う二見先生。しかしそれ以上はわからん。
で、二見先生は会社に電話するといなくなる。すぐに戻ってきます。
有子と広岡は紹介されたジャズ喫茶に行く。

残った二見先生は独り言を言う。
同じテーブル席に座ったおっさんはかかわりたくないので新聞を呼んでるふりをする。新聞は映画の小道具でおなじみの毎朝新聞ではなく本物の読売新聞です。
どうして写真を見て会社を思い出す独り言と二見先生。自分でもおかしいと思ってる。

ジャズ喫茶にて。
歌が入ってます。結構長い。
生バンドが入ってます。そうなるとあの長男がトランペットを担当していたりする。
何だか有子に気がついたようです。
メガネの作家がホステス相手に何やら自慢話をする。

ここの下働きをやるつもりの有子。心配そうな広岡。
ここのマダムが心配するなと広岡を説得してる。

二見先生の自宅アパートにて。
出張から帰宅する二見先生。
そこにはモデルの稲川育子が寝ていた。これはビックリの二見先生。
何だか痴話喧嘩になってます。修羅場です。でも乾いた感じなのがいい。
そんなこんなで自分のアパートから出ていく二見先生。

会社にて。
しょうがないので二見先生はここに来てます。
会社の鍵を開けてもらうとこで有子の母親だと気がつきます。

小野有子をご存知?と聞く二見先生。
知りませんとおばさん。

ジャズ喫茶の裏口にて。
ゴミを捨てている有子。そんなとこに弘志が来ます。
正治兄さんに教えてもらったと話す弘志。
それで父親が病気になったと伝える弘志。

広岡の会社にて。
二見先生が来てます。有子の母親はまたいなくなった。
そんなわけで広岡に捜してくれと頼む二見先生。
広岡から何であなたが探さない?と突っ込まれると自分はカネがないのでまず仕事優先なんだと言い訳していなくなります。

遊園地にて。
高架の地下鉄丸の内線が見えるので後楽園のようです。
有子と弘志。
父親が自宅療養なので行く気がなくなってる有子。てっきり入院してる思ったらしい。
それでどうする。

下町にて。
高架鉄道が見えます。どのへんなのかわららん。
クルマで来てる広岡。どうやら実の母親の住所がわかったらしい。

「三村さん、有子さんが交通事故です」と騙って呼び出す広岡。
そんなわけでで無事にコンタクトしてます。
実の母親を演じてるのは三宅邦子です。いつもの役といった感じ。
それで有子に会ってくれるように説得する広岡。

小野家にて。
帰宅の弘志が裏口から入る。女中さんに有子お姉さんは元気だと伝える。

ジャズ喫茶にて。
二見先生と広岡。有子が来ます。
それで有子を連れて出かける広岡。
残った二見先生はマダムと乾杯をする。

料亭にて。
広岡に言われて目隠しして階段を登る有子。
登りきった小部屋で目を開けて母親と感動の再会する有子。

小野家にて。
旦那は寝込んでます。氷のうの小道具が何というか古典的。
達子奥様は相変わらず冷たい態度。

料亭にて。
女中さんと弘志がタクシーで有子を迎えに来てます。
母親は残って有子だけが行きます。

小野家にて。
照子がじゃまするけど父親と面会する有子。
いきなりサヨナラねとお別れとあいさつになってます。
それから実のお母様と会ったと伝える有子。
旦那を説得する有子。奥様を愛してやりさいと言う。
奥様にサヨナラとあいさつする有子。お姉さまお兄さまともサヨナラとあいさつする。

女中さんと弘志とお別れのあいさつになってます。
弘志には他人だと仲がいいのよとフォローする。
それでここから出ていく有子。外には広岡が待っています。

旦那は達子奥様に謝罪してます。
これで丸く収まるようです。

エピローグ。
伊豆の海岸にて。プロローグに戻ってます。
有子と広岡。それに二見先生は実の母。
仲のいい2人を見ている二見先生は母親にお嫁さんが欲しいと言う。

青空にサヨナラと言う有子と広岡。
エンドとなります。
珍しく後タイトルもあります。


そんなわけで普通のメロドラマのよい作品でした。


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